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守りたい人〜レオ〜
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ショウ様と別れた後、俺は自室に急いだ。
自室に入ると、いままでこらえていた涙が溢れてきた。
初めてだった。
人生で初めて自分が命に変えても守りたい人を見つけた。
そして同時に俺が生まれてきた意味を知ることができた気がした。
俺は街の裕福な資産家の家に生まれた。
父が事業に成功していた3歳くらいまでは家族と幸せに暮らしていたと思う。
だがその後、父が事業に失敗し俺の家には多額の借金ができてしまった。
そしてもっと厄介なことに、母は注目されるのが好きな性格で外に出るときはいつも豪華な宝石類をつけていた。
それが一夜にしてすべてなくなってしまったのだ。
母は父を激しく責めた。
父はもともと心優しい性格だったが、母に罵られる毎日に耐えられたくなったのかいつの間にか姿を消していた。
後で聞いた話だと川の下流の方で父らしき死体が見つかったらしい。
きっと母と借金の返済に板挟みにされ耐えられなくなり、自分からこの世を去ったのだろう。
父がいなくなった後、母の怒りは俺に向けられた。
昼間は仕事でいなかったが夜帰ってきた後は暴言をはかれるのは日常でたまに暴力もあり、4歳だった俺にはものすごくこたえたのだろう。
ある日耐えられなくなり家から飛び出した。
行く宛もなくただただ遠くに逃げたくなり、俺は無我夢中で走った。
気がつくと知らない路地にいた。
毎日まともに食べていなかった俺はその場に倒れ込んだ。
何分経ったかは分からないが意識がもうろうとしてきたとき、一人の男が俺に近づいてきた。
男は俺に「生きたいか。」と聞いてきた。
その時の俺は男が何を言ったのかわからなかったが、心にはまだ死にたくないという気持ちしかなかった。
俺は震える手で男のズボンを掴んだ。
そして、気を失った。
次に目を冷ましたとき、俺は薄汚れた石造りの部屋にいた。
周りを見ると俺のように薄汚れた子供たちが何人もいて、みんな身を寄せ合ってなにかに怯えるような目をしていた。
俺が声をかけようとすると、重そうな鉄で作られた扉がゆっくりと開き、紳士風の男と用心棒のような屈強な男が入ってきた。
「今回はこれだけですか。それも、汚いものばかりですね。」
そういうと男は汚れたものを見る目で子どもたちを見渡す。
「しょうがないですね。女は奴隷商人に、男は養成所へ連れていきなさい。」
男はもう一人の男にそう言うと部屋から出ていった。
その後、男児だけ集められ養成所というところに連れて行かれた。
そこはまるで地獄のような場所だった。
簡単にいうと暗殺者を養成するところだ。
だがその養成方法は、子供同士で殺し合いをさせ最後に残ったものを次のランクに進ませる。
そして次でも殺し合いをさせ、最終的にたくさんの子供の死体の上に立つ殺し屋を誕生させると言うものだった。
子供は世界中から集められ、中には奴隷や違う国の子もいた。
最初は殺し合いと聞いて怯える子がほとんどだったが、一番になれればなんの不自由もない生活が送れると聞くとみんな人が変わったように殺し合いに参加していたった。
まぁ、俺もその一人だったわけだがもともと才能があったのか気づけば俺の周りは血の海になっていた。
はじめの頃は人を殺したことが信じられなくて自殺しようとし、その度大人に止められそして洗脳された。
勝てば自由が手に入ると。
俺の心はどんどん死んでいった。
そしてもうすぐ10歳になろうとする頃、俺は戦いを勝ち抜きトップにたった。
だがその時にはもう、俺はなにも考えられなくなり殺しを求める屍とかしていた。
それから俺は絶対に主人の言うことに背かないよう躾けをされ教養を叩き込まれ、貴族に売られた。
俺を買った貴族は傲慢で身勝手な野郎で、自分に盾突くやつらを片っ端から俺に殺させていった。
