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第4章 近隣国との軋轢
4.6 開戦前夜2
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これらの一連の動きは、まさに開戦前夜であり、実際自衛隊の実戦部隊はすでに動き始めている。尖閣諸島近海の戦場へは、護衛艦はイージス艦4隻、あきつき、たかつき、むらさめ、さらにあさぎり型の18艦に加え、やはり対潜ヘリの運用のためにひゅうが型のいせを出している。
これらの大艦隊は、沖縄を出発して沖縄から約450kmの尖閣諸島までの100kmの中間点に進出の予定であり、現在15ノットで進んでいる。さらに、潜水艦6艦が選定されてすでに尖閣近海に進出している。航空部隊は、沖縄にF15が150機、F2が50機、F35が50機が進出して、出動態勢を整えているし、それに加えて偵察機10機、航空管制機が2機も加わっている。
水井健二は、尖閣派遣の大艦隊の旗艦になっている護衛艦あきづきに、司令官である広山慎吾海将及び司令部スタッフと共に乗っている。現在の彼の立場は特防衛担当官という職名であり、これは秘匿名が魔法担当官であり、現在では自衛隊には彼しかおらず、その有用性と特殊性に鑑み、士官として3尉相当として遇されている。
彼はハヤトによる訓練の後に、海上自衛隊に移籍してレーダー等のそのシステムと魔力との融合に努力してきた。魔法使いとしての彼の能力は、マップ機能で半径100km程度であるが、位置がレーダーや他の地図でわかっている場合には200km程度まで探知が可能である。
探査魔法によって、探知出来れば火と風の魔法すなわち、熱の発生、念動力を使用することが出来る。そこで、探査範囲が500㎞の範囲である護衛艦のレーダーと重ねて様々に試行・訓練を繰り返した。その訓練の中で、レーダーの電波と魔法をシンクロさせて、レーダーの探査範囲である500kmまでの範囲の探査を出来るようになった。
探査が出来れば、火・風の魔法は使えるので、彼はあきづきのレーダーの有効範囲の敵の攻撃ができることになる。ハヤトにとっても、そのようなことが可能であるのは初めての発見であったため、彼は沖縄で艦を訪れそれが事実であることを確認した。
このことは、今後水井に近い能力者が集まれば、極めて有用な能力であるとの認識が自衛隊内に共有された。ただし、ハヤトにとってこの発見、最新のXバンドレーダーであっても射撃管制能力半径500kmであるため、探知距離が1000kmと彼のマップの能力の限界内であるため殆ど価値はない。
なお、倍の水上戦力、3倍の航空戦力と戦う自衛隊員は、実際には意外なほど明るく悲壮感は殆どなかった。これは、多くのものが直接ハヤトにより、魔法の処方を受けているためもあり、彼らはどういう理由からか“まもる君”は魔法の能力の現れの一つと考えていることがある。
その信頼の一つの表れが、海上自衛隊に配員されている、水井健二魔法担当官である。彼については、同僚として共に訓練に当たったものはその信じられないほどの能力を把握しており、これは隊員全員に密かに既に伝わっている。そして、水井が常々、「俺なんか、ハヤトさんに比べれば、幼児同然ですよ」と言っているわけである。
そういうことで、今回の戦いを担う隊員たちは、ハヤトが沖縄にすでに入っていることを知っており、沖縄にいるハヤトと艦隊の旗艦のあきづきに乗っている水井の存在があれば、負けはないと信じていた。
さて、今回の中国のように相手が明らかに侵略の意図を明らかにしている場合には、通常の国は相手が向かってくれば攻撃することに何の問題もない。しかし、日本国憲法で縛られている日本国自衛隊は、政府がぎりぎりのラインとして出した、わずか陸から12kmの領海を越える、または相手が攻撃のアクションを実施するかのいずれかをクリヤーする必要がある。
この点の大きな問題は、日本のマスコミがさらけ出したそのラインは、相手も承知であることである。従って、それを逆手に取られ、ぎりぎりまで近寄られて攻撃されると、避けようもないし、水井の能力も生かせないことになる。この点は、水井も承知しており、ハヤトと行動をすり合わせのために、共に航空機で沖縄入りした彼にある作戦を授けられている。
