105 / 192
第百十一話 心眼
しおりを挟む
岩山に着いた僕達は早速マッドマッドの所に向かう。
山のかなり奥の方にしか出ないと聞いているので、割と時間がかかりそうだ。
それにしても……特に危害を加えるでもなく山の奥でひっそりと暮らしていたマッドマッドは、僕達の肩慣らしに殺されるのだと思うと可哀想になってきた。まぁ、ほっといたら誰か死ぬかもしれないから仕方ない。
「出来るだけ苦しめないように殺してあげようぜ」
「?…分かりました」
2人はいきなりどうしたのだという顔で僕を見つめた後一応頷いてくれた。
1時間と少し岩山を登り奥に進んでいくと空気が変わった。ここから先は毒がある。
僕達のステータスなら空気中に漂う毒ではなんともないが、直接体内に入れられたら分からない。慎重にいきたい所だが……
「マッドマッドの正確な位置を知りたいな……」
「それでしたら私が新しく手に入れた心眼を試してみます。これで半径100メートル以内に居れば……………ごめんなさい、どうやら半径100メートル以内にはいなさそうです」
「待って、なにそれ心眼って」
「心眼は、相手の強さやどの程度の敵がどのあたりにいるか等が分かります。圧倒的な格上には通用しなかったりますが、まぁステータスが上がった私より圧倒的に高い存在がそもそもあまり居ないので結構使い勝手が良いんですよ」
「へぇ……凄いね。一年半前は使えなかったよね?」
「ええ、この一年半……必死に修行しましたから。それでも……光属性は扱えませんでしたが」
「ああ……」
光属性とは、勇者のみが使う事のできるとされる魔法だ。本来なら回復はポーションやスキルに頼るしかないのだが、光属性には癒しの効果がある。回復を魔法で行える唯一の属性なのだ。
更に、単純な威力でも聖属性よりも上だ。聖属性もかなり強めの魔法なのに、それより強く回復も出来るというのが、この魔法のいかれ具合を示している。
光属性は聖属性の完全に上位魔法にして、使い手が勇者の称号を持つ者だけとされている。
歴代の勇者はほとんどみんな持っていたみたいだ。しかし、エルナは勇者になってから5年経つが、今まで光属性を使えていない。
「悔しいです……」
「そんな事ないよ、光属性が使えなくてもエレナは十分強いじゃん」
「でも……いえ、出来ないことを嘆いても仕方ないですね。しかし……こうなるとどこにマッドマッドがいるのか分かりませんね」
「気にすんなよ、それも十分便利な能力だし。地道に探そうぜ」
「あの……僕空気操作の応用で空気の流れからどこら辺に何があるのか分かるようになりました」
「え!……ちなみにどれくらいの範囲?」
「半径1キロはいけるかと……今使ってみたら600メートルほど南にいますね大きめの魔物が」
「………」
エルナとクリフが気まずそうな顔をしている。
ちょっと申し訳ない気持ちになってきた。
山のかなり奥の方にしか出ないと聞いているので、割と時間がかかりそうだ。
それにしても……特に危害を加えるでもなく山の奥でひっそりと暮らしていたマッドマッドは、僕達の肩慣らしに殺されるのだと思うと可哀想になってきた。まぁ、ほっといたら誰か死ぬかもしれないから仕方ない。
「出来るだけ苦しめないように殺してあげようぜ」
「?…分かりました」
2人はいきなりどうしたのだという顔で僕を見つめた後一応頷いてくれた。
1時間と少し岩山を登り奥に進んでいくと空気が変わった。ここから先は毒がある。
僕達のステータスなら空気中に漂う毒ではなんともないが、直接体内に入れられたら分からない。慎重にいきたい所だが……
「マッドマッドの正確な位置を知りたいな……」
「それでしたら私が新しく手に入れた心眼を試してみます。これで半径100メートル以内に居れば……………ごめんなさい、どうやら半径100メートル以内にはいなさそうです」
「待って、なにそれ心眼って」
「心眼は、相手の強さやどの程度の敵がどのあたりにいるか等が分かります。圧倒的な格上には通用しなかったりますが、まぁステータスが上がった私より圧倒的に高い存在がそもそもあまり居ないので結構使い勝手が良いんですよ」
「へぇ……凄いね。一年半前は使えなかったよね?」
「ええ、この一年半……必死に修行しましたから。それでも……光属性は扱えませんでしたが」
「ああ……」
光属性とは、勇者のみが使う事のできるとされる魔法だ。本来なら回復はポーションやスキルに頼るしかないのだが、光属性には癒しの効果がある。回復を魔法で行える唯一の属性なのだ。
更に、単純な威力でも聖属性よりも上だ。聖属性もかなり強めの魔法なのに、それより強く回復も出来るというのが、この魔法のいかれ具合を示している。
光属性は聖属性の完全に上位魔法にして、使い手が勇者の称号を持つ者だけとされている。
歴代の勇者はほとんどみんな持っていたみたいだ。しかし、エルナは勇者になってから5年経つが、今まで光属性を使えていない。
「悔しいです……」
「そんな事ないよ、光属性が使えなくてもエレナは十分強いじゃん」
「でも……いえ、出来ないことを嘆いても仕方ないですね。しかし……こうなるとどこにマッドマッドがいるのか分かりませんね」
「気にすんなよ、それも十分便利な能力だし。地道に探そうぜ」
「あの……僕空気操作の応用で空気の流れからどこら辺に何があるのか分かるようになりました」
「え!……ちなみにどれくらいの範囲?」
「半径1キロはいけるかと……今使ってみたら600メートルほど南にいますね大きめの魔物が」
「………」
エルナとクリフが気まずそうな顔をしている。
ちょっと申し訳ない気持ちになってきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,880
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる