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授業はいつ始まるのだろう。ぼんやりと待っていたら、突然ドアが開いた。
「リサ!」
そこにいたのはダン様である。ちなみにイヤホンは本当に悪口だけ聞こえないようにしてくれたみたいで、ダン様の声は普通に聞こえた。ダン様はズカズカと教室に入ってくる。生徒たちは驚いて固まっていた。
「すぐに来てください」
いったいナニゴト?何で教室にくるのだろう。理解が追いついていないが、それは教室内のみんなそうだった。
「ダ、ダン様だ・・・」
誰かのつぶやきがやけに教室内に響いたと思ったら、全員が一斉にお辞儀をした。相手が王族とわかったのだろう。
「みなさん、授業はじきに始まります。準備をして待ってください」
ダン様はそう言うと
「リサ、行きますよ」
と、私の手を引いて立ち上がらせた。訳がわからないまま、私は教室から出て行くことになった。
「どこへ行くんですか?」
ダン様は焦っているようだ。私の手を握ったまま、グイグイと引っ張るように歩いていく。足長のダン様についていくために私の短い足はフル回転しているが、そろそろ限界に近づいている。
「魔獣が大量発生したんです」
私の問いにダン様はもどかしそうに答える。
「え?魔獣?」
昨日やっつけたアレか。やっつけ損ねたのがいたのかな?でも大量発生って、魔獣ってそんなにすぐに生まれるもの?突然湧いて出てくるの?そもそも魔獣と普通の動物とどう違うのかな?疑問はいくつもある。聞いたら答えてもらえるのだろうか。
「う、うわっ」
考えごとをしていたせいか、ダン様の長い足の動きについていけなくなった。足がもつれてダン様にぶつかり、勢いあまって2人で転んでしまったのだ。しかも、ダン様を突き飛ばすような感じになってしまった。
「ご、ごめんなさい。申し訳ありません。どうかご容赦ください」
王族を転ばしてしまった。ここは謝罪すべきだ。もとはといえばダン様が悪いわけだが、それは言えない。
「大丈夫です。とにかく急ぎましょう」
スクッと起き上がると、ダン様は何ごともなかったようにまたもや私の手首を掴む。力が籠っていて少々痛い。再び歩き出したが、少しだけスピードが落ちたような気がした。
「あ、あの…。場所は昨日の森ですか?」
振り向いたダン様の目は血走っていて怖かった。本当に緊急事態なのだ、私はようやく理解した。魔獣が大量発生と聞いてもピンとこなかったのだ。
「このままでは森から魔獣が出てきてしまうかもしれません。そうなると・・・」
ダン様は立ち止まらないままだったが、そのまま黙ってしまった。森から魔獣が出てきてしまう。そうなると・・・。私の住んでいるあの家がヤバいのではないか?
「向こうではリチャードが食い止めています」
ダン様の目が優しかった。王子のことを気にしているだけかもしれないが、私のことも考えてくれているのだ。と、思いたい。
よくよく聞けば、昨日の実証検分とやらで関係者たちが朝から森に立ち入っていた。そこでまたもや大量の魔獣が発生し、ダン様のところに連絡が入ったそうだ。
「だから魔獣笛は怖いんです。人間の勝手で魔獣の生態を狂わせるから」
ダン様の声は震えていた。怒りのような悲しみのような、何か複雑な感情が入り交じっているように思えた。
「昨日の場所ですね」
私は返事も聞かずに思い出す。昨日の森の中。たくさんいた魔獣。そしてたくさんの魔法石。
・・・気がつけば目の前に王子がいた。
「リサ!」
「聖女様!」
「こ、攻撃の乙女…」
王子たちはまたもや傷だらけになっている。身体よりも大きい熊のような魔獣に剣を向ける人、身長より長い斧みたいな武器を振り回して魔獣を威嚇している人。騎士の服を着ている人もいれば、そうじゃない人もいる。地面には多数の魔獣が倒れ込んでいるが、その中には人も同じように倒れていた。
また魔法を使って瞬間移動してしまったが、ダン様は何も言わなかった。それよりも目を見開いたまま微動だにしない。瞬間移動したことではなく、この状況を見て驚愕しているのがわかった。
「これで問題は解決だ!」
「聖女様・・・お願いします」
「またもや攻撃の乙女に救われるのか」
王子、サイモン、ポールが安心したような笑顔を向けてきた。その様子を見て全員が私のほうを見る。
「援軍が来たぞ!」
王子の掛け声に全員がうぉぉぉという雄叫びをあげた。ウッセーよと心の中で思った。
