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そんな事を聞かれたとしても、僕としては何を当たり前のことを、そうとしか言いようもない。
「え、何か、勘違いするようなところあった。」
「その、えっと。」
彼女より背も低いし、まぁ言ってはあれだけど僕の方が細いし。
もう少しこう、肉を付けたいなとか、身長が欲しいなとかは思うけど、あまりたくさん食べられないからまぁ仕方がない。
声は、まぁ見た目通りそこそこ高いほうだと思うけれど。
同じ学校の男子たちは、それこそ声変わりも終わって、すっかり僕とは質の違う声出し。
「その、ごめんね。特に隠してたつもりじゃないけど。」
何やら、そのことにひどく衝撃を受けたらしい彼女にそうして思わず謝ってしまう。
僕が何か悪いことをした、そんん訳でも無いのだけど。
「その、夜一人で山道に来てたりしたから。」
「君もだよね。」
「その、帽子に髪が入ってて、短く見えたし。」
「いや、汗かくと張り付いて気持ち悪いし。」
「体の線が見えない格好だったから。」
「寒いじゃん。まだ。」
彼女と僕、そんなやり取りをしてると、祖母がおかしそうに笑っているのが目に入る。
「えっと、それに僕って。」
「うん、僕だよ。言いやすいし、似合ってるでしょ。」
そう違和感がなかったから、今更担って言うという事は、これまでそれに違和感を覚えなかった、そういう事なのだから。僕は僕だ。他にも試してみたけど、どうにもしっくりこなかったし、学校でもこれ。
「えっと、スカートとかは。」
「え、山道歩くのに、肌が出ると危なくない。」
「私はタイツはいてるし。」
「へー。」
そんな方法もあるらしい。ただ、僕としては答えは決まってるけど。
「石拾ったりするときに、裾邪魔だし。あんま好きじゃないんだよね。動きにくいから。」
「えっと、そうなんだ。」
「うん。かーさん、たまに買って来るけど、自分で選んでは着ないかな。それが嫌で私服の学校選んだし。」
「あ、そんな話してたね。」
「あら、そうなの。」
そう言えば、祖父母にはまだ話していなかったっけ。祖母に改めて聞かれてそれを思い出す。
「うん。なんかどっこもスカートだし、趣味に合わないし。」
「そう。それで頑張ったのね。」
「だって、三年も好きじゃない格好なんて、したくなかったから。」
好きでもないことを三年も我慢する、好きなことを一年我慢する。それを僕なりにすごく真剣に悩んで、それで決めたのだ。我慢は一年と。
「そうか。それで叶えたなら、何よりだ。」
「話してなかったよね。ごめんね。ここに来た時に話せばよかったね。」
「いいさ。自分で選んで、それが出来た、それ以上に大事ではない。」
「ええ、そうですとも。さ、冷めてしまう前に食べましょう。
それとさっきも言ったけど、お爺さんが後で車を出しますから、案内してくださいね。」
「あ、えっと、はい。そのご迷惑を。」
「迷惑なら遠ざけている。」
「その、ありがとうございます。」
食事中は、僕と祖父は相変わらず口数少なく、聞かれたことに応えるだけ。
そうしていると、祖母と彼女があれこれとはなしだす。
ひょっとしたら祖母はそう言う食事の方が好きなのかもしれないと、今更ながらにそんなことに気が付く。
僕はそもそも両親が食事中はあまり口を開かないからこうなったけど、今の祖母を見ていれば、そうでもないとそう思えるのだから。
「あら、あの子、今は天文部の顧問をしているのね。」
「その、ご存じなんですか。定年されて、非常勤らしいんですけど。」
「部活の後輩ですもの、懐かしい。」
「そうなんですね。だから引き受けてくれたのかな。」
「どうかしら。あの子入部してきたときは、星座の本ばかり読んでいたから。」
「え。そうなんですか。色々と詳しくって、プラネタリウムの自作とか、教えてもらったんですけど。」
その話を聞いて、思い出す。そうだ、僕はそれにも興味があるんだった。
「そういえば、簡単に作れるって。」
食事中にしては珍しく、同年代の気安さもあるけれど、学校では賑やかに食事するのが好きな子も多いから、その時の感覚で気になる話題に僕も飛びついてみる。
「えっとね、段ボールとかでもいいけど、それに穴開けて、ほら持ってたランタンあるでしょ、アレを覆うだけだから、すごく簡単に言っちゃうと。」
「へー。」
「一応正しい星図に合わせてってなると難しいから、えっと色んな所で公開されてるのを使って、それに合わせて穴をあけるんだよ。」
「そんなのがあるんだ。」
「本当に色々。それこそ星の明るさが分かるように穴の大きさが違うのとか、星座が絵になってるのとか。」
「えっと、日本以外も。」
「うん、日本以外も。」
そんな話をしていると、やはり祖母が楽し気にする。
もしかすると、僕がこれまでここにいるときは、大人ばかりに囲まれていたとか、そんなことを機にしているのかもしれない。
それにまぁ、こっちにいる間は大抵祖父と一緒に鉢植えに夢中だったし。
祖母の好きな事は前も考えたけど、あまり知らないし、一緒に何かしたこともなかった。
星座の話になる前は、彼女は祖母と色々と料理の話をしていたりもしたけど、正直食べることに僕はそこまで興味もない。
その話をしても、多分続かないだろうと、そうして避けてきたのだけれど、彼女経由で興味を持った星の話、そんな物をもう少し祖母に聞いてみてもいいのかもしれない。
前は、普段暮らしている所では見ることのできない、こちらでしか見れない本当に綺麗な星空に圧倒されて、ぼんやり見ている時に、祖母にあれこれと言われて、すっかり聞き流してしまっていたのだから。