だがやりすぎたのか、とうとう悪事がばれて捕まってしまった。
当然だが俺も騎士に捕まったが、その時の俺には生きる気力が全くなくなっていた。
俺は独房でただ死を待っていた。
そしてある晩、俺を訪ねてきたのが今の主人である旦那様だった。
旦那様は俺に話しかけてきた。
「たしかレオだったな。今まで大変だっただろう。もう大丈夫だ。」
なにが大丈夫なのだろうか。
俺はこれまで罪のない人々をたくさん殺してきた。
とうてい許される罪ではないことは自分でも分かっていたので、彼が言ってきたことが理解できなかった。
俺の殺意剥き出しの表情を見たのか旦那様は
「そんな顔をするな。」
と、俺の頭を撫でてきた。
これまで他人から優しくされたことがなかった俺はもっと困惑した。
俺は恐る恐る口を開いた。
「なん..で、やさ..し..くして...くれるんですか?」
「それはな、俺が子供が大好きだからだ。それにレオは俺の息子たちとも年が近いからな。見捨てることができなかっただけだ。」
そう笑いながらいう旦那様はとても優しい表情をしていて本当に子供が好きなことが伝わってきた。
「あ..の、俺はこれからどうなるんですか?」
俺は一番気になっていたことを聞いた。
旦那様に優しくしてもらい希望が見えてしまったせいだろう。
「ああそのことだが、お前には俺の息子の護衛をしてもらいたい。」
俺はその言葉を聞いたときにこの人は正気なのか疑ってしまった。
普通の親なら自分の子供の近くに殺人鬼など置きたくないはずだからだ。
旦那様は俺の表情を見て、
「今、正気の沙汰じゃないって思っただろう。」
と聞いてきた。
「はい。思いました。」
「そうか。でも俺は息子を大切に思っているからこそお前に頼みたいんだ。ちゃんと給料も出す。ダメか?」
「ダメではないですが俺は人殺しですよ。それも数え切れないほど殺してきました。」
「でもそれはお前の意思ではないだろう。それにお前だって普通の生活が送りたいだろう?」
「ですが....俺があなたの息子さんを殺すとか思わないんですか?」
「思わないな。」
「なんで...。」
「それはお前がいいやつだと俺が思ったからだ。それから、俺の新しい息子は可愛すぎてお前には殺せないだろうな。まぁ、殺そうとすれば俺が先にお前を殺すが。」
「意味がわからない....。」
「まあ、あってみれば分かるだろう。ちなみに俺の他の息子たちはもうショウに落ちている。でっ、どうする?俺とくるか?」
ここにいれば後は死ぬだけ。
でも、旦那様についていけばこれまでとは違う生活が送れるかも。
「い、行きます。行きたいです!」
「ああ、分かった。」
そして俺は旦那様と独房を出て馬車に乗った。
俺は旦那様のことや家族のことなどを聞き、そこでショウ様が養子であること、そして先日、誘拐されたことを知った。
そのことがあり護衛を雇うことにしたらしい。
そして俺も自分の境遇を旦那様に話した。
旦那様はすごく悲しそうな表情で聞いていたが話し終わると俺を抱きしめてくれた。
旦那様は俺を慰めるように教えてくれた。
俺がいた暗殺者養成所は閉鎖され、関わっていた貴族や奴隷商人たちは皆処刑されてもういないことを。
俺は未来に自分と同じ境遇の子供が生まれなくて良かったと少し安心することができた。
すこし空が白み始めた頃、俺達は屋敷に到着した。
旦那様から一日休んでいいと言われたが、俺は早くショウ様に会いたくて今日から働かせてもらうことになった。
ショウ様の第一印象は普通だった。
まぁ、珍しい黒髪だったので普通ではないが、顔は普通だ。
反対に他の兄弟の方々はまるで人形のように美しかった。
まぁ、俺にとってはどっちでもいいが。
ショウ様は俺にたくさん話しかけてきた。
初めてのことですべて冷たく返してしまった。
だが、ショウ様はそれでも諦めず声をかけてくれた。
そして、庭に行きたいと申されたので一緒に外に出る。
