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第八話 Sランク冒険者
しおりを挟むひと月ほど経った。
あれからほとんど毎日、森にゴブ狩りへ行っている。
最近では1日50匹は狩れるようになった。
狩を終えて、ギルドに戻った僕はいつも通り受付に向かう。
「………はい!これで依頼達成です。このままいけば後数日でDランクに上がれますよ」
「早いですね、ゴブリン狩りはランクが上がりやすいんですか?」
「いえ、Dランクまでは似た依頼を幾つかこなしていれば直ぐにランクアップ出来ます。ただし、Cランクからは、同じ依頼を幾つもこなしているだけでは中々ランクアップしません。」
余談だが、Eランク以下は下級冒険者。
Dランクからは中級冒険者で、Bランクから上級冒険者として扱われるそうだ。
ただし、今現在Sランクは存在しておらず、実質的なトップはAランク。Bはその手前だから確かにトップに近い。
そして、
Sランクに認められるには、ただ依頼をこなしていても成れない。
魔王か、それに準ずる者を倒す必要がある。
だが、魔王はここ400年程現れていない。
勇者は魔王と対をなす存在だから、
オリジナルスキル『勇者』を持つ者が現れた時、次の魔王が現れた事になる。
今この世界には勇者はいないのだ。
だから、少なくとも暫くは魔王は出てこない。
よって、Sランク冒険者も………
「あっ!そういえばケインさん聞きました?なんでも隣国のガルマンダ王国に『勇者』のスキルを持つ少女が現れたそうですよ!」
現れるかもしれない………Sランク冒険者。
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