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「えっと、取り敢えず荷物は部屋の隅に置いて、そこに座ろう。で、自己紹介しちゃおう」
一番背の高い女の子が部屋の隅とダイニングテーブルを指しながら、はきはきとしたアルトボイスで言った。体育会系だけど、とても爽やかな印象を受けた。女子高だとモテるタイプだね。ダイニングテーブルを囲んで座ると、私の前に和美人さんが座って、隣に同じ編入生であろう小柄な子が座った。
「それじゃ、自己紹介といこうか。あたしからでいいよね。桃園夕姫、よろしくね」
「次はわたしね。宮小路桜よ。わたしも初等科からここで、夕姫とは幼馴染みね。仲良くしてね」
「じゃあ、次は私ね。春宮万花です。静岡から来ました。よろしくお願いします」
「司城小梅≪つかさきこうめ)なの。千葉から来たの。仲良くして欲しいの!」
桃園先輩を始点に反時計周りに自己紹介を済ませ、お互いの名前を知った。ただ、
「なんだか皆さん、優雅な名前ですね。私だけちょっと庶民っぽいです」
桃園に宮小路に司城、どれも凄く上品で雅やかな響き。それに、桃と桜と梅。日本の花に囲まれておりますよ。春爛漫だ。
「いえいえ、春宮という苗字も優雅だと思いますよ。だって、春宮って天皇の住まいを意味しますから、とっても日本らしい優雅さを持っていると思います。それに、万花という名前もとても可愛らしいわ」
「小梅もそう思うの!」
「そうだね。それに呼びやすいじゃん。万花ちゃん」
皆さん優しいなぁ。それに、すごくお姉さんっぽい。やっぱり先輩なのかな。
「先輩方は優しいですね。小梅ちゃんも。小梅ちゃんって呼んでいい?」
「小梅はそう呼んで欲しいの」
「おぉ! じゃあ友情のハグ~」
小梅ちゃんを隣からギュっとして気付いた。小梅ちゃんが持つ不思議な色香の正体。この娘、身長は低いけどツルペタじゃないんだ。柔らかくてふっくらした感じが腕に伝わってくる。むしろ大きい! つい頬ずりしていると、先輩方の方に顔が向く。なんだか笑ってる?
「どうしたの? 先輩たちどうして笑ってるの?」
小梅ちゃんも不思議そうに先輩たちを見ている。なんとか笑いを抑えた宮小路先輩が真実を口にした。
「わたし達、四月から高校生だから、同級生なのよ」
「ははは、そうそう。先輩じゃないよ」
…………え、ぇえ!!
「私、私……すごく恥ずかしいじゃないですか!」
……そうか、自己紹介で学年を言う訳ないんだ。だって同い年なんだもの。え、でも、
「お二人とも15歳なんですか!」
「そう堅い口調にならなくてもいいのに。あたしは15だよ」
「わたしの誕生日は明々後日なので、まだ14歳ですね」
「え、じゃあ、ちゃん付けでいいの!?」
「そうそう。小梅ちゃんも好きに呼んでね」
「えぇ、わたしも好きに呼んでいいわ」
うわぁ。初日から衝撃的だなぁ。同い年にこんな美人さんがいるなんて。やっぱり都会だなぁ。
「それじゃあ、さくちゃんと夕くんって呼ばせてもらおうかな」
にしてもこの二人、別方向になるけど、発育よすぎでしょ! 夕くんは15歳と思えないほどにすらっと背も高くて大人びた表情をしているし、さくちゃんは14歳と信じられないほどグラマラス。長い黒髪が垂れて、その稜線をより一層強調している。
「小梅もそーするの! よろしくね、二人とも」
まぁ、小梅ちゃんも私よりかなり大きいものをお持ちなようだけど。可愛いなぁ。
「いきなりニックネームかぁ。フレンドリーでいいね。万花ちゃんは……でも万花ちゃんって響きがいいからなぁ。なんかあだ名あった?」
夕姫くんがこっちに話しをふってきた。くん付けに嫌な顔一つしないのは慣れているからかな。
「お恥ずかしながら、はるにゃんって呼ばれていました」
最初はハルミヤンだったけど、なんかファミレスっぽいからとはるみゃんになって、言い易さからはるにゃんになった、と。
「可愛いわね。わたしはそう呼ばせてもらうわ」
「言ってて恥ずかしいから万花ちゃんで、だめ?」
「いえいえ、構いませ……おっと、平気だよ」
先輩だという先入観のせいで、丁寧な口調がちょっと残ってる。たぶん、さくちゃんのそれは生来のものだと思うけど、私はもっと砕けた感じで話したい。
「じゃあ小梅ちゃんにはなんかあだ名あった?」
私から小梅ちゃんに振ると、小梅ちゃんはちょっと考えてから口を開いた。
「小梅はね、姫ちゃんって呼ばれてたの。小学校の劇でやってからずっとなの」
ちょっと誇らしげに言った姫ちゃん。うん、確定で。だって可愛いもん。
「へぇ、あたしよりよっぽどか姫っぽいから、すっごく似合うあだ名だね」
夕くんも絶賛。さくちゃんも頷いている。
和やかで、楽しい美少女たちとの生活。まるで夢みたいな本当の話。春に始まるピンク色の生活。満喫しなきゃね!!
