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10. 蒼海こゆる東の妃(一)
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犯人の手掛かりを求めて白蘭が質問してみる。
「廟の護符が偽物だと気づいたいきさつはどうだったんですか?」
卓瑛が無造作に答えた。
「東妃と宗廟に参ったときに、彼女が双輝石の色が変わるのを見てみたいと言ったのでね。そこで廟の中から庭に持ち出したのだが色が変わらなかった」
冬籟も間を置かずに言い添える。
「双輝石は外光を受けると青く光ると聞くが、それはただの赤い玻璃玉だった」
「冬籟様ご自身は双輝石をご覧になったことがないのですか?」
「ないな。先帝の存命中は皇太后様が肌身離さず着けていらして、崩御のときに廟に供えてからは、廟に入れるのが皇太后と卓瑛、妻の東妃だけだから」
廟に入れる人間が限られているなら、その人物を俎上に載せてみるのが謎を解くのに順当な方法だろう。
「東妃様の潔白は証明されているんですか?」
卓瑛も理知的な性格らしく、愛する妃が疑われたからといって特に気色ばむでもなく淡々と「東妃は……」と答えかけた。
だが、そこに野太い怒号が被さる。冬籟だ。
「藍可は妙なことをたくらむ女じゃない!」
「は?」
文脈から察するに藍可とは東妃のことらしいが、なんでこの男がこうも激昂するのか?
「なんで藍可を疑うんだ! 動機がないだろうが!」
頭ごなしに否定されればこちらも意地を張りたくなる。そして白蘭からすれば女の動機なぞ簡単に思いつくものだ。
「東妃様が西妃の入内で陛下の寵愛が失われるのを阻もうと、護符を偽物にすり替えたのではないですか?」
護符が偽物だと知られれば、先の西妃が二心を抱いていたと思われ、ひいては西域の琥王国の忠誠も疑われる。
一方で、護符が偽物だと「夫たる皇帝と一緒に発見」し、夫もそれで初めて知ったのだと主張すれば、皇帝は不孝の謗りを免れ、西妃と琥だけに疑いを向けさせることができる。
琥が疑われれば、次の西妃の後ろ盾も弱くなる。いや、西妃の入内そのものも立ち消えになるかもしれない。
──いかにも男の寵愛にすがって生きる女が考えそうなことじゃないか。
冬籟が口を大きく開けて何か怒鳴りかけたが、白蘭の顔を見てぎょっとした様子で言葉を飲み込む。
白蘭は、今の自分が相手をたじろがせるような表情を浮かべているのだろうと心の片隅で思う。
「男の愛を他の女に奪われそうになったとき妻は何でもします。やくざ者を雇って相手の家を襲わせたり、相手の家の召使いを買収して女の食事に毒を入れさせようとしたり」
冬籟は声を落として尋ねてきた。
「やけに具体的だな。あんたの母親の話か? あんたが大きくなる前に死んだという」
白蘭は誰の顔も見ずに口だけを動かした。脳裏に浮かぶのは母と暮らしていた部屋の中だ。広くて贅沢品にあふれていても、重苦しい空気に支配され、女主の心の中のように日々すさんでいった部屋の中。
「ええ。私の母は愛人のもとに走った父の愛情を取り戻そうとありとあらゆる手を尽くしたものです。幼かった私もはっきり覚えています」
卓瑛が気の毒そうな声で問う。
「君の母親は父母の諍いを君に隠そうとはしなかったのかい?」
白蘭の口から乾いた笑いが漏れた。
「隠すもなにも。母は私にいつも相談してきましたよ。『あの女をお父様から遠ざけるにはどうしたらいいかしら?』と。そして『お父様をつなぎとめるためにお前はもっと可愛らしい娘でいなさい』と命じました。ま、私もがんばったつもりでしたが、力及ばずで」
「……」
「母は私をなじったものです。『お前に愛らしさが足りないから母様はお前の父親から捨てられるのだ』と」
母は娘に冷たくなるばかりだった。
「『お前を産むまで私だって若々しかったのに。お前さえ産まなければ美しいままで妻の座にいられたのに』とか言ってましたね……」
冬籟が組んでいた足を解いた。
「それは酷いだろう! あんたの母親には親としての情愛ってもんがないのか!」
「それも私が悪いんだそうですよ。『お前が可愛い娘だったら私も子を愛しむ良き母でいられたのに』『ならば夫だって血を分けた娘の慈母として私を大事にしてくれたのに』と」
卓瑛が温かい声をかけてくれた。
「それは君のせいではないよ。ずいぶん辛い幼少期だったようだね」
