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#4 永藤林檎
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果実会というよく分からないお茶会に誘われた私、佐野いちご。
この果実会という集まりはフルーツにちなんだ名前の生徒が集まるお茶会で、五十年近く前に当時のいちごさんが始めたらしい。それにあやかって、いちごである私が会長にならなければならないらしく、しかもその目的はいちごのハーレムになること。全くもって意味は分からないんだけど……この場にいる全員が私と仲良くしてくれるっていうのは……ちょっと胸が高鳴る。
「まぁ、いろいろ聞かされて驚いていることだろうから今日は解散しよう。っと、その前にせめて僕の自己紹介くらいは聞いてもらおうかな」
これまで説明してくれていた王子様然とした先輩が、ようやく名乗ってくれる。
「僕は永藤林檎。まぁそのまんまりんごにちなんだ名前ってことで、中一の頃からこの集まりにいるよ。古株だからか今まで会長代行をしていたんだけど、その……なんだ、恋人ができたら去らねばならない集まりに長年いるっていうのでお察しだが、恋人ができたことはない。ファンみたいな人はいるにはいるが、その……君との出会いをずっと待っていたんだ。運命的な出会いを果たした今日という日に、ありがとう」
気障なセリフも似合うようなカッコいい先輩だが、恋人がいないらしい。黒のショートヘアに一房だけ赤メッシュを入れているあたり、女性にモテる女性ってイメージにぴったりあう。
「ここ以外にそれこそ部活とかやってないんですか?」
「軽音楽部でロックバンドを組んでいるよ。担当はベースさ」
「……意外です。ギターボーカルしてそうなのに」
「よく言われるよ。歌はそこまで得意じゃないし、人を支える立ち位置が好きなのさ。でも、君の歌はいずれ聴かせてほしいかな」
パチリとウィンクまでされてしまった。
「林檎、学年順なら次は私よね。ふふ、なら寮に戻る道すがらで改めて自己紹介するから今日は解散にしましょうか」
東雲先輩が永藤先輩に言って、ひとまず今日は解散となった。まぁ、由梨ちゃんと東雲先輩に挟まれての帰り道だから、ある意味まだ解散って感じではないのだけれど……。
この果実会という集まりはフルーツにちなんだ名前の生徒が集まるお茶会で、五十年近く前に当時のいちごさんが始めたらしい。それにあやかって、いちごである私が会長にならなければならないらしく、しかもその目的はいちごのハーレムになること。全くもって意味は分からないんだけど……この場にいる全員が私と仲良くしてくれるっていうのは……ちょっと胸が高鳴る。
「まぁ、いろいろ聞かされて驚いていることだろうから今日は解散しよう。っと、その前にせめて僕の自己紹介くらいは聞いてもらおうかな」
これまで説明してくれていた王子様然とした先輩が、ようやく名乗ってくれる。
「僕は永藤林檎。まぁそのまんまりんごにちなんだ名前ってことで、中一の頃からこの集まりにいるよ。古株だからか今まで会長代行をしていたんだけど、その……なんだ、恋人ができたら去らねばならない集まりに長年いるっていうのでお察しだが、恋人ができたことはない。ファンみたいな人はいるにはいるが、その……君との出会いをずっと待っていたんだ。運命的な出会いを果たした今日という日に、ありがとう」
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