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パウとオユキ 前
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改めてパウと向き合って、オユキは考える。
これまでにも、それこそ、何度となくこうして向かい合った物だと。
そして、何処までも過去を思い起こさせるのだ。
成程、己は此処までの事を、こうしたあまりにも分かり易い不利をトモエに押し付けていたのだなと。
かつてのトモエに、秋守の性を名乗っていたころに、同じ月代となった時にも。
己の方が、頭一つよりも背が高く。
当時の平均より僅かに高いだけではあったのだが、それでも人込みでは少し頭が抜けようかという背丈。
翻って、かつてのトモエのほうは少し小柄であったのだ。
パウとオユキ、今ここにある差と比べてしまえば遥かにましだとは言え、それでも差異はあったのだ。
目を見張るほどの、真っ当な競技であれば、スポーツとして執り行うのであれば成立しない程の。
だが、それでもかつてのトモエは平然と技をもって返して見せたのだ。
最初の頃は、力でも圧倒されていたものだが、気が付けば其処ではトモエを下すことが出来るようになった。
つまりは、身体とそこから生まれる能力と。
その二つを覆すだけの、確かな技をかつてのトモエは当然のように修めていたのだ。
パウを前にしても、過去へと向かうオユキの心はどうにも止まらず。
パウに向ける意識は、聴覚と思考の一部。
黙して、思考の大半は、ほとんどの意識は過去のトモエの姿に。
原風景と呼べるものかと言われれば、少し考えた上で頷いて応えるだろう。
初めて足を運んだ先、少なくともオユキはそう考えている場所。
そこで、初めて目にしたのは、差し込む陽の光を輝きと返す太刀を手に持ち、
木でできた刀を片手に、大の男に平然と向かい合い。
さらには、その相手でさえ当然とばかりに下して見せた姿。
一本の刀と、美術品の如き美しさを感じさせたかつてのトモエの佇まいが今もオユキの瞼の裏にある。
その姿を思い浮かべ、今の己を振り返って。
「結局、届きませんでした」
オユキの口をついて出るのは、ただただ悔恨の言葉だけ。
トモエがおらねば、確かにオユキは早々にこちらでの、未だに悩むこの世界における己の生にさっさと幕を下ろしたことだろう。
今もまだ、どうにかここまでやってこれたのはトモエがいたから。
だが、トモエがいたから、トモエの願いがあったからこそ此処までの負担をオユキは得る事になったのも事実。
そして、その事実がやはりオユキを苛むのだ。
繰り返し夢に見る事、夢の中で法と裁き、知識と魔と向かい合って、問答を繰り返して。
時には、それこそトモエの存在を異様だと、戦と武技の罪の一つだと話すその二柱に対して刃を向けて。
この世界は、異邦人として呼ぶことが出来るのは過去にゲームという名の世界を超えるための接続機器。
本来それを使った事のある者だけなのだ。
だというのに、ゲームを一切遊んでいないトモエがこちらに来た。
かつての世界の創造神という、こちらの上位に位置するらしい神の許可を得た上で、許可を何故だか得られたうえで、こちらにトモエが確かにいる。
それを可笑しなことだと、何度も気が付く度にオユキからその記憶を奪い続ける者たちに対して激しい怒りを。
そして、その様なトモエの特別を罪だと断じるその二柱に対しての嫌悪として。
こうして王都に戻ってくる数日前に、戦と武技に刃をトモエがどうにか届けて。
こうして常の記憶として意識が出来る様になるまで、こちらに来て半年も経たぬうちから何度でも繰り返してきた事がいよいよオユキという存在をこちらで磨き続けたのだ。
裏層に置ける最高位の柱。
表層に置ける、創造神についで幅広く月と安息と比べても肩を並べるほどになった柱。
トモエとオユキが、散々に魔術文字の恩恵を、門を、既に馬車で使われていた重量軽減の文字を切り出して広めたことで、勢いの増したその柱への信仰。
