日本列島、時震により転移す!

黄昏人

文字の大きさ
7 / 68
第1章 時震発生

7.1492年6月、オーストラリア開発

しおりを挟む
 マジムは川岸にあるマイ村に住んでいる男の子だ。彼は、10数軒の家の一つに住んでいるが家族は妹のミナだけだ。父はある日帰って来ず、その次の年、母は体が熱くなって動けなくなり死んだ。マジムにはミナの他にも2人の弟と1人の妹がいたが、皆病気で死んで残っているのはミナだけだ。人はたくさん生まれるけれど簡単に死ぬのだ。

 彼らの村の周辺には、マジムが知っている限りでは他に3つの村があって、最も近いものでも疲れるほど歩いていく距離にある。マジムの集落には16家族が住んでいるが、マジムのような子供が42人いて大人は28人だ。
 彼らの服は、動物の皮であり、夏は腰巻のみ着ているが、今のような冬には体全体を覆う形の服を着ている。動物を狩るのはまだマジムでは無理で、父母が残してくれたものを使っている。

 大人は大きな動物を狩ってきて、その家族はその肉にありつくが、どこも食料は十分でなく時々、少しマジムとミナのも恵んでくれる程度だ。だから、マジムとミナが食べているのは、主にイモムシと木の実、草の実それからいくつかの種類の地下茎だ。

 マジムはそのような食べ物の取れた場所を良く覚えており、それほど苦労せずに自分と妹の食べるものは確保している。妹も小さいが、同様に自分でも木の実やイモムシを取ってくる。親のいない2人に対して、虐めてこようとする子もいる。でもマジムが、うまく大人に訴えてそのようなことをしないようにするか、子供のボスにうまく取り入っている。

 最近集落で話題になっていることがある。それは、空をブーンという音を立てて飛ぶものが度々あちこちを動き回っている。その上に、大きな音を立てて動く何かに跨った人が、すごい速さで走っている姿があちこちで見られるようになり、さらにもっとずっと大きい音をたてる何か動き回っている。

 マジムもそのようなものを何度か見たが、最近ではもっと頻繁にいろいろ起こるようになった。ゴウゴウと地響きを立てて動く巨大なものが、地面を動かしている。また、そうやって、土がはぎとられて平らになったところ、前に見た人が跨って走るものが動き、さらに大きな箱みたいなものが同じように走っている。

 そして、ついにはマイ集落にその何かに跨った人が来たのだ。それは、男と女の2人連れで、その跨ったもの、彼らはそれをバイクと言っていたが、それから降りて近づく音に集まった集落の人々に手を挙げて叫んだ。
「はい!」

 その2人はニコニコしていて、彼らは全身を覆う草と同じような色の服を着ている。男はそうでもないが、女は随分顔の色が白いし優しそうだ。
 村人は15人以上が集まっているが、他はあちこちに散らばって食料を集めているのだ。たまたま居た戦士の一人が槍をもって構えはしないが警戒しており、やってきた男も警戒しているようだ。女はそれでもニコニコして近づいて、一番近くにいた小さなミナに「はい!」と言って色とりどりの丸い棒のようなものを差し出した。

 ミナがそれを反射的に受け取ると、女は同じものを手の上に出して、それをバナナみたいに剥く。出てきたのは、茶色の棒のようなものだが、それを女はパクッと咥え音を立てて食べて『おいしい!』と叫ぶ。その声にミナは手の上にあるそれを見て、同じように剥こうとするがうまくいかない。それを女が手助けをして、剥けたそれを指で指して食べる真似をする。

 ミナは恐々それを口に入れてまず舐めて見るが、すぐに表情をあらめてそれを噛む。そしてモグモグと口を動かせて、手を繋いでいるマジムを見上げてニッコリして『にいちゃん、おいしい!』と叫ぶ。更に夢中になってその棒に食いつき食べる妹を見て、マジムは唾が出てきた。

 期待を込めて女を見ると、女は足元においた袋から、沢山のそれを取り出してマジムにも、他にも物欲しそうにした子供にもそれぞれにそれを渡す。そうして、子供たちが笑顔で跳び上がってはしゃぎながら食べるのを見て、今度は大人たちも物欲しそうにするのに、女はそれぞれに渡していく。警戒していた戦士も食べて嬉しそうにしている。