無論、こうした戦いに始めて挑む水井は不安でいっぱいであったが、今回以上の修羅場を場数を踏んで慣れているハヤトの存在と、アドバイスは極めて心強いものであった。ハヤトは、沖縄の海上自衛隊のうるま基地に落ち着いたが、いつもの安井に加え、浅井みどりも一緒である。
もう、ハヤトも割り切っていて、魔法使いにとって精神の安定は極めて重要ということを言って、堂々と同行を要求している。実際に、みどりはハヤトが多忙で手を離せない場合でも魔法の処方に極めて有能なので、それ相応の理由はある。
ハヤトは沖縄に来る前から、中国の人工衛星の無力化に着手していた。彼らの衛星については、やはり自衛隊のデータベースに含まれており、それを元に、防衛研究所の助けも借りて彼らの持っているソフトにコンピュータ上に位置を示せるようにインプットした。
中国の衛星を処理することは、ハヤトはすでに防衛省とも協議済であるため、所長の合田も承知しており、それ以上のことをハヤトに依頼する。
「ハヤト君、人工衛星の数はロシアのものが一番多いのだが、彼らのものは明らかにスパイ衛星や物騒なものも多い。どうせなら、一緒にインプットしたいがいいかね?」
ハヤトも涼しい顔で返す。
「いいですよ。でも、それがどれか判らなくなって一緒に処理することになってもいいですか?」
「むろん、私は困らないし、防衛省とも協議済だよ」
対しての合田の返事である。
結局、そのソフトへのインプットは出発間際になったので、ハヤトはそのシステムの入ったコンピュータを持って、沖縄に着いた翌日から作業を始めた。それは、全133機の中国の衛星の内日本を監視でき、生きているとされる52機に、ロシアの衛星の内日本を監視可能であるもの22機について、ハヤトはコンピュータを睨みながら、探し出し、地球との信号の受発信機の動力ケーブルを探り出し焼き切る。
探した中に、以前配線を引きちぎった中国の衛星も見つかったが、当然無視した。74機の衛星が機能を止めたのは、地球を周回する衛星が処理可能な距離にくるのを待つ必要があったため3日後であり、順次機能を止める衛星に、当然中国・ロシアの監視センターでは大騒ぎになった。
「なんだと、衛星が使えなくなった?では日本艦隊と軍用機の空港の監視ができんではないか。何とか復旧しろ!」
中国の軍事委員の祭ジンサイが受話器に叫ぶ。
「は、はい、いま懸命にやっています。しかし、いずれも何の前触れもなく機能を停止しており、それもすべて日本上空を周回する軌道にいる時点でのことです」
管理センターの責任者の葉が震える声で答える。莫大な投資のもとに打ち上げて運用していた、軍事・商用の使える衛星の75%が機能を失ったのだ。粛清もありうると真っ青になるのは無理もない。
祭は司令部要員を集めて協議に入ったが、若手の遼少将から多分当たっているだろう想定が述べられた。
「これは、多分日本の“まもる君”による破壊行為でしょう。まさにミサイルに関して彼らがいう防衛範囲に入っています。つまり、その範囲に入っているミサイルのみならず衛星も攻撃対象に入るということです。実は、私は、以前に日本を監視対象にしていた衛星のカメラが機能を失った件を調べたのですが、これは彼らのいう“まもる君”の配備の前だったのです。
しかし、これから私は、彼らが衛星の破壊を始めるのではないかと恐れていましたが、実際に始めたわけです。また、これは、我が国の第2砲兵による弾道弾による攻撃は、日本には完全に防がれるという証明でもあります。さらに、かれらが衛星を無力化することができるのなら、航空機及び艦船をできないという証拠はないのです」
遼少将の言葉に室内に沈黙が落ちたが、気を取り直した総参謀長の明リョウタクが熱弁を振るう。
「しかし諸君、もはやサイは投げられたのだ。いまさら、憶測をもとに作戦の中止はできん。幸い日本にはあの憲法がある。要はわが軍が、最初の一発を撃たずさらに彼らのいう領海の線を越えなければ、彼らから攻撃はできんのだ。彼らに20から30kmまで近づいて攻撃を始めれば、躱すこともできず彼らを破壊できるはずだ。
