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外伝2【紅玉の眸の獣】
其の一
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――たたん、たたん、たたん……。
体の奥にかすかに響く車輪の音に耳を澄ましながら、一日白陽はぼんやりと車両の窓にもたれている。
鋼の小さな匣をいくつも連ねた、西月京経由、南風京往きの列車である。列車自体がそれなりに経済的余裕のある層の乗り物であるため、乗客は皆小綺麗な格好をしていた。子ども連れの若い女性、革製の鞄をいくつも置いた老夫婦。土産と思しき包みを大事に抱えた若者に、いかにも浮かれた気配の壮年の男。白陽以外にも何人かが乗り合わせている。
葡萄酒色の椅子は多少柔らかめに作られてはいるものの、長旅にはいささか向いてはいないようだ。さっきからどうにも尻が痛くて、何度か座り直している。その隣に伸びる通路を、幼い子どもがよちよちと走っていく。そのあとを慌てて追いかける母親の様子が微笑ましくて、白陽は少しだけ笑みを浮かべた。
細く長い橋を往く列車の外は、見渡す限りの泥の海。その中に点在する鮮やかな緑は、葦が密集している場所である。この葦原国の名の由来にもなっている植物で、湿地や水辺によく生える。【塔】の周辺であまり見かけないのは、地上の人たちがこぞって家の素材として使うからと聞いたが、詳しくは知らない。ちなみにもっと南にいけば、泥の中でも生える木々なんかもあるという。
葦以外に見える鮮やかな色彩は、蓮にも似た花だった。【塔】の中では決して育たぬ花で、確かハスモドキとかいったか。あそこの下には死体が山と埋もれている、なんて噂がまことしやかに囁かれているものの、真偽はついぞ定かではない。
東花京の第六階層から長く伸びたこの線路は、八年前の戦争が終わったあとに整備されたばかりのものだ。これから補強される予定とのことだが、見た限り手入れされた様子はない。正直、見込みは薄いだろう。そんなとりとめもないことを考えながら、白陽は再度遠くを眺めた。
人を、追いかけていた。もっと正確に言うならば、自分が捕らえ損ねた人斬りと、その連れである赤毛の医者を。
彼らには、聞きたいことがたくさんある。多くの人間を殺した理由、自分の尊敬していた先輩を犯罪に走らせた理由、それがどうしても知りたかった。医者とは話をしたけれど、あれでは何もわかりはしない。本人の口から、どうしてなのかを聞きたかった。ただその一心で、白陽は故郷を飛び出したのである。
行き先はわからない。もしも反対方向だったなら、それこそもう二度と会えないかもしれない。ただ、あのとき確かに見えた、南へ往くための切符だけが手がかりだった。だからこうして一縷の望みをかけて、長い長い旅路をたどっている。無謀なことはわかっている。それでも、じっとしてはいられなかった。
彼らは、新たな場所へ行って何をするのだろう。あの人斬りは、また誰かを殺すだろうか。罪に手を染め、咎を重ね続けるのだろうか。どうして誰かを誑かすのか。どうして罪もない人を殺めるのか。ここにいたいというのなら、罪を犯さなければいいだけの話。殺さなければ、惑わさなければ、こうして追われることもない。誰かに咎められることもない。ただの人のように、平穏に過ごせるというのに。
知りたい。あの人斬りの、考えていることが。そうすれば、彼が――東雲が堕ちた理由もわかる気がする。あの医者は理解なんてできないと言っていたけれど、同じ人間なのだから、話をすればきっとわかるはず。白陽がひとりうなずいた、その直後。
突如甲高い金属の悲鳴がこだました。体が大きく後ろへ傾き、強く座席へ押し付けられる。向かいに置いていた荷物が音を立てて滑り落ちた。
「うわっ!?」
「きゃああ!!」
あちこちから悲鳴が上がる。どうやら急停止したらしい。
「な、なんだ!?」
白陽はすぐさま身体を起こす。間髪入れず、狭い匣に甲高い鐘の音が鳴り響いた。
「窓の内鎧戸を閉めてください!! 列車から降りずに身体を低くしてください!!」
車掌が青い顔で叫ぶ、その声を押しつぶすように、天井に何か重たいモノがぶつかる音がした。次いでぎしぎしと耳障りに金属が軋む音、鋭い爪で引っ掻かれているかのようなそれに、また列車のほうぼうから恐怖の叫びがあふれてくる。
何が起きている。念のため武器を、ととっさに腰に手をやり、思い出す。そうだ、もう警察の肩書も制服も返上しているのだ。今の自分は武器すら持っていないんだった!
次いで腹に響く強い衝撃。全身の毛が逆立つようなおぞましい咆哮。まるで人間の怨嗟を束ねて引き延ばしたそれに、狭い列車内は完全に恐慌状態に陥った。誰かが出口へ走って扉へと手をかけ、それを見た乗客が出口に殺到する。頭上の気配は戸口の上部に移動している――いけない!
