帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人

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第15章 変わってしまった地球世界

15.4 隣国の情勢

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「ええ!アメリカがスターダストを売ると、本当か?」
 K国空軍チョンサ・パク少佐は友人のムン少佐の言葉に驚いて、聞き返す。
「ああ、間違いない。それも200機一度にだ。レールガンも込みだぞ」

 前額が禿げ上がってきているムンは、嬉し気に言う。パクとムンは空軍士官学校の同期で、太田基地で航空参謀を務めているムンと、国内唯一の重力エンジン機5機の飛行隊の隊長を務めているパクは、しばしば今日のように2人で飲んでいる仲だ。

「しかし、ムン。日米は、我が国には事実上重力エンジン機は売らないと合意していただろう?それをアメリカは破るというのは、あの対日強硬論者のメジェル大統領の意向だな」

「ああ、まさにそうだな。アメリカは、5ヵ月前に日本に対して工業製品を中心に広範な製品に25%の上乗せ関税をかけた。しかし、実際のところ殆ど効果がないし、国内から強烈なブーイングだし、国際的には殆どあらゆる国から非難されている。
 異世界に向かい合った今の地球の現状で、何を時代錯誤なことをやっているのかとな。たしかにメジェルの狙いは、日本に攫われつつあるアメリカの覇権の死守だからな」

「うーん。アメリカの強みは何と言っても広大な国土と、先進国としては最大の人口、さらに科学技術のみならずあらゆる文化の発信地、さらにドル基軸通貨だからな。しかし、まず科学技術で最初に魔力の処方を国民に行き渡らせた日本に凌駕されてしまったよな。
 その後、アメリカの処方も始まってもう国民に行き渡ったが、知力増強による5年の日本の科学技術と社会の仕組みの先行は大きかったな。その間に、日本はAE発電とAEバッテリー、重力エンジン、それに魔力を使った新世代の通信技術を押さえ込んでしまったからな。

 アメリカは、日本からは最優先でそれらの技術・ノウハウを与えられたが、もともと生産技術では劣っていた彼らは十分それを生かしきれなかった。対サーダルタ帝国の戦いにしても、結局は日本が地球の兵器廠として機能して、アメリカの出る幕はあまりなかったものな。
 さらには、最初はタイからだったが、日本は、あの途上国成長のイナダ・モデルで理論づけ、融資を実行して20以上の途上国の中心国、先進国化を後押ししたし、東アフリカの日本自治区の存在もあるな。世界の国々が日本を世界のリーダー国として見るのも無理はないし、アメリカがそれを腹だたしく思うのも無理はないな」

「ああ、パクの言う通りだ。確かに、今度のアメリカの関税の引き上げは効いてはいるが、日本のアメリカへの輸出品は高いから買わないというものではないからな。関税引き上げで、日本からの輸出は当初だいぶ下がったが、売れ行きはあまり変わらないために元に戻りつつある。
 それに、それらの中層以上の消費者は税金の二重取りと言って怒っている。その結果もあって、メジェルの支持率はまた下がってきているようだ。そこで、敵の敵は味方というわけだ」

「ええ!わが大韓民国は日本の敵かよ!」
 パクはそう叫んで、うつむいて考えて再度話始める。

「うーん、確かに敵だな。キム・ユッケ大統領の時期には少し良かったのだがな。彼も国内のきちがいじみた反日勢力から、クーデターで権力を握ったことを声高に非難されて、2年で職を退いたものなあ。その後は反日が国是になっている我が国の世論に迎合する大統領ばかりだ。
 おかげで見てみろ、我が国のGDPはこの10数年微減だ。周辺諸国とアメリカ相手で細々と遅れた安物商品を売っている。反日ほど割に合わないものはないぞ」

「お前、そんなことを言っていると、親日として上から睨まれるぞ。日本の我が国対する扱いもひどいじゃないか。事実上の技術封鎖で、AE発電、AEバッテリー、重力エンジンの技術が入ってきたのは世界でも一番遅かったじゃないか。しかも、資源探査はやってないのは世界でも珍しいぞ。
 まあ、AE発電、AEバッテリー、重力エンジンなどは今は買えるようにはなったが、ブラックボックスだらけで、重要部は真似ができないようになっている。特に軍事技術がひどい。重力エンジン機はA国とB国から闇で買った5機、お前の隊のものだけで、レールガンもついていないので、いまだにガトリングガンとミサイルが主兵器だ。
 お陰で、わが軍には未だに海軍がいて、海上戦隊を保持している。