航空戦力は、我が方が3倍の戦力を持っているから、主として空からの飽和攻撃で彼らに大打撃を与えればいいのだ。あと、2日で開戦になる。宇宙からの監視ができないのは、いままでの監視の結果で補えるし、わが方も、彼らと変わらない半径500㎞の有効範囲のレーダーを持っている。
性能的に大差のない戦力を海で2倍、空で3倍投入するのだ。最終的には圧倒できる。みな、頼んだぞ。現地の軍を激励し、しかるべく督戦してくれ」
このように言う、総参謀長の言葉を頼りに彼らは戦いを始めるしかないのだ。
ハヤトの連絡によって、中国の人工衛星で日本を監視できるもののすべての機能を停止したことを知った日本政府は、内部の一連の協議の上でそのことを公表した。
「中国政府は、尖閣諸島を武力で侵略することを宣言した。我が国は、これを実質的に我が国に宣戦を布告したに等しいと考えている。従って、我が国は敵国に対する当然の措置として、中国の偵察衛星であって我が国を監視対象にしているものは、全てその機能を破壊した」
無論、中国は日本の発表したことに対して、軍事用のみならず商用も入っていると激しく抗議し、賠償を要求した。しかし、日本からは無視され、国際的にも、すべての国に喧嘩を売ったに等しい中国政府の言うことに同調するものは居なかったが、ロシアは別であった。
ロシアも、中国と同様に衛星の機能を止めたのは、日本の周辺であることは当然わかっており、その日本の発表の直後猛烈な抗議を行った。
「日本は、中国の衛星の破壊にことよせて、我が国の衛星も22機を破壊した。これは意図的なものであり許すことはできない。その賠償を要求する。もし応じない場合は、日本は我が国との開戦を覚悟しなければならない」
日本はこれに対して反論した。
「我が国がその機能を破壊したのは、軍事的に我が国を監視していた衛星に限っているのであるが、中国製と他国製を判別することは困難であった。仮にロシア製であるとすれば、ロシアは軍事的に我が国を監視するためにその衛星を運用していることになる。
その意味では、敵意をもって我が国の先に宣言した我が国の防衛範囲を巡っていたわけであるので、それを破壊するのは我が国の権利である」
そう突っぱねて後は相手にしなかった。ロシアはウクライナの侵略の失敗で世界の懲罰対象になっていて、著しく国際的な影響力を落としている。K国以下であった経済力はさらに落としており、核戦力頼りの軍事力も”まもる君”の登場で意味のないものと見られている。
これらの大艦隊は、沖縄を出発して沖縄から約450kmの尖閣諸島までの100kmの中間点に進出の予定であり、現在15ノットで進んでいる。さらに、潜水艦6艦が選定されてすでに尖閣近海に進出している。航空部隊は、沖縄にF15が150機、F2が50機、F35が50機が進出して、出動態勢を整えているし、それに加えて偵察機10機、航空管制機が2機も加わっている。
水井健二は、尖閣派遣の大艦隊の旗艦になっている護衛艦あきづきに、司令官である広山慎吾海将及び司令部スタッフと共に乗っている。現在の彼の立場は特防衛担当官という職名であり、これは秘匿名が魔法担当官であり、現在では自衛隊には彼しかおらず、その有用性と特殊性に鑑み、士官として3尉相当として遇されている。
彼はハヤトによる訓練の後に、海上自衛隊に移籍してレーダー等のそのシステムと魔力との融合に努力してきた。魔法使いとしての彼の能力は、マップ機能で半径100km程度であるが、位置がレーダーや他の地図でわかっている場合には200km程度まで探知が可能である。
探査魔法によって、探知出来れば火と風の魔法すなわち、熱の発生、念動力を使用することが出来る。そこで、探査範囲が500㎞の範囲である護衛艦のレーダーと重ねて様々に試行・訓練を繰り返した。その訓練の中で、レーダーの電波と魔法をシンクロさせて、レーダーの探査範囲である500kmまでの範囲の探査を出来るようになった。
探査が出来れば、火・風の魔法は使えるので、彼はあきづきのレーダーの有効範囲の敵の攻撃ができることになる。ハヤトにとっても、そのようなことが可能であるのは初めての発見であったため、彼は沖縄で艦を訪れそれが事実であることを確認した。
このことは、今後水井に近い能力者が集まれば、極めて有用な能力であるとの認識が自衛隊内に共有された。ただし、ハヤトにとってこの発見、最新のXバンドレーダーであっても射撃管制能力半径500kmであるため、探知距離が1000kmと彼のマップの能力の限界内であるため殆ど価値はない。
