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第二章:他罰性の化け物
第四十二話 高白氷夜②
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暗く淀んだ牢屋の中。
俺はただ極夜がみんなに惨いことをするのを見ていた。
どれだけやめてくれと叫んでも極夜には届かない。
みんなが犠牲になるのを眺めることしかできなかった俺は現実から目を逸らすように蹲っていた。
そうして一体どれくらいの時間が経ったのだろう。
絶望すら退屈に思えるような時間を過ごしていると、不意に光が差した。
「迎えに来たわよ氷夜」
声の主は小春だった。
俺の体を労わりながら鎖を丁寧に外していく小春。
何かを言わなきゃと思って出た言葉は情けない虚像そのものだった。
「いやーマジ小春ってばマイエンジェル! 氷夜くんとっても嬉しいよ」
言ってから気づく。
「……ってもう小春にはバレちゃってるんだったよな」
「ええ、悪いけど全部見たわよ」
「そっか。そうだよなぁ。氷夜くんてば情けないところを見られちゃったヨ」
ごめん、と言えたらよかった。
でもそれはただ自分が許されたいだけの気がして、俺は自然といつもの虚像を張り付ける。
「聞いて氷夜!」
小春は俺に何かを言おうとしたが、それを遮るように極夜が俺たちの前に現れた。
「――君は見てはいけないものを見た。氷夜もろともここで死んでもらうよ」
「上等よ」
氷夜は下がってなさいと小春は言ってくれたけど俺はその残酷な優しさを受け入れられなかった。
「それはできない。これは俺の問題だよ。小春じゃなくて俺があいつを倒さなきゃいけないんだ」
「無茶よ。あんた今だってぼろぼろじゃない!?」
「それでもだよ。俺はあいつに負けて許されないことをしてきた。アキト君やメロアちゃん、みんなの尊厳を踏みにじった。このけじめは俺がつけないとさ」
けじめなんて大層なものじゃない。
ただでさえ罪悪感に惜し潰れそうなのに、もし頼ってしまったら俺は情けなさで今度こそ死んでしまう。
ただそれだけの理由。
「まぁ、そういう訳なんで小春はちょいとお待ちを。氷夜くんがぱぱっと解決してくるからさ」
駄目押しにおどけてみると、
「…………えええ、わかったわ」
何かを察したのか小春はそれ以上は言ってこなかった。
ありがとう、と心の中で呟いて俺は極夜と対峙した。
俺はただ極夜がみんなに惨いことをするのを見ていた。
どれだけやめてくれと叫んでも極夜には届かない。
みんなが犠牲になるのを眺めることしかできなかった俺は現実から目を逸らすように蹲っていた。
そうして一体どれくらいの時間が経ったのだろう。
絶望すら退屈に思えるような時間を過ごしていると、不意に光が差した。
「迎えに来たわよ氷夜」
声の主は小春だった。
俺の体を労わりながら鎖を丁寧に外していく小春。
何かを言わなきゃと思って出た言葉は情けない虚像そのものだった。
「いやーマジ小春ってばマイエンジェル! 氷夜くんとっても嬉しいよ」
言ってから気づく。
「……ってもう小春にはバレちゃってるんだったよな」
「ええ、悪いけど全部見たわよ」
「そっか。そうだよなぁ。氷夜くんてば情けないところを見られちゃったヨ」
ごめん、と言えたらよかった。
でもそれはただ自分が許されたいだけの気がして、俺は自然といつもの虚像を張り付ける。
「聞いて氷夜!」
小春は俺に何かを言おうとしたが、それを遮るように極夜が俺たちの前に現れた。
「――君は見てはいけないものを見た。氷夜もろともここで死んでもらうよ」
「上等よ」
氷夜は下がってなさいと小春は言ってくれたけど俺はその残酷な優しさを受け入れられなかった。
「それはできない。これは俺の問題だよ。小春じゃなくて俺があいつを倒さなきゃいけないんだ」
「無茶よ。あんた今だってぼろぼろじゃない!?」
「それでもだよ。俺はあいつに負けて許されないことをしてきた。アキト君やメロアちゃん、みんなの尊厳を踏みにじった。このけじめは俺がつけないとさ」
けじめなんて大層なものじゃない。
ただでさえ罪悪感に惜し潰れそうなのに、もし頼ってしまったら俺は情けなさで今度こそ死んでしまう。
ただそれだけの理由。
「まぁ、そういう訳なんで小春はちょいとお待ちを。氷夜くんがぱぱっと解決してくるからさ」
駄目押しにおどけてみると、
「…………えええ、わかったわ」
何かを察したのか小春はそれ以上は言ってこなかった。
ありがとう、と心の中で呟いて俺は極夜と対峙した。
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