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第十話 サリアが仲間になった
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警戒を解かない私たちを確認し、カラウが嘴でつつく。ほどなくして、少女は目を覚まし、パチパチと瞬きをして周囲を確認する。と同時に、私たちが構えたままであることを確認し、胸や股を隠すでもなくもろ手を挙げて降参の意思表示をする。
「負けましたわ。煮るなり焼くなり、殺すも犯すもお好きにどうぞ」
「お、おぉ……犯しはしないよ! 女の子同士じゃん!」
「ユフィそれ、殺す可能性を残しているからね」
「ふふふ、私は女の子同士がまぐわっている様を見るのは好きなんですけどね」
慌てふためくユフィの肩にとまり、カラウがとんでもないことを言いだす。このカラスは本当に何者なのか分からない。
「分からないことだらけだ。まずどうして君は今、全裸なんだ?」
「え、そこ?」
あれだけ立派なゴシックロリータなのだから、なにか魔術的な要素があってもおかしくない。だというのに、あっさりと消えてしまったあの衣装が気にならないといえば嘘になる。とはいえ、珍しくユフィにツッコミをくらってしまい、思わず咳払いをして質問を改める。
「君はなんていう名前で、どういう存在で、どうして私たちに剣を向けたのか、教えてくれる?」
挙げたままだった両手を下ろした彼女がぽんと手を叩くと、まるで最初からそうだったかのように、彼女は下着姿へと変化していた。
「流石に落ち着かないのでこの格好で失礼しますね。ちなみに、これは私――サリア・フィアマリスの魔力で作っている衣服だから、身に危険があれば雲散霧消してしまうという寸法よ」
名前と衣服の謎は解決した。ではその出自と、今回の戦闘は避けられなかったものなのか、確認していく。
「私は魔王の一人娘よ。それでいて、この世界に魔王は不要だと考えてもいる。貴女たちと戦ったのは、ある程度の実力があれば配下に加えたかったから。まさか私の方が負かされるなんてね。ただ、はっきりわかったわ。貴女たち、勇者ね」
……勇者、そんな風に言われただろうか。確か私の呼び名はそう――救世の魔導師だったはず。意味合いで考えれば勇者とそう変わらないか。
「魔王さえいなければ勇者も現れない。我々魔族は、王政を廃して合議制を採り、人類に和平を提案すべきなのよ」
……なんとも規模の大きな話になってきたな。どうやら、親子喧嘩に巻き込まれてしまうようだ。
「貴女たちと私の目的は一致しているとは思わない?」
だが、私たちは魔王の所在も知らないし、この先の動向についてはノープランだ。ここは、乗ってみるのがいいのかもしれない。
「サリア、君のクーデターに協力しよう」
「クーデター……そうね、そうとも言えるわね。よろしく頼むわ。えっと……」
「結局こちらは名乗っていなかったね。私はマイティ・オブシダイト、こっちは――」
「ユフィ・ソルディバリー……まぁ、ユフィでいいよ」
「カラウよ。よろしく、魔王の一人娘さん」
こうして旅の同行者が一人増えたのだった。
「負けましたわ。煮るなり焼くなり、殺すも犯すもお好きにどうぞ」
「お、おぉ……犯しはしないよ! 女の子同士じゃん!」
「ユフィそれ、殺す可能性を残しているからね」
「ふふふ、私は女の子同士がまぐわっている様を見るのは好きなんですけどね」
慌てふためくユフィの肩にとまり、カラウがとんでもないことを言いだす。このカラスは本当に何者なのか分からない。
「分からないことだらけだ。まずどうして君は今、全裸なんだ?」
「え、そこ?」
あれだけ立派なゴシックロリータなのだから、なにか魔術的な要素があってもおかしくない。だというのに、あっさりと消えてしまったあの衣装が気にならないといえば嘘になる。とはいえ、珍しくユフィにツッコミをくらってしまい、思わず咳払いをして質問を改める。
「君はなんていう名前で、どういう存在で、どうして私たちに剣を向けたのか、教えてくれる?」
挙げたままだった両手を下ろした彼女がぽんと手を叩くと、まるで最初からそうだったかのように、彼女は下着姿へと変化していた。
「流石に落ち着かないのでこの格好で失礼しますね。ちなみに、これは私――サリア・フィアマリスの魔力で作っている衣服だから、身に危険があれば雲散霧消してしまうという寸法よ」
名前と衣服の謎は解決した。ではその出自と、今回の戦闘は避けられなかったものなのか、確認していく。
「私は魔王の一人娘よ。それでいて、この世界に魔王は不要だと考えてもいる。貴女たちと戦ったのは、ある程度の実力があれば配下に加えたかったから。まさか私の方が負かされるなんてね。ただ、はっきりわかったわ。貴女たち、勇者ね」
……勇者、そんな風に言われただろうか。確か私の呼び名はそう――救世の魔導師だったはず。意味合いで考えれば勇者とそう変わらないか。
「魔王さえいなければ勇者も現れない。我々魔族は、王政を廃して合議制を採り、人類に和平を提案すべきなのよ」
……なんとも規模の大きな話になってきたな。どうやら、親子喧嘩に巻き込まれてしまうようだ。
「貴女たちと私の目的は一致しているとは思わない?」
だが、私たちは魔王の所在も知らないし、この先の動向についてはノープランだ。ここは、乗ってみるのがいいのかもしれない。
「サリア、君のクーデターに協力しよう」
「クーデター……そうね、そうとも言えるわね。よろしく頼むわ。えっと……」
「結局こちらは名乗っていなかったね。私はマイティ・オブシダイト、こっちは――」
「ユフィ・ソルディバリー……まぁ、ユフィでいいよ」
「カラウよ。よろしく、魔王の一人娘さん」
こうして旅の同行者が一人増えたのだった。
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