是非とも、戦と武技に向けてほしいと考えては見たものの、そうはならなかった。
結局、後の事をアイリスとケイ、タカトラに任せる事になる。
「唯一の残念と、言っても良い物でしょう」
「本当に、それだけなのか」
「ええ、私はそうです。レジス侯爵という名にしても、既にローレンツに任せています。ファンタズマ子爵家という括りでならば、エステールからシェリアへと恙無く渡る事でしょう」
「そのシェリアが」
「ウニルに用意した屋敷、あちらをシェリアに、始まりの町をエステールとローレンツ、タルヤに。領都はハルノブさんに。王都をケイが使うでしょう」
「そして、武国と氷の乙女の里にあるものにしても、それぞれにか」
パウの言葉に、こちらに来てからさして長くも無いというのに、本当に方々に住処ばかり用意したものだと思わず苦笑いがこぼれる。
唯一長逗留しても居を構えなかったのは、素材が無かったというよりもいよいよもって姫どころではなく、女王と呼ばれる振る舞いを平然ととっていたアイリスによって貸与されていたから。
家督については、最期までもめたのだが長く側にいたエステールに任せる、そうオユキが断言をしたことで決着がついた。
「オユキは、結局こちらに心を遺すものを作らなかったな」
「そう言う訳でもありませんよ。皆さんをはじめ、ええ、今後良くなるようにと」
トモエと同様、少年たちはいつ頃からか気が付いていたのだろう。
トモエではなく、オユキこそがこちらに残ろうと考えていないと。
一年も立たない頃には、戦と武技の巫女として、そう呼ばれるようになって一人で立ち上がれぬほどの負荷を得る様になってから確実にオユキを蝕んでいった物。
切欠として、致命的な物は両親がこちらに等と言う話であっただろうか。
そこから、神を卸して、マナ等と言ういよいよ理解が出来ぬものを己の中から、己の本質か、根源から削られながら。
「オユキは、自分の事を」
「どう考えているのかと言われれば、また難しい話になりますが」
「この半年の間は、俺達も、途中まではついていったが」
「ええ、こちらに来てから初めてというのも、おかしな話ですが」
そう、オユキの疲労が、あまりにも投げやりになっている様子だからと。
トモエが、オユキを連れ出したのだ。
半年の間、年が明けてから後の事はいよいよ知らぬと、全てを一度放り出して。
それほどに、オユキは疲労が溜まっており、ユキネをはじめとした、氷の乙女たちの補助を受けても自分で歩けないほどになったオユキを、トモエが攫って見せて。勿論、協力者はかなり多かった。
「楽しい日々でした、楽しい日々には違いありませんでした」
そして、結果として、この世界でオユキが目標としたことは達成できなくなった。
それを、理解の上で選んだこともある。
トモエは、戻って来てから、それこそ急いで回ればよいとそんな話をしたものだがオユキはそれを良しとしなかった。
もはや、そのような気力が存在していなかった。
「ですが、結局トモエさんの目的は果たせず、私が為そうとしたことも、やはり無理でしたから」
「門は、既に全ての神殿に置いただろう」
「私が向かう度に、酷い負荷を得る事になりますから。それに、間の国を飛ばしてとなっているところも非常に多く、そこからまた面倒を言われてもいるのですよね」
門は、神殿に置くと決めている。
勿論、そうでは無い物もあるがそれをオユキが得るつもりはない。
その様に用意されている物ではない。
だが、誰も彼もがオユキに求めるのだ。
初めて門を得た巫女に、あまりにも便利なその奇跡をお前は神に願えるのだから、一つでも多く。
少しでも、この世界に巫女として奉仕せよと。
使われている奇跡は、魔術文字はそもそも戦と武技は一切関係が無いものだというのに。
「今回の事で、少しでも委縮する者たちが出るかと考えましたが」
「国王陛下が、其処は」
「ええ。陛下が、配慮をしてくださっているのは事実。王妃様が、私たちを思ってくださることも、事実。ですが、それだけなのです」
「それだけと言う事は、ないだろう」