なお、倍の水上戦力、3倍の航空戦力と戦う自衛隊員は、実際には意外なほど明るく悲壮感は殆どなかった。これは、多くのものが直接ハヤトにより、魔法の処方を受けているためもあり、彼らはどういう理由からか“まもる君”は魔法の能力の現れの一つと考えていることがある。
その信頼の一つの表れが、海上自衛隊に配員されている、水井健二魔法担当官である。彼については、同僚として共に訓練に当たったものはその信じられないほどの能力を把握しており、これは隊員全員に密かに既に伝わっている。そして、水井が常々、「俺なんか、ハヤトさんに比べれば、幼児同然ですよ」と言っているわけである。
そういうことで、今回の戦いを担う隊員たちは、ハヤトが沖縄にすでに入っていることを知っており、沖縄にいるハヤトと艦隊の旗艦のあきづきに乗っている水井の存在があれば、負けはないと信じていた。
さて、今回の中国のように相手が明らかに侵略の意図を明らかにしている場合には、通常の国は相手が向かってくれば攻撃することに何の問題もない。しかし、日本国憲法で縛られている日本国自衛隊は、政府がぎりぎりのラインとして出した、わずか陸から12kmの領海を越える、または相手が攻撃のアクションを実施するかのいずれかをクリヤーする必要がある。
この点の大きな問題は、日本のマスコミがさらけ出したそのラインは、相手も承知であることである。従って、それを逆手に取られ、ぎりぎりまで近寄られて攻撃されると、避けようもないし、水井の能力も生かせないことになる。この点は、水井も承知しており、ハヤトと行動をすり合わせのために、共に航空機で沖縄入りした彼にある作戦を授けられている。
無論、こうした戦いに始めて挑む水井は不安でいっぱいであったが、今回以上の修羅場を場数を踏んで慣れているハヤトの存在と、アドバイスは極めて心強いものであった。ハヤトは、沖縄の海上自衛隊のうるま基地に落ち着いたが、いつもの安井に加え、浅井みどりも一緒である。
もう、ハヤトも割り切っていて、魔法使いにとって精神の安定は極めて重要ということを言って、堂々と同行を要求している。実際に、みどりはハヤトが多忙で手を離せない場合でも魔法の処方に極めて有能なので、それ相応の理由はある。
ハヤトは沖縄に来る前から、中国の人工衛星の無力化に着手していた。彼らの衛星については、やはり自衛隊のデータベースに含まれており、それを元に、防衛研究所の助けも借りて彼らの持っているソフトにコンピュータ上に位置を示せるようにインプットした。
中国の衛星を処理することは、ハヤトはすでに防衛省とも協議済であるため、所長の合田も承知しており、それ以上のことをハヤトに依頼する。
「ハヤト君、人工衛星の数はロシアのものが一番多いのだが、彼らのものは明らかにスパイ衛星や物騒なものも多い。どうせなら、一緒にインプットしたいがいいかね?」
ハヤトも涼しい顔で返す。
「いいですよ。でも、それがどれか判らなくなって一緒に処理することになってもいいですか?」
「むろん、私は困らないし、防衛省とも協議済だよ」
対しての合田の返事である。
結局、そのソフトへのインプットは出発間際になったので、ハヤトはそのシステムの入ったコンピュータを持って、沖縄に着いた翌日から作業を始めた。それは、全133機の中国の衛星の内日本を監視でき、生きているとされる52機に、ロシアの衛星の内日本を監視可能であるもの22機について、ハヤトはコンピュータを睨みながら、探し出し、地球との信号の受発信機の動力ケーブルを探り出し焼き切る。
探した中に、以前配線を引きちぎった中国の衛星も見つかったが、当然無視した。74機の衛星が機能を止めたのは、地球を周回する衛星が処理可能な距離にくるのを待つ必要があったため3日後であり、順次機能を止める衛星に、当然中国・ロシアの監視センターでは大騒ぎになった。
「なんだと、衛星が使えなくなった?では日本艦隊と軍用機の空港の監視ができんではないか。何とか復旧しろ!」
中国の軍事委員の祭ジンサイが受話器に叫ぶ。