 その女、三波紗季は、豪州南西部開発団の現地対策チームの一員だ。時震によって政府から非常事態宣言が出されたが、それに基づいて様々な措置が取られた。その内の一つは、食料を含む資源確保がすべてに優先するとして、政府及びそれに指定される機関の要請に国民とあらゆる組織は従うようにということになった。当初は要請であるが、強制もできることになっている。

 現状での最優先プロジェクトは、豪州南東部と、南西部の農場開発に加え、北米の加州の農場開発だ。
 ちなみに、日本国内には殆どの国の在日大使館とそれらの国民が滞在しているため、彼らの反発を避けるためにこの世界の地名は21世紀のものを採用することにしている。ただ、日本人の間で呼ぶときは、日本語訳である豪州とか、米、加州などという名にしている。

 そして、人種については征服者たる白人が付けた名前で呼ばないという方針で、基本は彼ら自身の呼び名を使うことにしている。この考えから解るように、日本政府は主として国内の様々な意見も聞いたうえで、今後起きるはずの欧州の白人による現地の人々の収奪を許さないということは決定している。

 その意味で、自らの生存のためとはいえ、そのための緊急開発に当たって、開発地に住む人々の保護を行うことは当然のことであり、その体制も早急に作っている。とは言え、現地の人々が国家の概念をもち土地の所有の考えを明確に持っている場合を除き、土地の所有権を認める訳ではない。

 結局は、現地の事情を知ったうえで、それい合わせた自分本位の考えであるので、ご都合主義と言われても反論はしにくい。その延長で、現地にすでに王国などの国家組織がある場合には、決して武力を持って何かを強要することはないということは決定している。

 ただし、その国などが深刻な人権侵害を起こしている場合は別であり、その場合には設立される委員会でその対応を決定したうえで、一定以上の介入の規模になる場合には国民投票によることになる。こうした内容は現在準備されている改正憲法に盛り込まれる予定である。

 こうしたことで、豪州南東部開発団にも現地の原住人への対応として、現地対策チームが構成された。千葉国大の社会科学学科の大学院にいた三波紗季は、大学への要請のあった人数の一人として参加したのだ。そして、5月15日横浜港を出発して、5日をかけて現地に到着している。

 乗ってきたのは内海用の3千トンのフェリーであり、巡航速度より以上の速度で走ってきたので、3回の給油をしている。横浜港からは貨物船と油槽船3隻が一緒に出発したが、彼らのフェリーを含めた4隻の船団は東京港から来たらしい8隻の船団に交じる形で航行した。
 さらに、それからも静岡、名古屋、瀬戸内島等から出航したと思われる多くの船が見られたが、それらは広い範囲に広がっている。

「豪州南東部には、5月中に80隻ほどが行くと聞いている。それぞれ速度も違うし、この船のように3回の給油が必要な船もあれば、給油の必要のないものであるし、速度も違うので現地着に時間は結構ずれるよ。どのみち、現地の桟橋や荷揚げ設備の能力もあるので、一緒に到着したら却って困るものね。
 まあ、戦争中であれば、前の大戦中のように護衛の都合で船団を組むけどね。現地では桟橋も荷揚げ設備も、仮設だから時間がかかるだろうな。まあ、この数が一斉に同じ目的地に行くなんてまずないのものね」

出発して、半日ほどの後デッキから並行して進んでいる多数の船を見ている彼女の、横に来た船員が教えてくれた話である。

 その後、途中の給油も含めて船は順調に航行したが、外洋のうねりによる船酔いによって、寝たきりになって度々吐くものも出て来た。紗季は幸い乗り物酔いには比較的強かったので、あまり酔いはしなかったが、3日目に海が荒れた時は、流石に寝ていても気分が悪く、敢えてデッキに出て酔いを醒ましたものだ。

 ちなみに、日本にジェット旅客機は数多くあるが、滑走路のある国内しか飛べないのだ。その意味で豪州南東部開発には、2000m級滑走路とターミナルが含まれている。近年の若者は、その航空機のお陰で殆ど長時間船に乗ることはないので、若者にとりわけひどく酔う者がでている。