「いいえ、私たちに望む相手は、この国の方々ではありません。そして、他国に足を延ばしてしまえば、そこで実に多くの煩わしい事を言われます」
「だから、諦めたのか」
「神殿にだけ、それを考えはしますがそうもいきません。一応は子爵ですから。始まりの町も、ここ王都の水と癒しの神殿も、テトラポダすらも」
主要な箇所には、門を既に設置している場所には門を置かれていない国から送られた人員が配置されている。
そして、そこでトモエとオユキを捕まえて国からの依頼だと切々と訴えるのだ。
何故、我が国を跨いでその外にある国へと門を置くのかと。
神国、その周囲にあるいくつかの国とテトラポダがそうであるように、我が国にも神殿が無ければ置けないというのならば。
何故神国では門が、公爵領、伯爵領、辺境伯領に置かれているのかと。
便利な道具であることは、何処まで行っても事実。
見れば、使えば。
それが無い事は、この世界では耐えがたいだろう。
あまりにも広い世界で、神国一つでかつて暮らしていた惑星と比べることが出来るほどの面積を誇っているのだ。
「だが、こちらに来るときに考えていた期間があったのだろう」
「ええ。かつての世界の基準で考えていた期間です。最初に半分に、ですがそれも実際には半分では無かった分けですから」
「トモエさんと、オユキと、そこに関して話が合わないとは思っていた」
この世界は、かつての世界とは暦が根本から違う。
一年は十の月で回っている。表層の神と同じだけの、存在していると認識はしていても、教会の中で見ることが適う人間が少ない十の神と同じ数。
そして、一週間は、この世界に浮かぶ月と同じ数だけ。
トモエは既に七つ全て見えているらしいが、オユキは五つだけ。そして、一日の時間が五十時間ある。
オユキは、こちらに来てから二十四だと考えていた。
そして、その心算で動いていた。
しかし、そうでは無かった。
こちらの者たちが、随分と大量に食事をすると考えていた。
だが、言ってしまえば過去の三食分を一度に胃の腑に修めようとしていたのだからそれは確かにそれほどの量が必要になるだろう。
トモエが、オユキの食事が少なすぎると訴える事だろう。
これまでにも、それこそ、何度となくこうして向かい合った物だと。
そして、何処までも過去を思い起こさせるのだ。
成程、己は此処までの事を、こうしたあまりにも分かり易い不利をトモエに押し付けていたのだなと。
かつてのトモエに、秋守の性を名乗っていたころに、同じ月代となった時にも。
己の方が、頭一つよりも背が高く。
当時の平均より僅かに高いだけではあったのだが、それでも人込みでは少し頭が抜けようかという背丈。
翻って、かつてのトモエのほうは少し小柄であったのだ。
パウとオユキ、今ここにある差と比べてしまえば遥かにましだとは言え、それでも差異はあったのだ。
目を見張るほどの、真っ当な競技であれば、スポーツとして執り行うのであれば成立しない程の。
だが、それでもかつてのトモエは平然と技をもって返して見せたのだ。
最初の頃は、力でも圧倒されていたものだが、気が付けば其処ではトモエを下すことが出来るようになった。
つまりは、身体とそこから生まれる能力と。
その二つを覆すだけの、確かな技をかつてのトモエは当然のように修めていたのだ。
パウを前にしても、過去へと向かうオユキの心はどうにも止まらず。
パウに向ける意識は、聴覚と思考の一部。
黙して、思考の大半は、ほとんどの意識は過去のトモエの姿に。
原風景と呼べるものかと言われれば、少し考えた上で頷いて応えるだろう。
初めて足を運んだ先、少なくともオユキはそう考えている場所。
そこで、初めて目にしたのは、差し込む陽の光を輝きと返す太刀を手に持ち、
木でできた刀を片手に、大の男に平然と向かい合い。
さらには、その相手でさえ当然とばかりに下して見せた姿。
一本の刀と、美術品の如き美しさを感じさせたかつてのトモエの佇まいが今もオユキの瞼の裏にある。
その姿を思い浮かべ、今の己を振り返って。
「結局、届きませんでした」
オユキの口をついて出るのは、ただただ悔恨の言葉だけ。