しばらく経つとショウ様が突然走り出した。
俺はショウ様を守れる一定の距離保ちながら追いかける。
ついたのは手入れのされていない畑だった。
ショウ様はここは自分の遊び場だと言ってきた。
俺は信じられなかった。
だって、公爵家の者が泥遊びなんてするはずないからだ。
だが、ショウ様は本気で遊ぶようで俺を誘ってきた。
俺は今日もらったばかりの洋服を汚すのが嫌で断った。
だがショウ様は諦めないらしく少しニヤリと笑うと、これは命令だ。と言ってきた。
その瞬間、俺の中でこれまでの記憶が思い起こされ、全身が恐怖に支配された。
その後のことは意識がもうろうとしていてあまり覚えてはいないが、ショウ様が俺のために涙を流してくださったことは覚えている。
その涙は本当にきれいでまるで宝石が目から落ちているようだった。
そのとき俺は神に誓った。
一生をかけてショウ様を守ると。
その後はショウ様と遊び、怒られ、そしてまた遊んだ。
すべてが初めてのことで幸せだった。
ショウ様も友達が初めてできたといってものすごく喜んでいた。
だから夕食後ショウ様が突然、俺を自由にしたいと言ったときは耳を疑った。
俺はショウ様と一緒に入れることが幸せなのに、ショウ様はここを出て街で生活するほうが俺のためだと旦那様訴えていた。
俺は頭が真っ白になってしまい、旦那様とショウ様の前で膝をつき涙を流しながら訴えてしまった。
俺は辞めたくないと。
ショウ様は困惑の表情をしていたが、旦那様は俺の気持ちを理解してくれていたようで笑顔で俺の意見を聞き入れてくれた。
部屋に戻った後にもショウ様に本当に良かったのか聞かれたので、今の俺の気持ちをまっすぐ伝えた。
最後にはショウ様も分かってくださった。
そして今に至る。
俺は流していた涙を拭き、湯浴みをしてベッドに入る。
昨日の夜まで死を待っていたのにまさかこんなことになるとはな。
今日気づいたがショウ様はとても鈍感な方だった。
明日からは授業も始まるしもっとアピールしなくてはな。
こんなに明日が楽しみなのは初めてだ。
ずっと幸せな日々が続きますように。
そう願ってから俺はそっと目を閉じた。
自室に入ると、いままでこらえていた涙が溢れてきた。
初めてだった。
人生で初めて自分が命に変えても守りたい人を見つけた。
そして同時に俺が生まれてきた意味を知ることができた気がした。
俺は街の裕福な資産家の家に生まれた。
父が事業に成功していた3歳くらいまでは家族と幸せに暮らしていたと思う。
だがその後、父が事業に失敗し俺の家には多額の借金ができてしまった。
そしてもっと厄介なことに、母は注目されるのが好きな性格で外に出るときはいつも豪華な宝石類をつけていた。
それが一夜にしてすべてなくなってしまったのだ。
母は父を激しく責めた。
父はもともと心優しい性格だったが、母に罵られる毎日に耐えられたくなったのかいつの間にか姿を消していた。
後で聞いた話だと川の下流の方で父らしき死体が見つかったらしい。
きっと母と借金の返済に板挟みにされ耐えられなくなり、自分からこの世を去ったのだろう。
父がいなくなった後、母の怒りは俺に向けられた。
昼間は仕事でいなかったが夜帰ってきた後は暴言をはかれるのは日常でたまに暴力もあり、4歳だった俺にはものすごくこたえたのだろう。
ある日耐えられなくなり家から飛び出した。
行く宛もなくただただ遠くに逃げたくなり、俺は無我夢中で走った。
気がつくと知らない路地にいた。
毎日まともに食べていなかった俺はその場に倒れ込んだ。
何分経ったかは分からないが意識がもうろうとしてきたとき、一人の男が俺に近づいてきた。
男は俺に「生きたいか。」と聞いてきた。
その時の俺は男が何を言ったのかわからなかったが、心にはまだ死にたくないという気持ちしかなかった。
俺は震える手で男のズボンを掴んだ。
そして、気を失った。
次に目を冷ましたとき、俺は薄汚れた石造りの部屋にいた。