 前の世界でポートフィリップ湾と呼ばれる、幅50㎞奥行き60kmもの湾に入ると、波はずっと静かになる。その奥に近づいていくと、2本の海の向かって突き出している桟橋が見え、1本は横に作業船が3隻横づけの状態でまだ上で盛んに作業中だ。またその桟橋に平行に数十本の杭が水中に乱立して、そこに作業船が浮かんでおり、それが鋼管を吊り下げて打ち込んでいる。

 桟橋にはトラッククレーン

「あれは、あれは、自衛隊の工兵部隊とゼネコンの作業班だな。鋼管を海に打ち込んで、鋼材を渡してデッキプレートという鋼製の床を作っているんだ。船を横づけして荷下ろしをするわけだね。今のところ桟橋は一本しか使えないようだ。今のは荷下ろし中なので少し待たされるな」

「あの桟橋の陸側に土の道路がありますね。あの道路で私たちの基地までいくのでしょうか?」

「うん、あの道路はブルで均して、セメントで改良しているようだね。だから、雨が降ってもそんなにぬかるむことはないはずだよ。あそこに河が見えて、その両岸は結構大きな木が生えているけど、その奥はそれほど大きな木はないから開発はそれほど大変ではないと思うな。
 でも、4ヵ月で10㎞四方の農場を25ヶ所作らなくてはならないけれど、間に合うのかな?僕らの担当の住居作りは最悪遅れてもいいけど」

「間に合わなかったらどうなるのですか?」

「いや、間に合わなかったら日本の人々が飢える。ただ、台湾と、フィリピンにも芋を作るということで、農場を作る作業を始めているらしい。それと、元々余裕は持って計画しているから、最悪は計画の半分くらい収穫できれば何とかなると聞いているな」

「ええ、台湾とフィリピンの話は聞いています。後輩の周という台湾の人が、台湾に行って農地を開発すると言っていました。6月始めには出発すると言っていましたよ」

「へえ、同じ大学に人か。今回いろんな国から自分の国だったというか、その土地の開発に協力したいという話がでているようだけど、どういう気持ちでそういう協力をしようということかな?」

 沢渡慎吾の質問に紗季が答える。
「一つには自分の国の土地、という気持ちがあるようですよ。そして、食料を確保するという日本の事情には理解はしながら、やはり変な風に開発してほしくないということみたい。それに、台湾は19世紀でも『化外の地』と言われた歴史を変えたいということはあるようです」

 その後2時間ほど待たされて、彼らの上陸が始まった。フェリーが桟橋に固定されると、鋼製の斜路がクレーンによって取り付けられて、乗っていた半数ほどは車に乗って上陸だ。沢渡は仕事の都合で持ってきた、会社の準備したランドクルーザで上陸し、紗季は徒歩で上陸して迎えにきたマイクロバスに乗る。

 基地は、上陸地点から2㎞ほどの小高い丘の上にある。吹きさらしではあるが全体に平坦な地形なのでやむを得ない。そこは一辺1㎞ほどのざっと均したところで、周囲を高さ2m程の有刺鉄線の囲いを施しており、5m×8mの2階建てのプレハブ住宅が、すでに30棟ほど建っている。

 そのほかにもブルドーザーが数十台並び、資材の小高い山が数十ある。紗季たちの現地対策チームには事務所として当面1棟のプレハブが割り当てられ、20枡に仕切られた居住スペースを持った居住棟が2つ割り当てられている。到着の日、チーム長の麻木達也のもとに、チームの第1陣である12名が集まった。

 南東部の開発地域である概ね80㎞四方の中に、現状で把握している限り85ヶ所の現地人の集落があって、その数から推定される人口は5000人程度である。ちなみに、現地人はオーストラリアで呼ばれた蔑称であるアボリジニは使わずパナ人と呼ぶことにしている。

 南東部の言語はパナ・マニャル語であり、日本語との辞書は作ってきているので、チーム員と自衛隊員が組んで各集落を訪問して、まず信頼関係を構築することから始めることになっている。そして、出来るだけ10カ所程度に設置予定の交流所に訪問させ、食事や衣服を与えることでそこに依存させることを目論んでいる。
 そこで、年少者は教育を与えるとともに生計を立てる手段として、その中で徐々に農場等の労働についてもらって文明社会への参加を促すのだ。