トモエがおらねば、確かにオユキは早々にこちらでの、未だに悩むこの世界における己の生にさっさと幕を下ろしたことだろう。
今もまだ、どうにかここまでやってこれたのはトモエがいたから。
だが、トモエがいたから、トモエの願いがあったからこそ此処までの負担をオユキは得る事になったのも事実。
そして、その事実がやはりオユキを苛むのだ。
繰り返し夢に見る事、夢の中で法と裁き、知識と魔と向かい合って、問答を繰り返して。
時には、それこそトモエの存在を異様だと、戦と武技の罪の一つだと話すその二柱に対して刃を向けて。
この世界は、異邦人として呼ぶことが出来るのは過去にゲームという名の世界を超えるための接続機器。
本来それを使った事のある者だけなのだ。
だというのに、ゲームを一切遊んでいないトモエがこちらに来た。
かつての世界の創造神という、こちらの上位に位置するらしい神の許可を得た上で、許可を何故だか得られたうえで、こちらにトモエが確かにいる。
それを可笑しなことだと、何度も気が付く度にオユキからその記憶を奪い続ける者たちに対して激しい怒りを。
そして、その様なトモエの特別を罪だと断じるその二柱に対しての嫌悪として。
こうして王都に戻ってくる数日前に、戦と武技に刃をトモエがどうにか届けて。
こうして常の記憶として意識が出来る様になるまで、こちらに来て半年も経たぬうちから何度でも繰り返してきた事がいよいよオユキという存在をこちらで磨き続けたのだ。
裏層に置ける最高位の柱。
表層に置ける、創造神についで幅広く月と安息と比べても肩を並べるほどになった柱。
トモエとオユキが、散々に魔術文字の恩恵を、門を、既に馬車で使われていた重量軽減の文字を切り出して広めたことで、勢いの増したその柱への信仰。
是非とも、戦と武技に向けてほしいと考えては見たものの、そうはならなかった。
結局、後の事をアイリスとケイ、タカトラに任せる事になる。
「唯一の残念と、言っても良い物でしょう」
「本当に、それだけなのか」
「ええ、私はそうです。レジス侯爵という名にしても、既にローレンツに任せています。ファンタズマ子爵家という括りでならば、エステールからシェリアへと恙無く渡る事でしょう」
「そのシェリアが」
「ウニルに用意した屋敷、あちらをシェリアに、始まりの町をエステールとローレンツ、タルヤに。領都はハルノブさんに。王都をケイが使うでしょう」
「そして、武国と氷の乙女の里にあるものにしても、それぞれにか」
パウの言葉に、こちらに来てからさして長くも無いというのに、本当に方々に住処ばかり用意したものだと思わず苦笑いがこぼれる。
唯一長逗留しても居を構えなかったのは、素材が無かったというよりもいよいよもって姫どころではなく、女王と呼ばれる振る舞いを平然ととっていたアイリスによって貸与されていたから。
家督については、最期までもめたのだが長く側にいたエステールに任せる、そうオユキが断言をしたことで決着がついた。
「オユキは、結局こちらに心を遺すものを作らなかったな」
「そう言う訳でもありませんよ。皆さんをはじめ、ええ、今後良くなるようにと」
トモエと同様、少年たちはいつ頃からか気が付いていたのだろう。
トモエではなく、オユキこそがこちらに残ろうと考えていないと。
一年も立たない頃には、戦と武技の巫女として、そう呼ばれるようになって一人で立ち上がれぬほどの負荷を得る様になってから確実にオユキを蝕んでいった物。
切欠として、致命的な物は両親がこちらに等と言う話であっただろうか。
そこから、神を卸して、マナ等と言ういよいよ理解が出来ぬものを己の中から、己の本質か、根源から削られながら。
「オユキは、自分の事を」
「どう考えているのかと言われれば、また難しい話になりますが」
「この半年の間は、俺達も、途中まではついていったが」
「ええ、こちらに来てから初めてというのも、おかしな話ですが」
そう、オユキの疲労が、あまりにも投げやりになっている様子だからと。
トモエが、オユキを連れ出したのだ。
