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「「「ご馳走様(なの)(でした)!」」」
「お粗末様です」
焼きそばをぺろりと平らげた三人。これだけは言いたい。さくちゃんでも麺を啜る。それでも品性が損なわれないから、やっぱりすごい。
「お昼も食べたし、これからどうする?」
そして話を切り出すのは夕くん。
「部屋長を決めるのよね?」
それに続くのはやっぱりさくちゃん。
「部屋長って何?」
それに私が加わり、
「リーダーのことなの?」
姫ちゃんに繋がる。このメンバーの会話の流れが既に決まりつつある。
「部屋長っていうのは、リーダーね。ルームメイトのメンバーはそれぞれ違うクラスが割り当てられるから、欠席時の連絡やプリントを届けることが主な仕事ね」
疑問の解消や説明なんかはさくちゃんが担当してくれる。え、ていうか。
「この四人でクラスは別々なの!?」
「そうだよ。ルームメイトと同じクラスだったら、同じクラスになった女の子と仲良くなろうとしないじゃん」
この四人で一緒のクラスなら確かに、もっと多くの人と仲良くなろうとしないかも。この四人でいると凄く心地いいし。そうか……。
「でも、教科書とか忘れた時は助かるの!」
のんきな姫ちゃんの一言で部屋に笑いが満たされた。
「確かに、それもそうね。とくに、夕姫は忘れ物が多いからね」
口に手を当てて言うさくちゃんに夕くんも頭を掻くばかり。中学時代に忘れ物が多かったのだろう。
「夕姫ったら――」
「あー、言わないで! で、部屋長は誰にするの?」
さくちゃんが夕くんのことを話し始めようとすると、被せるように夕くんが話題を元に戻した。言われて不都合なことがおおいのかぁ……。にしても、この会話、すごく幼馴染みっぽい。
「はるにゃんがいいの!」
「え! 私!? 夕くんは? いろいろ手際いいし、リーダーっぽいし」
「え、万花ちゃんでいいでしょ? ね、桜?」
「そうね……。夕姫には任せられないもの」
なんだか部屋長にされられそうな流れ……。
「えっと、姫ちゃんは何で私を部屋長に推すの?」
「はるにゃんなら、大丈夫って感じがするの!」
どんな感じかはよく分からないけど、多数決と考えれば私かな。
「じゃあ、せっかく姫ちゃんが言ってくれたわけだし、私が部屋長やりますよ」
「おぉ! まぁ基本的に誰かが休まない限り仕事ないから、あまり考えなくていいよ」
「では、部屋長も決まりましたし、これからどうします?」
「よし、部屋長に決めてもらおう!」
「え!? あ、春休みの課題はもう終わった?」
「「終わっている(わ)(の!)」」
「……あたしだけ? 終わってないの? え、万花ちゃんは?」
「終わってるよ」
「え、だって、春休み、まだ結構残ってるよ?」
「決定、夕くんの課題を終わらせよう!」
「そうね、去年はわたしだけで見たから今年は楽ね」
「頑張ろうなの! 夕くん!」
「……そんなぁ」
「お粗末様です」
焼きそばをぺろりと平らげた三人。これだけは言いたい。さくちゃんでも麺を啜る。それでも品性が損なわれないから、やっぱりすごい。
「お昼も食べたし、これからどうする?」
そして話を切り出すのは夕くん。
「部屋長を決めるのよね?」
それに続くのはやっぱりさくちゃん。
「部屋長って何?」
それに私が加わり、
「リーダーのことなの?」
姫ちゃんに繋がる。このメンバーの会話の流れが既に決まりつつある。
「部屋長っていうのは、リーダーね。ルームメイトのメンバーはそれぞれ違うクラスが割り当てられるから、欠席時の連絡やプリントを届けることが主な仕事ね」
疑問の解消や説明なんかはさくちゃんが担当してくれる。え、ていうか。
「この四人でクラスは別々なの!?」
「そうだよ。ルームメイトと同じクラスだったら、同じクラスになった女の子と仲良くなろうとしないじゃん」
この四人で一緒のクラスなら確かに、もっと多くの人と仲良くなろうとしないかも。この四人でいると凄く心地いいし。そうか……。
「でも、教科書とか忘れた時は助かるの!」
のんきな姫ちゃんの一言で部屋に笑いが満たされた。
「確かに、それもそうね。とくに、夕姫は忘れ物が多いからね」
口に手を当てて言うさくちゃんに夕くんも頭を掻くばかり。中学時代に忘れ物が多かったのだろう。
「夕姫ったら――」
「あー、言わないで! で、部屋長は誰にするの?」
さくちゃんが夕くんのことを話し始めようとすると、被せるように夕くんが話題を元に戻した。言われて不都合なことがおおいのかぁ……。にしても、この会話、すごく幼馴染みっぽい。
「はるにゃんがいいの!」
「え! 私!? 夕くんは? いろいろ手際いいし、リーダーっぽいし」
「え、万花ちゃんでいいでしょ? ね、桜?」
「そうね……。夕姫には任せられないもの」
なんだか部屋長にされられそうな流れ……。
「えっと、姫ちゃんは何で私を部屋長に推すの?」
「はるにゃんなら、大丈夫って感じがするの!」
どんな感じかはよく分からないけど、多数決と考えれば私かな。
「じゃあ、せっかく姫ちゃんが言ってくれたわけだし、私が部屋長やりますよ」
「おぉ! まぁ基本的に誰かが休まない限り仕事ないから、あまり考えなくていいよ」
「では、部屋長も決まりましたし、これからどうします?」
「よし、部屋長に決めてもらおう!」
「え!? あ、春休みの課題はもう終わった?」
「「終わっている(わ)(の!)」」
「……あたしだけ? 終わってないの? え、万花ちゃんは?」
「終わってるよ」
「え、だって、春休み、まだ結構残ってるよ?」
「決定、夕くんの課題を終わらせよう!」
「そうね、去年はわたしだけで見たから今年は楽ね」
「頑張ろうなの! 夕くん!」
「……そんなぁ」
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