 日本の自衛隊はすでに、海上自衛隊は解体して、戦闘艦はすべて“ありあけ”型母艦かまたはその派生型だ。なにしろ、かれらの“しでん”戦闘機、“らいでん”攻撃機に、“ありあけ”型母艦は全て、海中、海上、大気圏内、大気圏外どこでも行動できるからな。重力エンジンを備えたあれらに海上戦隊など意味がない。
 隣の朝鮮共和国には“しでん”と“らいでん”を貸与しているのに、我が国はない。だから朝鮮共和国は我が国の軍に全く脅威を感じていないのだ。今の状態だと祖国統一など夢の話だ。くそちょっぱりめ!」

 ムンは持論を述べているうちにだんだん興奮してくる。
「まあまあ、落ち着け。それでも200機のスターダストがあれば話が違ってくるだろう?」

「ああ、サンダーボルト型攻撃機、ギャラクシー級母艦が買えればよかったのだが、流石にそれはできなかったようだ。それにな、ここだけの話だが」
 ムンはそう言ってパクの耳元で声を潜めて言う。
「スターダストに積める超小型核ミサイルが付いてくる」
 その言葉にパクは目を見開いた。

 彼は、元々日本に対してはニュートラルで、学校における反日教育には苦々しい思いがある。それは、叔父にあたる人が海外を渡り歩いた人で、日本に対する国内の報道と学校で行われる教育は偏っていて、結局それが国益を大いに損ねていると言っていたのだ。

 その叔父の勧めでインターネットを自分で探ると、確かに叔父の言うことの方が正しいのが明かであった。だから友人と両親にもその知ったことを伝えたが、その結果は極めて失望するものだった。友人は、たちまち彼に「親日派」というレッテルを張って周囲に言いふらし、彼を少年の世界の中で孤立に追い込んだし、両親はそのようなことを言うと「親日派」となって爪はじきになると言って、彼がその議論をすることを禁じた。

 その議論の中で解ったのは、これらの人々は、彼がマスコミ・学校で言われていることが間違っていると根拠を上げて示しても、頭から否定して根拠のない論にしがみつくことだ。そして、自分で調べてみようというものは殆どいない。

 幸いパクが運動能力は高く腕力もあったので、腕力にかけて虐めてくるものはいなかった。そのために、かれは孤独ではあるが自分の論を遠慮なしに言ってきたが、その過程で数人のものが彼の意見に賛成した。しかし、彼らは全てこっそり彼に賛成の旨を伝えるのみで自らは、人前で自分の意見を言うことはなかった。

 彼が軍に入ったのは、空を飛ぶのにあこがれたからで、成績の良い上に身体能力も高い彼が、空軍に入ることは試験の成績そのものは問題なかった。思想面では、彼は別に日本に好意を持っているわけではなく、ただ事実を事実として認めない社会に批判的であるのみだ。

 その点を問題にするものも居たが、流石に空軍においてはそのことをもって任官を拒否することはなかった。そのように一匹オオカミ的な彼が、唯一の重力エンジン機の編隊の長になっているというのは、よほど優秀であった証拠だ。その彼にしてみれば、核を持ち込むというのはとんでもないことだ。

 彼の意見では、核兵器は地球上の国同士の争いで使うには余りに威力がありすぎるし、残存する放射能の影響などを考慮すると兵器として不適である。それに彼もその一員である朝鮮民族は、血が頭に登りやすい。指導層に居る者ほど、部下から批判を許さない性格で我がままになっているという点を考えれば極めて危険である。

 軍の中に威勢の良いことを言うものも居るが、K国軍が日本と戦うなどとんでもなことだ。今や海軍はまったく意味のない戦力だし、陸軍も日本が上陸してこない限り意味がない。そして、彼が見るに日本人にはK国を占領しようなどという考えは全くない。

 つまり対抗する戦力は空軍のみなのだ。F35、F15K、F16などのジェット戦闘機・爆撃機は仮想敵の日本の“しでん”戦闘機には全く敵し得ない。つまり、彼も率いる“しでん”隊のみがまともに闘える戦力であるが、レールガンを持たず、旧来のミサイルとガトリングガンでは話にならない。

 なにしろ、ミサイルより相手の加速力の方が高いのだから、ミサイルはまったく使えないし、ガトリングガンでは相手の装甲に対してほぼ垂直に当たらないと打ち抜けないだろう。人工知能で精密なレールガンの照準を誇る“しでん”にガトリングガンが撃てる迄近づける訳はない。

 とはいえ、確かに、200機の重力エンジン機スターダストが入手できれば話は変わってはくるが、問題は核のことだ。彼はムンの目を見ながら口を開く。
「ムン、我が国の周辺はまだ安定しているとは言えない。だから、200機の重力エンジン機は正直に国防のためには有難い戦力ではある。AEバッテリーの励起も国内でできるようになっているからね。しかし、核ミサイル付きというのは気に入らないな。
 なぜなら、核ミサイルは隣接する朝鮮共和国、東北中国共和国、ロシア、日本の重力エンジン機には無力だ。“しでん”型は加速力がミサイルより大きいのだから、追いつけないものね。それは判るだろう?」

