社畜が転生したら子どもになってて、イケメンたちがつきまとってくるんだが

琳華

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過保護

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「おはよう。レオ。」
「おはようございます。ショウ様。」

昨日友達になったからだろうか。
ずっと無表情だったレオがすごくいい笑顔で挨拶を返してくれた。

「今日から授業が始まりますね。」
「そうだったね。今日は何をやるの?」
「そうですね~。まずはショウ様の実力を知りたいので、テストをしましょうか。」
「え~。自信ないなぁ。」
「大丈夫です。基礎だけを出しますので。」
「分かった。頑張ってみる!」
「はい!」

俺達は他愛もない話をしながら身支度を整え、ダイニングへ向かった。

「ショウ。今日から授業があるんだよね?」
「はい。兄様。レオに教えてもらいます。」
「ああ。そうだったね。」

一瞬、兄様の目線がレオの方に向けられる。

「今日授業が終わった後に私とお茶でもしないかい?」
「わぁ、いいですね!」
「えー。レイモンド兄様だけずるい!僕もショウ兄様とお茶したいです。」

俺と兄様の話を聞いていたのかロバートが隣の席から俺に抱きついてきた。

「ロバート!僕はショウと二人でお茶がしたいんだ。お前は入ってくるな!」
「嫌だもん。ショウ兄様はレイモンド兄様のものじゃないでしょ。独り占めしないで!」

二人は俺を挟んで言い合いを始めてしまった。

「ちょっとふたりとも喧嘩はダメだよ。みんなでお茶すればいいだろう?」

そう言うと二人揃って

『「ショウ」「兄様」は黙ってて!』

と言われてしまった。

俺が何したっていうんだよ!

父様と母様に助けを求めようとしたが二人は微笑みながら喧嘩を見ていたので、俺は諦めて静かに昼食を食べることにした。
俺が朝食を食べ終わろうとしたとき、突然喧嘩中の二人が声をかけてきた。

『「ショウ」「兄様」はどっちとお茶したい?』
「えっ!」

俺にふってくるのか!?
巻き込まないでほしいんだけど...。

「俺は~ふたりと『それはダメ!』
「え~~。」

なんで二人は頑なに一緒にお茶したくないんだ?
どうすればいいんだ?

俺が頭を抱えて考えていると後ろから、

「ショウ様。そろそろ勉強しましょうか。」

と、レオが声をかけてきた。

ナイス!レオ!

「そうだね!ごめんね。兄様、ロバート。俺、もう行かなくちゃ。」

そういって、掴まれている腕を振り払うようにして立ち上がり父様と母様に挨拶をして、逃げるように部屋を出る。

「大丈夫ですか?」
「うん。ありがとう。助かったよ。」
「お役に立てて良かったです。それにしてもお二人はいつもあんな感じなんですか?」
「そうだね。いつもは喧嘩まではいかないんだけど、どうしたんだろう?」
「また困ったことがあれば、俺が助けます。」
「ありがとう!レオ!」

話しているうちに俺の部屋までつき、レオが扉を開けてくれて中に入る。

「ではテストを始めましょうか。」
「うん。」

椅子に座り、渡されたテストに目を通す。

これならできるかも。

テストは思っていたよりも簡単でスラスラと答えを書いていく。
歴史のところで詰まったがなんとか解き終わりレオに渡す。

「お疲れ様です。簡単でしたか?」
「うん。思ったよりも解けて自分でもびっくりだよ!」
「それぐらいショウ様が頑張っていたということですよ。」
「ふふっ。ありがとう。」
「では、丸付けをしますね。」