周りを見ると俺のように薄汚れた子供たちが何人もいて、みんな身を寄せ合ってなにかに怯えるような目をしていた。
俺が声をかけようとすると、重そうな鉄で作られた扉がゆっくりと開き、紳士風の男と用心棒のような屈強な男が入ってきた。
「今回はこれだけですか。それも、汚いものばかりですね。」
そういうと男は汚れたものを見る目で子どもたちを見渡す。
「しょうがないですね。女は奴隷商人に、男は養成所へ連れていきなさい。」
男はもう一人の男にそう言うと部屋から出ていった。
その後、男児だけ集められ養成所というところに連れて行かれた。
そこはまるで地獄のような場所だった。
簡単にいうと暗殺者を養成するところだ。
だがその養成方法は、子供同士で殺し合いをさせ最後に残ったものを次のランクに進ませる。
そして次でも殺し合いをさせ、最終的にたくさんの子供の死体の上に立つ殺し屋を誕生させると言うものだった。
子供は世界中から集められ、中には奴隷や違う国の子もいた。
最初は殺し合いと聞いて怯える子がほとんどだったが、一番になれればなんの不自由もない生活が送れると聞くとみんな人が変わったように殺し合いに参加していたった。
まぁ、俺もその一人だったわけだがもともと才能があったのか気づけば俺の周りは血の海になっていた。
はじめの頃は人を殺したことが信じられなくて自殺しようとし、その度大人に止められそして洗脳された。
勝てば自由が手に入ると。
俺の心はどんどん死んでいった。
そしてもうすぐ10歳になろうとする頃、俺は戦いを勝ち抜きトップにたった。
だがその時にはもう、俺はなにも考えられなくなり殺しを求める屍とかしていた。
それから俺は絶対に主人の言うことに背かないよう躾けをされ教養を叩き込まれ、貴族に売られた。
俺を買った貴族は傲慢で身勝手な野郎で、自分に盾突くやつらを片っ端から俺に殺させていった。
だがやりすぎたのか、とうとう悪事がばれて捕まってしまった。
当然だが俺も騎士に捕まったが、その時の俺には生きる気力が全くなくなっていた。
俺は独房でただ死を待っていた。
そしてある晩、俺を訪ねてきたのが今の主人である旦那様だった。
旦那様は俺に話しかけてきた。
「たしかレオだったな。今まで大変だっただろう。もう大丈夫だ。」
なにが大丈夫なのだろうか。
俺はこれまで罪のない人々をたくさん殺してきた。
とうてい許される罪ではないことは自分でも分かっていたので、彼が言ってきたことが理解できなかった。
俺の殺意剥き出しの表情を見たのか旦那様は
「そんな顔をするな。」
と、俺の頭を撫でてきた。
これまで他人から優しくされたことがなかった俺はもっと困惑した。
俺は恐る恐る口を開いた。
「なん..で、やさ..し..くして...くれるんですか?」
「それはな、俺が子供が大好きだからだ。それにレオは俺の息子たちとも年が近いからな。見捨てることができなかっただけだ。」
そう笑いながらいう旦那様はとても優しい表情をしていて本当に子供が好きなことが伝わってきた。
「あ..の、俺はこれからどうなるんですか?」
俺は一番気になっていたことを聞いた。
旦那様に優しくしてもらい希望が見えてしまったせいだろう。
「ああそのことだが、お前には俺の息子の護衛をしてもらいたい。」
俺はその言葉を聞いたときにこの人は正気なのか疑ってしまった。
普通の親なら自分の子供の近くに殺人鬼など置きたくないはずだからだ。
旦那様は俺の表情を見て、
「今、正気の沙汰じゃないって思っただろう。」
と聞いてきた。
「はい。思いました。」
「そうか。でも俺は息子を大切に思っているからこそお前に頼みたいんだ。ちゃんと給料も出す。ダメか?」
「ダメではないですが俺は人殺しですよ。それも数え切れないほど殺してきました。」
「でもそれはお前の意思ではないだろう。それにお前だって普通の生活が送りたいだろう?」
「ですが....俺があなたの息子さんを殺すとか思わないんですか?」
「思わないな。」
