そんなのって反則です!

楠富 つかさ

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最終話

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 秋の連休明け、友達に彼氏ができたと打ち明けた。恋愛相談を受けていたはずじゃ!? みたいなリアクションをされて、そんなつもりはなかったけど嘘をついてしまったなぁと反省。まぁ、これも悠斗さんのせいにしておこう。とはいえ、彼氏ができたからって揺らぐような仲の友達じゃないんだけど。紹介するのは……ちょっと恥ずかしいかな。
 そんな悠斗さんと一緒にお昼を食べる。場所は結局、美術準備室。友達にはやしたてられながらやってきたわけだが、気恥ずかしさから食べている間はお互いに口数が少なくて……。

「付き合ってる二人って、どう過ごすものなのかな?」
「……えっと、実は私もよく分かってなくて」

 恋愛系の漫画とか読んでいてもけっこう現実になると実感がないというか。こうして二人でお弁当を食べるのも恋人同士っぽくはあるんだけど、恋人同士になる前からこうしているわけで……。漫画とかなら、家族が家を空けているからおうちデートとかもありなんだけど、我が家は母が専業主婦で基本家にいるし……流石に先輩の家に行くのも恥ずかしい。呼ぶより呼ばれる方が恥ずかしいってなんでってなるけど、そこはもう仕方ない。

「そうだよね。ごめん、変なこと聞いて。僕達の場合、部活がない日は基本的に放課後一緒にいるから……」
「そうですね。そ、そうだ。今度勉強教えてくださいよ。悠斗さんは先輩なんだから、それくらいの面倒は見てくれていいと思うんですよね」
「う、うん。それは別にいいよ。僕も成績悪い方じゃないし」

 ……ちゃんと先輩と同じ大学に行けるよう、頑張らないとね。
 そんなやり取りをしてお昼休みは終わり、あっという間に放課後。

「……え」
「というわけで、美術部に珍しく男子が入りました! 藤堂悠斗くんでーす」

 部長の生嶋先輩に紹介されて悠斗さんがぺこりと頭を下げる。

「な、なんでー!!」
「なんではひどいなあ。私が連れてきたんだよ。あ、彼はいのりちゃんの彼氏だからちょっかい出しちゃダメだよ~」

 ちょ、ちょっと!? え? 困惑する私に生嶋先輩がウインクする。

「これで一緒にいられる時間が増えたね。でも、目を離しちゃ、ダメだよ。ひょっとしたら、私もまだ諦めてないかもしれないし」
「は、はい」

 そういうことか。一緒にいられる時間を増やしつつ、私と悠斗さんの関係がダレないように、見張ってくれているわけだ。
 生嶋先輩には宣言してるからね、悠斗さんを幸せにすること、私も幸せにしてもらうこと。先輩の気遣いに感服しながら私は悠斗さんを見る。

「な、なに?」
「いえ……」

 悠斗さんは照れくさそうな表情を浮かべる。

「これからよろしくお願いしますね」
「うん……えへへ」

 あぁ、その笑顔に私は恋しちゃったんだろうなぁ。もう、その笑顔は反則です!!
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