「え、何か、勘違いするようなところあった。」
「その、えっと。」
彼女より背も低いし、まぁ言ってはあれだけど僕の方が細いし。
もう少しこう、肉を付けたいなとか、身長が欲しいなとかは思うけど、あまりたくさん食べられないからまぁ仕方がない。
声は、まぁ見た目通りそこそこ高いほうだと思うけれど。
同じ学校の男子たちは、それこそ声変わりも終わって、すっかり僕とは質の違う声出し。
「その、ごめんね。特に隠してたつもりじゃないけど。」
何やら、そのことにひどく衝撃を受けたらしい彼女にそうして思わず謝ってしまう。
僕が何か悪いことをした、そんん訳でも無いのだけど。
「その、夜一人で山道に来てたりしたから。」
「君もだよね。」
「その、帽子に髪が入ってて、短く見えたし。」
「いや、汗かくと張り付いて気持ち悪いし。」
「体の線が見えない格好だったから。」
「寒いじゃん。まだ。」
彼女と僕、そんなやり取りをしてると、祖母がおかしそうに笑っているのが目に入る。
「えっと、それに僕って。」
「うん、僕だよ。言いやすいし、似合ってるでしょ。」
そう違和感がなかったから、今更担って言うという事は、これまでそれに違和感を覚えなかった、そういう事なのだから。僕は僕だ。他にも試してみたけど、どうにもしっくりこなかったし、学校でもこれ。
「えっと、スカートとかは。」
「え、山道歩くのに、肌が出ると危なくない。」
「私はタイツはいてるし。」
「へー。」
そんな方法もあるらしい。ただ、僕としては答えは決まってるけど。
「石拾ったりするときに、裾邪魔だし。あんま好きじゃないんだよね。動きにくいから。」
「えっと、そうなんだ。」
「うん。かーさん、たまに買って来るけど、自分で選んでは着ないかな。それが嫌で私服の学校選んだし。」
「あ、そんな話してたね。」
「あら、そうなの。」
そう言えば、祖父母にはまだ話していなかったっけ。祖母に改めて聞かれてそれを思い出す。
「うん。なんかどっこもスカートだし、趣味に合わないし。」
「そう。それで頑張ったのね。」
「だって、三年も好きじゃない格好なんて、したくなかったから。」
好きでもないことを三年も我慢する、好きなことを一年我慢する。それを僕なりにすごく真剣に悩んで、それで決めたのだ。我慢は一年と。
「そうか。それで叶えたなら、何よりだ。」
「話してなかったよね。ごめんね。ここに来た時に話せばよかったね。」
「いいさ。自分で選んで、それが出来た、それ以上に大事ではない。」
「ええ、そうですとも。さ、冷めてしまう前に食べましょう。
それとさっきも言ったけど、お爺さんが後で車を出しますから、案内してくださいね。」
「あ、えっと、はい。そのご迷惑を。」
「迷惑なら遠ざけている。」
「その、ありがとうございます。」
食事中は、僕と祖父は相変わらず口数少なく、聞かれたことに応えるだけ。
そうしていると、祖母と彼女があれこれとはなしだす。
ひょっとしたら祖母はそう言う食事の方が好きなのかもしれないと、今更ながらにそんなことに気が付く。
僕はそもそも両親が食事中はあまり口を開かないからこうなったけど、今の祖母を見ていれば、そうでもないとそう思えるのだから。
「あら、あの子、今は天文部の顧問をしているのね。」
「その、ご存じなんですか。定年されて、非常勤らしいんですけど。」
「部活の後輩ですもの、懐かしい。」
「そうなんですね。だから引き受けてくれたのかな。」
「どうかしら。あの子入部してきたときは、星座の本ばかり読んでいたから。」
「え。そうなんですか。色々と詳しくって、プラネタリウムの自作とか、教えてもらったんですけど。」
その話を聞いて、思い出す。そうだ、僕はそれにも興味があるんだった。
「そういえば、簡単に作れるって。」
食事中にしては珍しく、同年代の気安さもあるけれど、学校では賑やかに食事するのが好きな子も多いから、その時の感覚で気になる話題に僕も飛びついてみる。
「えっとね、段ボールとかでもいいけど、それに穴開けて、ほら持ってたランタンあるでしょ、アレを覆うだけだから、すごく簡単に言っちゃうと。」
「へー。」
「一応正しい星図に合わせてってなると難しいから、えっと色んな所で公開されてるのを使って、それに合わせて穴をあけるんだよ。」
「そんなのがあるんだ。」
「本当に色々。それこそ星の明るさが分かるように穴の大きさが違うのとか、星座が絵になってるのとか。」
「えっと、日本以外も。」
「うん、日本以外も。」
そんな話をしていると、やはり祖母が楽し気にする。
もしかすると、僕がこれまでここにいるときは、大人ばかりに囲まれていたとか、そんなことを機にしているのかもしれない。
それにまぁ、こっちにいる間は大抵祖父と一緒に鉢植えに夢中だったし。
祖母の好きな事は前も考えたけど、あまり知らないし、一緒に何かしたこともなかった。
星座の話になる前は、彼女は祖母と色々と料理の話をしていたりもしたけど、正直食べることに僕はそこまで興味もない。
その話をしても、多分続かないだろうと、そうして避けてきたのだけれど、彼女経由で興味を持った星の話、そんな物をもう少し祖母に聞いてみてもいいのかもしれない。
前は、普段暮らしている所では見ることのできない、こちらでしか見れない本当に綺麗な星空に圧倒されて、ぼんやり見ている時に、祖母にあれこれと言われて、すっかり聞き流してしまっていたのだから。
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