一番背の高い女の子が部屋の隅とダイニングテーブルを指しながら、はきはきとしたアルトボイスで言った。体育会系だけど、とても爽やかな印象を受けた。女子高だとモテるタイプだね。ダイニングテーブルを囲んで座ると、私の前に和美人さんが座って、隣に同じ編入生であろう小柄な子が座った。
「それじゃ、自己紹介といこうか。あたしからでいいよね。桃園夕姫、よろしくね」
「次はわたしね。宮小路桜よ。わたしも初等科からここで、夕姫とは幼馴染みね。仲良くしてね」
「じゃあ、次は私ね。春宮万花です。静岡から来ました。よろしくお願いします」
「司城小梅≪つかさきこうめ)なの。千葉から来たの。仲良くして欲しいの!」
桃園先輩を始点に反時計周りに自己紹介を済ませ、お互いの名前を知った。ただ、
「なんだか皆さん、優雅な名前ですね。私だけちょっと庶民っぽいです」
桃園に宮小路に司城、どれも凄く上品で雅やかな響き。それに、桃と桜と梅。日本の花に囲まれておりますよ。春爛漫だ。
「いえいえ、春宮という苗字も優雅だと思いますよ。だって、春宮って天皇の住まいを意味しますから、とっても日本らしい優雅さを持っていると思います。それに、万花という名前もとても可愛らしいわ」
「小梅もそう思うの!」
「そうだね。それに呼びやすいじゃん。万花ちゃん」
皆さん優しいなぁ。それに、すごくお姉さんっぽい。やっぱり先輩なのかな。
「先輩方は優しいですね。小梅ちゃんも。小梅ちゃんって呼んでいい?」
「小梅はそう呼んで欲しいの」
「おぉ! じゃあ友情のハグ~」
小梅ちゃんを隣からギュっとして気付いた。小梅ちゃんが持つ不思議な色香の正体。この娘、身長は低いけどツルペタじゃないんだ。柔らかくてふっくらした感じが腕に伝わってくる。むしろ大きい! つい頬ずりしていると、先輩方の方に顔が向く。なんだか笑ってる?
「どうしたの? 先輩たちどうして笑ってるの?」
小梅ちゃんも不思議そうに先輩たちを見ている。なんとか笑いを抑えた宮小路先輩が真実を口にした。
「わたし達、四月から高校生だから、同級生なのよ」
「ははは、そうそう。先輩じゃないよ」
…………え、ぇえ!!
「私、私……すごく恥ずかしいじゃないですか!」
……そうか、自己紹介で学年を言う訳ないんだ。だって同い年なんだもの。え、でも、
「お二人とも15歳なんですか!」
「そう堅い口調にならなくてもいいのに。あたしは15だよ」
「わたしの誕生日は明々後日なので、まだ14歳ですね」
「え、じゃあ、ちゃん付けでいいの!?」
「そうそう。小梅ちゃんも好きに呼んでね」
「えぇ、わたしも好きに呼んでいいわ」
うわぁ。初日から衝撃的だなぁ。同い年にこんな美人さんがいるなんて。やっぱり都会だなぁ。
「それじゃあ、さくちゃんと夕くんって呼ばせてもらおうかな」
にしてもこの二人、別方向になるけど、発育よすぎでしょ! 夕くんは15歳と思えないほどにすらっと背も高くて大人びた表情をしているし、さくちゃんは14歳と信じられないほどグラマラス。長い黒髪が垂れて、その稜線をより一層強調している。
「小梅もそーするの! よろしくね、二人とも」
まぁ、小梅ちゃんも私よりかなり大きいものをお持ちなようだけど。可愛いなぁ。
「いきなりニックネームかぁ。フレンドリーでいいね。万花ちゃんは……でも万花ちゃんって響きがいいからなぁ。なんかあだ名あった?」
夕姫くんがこっちに話しをふってきた。くん付けに嫌な顔一つしないのは慣れているからかな。
「お恥ずかしながら、はるにゃんって呼ばれていました」
最初はハルミヤンだったけど、なんかファミレスっぽいからとはるみゃんになって、言い易さからはるにゃんになった、と。
「可愛いわね。わたしはそう呼ばせてもらうわ」
「言ってて恥ずかしいから万花ちゃんで、だめ?」
「いえいえ、構いませ……おっと、平気だよ」
先輩だという先入観のせいで、丁寧な口調がちょっと残ってる。たぶん、さくちゃんのそれは生来のものだと思うけど、私はもっと砕けた感じで話したい。
「じゃあ小梅ちゃんにはなんかあだ名あった?」
私から小梅ちゃんに振ると、小梅ちゃんはちょっと考えてから口を開いた。
「小梅はね、姫ちゃんって呼ばれてたの。小学校の劇でやってからずっとなの」
ちょっと誇らしげに言った姫ちゃん。うん、確定で。だって可愛いもん。
「へぇ、あたしよりよっぽどか姫っぽいから、すっごく似合うあだ名だね」
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