 当初において、多くの人が訪問するのは警戒されるのでチーム員一人に自衛隊員一人となるが、なにしろ彼らは狩猟民族であるので、訪問時にはケプラー繊維の制服を着ることが義務つけられている。
 またチーム員は武器を携行せず、自衛隊員が武器は目立たないようにヒップ・ホルスターの拳銃と、刃渡り20cmほどのコンバットナイフに超小型の催涙手榴弾を携行している。無論、武器の使用は命の危険がある時のみと厳しく規制されている。

 理沙が、マナ村を訪れたのは到着後3日目であり、自衛隊の西谷清太3曹と同行している。最初に訪問する時は出来るだけ威圧感を与えないようにバイクによるので、理沙はタンデムで西村の後部に乗って約10㎞の道を走っている。10mほどの高さの灌木が、大体10mおき程に生えている草原を走るという移動は、上下左右にうねっているので楽なものではなかった。
 見えてきた集落は、木々の間にカヤのような植物を束ねて、尖った屋根兼壁にした簡易なもので、高さは7mほど直径が3mほどだろう。

 バイクが近づくにつれて、毛皮の服を着た人々がわらわらと集まってくる。15人ほどの肌に黒い人々は、大人は恐々であるが子供は目を輝かせている。槍を持った男がいるが、構えているわけでもなく、それほどの危険は感じない。紗季は緊張しながらも笑い顔を作り、まず少年と手を繋いだ少女にチョコバーを渡して食べさせ、大人を含めた村人に食べさせることに成功した。

 その後、自分と西村の名前を教え、辺りの地図を渡して良かったら訪問して欲しい事、何日か後にはまた訪問することを告げて、思ったよりうまくいったことに満足しながら基地に帰った。
 翌日、紗季が基地で昨日の成果を踏まえて、別の村を訪問する予定を立てていると、無線機で連絡していた麻木リーダーから呼びかけられた。

「三波君、ゲートから連絡だ、多分パナ人だと思うが、男の子と女の子が、サキとセイタを訪ねてきているそうだ。どうも名前としてマジムとミナと言ったそうだぞ」
 そして、麻木は彼女の顔を見て聞く。

「まさか、昨日訪問した村の子か?」

「ええ!そうです。あの子たちそのように名乗りましたもの!」

 マジムは、紗季が置いていった菓子類が大人に取り上げられたことから、ミナにねだられて見せられた地図に基づいてやってきたそうだ。彼らにとっては10㎞程度の道はなんということはないのだ。
 その後解ったが、かれらにはレーダーのような方向感覚があるようで、絶対に道に迷わない。マジムとミナは人並外れて好奇心と冒険心が強いようだが、全体的に現地の人々は警戒心が薄いことがわかった。

 マジムとミナは、紗季と女性隊員によって、御馳走攻めにされ、さらに風呂に入れられて持ってきた大量の服のなかから選ばれた服と、靴を履かされて帰らされた。そのことで、村人が我も我もと基地を訪問し、それをきっかけにして、日本勢によって用意された集落に彼らが移ったのは3ヶ月後で、その前後から農場で働くようになる人が出始めた。

 マジムとミナは熱心に教育を受けて日本語も流ちょうになり、マジムは10年後には人口も1万人を超えたその地区の人々のリーダーとなった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

日本国破産?そんなことはない、財政拡大・ICTを駆使して再生プロジェクトだ!

黄昏人
SF
日本国政府の借金は1010兆円あり、GDP550兆円の約2倍でやばいと言いますね。でも所有している金融性の資産(固定資産控除)を除くとその借金は560兆円です。また、日本国の子会社である日銀が460兆円の国債、すなわち日本政府の借金を背負っています。まあ、言ってみれば奥さんに借りているようなもので、その国債の利子は結局日本政府に返ってきます。え、それなら別にやばくないじゃん、と思うでしょう。 でもやっぱりやばいのよね。政府の予算(2018年度)では98兆円の予算のうち収入は64兆円たらずで、34兆円がまた借金なのです。だから、今はあまりやばくないけど、このままいけばドボンになると思うな。 この物語は、このドツボに嵌まったような日本の財政をどうするか、中身のない頭で考えてみたものです。だから、異世界も超能力も出てきませんし、超天才も出現しません。でも、大変にボジティブなものにするつもりですので、楽しんで頂ければ幸いです。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...