異世界でも水分補給は大事です! ~液体生成スキルでのんびりサバイバル~

楠富 つかさ

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第12話

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 異世界に飛ばされて早くも一週間が経過した。この世界でも一週間は七日間だけど、曜日は火・水・風・土・雷・氷・光というように、闇以外の属性になっていて、火曜日の次が水曜日なのはいいとして、土曜日の順番がとっさに分からなくなってしまいがちだ。
 地球上の日曜日に相当するのが光曜日で、女神様へのお祈りをする日とされているそうだ。女神アリシア・ハートロード……私をこの世界に転生させてくれた女神様、神官さんたちから話を少し聞いたけれど、特徴はきれいな金髪で少女の姿で描かれることが多いとか。

「光曜日は安息日だが、冒険者に安息の日などない。私は四級の依頼をこなしてくるが、シズクは――」
「私は宿の手伝いがあるから、そっちを優先するよ。最近、私のスキルで温かいお湯が出せるようになったから、ユミルさんも女将さんもすごく喜んでくれているんだ」
「そうか、それならいいんだ。六級になったとはいえ、無理は禁物だぞ?」
「わかってるって。リーシアさんも気を付けてね」
「あぁ、じゃあまたな」

 女神アリシアを祀るハートロード教の教会を後にした私たちは冒険者ギルドの前で別れ、私は宿――森の恵み亭へ向かう。
 この一週間、真面目に依頼をこなしてきた甲斐もあって、レベルも上がったし冒険者としての級位も上がった。宿までの道すがら、ステータスを確認する。このよく分からないホログラムウィンドウのようなものは私にしか見えていないので、いつでも気軽に見ることができる。


名前:シズク
年齢:16
レベル:6
HP:150/153
MP:57/57
状態:正常
攻撃力:12(+2)
防御力:14(+7)
素早さ:13
魔法力:20(+2)
精神力:15
器用さ:12
スキル:水魔術 鑑定 言語の加護
ユニークスキル:液体生成
称号:転移者 六級冒険者
装備:粗末なナイフ、簡素な短杖、ライトレザープロテクター、麻布の服、レザーサンダル

 町の中だからといって確実に安全とは限らないので、依頼がない日でも武装はしておいた方がいいとリーシアさんから教わった。それに、緊急の討伐依頼が発生したときにすぐ動けるように備えておく意味もあるそうだ。
 これまでに達成した依頼の報酬で軽い防具を買って身に着けている。安心のためにお金を使うことは大事だと思う。
 宿の水汲み代わりに液体生成を何度も使ってきたおかげか、液体生成で作れる真水の温度がこれまで15-25度だったところが、最高で45℃のお湯まで出せるようになったのだ。これで火の魔法石を使う個数も減って、リーシアさんもファイアエレメント以外の魔物を狩りに行く時間が増えたみたいで、稼ぎも増えているそうだ。
 逆に宿も、火の魔法石の消費量が減って支出が減っているとのこと。これに私が皿洗いやお風呂洗いの手伝いも始めたことで、住み込みで働いている状態に近くなり、宿代無料どころか少しだけお賃金をいただくようになったくらいだ。
 ナイフの刃こぼれもし始めているし、次に買うならナイフかな。少しだけ愛着が沸きつつあるから、変えても心が痛まないうちに変えてしまいたいところだ。

「ナイフを新調したら、討伐系の依頼にもっと挑戦したいって、リーシアさんに相談してみようかな」

 こっちの世界での生活にも慣れてきて、これからのことを考えるとわくわくして、おのずと石畳の道を走りだす。道の性能も地面の状態も日本とは比べものにならないほど悪いのに、なんだかあの頃よりずっと速く走れているような気がする。
 このままどこまでだって行けたらいいのに。そんなことを考えながら、森の恵み亭まで駆けていくのだった。
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