「は、はい、いま懸命にやっています。しかし、いずれも何の前触れもなく機能を停止しており、それもすべて日本上空を周回する軌道にいる時点でのことです」
管理センターの責任者の葉が震える声で答える。莫大な投資のもとに打ち上げて運用していた、軍事・商用の使える衛星の75%が機能を失ったのだ。粛清もありうると真っ青になるのは無理もない。
祭は司令部要員を集めて協議に入ったが、若手の遼少将から多分当たっているだろう想定が述べられた。
「これは、多分日本の“まもる君”による破壊行為でしょう。まさにミサイルに関して彼らがいう防衛範囲に入っています。つまり、その範囲に入っているミサイルのみならず衛星も攻撃対象に入るということです。実は、私は、以前に日本を監視対象にしていた衛星のカメラが機能を失った件を調べたのですが、これは彼らのいう“まもる君”の配備の前だったのです。
しかし、これから私は、彼らが衛星の破壊を始めるのではないかと恐れていましたが、実際に始めたわけです。また、これは、我が国の第2砲兵による弾道弾による攻撃は、日本には完全に防がれるという証明でもあります。さらに、かれらが衛星を無力化することができるのなら、航空機及び艦船をできないという証拠はないのです」
遼少将の言葉に室内に沈黙が落ちたが、気を取り直した総参謀長の明リョウタクが熱弁を振るう。
「しかし諸君、もはやサイは投げられたのだ。いまさら、憶測をもとに作戦の中止はできん。幸い日本にはあの憲法がある。要はわが軍が、最初の一発を撃たずさらに彼らのいう領海の線を越えなければ、彼らから攻撃はできんのだ。彼らに20から30kmまで近づいて攻撃を始めれば、躱すこともできず彼らを破壊できるはずだ。
航空戦力は、我が方が3倍の戦力を持っているから、主として空からの飽和攻撃で彼らに大打撃を与えればいいのだ。あと、2日で開戦になる。宇宙からの監視ができないのは、いままでの監視の結果で補えるし、わが方も、彼らと変わらない半径500㎞の有効範囲のレーダーを持っている。
性能的に大差のない戦力を海で2倍、空で3倍投入するのだ。最終的には圧倒できる。みな、頼んだぞ。現地の軍を激励し、しかるべく督戦してくれ」
このように言う、総参謀長の言葉を頼りに彼らは戦いを始めるしかないのだ。
ハヤトの連絡によって、中国の人工衛星で日本を監視できるもののすべての機能を停止したことを知った日本政府は、内部の一連の協議の上でそのことを公表した。
「中国政府は、尖閣諸島を武力で侵略することを宣言した。我が国は、これを実質的に我が国に宣戦を布告したに等しいと考えている。従って、我が国は敵国に対する当然の措置として、中国の偵察衛星であって我が国を監視対象にしているものは、全てその機能を破壊した」
無論、中国は日本の発表したことに対して、軍事用のみならず商用も入っていると激しく抗議し、賠償を要求した。しかし、日本からは無視され、国際的にも、すべての国に喧嘩を売ったに等しい中国政府の言うことに同調するものは居なかったが、ロシアは別であった。
ロシアも、中国と同様に衛星の機能を止めたのは、日本の周辺であることは当然わかっており、その日本の発表の直後猛烈な抗議を行った。
「日本は、中国の衛星の破壊にことよせて、我が国の衛星も22機を破壊した。これは意図的なものであり許すことはできない。その賠償を要求する。もし応じない場合は、日本は我が国との開戦を覚悟しなければならない」
日本はこれに対して反論した。
「我が国がその機能を破壊したのは、軍事的に我が国を監視していた衛星に限っているのであるが、中国製と他国製を判別することは困難であった。仮にロシア製であるとすれば、ロシアは軍事的に我が国を監視するためにその衛星を運用していることになる。
その意味では、敵意をもって我が国の先に宣言した我が国の防衛範囲を巡っていたわけであるので、それを破壊するのは我が国の権利である」
そう突っぱねて後は相手にしなかった。ロシアはウクライナの侵略の失敗で世界の懲罰対象になっていて、著しく国際的な影響力を落としている。K国以下であった経済力はさらに落としており、核戦力頼りの軍事力も”まもる君”の登場で意味のないものと見られている。
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