半年の間、年が明けてから後の事はいよいよ知らぬと、全てを一度放り出して。
それほどに、オユキは疲労が溜まっており、ユキネをはじめとした、氷の乙女たちの補助を受けても自分で歩けないほどになったオユキを、トモエが攫って見せて。勿論、協力者はかなり多かった。
「楽しい日々でした、楽しい日々には違いありませんでした」
そして、結果として、この世界でオユキが目標としたことは達成できなくなった。
それを、理解の上で選んだこともある。
トモエは、戻って来てから、それこそ急いで回ればよいとそんな話をしたものだがオユキはそれを良しとしなかった。
もはや、そのような気力が存在していなかった。
「ですが、結局トモエさんの目的は果たせず、私が為そうとしたことも、やはり無理でしたから」
「門は、既に全ての神殿に置いただろう」
「私が向かう度に、酷い負荷を得る事になりますから。それに、間の国を飛ばしてとなっているところも非常に多く、そこからまた面倒を言われてもいるのですよね」
門は、神殿に置くと決めている。
勿論、そうでは無い物もあるがそれをオユキが得るつもりはない。
その様に用意されている物ではない。
だが、誰も彼もがオユキに求めるのだ。
初めて門を得た巫女に、あまりにも便利なその奇跡をお前は神に願えるのだから、一つでも多く。
少しでも、この世界に巫女として奉仕せよと。
使われている奇跡は、魔術文字はそもそも戦と武技は一切関係が無いものだというのに。
「今回の事で、少しでも委縮する者たちが出るかと考えましたが」
「国王陛下が、其処は」
「ええ。陛下が、配慮をしてくださっているのは事実。王妃様が、私たちを思ってくださることも、事実。ですが、それだけなのです」
「それだけと言う事は、ないだろう」
「いいえ、私たちに望む相手は、この国の方々ではありません。そして、他国に足を延ばしてしまえば、そこで実に多くの煩わしい事を言われます」
「だから、諦めたのか」
「神殿にだけ、それを考えはしますがそうもいきません。一応は子爵ですから。始まりの町も、ここ王都の水と癒しの神殿も、テトラポダすらも」
主要な箇所には、門を既に設置している場所には門を置かれていない国から送られた人員が配置されている。
そして、そこでトモエとオユキを捕まえて国からの依頼だと切々と訴えるのだ。
何故、我が国を跨いでその外にある国へと門を置くのかと。
神国、その周囲にあるいくつかの国とテトラポダがそうであるように、我が国にも神殿が無ければ置けないというのならば。
何故神国では門が、公爵領、伯爵領、辺境伯領に置かれているのかと。
便利な道具であることは、何処まで行っても事実。
見れば、使えば。
それが無い事は、この世界では耐えがたいだろう。
あまりにも広い世界で、神国一つでかつて暮らしていた惑星と比べることが出来るほどの面積を誇っているのだ。
「だが、こちらに来るときに考えていた期間があったのだろう」
「ええ。かつての世界の基準で考えていた期間です。最初に半分に、ですがそれも実際には半分では無かった分けですから」
「トモエさんと、オユキと、そこに関して話が合わないとは思っていた」
この世界は、かつての世界とは暦が根本から違う。
一年は十の月で回っている。表層の神と同じだけの、存在していると認識はしていても、教会の中で見ることが適う人間が少ない十の神と同じ数。
そして、一週間は、この世界に浮かぶ月と同じ数だけ。
トモエは既に七つ全て見えているらしいが、オユキは五つだけ。そして、一日の時間が五十時間ある。
オユキは、こちらに来てから二十四だと考えていた。
そして、その心算で動いていた。
しかし、そうでは無かった。
こちらの者たちが、随分と大量に食事をすると考えていた。
だが、言ってしまえば過去の三食分を一度に胃の腑に修めようとしていたのだからそれは確かにそれほどの量が必要になるだろう。
トモエが、オユキの食事が少なすぎると訴える事だろう。
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