「なんで...。」
「それはお前がいいやつだと俺が思ったからだ。それから、俺の新しい息子は可愛すぎてお前には殺せないだろうな。まぁ、殺そうとすれば俺が先にお前を殺すが。」
「意味がわからない....。」
「まあ、あってみれば分かるだろう。ちなみに俺の他の息子たちはもうショウに落ちている。でっ、どうする?俺とくるか?」
ここにいれば後は死ぬだけ。
でも、旦那様についていけばこれまでとは違う生活が送れるかも。
「い、行きます。行きたいです!」
「ああ、分かった。」
そして俺は旦那様と独房を出て馬車に乗った。
俺は旦那様のことや家族のことなどを聞き、そこでショウ様が養子であること、そして先日、誘拐されたことを知った。
そのことがあり護衛を雇うことにしたらしい。
そして俺も自分の境遇を旦那様に話した。
旦那様はすごく悲しそうな表情で聞いていたが話し終わると俺を抱きしめてくれた。
旦那様は俺を慰めるように教えてくれた。
俺がいた暗殺者養成所は閉鎖され、関わっていた貴族や奴隷商人たちは皆処刑されてもういないことを。
俺は未来に自分と同じ境遇の子供が生まれなくて良かったと少し安心することができた。
すこし空が白み始めた頃、俺達は屋敷に到着した。
旦那様から一日休んでいいと言われたが、俺は早くショウ様に会いたくて今日から働かせてもらうことになった。
ショウ様の第一印象は普通だった。
まぁ、珍しい黒髪だったので普通ではないが、顔は普通だ。
反対に他の兄弟の方々はまるで人形のように美しかった。
まぁ、俺にとってはどっちでもいいが。
ショウ様は俺にたくさん話しかけてきた。
初めてのことですべて冷たく返してしまった。
だが、ショウ様はそれでも諦めず声をかけてくれた。
そして、庭に行きたいと申されたので一緒に外に出る。
しばらく経つとショウ様が突然走り出した。
俺はショウ様を守れる一定の距離保ちながら追いかける。
ついたのは手入れのされていない畑だった。
ショウ様はここは自分の遊び場だと言ってきた。
俺は信じられなかった。
だって、公爵家の者が泥遊びなんてするはずないからだ。
だが、ショウ様は本気で遊ぶようで俺を誘ってきた。
俺は今日もらったばかりの洋服を汚すのが嫌で断った。
だがショウ様は諦めないらしく少しニヤリと笑うと、これは命令だ。と言ってきた。
その瞬間、俺の中でこれまでの記憶が思い起こされ、全身が恐怖に支配された。
その後のことは意識がもうろうとしていてあまり覚えてはいないが、ショウ様が俺のために涙を流してくださったことは覚えている。
その涙は本当にきれいでまるで宝石が目から落ちているようだった。
そのとき俺は神に誓った。
一生をかけてショウ様を守ると。
その後はショウ様と遊び、怒られ、そしてまた遊んだ。
すべてが初めてのことで幸せだった。
ショウ様も友達が初めてできたといってものすごく喜んでいた。
だから夕食後ショウ様が突然、俺を自由にしたいと言ったときは耳を疑った。
俺はショウ様と一緒に入れることが幸せなのに、ショウ様はここを出て街で生活するほうが俺のためだと旦那様訴えていた。
俺は頭が真っ白になってしまい、旦那様とショウ様の前で膝をつき涙を流しながら訴えてしまった。
俺は辞めたくないと。
ショウ様は困惑の表情をしていたが、旦那様は俺の気持ちを理解してくれていたようで笑顔で俺の意見を聞き入れてくれた。
部屋に戻った後にもショウ様に本当に良かったのか聞かれたので、今の俺の気持ちをまっすぐ伝えた。
最後にはショウ様も分かってくださった。
そして今に至る。
俺は流していた涙を拭き、湯浴みをしてベッドに入る。
昨日の夜まで死を待っていたのにまさかこんなことになるとはな。
今日気づいたがショウ様はとても鈍感な方だった。
明日からは授業も始まるしもっとアピールしなくてはな。
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