「ああ、それはな」
 ムンが少し目線を逸らして答える。
「では、核ミサイルを使うのは地上に対してということになる。市街地に向けて核ミサイルを放ち、市民を虐殺した場合、相手の国は反撃できなくても、間違いなく地球同盟軍が出てきて、その打ち込んだ国を制圧するだろうね」

 ムンは少し考えていたが、しぶしぶ頷く。
「ああ、そうだろうな。撃って人々を虐殺したら終わりだ。撃ち込むと脅しても同じだろうな。あっという間に地球同盟の母艦を含めた戦闘艦、戦闘機に制空権を取られる。うーん、確かに核は使い道がないな」

「どうせ、アメリカの狙いは日本への嫌がらせで、明らかに日本を敵視しているわが国に多少でも対抗できる戦力を与えて、この地域を混乱させようということだ。戦闘機は有難く買い取っておけばいい。ところで、どのくらいの値段を言っているのだ、F35に比べれば相当安いだろう?」

「うん、聞いている話だと、1機3千万ドルだから、F35の1.2億ドルにくらべると1/4だ」
「高いな、“しでん”は千5百万ドルときいているぞ」

「ああ、スターダストは“しでん”に比べると明らかにかっこいいよな。その分、量産性では劣るためだ。アメリカは安く作るという生産技術は日本に大分劣るからな。だから、地球同盟軍の戦闘機は全て“しでん”だ。スターダストに関してはこれでも良心的な価格らしい」

「しかし、200機で60億ドルか。戦闘機も安くなったなあ。これも機体の大部分が鋼製であることに加えて、重力エンジンがジェットエンジンに比べて大幅に簡易な装置であることが大きい。さらに機体の人口頭脳と通信系が、民間技術から来ていて性能が大幅に上がって安くなったことが大きい」

 パクの言葉にムンは頷きながら言う。
「確かに安くなったよ。おかげで日本は2千機を配備しているからな。地球同盟軍は2万機だよ。さっきの核ミサイルだけど、確かにパクの言うように、俺も持たない方がいいと思うがもう決定だ。しかし持ったら持ったで使いたがる奴がいそうで怖いな」

 アメリカのスターダストのK国への売却決定というこの発表に対して、日本政府は水面下では抗議したが、その抗議は公にはしなかった。それは、東アジアにおいて重力エンジン戦闘機を供給されていないのは、K国の他は国が11に分離して残った北京政府と、それに隣接して北京政府に従属的な山西省政府の3つである。

 北京と山西省については敵性ということで説明していたが、K国については敵性とまでは言っておらず、日本国民がK国の反日活動に怒っていて許さないという説明だった。そこに、アメリカが戦闘機を売りつけるのに公に反対すると、“差別”という話が国内外から出てくる可能性が高いのだ。

 もっとも、諸外国は日本の本音はよくわかっており、軍事面のみならず技術の提供に大きな制約を設けていること、資源探査もK国に対してはしなかったことなど露骨な差別だと認識していた。この点では、彼らは日本が世界に向けて明らかにしている過去のK国政府の露骨な反日活動もひどいが、それに比べてもK国への措置は厳しいかなと思っていたが、自分には害がないので黙っている。
 もっとも差別の大きな部分を占める資源探査は、日本政府というよりハヤトの個人の感情の基づくものである。

 いずれにせよ、K国軍は200機のスターダストを入手して早速訓練にかかり、まだ訓練に不十分なところはあるが3ヶ月で戦力化した。K国空軍はスターダストを4大隊に分けて、中佐に昇進したパクをその第1大隊の大隊長とした。第1大隊はその名の通り、最も操縦技量が優れた操縦士で構成されているので、パクも僚機の練度は当面の運用には問題はないと思っていた。

 そう思ったころ、第1大隊のパイロットは集会室に呼び集められた。整列する40人のパイロットの正面の演壇に立つのは防衛大臣である。隊長のパクはそれを見ただけでうんざりした。ガマのような顔の悪人顔の政治家は、とかくの黒いうわさもある人物でとかく派手なことが好きであった。

「諸君、諸君は我が国の最新・最強の戦闘機部隊の栄えある……」
 と大臣閣下は延々と言葉を並べ、そのうちに日本の悪口を並び立て、すでに全員が鬼籍に入っている慰安婦に遂に謝ることもなかった点を言い立てる。

 最後に、その日本に鉄槌を下すということを言って、具体的には軍の者から話があるということで、演壇を降りた。パクは非常に悪い予感がして、背に寒気が走った。次に演壇に立ったのは、空軍幕僚の一人でパクと同年代の若い将校であった。空軍では有名人で、財閥一家の出身で優秀ではあるが、目立ちたがり屋で派手な作戦を好む。パクの悪い予感はますます強くなった。

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