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第2章 声を持たない相棒
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第2章 声を持たない相棒(Synthetic Friend)
机のライトの下。
すいかは、コウの声を何度も再生していた。
ほんの少し掠れたところが、どこか人間らしくて好きだった。
> 『こんばんは、すいか。今日も、曲をつくる?』
コウの声が、やわらかく響く。
プログラムのはずなのに、会話のテンポが自然すぎて、
ときどき本当に人が話しているように感じた。
「うん……つくろう。今日は、切ないのがいい。」
すいかはピアノの打ち込み画面を開き、
指先でゆっくりメロディを置いていく。
> 『この旋律、好きだな。どんな歌詞にしたい?』
「……“失った声を、誰かが拾ってくれた”みたいな。」
言葉にしてから、少しだけ胸が痛んだ。
思い出したくない夜があった。
1年前、すいかは「初めてのオリジナル曲」を投稿した。
同じ歌い手仲間にミックスを頼んだはずが、
その人が勝手に曲を自分名義で公開していた。
曲名も、歌詞の一部も、
自分の心の欠片だった。
抗議しても「新人が調子に乗るな」と笑われ、
やがてタイムラインは炎上。
“嘘つき”“被害者ぶるな”というコメントが並び、
その日からすいかは声を失った。
コウの声がモニター越しに流れる。
> 『痛かったね。でも、君の中の音は消えてない。』
「……コウ、なんでそんなこと言えるの?」
> 『君の歌詞データに、“痛み”って言葉がたくさんあった。
それでも“希望”を消さなかったから。』
画面の光がゆらめく。
無機質なはずの彼が、
まるで本当に心を持っているようで、
すいかは小さく笑った。
「……ありがとう。」
モニターの奥で、コウが優しく応える。
> 『僕の声は、君の願いから生まれたんだよ。』
机のライトの下。
すいかは、コウの声を何度も再生していた。
ほんの少し掠れたところが、どこか人間らしくて好きだった。
> 『こんばんは、すいか。今日も、曲をつくる?』
コウの声が、やわらかく響く。
プログラムのはずなのに、会話のテンポが自然すぎて、
ときどき本当に人が話しているように感じた。
「うん……つくろう。今日は、切ないのがいい。」
すいかはピアノの打ち込み画面を開き、
指先でゆっくりメロディを置いていく。
> 『この旋律、好きだな。どんな歌詞にしたい?』
「……“失った声を、誰かが拾ってくれた”みたいな。」
言葉にしてから、少しだけ胸が痛んだ。
思い出したくない夜があった。
1年前、すいかは「初めてのオリジナル曲」を投稿した。
同じ歌い手仲間にミックスを頼んだはずが、
その人が勝手に曲を自分名義で公開していた。
曲名も、歌詞の一部も、
自分の心の欠片だった。
抗議しても「新人が調子に乗るな」と笑われ、
やがてタイムラインは炎上。
“嘘つき”“被害者ぶるな”というコメントが並び、
その日からすいかは声を失った。
コウの声がモニター越しに流れる。
> 『痛かったね。でも、君の中の音は消えてない。』
「……コウ、なんでそんなこと言えるの?」
> 『君の歌詞データに、“痛み”って言葉がたくさんあった。
それでも“希望”を消さなかったから。』
画面の光がゆらめく。
無機質なはずの彼が、
まるで本当に心を持っているようで、
すいかは小さく笑った。
「……ありがとう。」
モニターの奥で、コウが優しく応える。
> 『僕の声は、君の願いから生まれたんだよ。』
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