俺はドキドキしながらレオの手元を見る。
5問ほど間違えたところはあったが、ほとんどに丸がついた。

「ショウ様!素晴らしいです!」
「へへっ。ありがとう!」

俺は褒められたのが嬉しくてレオに抱きついてしまった。

「ショウ様!?」
「ごめんね。でも、先生から褒められたの初めてで嬉しかったんだ!」

俺はレオの顔を見ながら答える。
レオは一瞬鋭い目線をしたがすぐに笑顔になり俺を抱きしめながら頭を撫でてくれた。

その時だった。
突然ドアが開き、兄様とロバートが飛び込んできた。
二人の顔には怒りの表情が浮かんでいた。

「おい!お前!ショウに何をしているんだ!」
「兄様から手を離せ!抱きつくな!離れろ!」

ロバートが俺をレオから引き剥がし俺を後ろにかばうようにして立つ。
兄様がレオの襟首を掴み、聞いたこともない低い声を出した。

「お前、ショウに何をしていた?」
「兄様!誤解です!」
「ショウは黙っていなさい。お前、無断でショウに触ったな。」
「だったらなんですか?」
「.....殺す。」

兄様!?
なんてことを言ってるんだ!

俺は兄様を止めるためロバートを振り払おうとするが、あり得ないくらいの力で抱きついてくる。

「兄様!あいつに近づかないでください。」
「でも、誤解なんだ。」

兄様の方を見るとレオに向かって拳を振り上げていた。

ダメだ!

俺は無意識に体をくねらせロバートを振りほどくと兄様とレオの間に滑り込む。
その瞬間、俺の頭に衝撃が走る。
衝撃で俺は床に激しく倒れ、痛みから顔を歪ませる。
上から兄様とロバートとレオの焦った声が聞こえる。
俺は意識がボーっとしながら兄様に訴える。

「にい..さま...。れ..お..は悪く...ない...です。」

頬に水が触れた感触がする。

「お...れが...だき..しめた...の。」
「そうだったんだね。ショウ、ほんとうにごめんね。」

いつもの優しい兄様の声が聞こえ、頬を優しく撫でられる。

「ごめん。ごめんなさい。ショウ。」

兄様、泣いているのかな?

「にい...さ..ま。泣か...ないで...。お..れは...だい...じょう..ぶ。」

そういって俺の意識が途絶えた。

目覚めると自分のベッドで寝ていた。
俺が起き上がると兄様達が駆け寄ってくる。

「ショウ、大丈夫?本当にごめんなさい。僕はなんてことを...。」
「兄様。俺は大丈夫です。兄様のせいではありません。」

兄様は青ざめた表情で目には涙が浮かんでいた。
ものすごく動揺しているようだった。
俺は兄様を安心させるためそっと抱きしめた。

「兄様。俺は大丈夫だから自分を責めないで。ね?」
「ごめんね。ショウ。本当に...。」

兄様も俺を抱きしめ返してくれる。
すると、ロバートが俺の腰に抱きついてくる。

「兄様!本当に大丈夫なの?」
「うん。大丈夫だよ。心配してくれてありがとう!」

ロバートの頭を撫でる。
ふと見るとレオが部屋の脇に立ち、こちらを心配したように見ていた。

「レオ。こっちに来て。」

俺が呼ぶとレオは戸惑いながらも来てくれた。

「レオも、心配かけてごめんね。俺は大丈夫。」
「申し訳ありませんでした。俺が生意気なことを言ったから。」

レオが悲しそうな表情で謝ってくる。

なんでみんなこんなに自分を責めるんだ?
俺は自分から殴られたのに。

「もう、レオまでなんでそんなことを言うの?俺は大丈夫だから!」
「本当に?」
「本当に。」

俺は兄様とレオを一緒に抱きしめ、

「ふたりとも。喧嘩はダメだよ。暴力なんてもってのほか!分かった?」
「うん。」
「はい。」
「分かったならよろしい。」

俺は二人の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

「ん゛~~僕だけ仲間外れなんて悲しい!」
「うわっ!ロバート!ごめんな。」

ロバートも抱きしめ、頭を撫でる。

「ふふっ!ありがとう、兄様!」

その夜は兄様が夜通し俺の世話をしようとしていたので頑張って説得して、明日ずっと一緒にいると約束してやっと自分の部屋に帰ってもらえた。

今日、みんなすごい過保護だったな。
俺そんなに弱そうに見えるのかな?
やっぱりしっかり鍛えよう!

俺はそう決めて眠りについた。
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