召喚するは我にあり

第九夜

堕天使降臨

「抜き打ちチェックなら、姿を現さずに陰から見守っててくださいよ、サマエル様。」

ぼくは牙の生えてている恐ろしい形相の悪魔に懇願した。

「人間風情が我が名を呼び捨てにするでないわ。宇宙の塵にしてやろうか？」

うーむ、基本的にこのパターンか？いい加減、慣れたからあまり驚かないんだよね。

「まぁまぁそういきり立たないで。実はこの納涼肝試し大会では、一番早くゴールインしたチームと、一番驚かせたチームには、UFJにご招待という商品が付くんですよ。もし今ここで仲直りしてくれるならおふたりにそのチケットを、プレゼントしてもいいんですけどね。」

「ギャーっご主人たま！なんでそんなことバラしちゃうんですか！？優勝したらご褒美に泊まりがけで連れてってくれるって約束したクセにー！！」

コイツ、現在のこの危機的状況を少しは察しろよ！大体、今、天界大戦でも勃発しようものなら、魔法学校どころじゃないだろうが！と口に出さずにツッコむ。

「なんで我がよりによって憎っくき天使なんぞと仲良く手を繋いでUFJに行かねばならんのだ。・・・ひとりでなら考えんでもないぞ。」
サマエルが歯をむく。
でも、行きたいんだな。

そこまでは仲良くしろとはボクも言ってないし、期待してない。

「それは私の台詞だ！私が行きたいのはTDLだTDL！大体、UFJは魔法学校なぞある魔界ではないか！そんな穢れた場所へこの大天使ともあろう私が行くと思うか！？」
同じく少女姿のミカエルまでも、青い目をむいた。

「そうですよん。ミカエルとサマエルどのんはおふたりで、スーパー銭湯地獄温泉の湯にでも湯治にでもに行っててくださいな☆☆」

「行くかっ！」
「行くかっ！」
「行くかっ！」

本当にコイツは人の話を聴かない奴だよな。
とにかく人参をぶら下げてみたものの思う様な効果がなかったので、急いで別の手を考えなくちゃ。