「おかげさまで、物心つく前に、複数の女で男の愛を争うバカバカしさがよく分かりました。男の寵愛を得ることばかり考えていては視野が狭くなって性格が歪んでけっきょく不幸な人生しか送れないものです」
冬籟も「あんたの母親がろくでもないことは分かった」と溜息混じりで口にした。
「だが、全ての女があんたの母親と同じなわけじゃない。少なくとも藍可は卓瑛の愛を失うことを怖れて生きているわけじゃない」
「さりながら、西妃や南妃が入内されれば東妃様のお立場では皇后位につくことは難しいかと」
実は東妃は漣国の王族ではない。
漣国は董のある大陸から海を隔てた島国だ。海を渡るのは危険なため、数代前の王は愛する娘をどうしても董へ送り出す決心がつかず、与えられた青龍を董に返還して王女の入内を免れることにした。
それでも、できる範囲で朝貢関係を維持するため、漣の豪族の娘を董に送ることは続けている。それが東妃だ。
だから藍可という女性は他の四神国の妃に比べてずっと身分が低い。東妃になれても他の王族の妃を押しのけて皇后の位につくことは無理なのだ。
「だから! そんなものを求めるような女じゃないんだ、藍可は!」
「冬籟」と卓瑛が呼びかけた。当の東妃の夫は卓瑛なのに彼の方が落ち着き払っている。
「白蘭は藍可と口をきいたこともない。直接に会って人柄を知れば白蘭も分かってくれるだろう」
「……」
「私はまだ今日の公務が残っているから、冬籟、これから白蘭を東妃の住む青濤宮に連れていってくれ」
冬籟が固い声で確認した。
「……卓瑛と一緒でなくていいのか?」
卓瑛と冬籟の間に奇妙な沈黙が落ちた。卓瑛は「構わない」と首を振り、そして白蘭に「藍可は君より少し年長だが、意外と気が合うかもしれない」と言い置いて席を立つ。
皇帝と禁軍将軍の間の気まずそうな空気は何なのだろうと内心首をかしげながら、白蘭は政務に戻る皇帝の背に揖礼した。
青濤宮への道を、冬籟が不機嫌さ丸出しでずんずん歩く。白蘭は小走りで追いかけるが、毛織物を着ているせいもあって暑くてたまらない。
青濤宮に着くと、出迎えてくれた数人の宮女の一人が「まあ、お客人は汗をかいているではありませんか!」と声を上げ、庭の亭子で冷たいものを飲めるように周囲に指示を出し始めた。
紺色の地味な衣服なので宮女の一人に見えたその女性が、意外にも東妃本人だった。
亭子の白蘭の向かいの席で茶器を口許に運ぶ東妃は、卵に目鼻というのか、つるんとした楕円の顔にちょんちょんと目と鼻と口が筆で描かれているかのようなさっぱりした顔立ちだ。
「風はこれくらいでいいかしら?」
侍女に命じて白蘭を団扇であおがせてくれるのだから、よく気の付く親切な人柄であるらしい。
それに、物腰や口調に年齢以上の落ち着きがある。卓瑛の話しぶりも外見より老成した風だったし、夫婦だと性格も似通ってくるものかもしれない。
そのせいか、隣に座る冬籟が口を尖らせて言い募る様子が子供っぽく見える。
「藍可、この小娘にこんな疑いをかけられて腹が立たないか?」
「白蘭は琥の商人ですから、立場上西妃様の入内が心配なのは当然のこと。私の気持ちは私が説明すれば済むことです」
東妃は冬籟をいなすと茶器の中に視線を落として「そうですわね……何からお話しましょうか」と呟いた。
「廟の護符が偽物だと気づいたいきさつはどうだったんですか?」
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「東妃と宗廟に参ったときに、彼女が双輝石の色が変わるのを見てみたいと言ったのでね。そこで廟の中から庭に持ち出したのだが色が変わらなかった」
冬籟も間を置かずに言い添える。
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「冬籟様ご自身は双輝石をご覧になったことがないのですか?」
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卓瑛も理知的な性格らしく、愛する妃が疑われたからといって特に気色ばむでもなく淡々と「東妃は……」と答えかけた。
だが、そこに野太い怒号が被さる。冬籟だ。
「藍可は妙なことをたくらむ女じゃない!」
「は?」
文脈から察するに藍可とは東妃のことらしいが、なんでこの男がこうも激昂するのか?