「リサ!」
そこにいたのはダン様である。ちなみにイヤホンは本当に悪口だけ聞こえないようにしてくれたみたいで、ダン様の声は普通に聞こえた。ダン様はズカズカと教室に入ってくる。生徒たちは驚いて固まっていた。
「すぐに来てください」
いったいナニゴト?何で教室にくるのだろう。理解が追いついていないが、それは教室内のみんなそうだった。
「ダ、ダン様だ・・・」
誰かのつぶやきがやけに教室内に響いたと思ったら、全員が一斉にお辞儀をした。相手が王族とわかったのだろう。
「みなさん、授業はじきに始まります。準備をして待ってください」
ダン様はそう言うと
「リサ、行きますよ」
と、私の手を引いて立ち上がらせた。訳がわからないまま、私は教室から出て行くことになった。
「どこへ行くんですか?」
ダン様は焦っているようだ。私の手を握ったまま、グイグイと引っ張るように歩いていく。足長のダン様についていくために私の短い足はフル回転しているが、そろそろ限界に近づいている。
「魔獣が大量発生したんです」
私の問いにダン様はもどかしそうに答える。
「え?魔獣?」
昨日やっつけたアレか。やっつけ損ねたのがいたのかな?でも大量発生って、魔獣ってそんなにすぐに生まれるもの?突然湧いて出てくるの?そもそも魔獣と普通の動物とどう違うのかな?疑問はいくつもある。聞いたら答えてもらえるのだろうか。
「う、うわっ」
考えごとをしていたせいか、ダン様の長い足の動きについていけなくなった。足がもつれてダン様にぶつかり、勢いあまって2人で転んでしまったのだ。しかも、ダン様を突き飛ばすような感じになってしまった。
「ご、ごめんなさい。申し訳ありません。どうかご容赦ください」
王族を転ばしてしまった。ここは謝罪すべきだ。もとはといえばダン様が悪いわけだが、それは言えない。
「大丈夫です。とにかく急ぎましょう」
スクッと起き上がると、ダン様は何ごともなかったようにまたもや私の手首を掴む。力が籠っていて少々痛い。再び歩き出したが、少しだけスピードが落ちたような気がした。
「あ、あの…。場所は昨日の森ですか?」
振り向いたダン様の目は血走っていて怖かった。本当に緊急事態なのだ、私はようやく理解した。魔獣が大量発生と聞いてもピンとこなかったのだ。
「このままでは森から魔獣が出てきてしまうかもしれません。そうなると・・・」
ダン様は立ち止まらないままだったが、そのまま黙ってしまった。森から魔獣が出てきてしまう。そうなると・・・。私の住んでいるあの家がヤバいのではないか?
「向こうではリチャードが食い止めています」
ダン様の目が優しかった。王子のことを気にしているだけかもしれないが、私のことも考えてくれているのだ。と、思いたい。
よくよく聞けば、昨日の実証検分とやらで関係者たちが朝から森に立ち入っていた。そこでまたもや大量の魔獣が発生し、ダン様のところに連絡が入ったそうだ。
「だから魔獣笛は怖いんです。人間の勝手で魔獣の生態を狂わせるから」
ダン様の声は震えていた。怒りのような悲しみのような、何か複雑な感情が入り交じっているように思えた。
「昨日の場所ですね」
私は返事も聞かずに思い出す。昨日の森の中。たくさんいた魔獣。そしてたくさんの魔法石。
・・・気がつけば目の前に王子がいた。
「リサ!」
「聖女様!」
「こ、攻撃の乙女…」
王子たちはまたもや傷だらけになっている。身体よりも大きい熊のような魔獣に剣を向ける人、身長より長い斧みたいな武器を振り回して魔獣を威嚇している人。騎士の服を着ている人もいれば、そうじゃない人もいる。地面には多数の魔獣が倒れ込んでいるが、その中には人も同じように倒れていた。
また魔法を使って瞬間移動してしまったが、ダン様は何も言わなかった。それよりも目を見開いたまま微動だにしない。瞬間移動したことではなく、この状況を見て驚愕しているのがわかった。
「これで問題は解決だ!」
「聖女様・・・お願いします」
「またもや攻撃の乙女に救われるのか」
王子、サイモン、ポールが安心したような笑顔を向けてきた。その様子を見て全員が私のほうを見る。
「援軍が来たぞ!」
王子の掛け声に全員がうぉぉぉという雄叫びをあげた。ウッセーよと心の中で思った。
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