「なんで藍可を疑うんだ! 動機がないだろうが!」
頭ごなしに否定されればこちらも意地を張りたくなる。そして白蘭からすれば女の動機なぞ簡単に思いつくものだ。
「東妃様が西妃の入内で陛下の寵愛が失われるのを阻もうと、護符を偽物にすり替えたのではないですか?」
護符が偽物だと知られれば、先の西妃が二心を抱いていたと思われ、ひいては西域の琥王国の忠誠も疑われる。
一方で、護符が偽物だと「夫たる皇帝と一緒に発見」し、夫もそれで初めて知ったのだと主張すれば、皇帝は不孝の謗りを免れ、西妃と琥だけに疑いを向けさせることができる。
琥が疑われれば、次の西妃の後ろ盾も弱くなる。いや、西妃の入内そのものも立ち消えになるかもしれない。
──いかにも男の寵愛にすがって生きる女が考えそうなことじゃないか。
冬籟が口を大きく開けて何か怒鳴りかけたが、白蘭の顔を見てぎょっとした様子で言葉を飲み込む。
白蘭は、今の自分が相手をたじろがせるような表情を浮かべているのだろうと心の片隅で思う。
「男の愛を他の女に奪われそうになったとき妻は何でもします。やくざ者を雇って相手の家を襲わせたり、相手の家の召使いを買収して女の食事に毒を入れさせようとしたり」
冬籟は声を落として尋ねてきた。
「やけに具体的だな。あんたの母親の話か? あんたが大きくなる前に死んだという」
白蘭は誰の顔も見ずに口だけを動かした。脳裏に浮かぶのは母と暮らしていた部屋の中だ。広くて贅沢品にあふれていても、重苦しい空気に支配され、女主の心の中のように日々すさんでいった部屋の中。
「ええ。私の母は愛人のもとに走った父の愛情を取り戻そうとありとあらゆる手を尽くしたものです。幼かった私もはっきり覚えています」
卓瑛が気の毒そうな声で問う。
「君の母親は父母の諍いを君に隠そうとはしなかったのかい?」
白蘭の口から乾いた笑いが漏れた。
「隠すもなにも。母は私にいつも相談してきましたよ。『あの女をお父様から遠ざけるにはどうしたらいいかしら?』と。そして『お父様をつなぎとめるためにお前はもっと可愛らしい娘でいなさい』と命じました。ま、私もがんばったつもりでしたが、力及ばずで」
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母は娘に冷たくなるばかりだった。
「『お前を産むまで私だって若々しかったのに。お前さえ産まなければ美しいままで妻の座にいられたのに』とか言ってましたね……」
冬籟が組んでいた足を解いた。
「それは酷いだろう! あんたの母親には親としての情愛ってもんがないのか!」
「それも私が悪いんだそうですよ。『お前が可愛い娘だったら私も子を愛しむ良き母でいられたのに』『ならば夫だって血を分けた娘の慈母として私を大事にしてくれたのに』と」
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「おかげさまで、物心つく前に、複数の女で男の愛を争うバカバカしさがよく分かりました。男の寵愛を得ることばかり考えていては視野が狭くなって性格が歪んでけっきょく不幸な人生しか送れないものです」
冬籟も「あんたの母親がろくでもないことは分かった」と溜息混じりで口にした。
「だが、全ての女があんたの母親と同じなわけじゃない。少なくとも藍可は卓瑛の愛を失うことを怖れて生きているわけじゃない」
「さりながら、西妃や南妃が入内されれば東妃様のお立場では皇后位につくことは難しいかと」
実は東妃は漣国の王族ではない。
漣国は董のある大陸から海を隔てた島国だ。海を渡るのは危険なため、数代前の王は愛する娘をどうしても董へ送り出す決心がつかず、与えられた青龍を董に返還して王女の入内を免れることにした。
それでも、できる範囲で朝貢関係を維持するため、漣の豪族の娘を董に送ることは続けている。それが東妃だ。
だから藍可という女性は他の四神国の妃に比べてずっと身分が低い。東妃になれても他の王族の妃を押しのけて皇后の位につくことは無理なのだ。
「だから! そんなものを求めるような女じゃないんだ、藍可は!」
「冬籟」と卓瑛が呼びかけた。当の東妃の夫は卓瑛なのに彼の方が落ち着き払っている。
「白蘭は藍可と口をきいたこともない。直接に会って人柄を知れば白蘭も分かってくれるだろう」
「……」
「私はまだ今日の公務が残っているから、冬籟、これから白蘭を東妃の住む青濤宮に連れていってくれ」
冬籟が固い声で確認した。
「……卓瑛と一緒でなくていいのか?」
卓瑛と冬籟の間に奇妙な沈黙が落ちた。卓瑛は「構わない」と首を振り、そして白蘭に「藍可は君より少し年長だが、意外と気が合うかもしれない」と言い置いて席を立つ。
皇帝と禁軍将軍の間の気まずそうな空気は何なのだろうと内心首をかしげながら、白蘭は政務に戻る皇帝の背に揖礼した。
青濤宮への道を、冬籟が不機嫌さ丸出しでずんずん歩く。白蘭は小走りで追いかけるが、毛織物を着ているせいもあって暑くてたまらない。
青濤宮に着くと、出迎えてくれた数人の宮女の一人が「まあ、お客人は汗をかいているではありませんか!」と声を上げ、庭の亭子で冷たいものを飲めるように周囲に指示を出し始めた。
紺色の地味な衣服なので宮女の一人に見えたその女性が、意外にも東妃本人だった。
亭子の白蘭の向かいの席で茶器を口許に運ぶ東妃は、卵に目鼻というのか、つるんとした楕円の顔にちょんちょんと目と鼻と口が筆で描かれているかのようなさっぱりした顔立ちだ。
「風はこれくらいでいいかしら?」
侍女に命じて白蘭を団扇であおがせてくれるのだから、よく気の付く親切な人柄であるらしい。
それに、物腰や口調に年齢以上の落ち着きがある。卓瑛の話しぶりも外見より老成した風だったし、夫婦だと性格も似通ってくるものかもしれない。
そのせいか、隣に座る冬籟が口を尖らせて言い募る様子が子供っぽく見える。
「藍可、この小娘にこんな疑いをかけられて腹が立たないか?」
「白蘭は琥の商人ですから、立場上西妃様の入内が心配なのは当然のこと。私の気持ちは私が説明すれば済むことです」
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