「出ちゃダメだ!!」
腹の底から怒鳴って走る。必死に人を掻き分け追いすがり、扉を開けて外に逃げようとした男の首根っこを無理やりつかんで引き戻した。
「何しやがる!!」
男が白陽に怒鳴ると同時、赤錆の爪が入口へと突き込まれる。男の髪がわずかに切れて、男が絞るような悲鳴をあげた。
ぬるり。長すぎる首が入口から中を覗き込む。土気色の皮膚、縦に裂けた口、飛び出した目玉。鼻はそげて鼻腔がむき出しだった。すべてどこか人間を連想させるような、不気味な形をしたそいつは、徐々に車内へ身を乗り出してきている。中に入ってここの人たちを喰うつもりだ。
そう直感したときには、白陽はすでに列車の外へと飛び出していた。異形の首がぐるりと動き、こちらを見ているのがわかる。気を引いた。ならば。
「扉を閉めろォ!!」
腹の底から声を張る。中の乗客が弾かれたように扉を閉める。それを背後に、白陽は全力で線路を走り出した。
白陽を狙う屋根の異形が、べたべたと這いずりながら追いかけてくる。勢いでこんなことをしてしまったが、正直生き残る自信はない。だが、自分ができるだけ時間を稼げば、ここにいる人たちは助かるかもしれない。幸い足は速いのだ、これでどうにかなることを祈ろう。開けた場所なら何とかなる。前へ。前へ。どうすればいいかはあとで考えればいい。
ほどなくして先頭車両へと到着する。運転席も四角い箱の中にあるから、とりあえずは大丈夫そうだ。息が苦しくなってきた、それでも立ち止まるわけにはいかない。
視界に映る影がふたつ。泥と血を混ぜたような毛並みに、人間の顔を浮き上がらせた、狼に似た姿をしている。通常の狼の倍ほどもある身体を波打たせ、人間の悲鳴を束ねた声で唸っていた。
泥の中から生まれ出る異形のモノたち。【獣】と呼ばれる化物たちだ。屋根の上のやつも【獣】の一種だろう。前にいる【狼】が邪魔をして列車を止め、その間に上にいるやつが中に入ろうとしたらしい。自分が前の車両にいてよかった。おかげでどうにか引き付けることができているようだ。車掌たちが警告して回っているのだろう、次々と窓の中の鎧戸が閉められていく。
屋根の上に一体、進行方向上に二体。後方車両は無事なようだが、このままここにとどまっていれば、連中の格好の餌食になってしまう。どうする。どうする。考えろ。どうすればいいか。
屋根から気配が迫ってくる。前の二体は頭を低くし、今にも飛び掛かってきそうになっている。とりあえず、ここから引き離してさえしまえば!
そんなことを考えた白陽の左腕を、突如何かがつかんでくる。と思った瞬間には、とんでもない力で引きずりあげられていた。
「しまった……!!」
ひとつふたつ、なんてもんじゃない。やたらに指の長い人間の手が五つも、白陽の腕をつかんでいる。視界の端に見えた【獣】の手の一部らしい。体中から突き出された腕がゆらめき、首の付け根から生やした触手に巨大な爪がついている。さながら蟲のようであり、それよりもっと不気味な姿の【獣】であった。
まずい。このままじゃ引き裂かれる。必死にもがく白陽をあざ笑うように【獣】が目を細め、自分の側に引き寄せ爪を振り上げて――そのまま真っ二つに、引き裂かれた。
「な、」
どす黒い血が噴きあがる。断末魔すらも上げずに絶命する。頭から背中まで断ち割られている。その向こう側に見えるのは、誰かの血と見違うばかりの鮮烈な赫。閃く銀と、翡翠の裏地。一瞬だけ思考が止まった白陽は、そのまま背中から線路へと投げ出された。
「いってぇ!」
「おっと。悪ィな、お兄ちゃん。大丈夫かァ?」
屋根の上から言葉が降る。低い声だ。まるで獣がうなるような、そして深みのある低い音。くつくつと喉の奥で笑っている。
目の覚めるような紅い毛並み。翻る外套の裏地も、袖口を彩る縫い取りも、やはり軍の証である翡翠だった。そのどちらも、逆光を浴びて空の青に映えている。
白陽の前に降り立ったのは、ひとりの男だった。瞳は髪以上に鮮やかな、紅玉を思わせる色をしていた。年齢は三十代の半ばほどか。肩越しに振り向くその顔立ちは、精悍ながら整っている。顔の右側は前髪で緩やかに隠し、それ以外は乱雑に後ろへ梳き流している。背中を柔く覆うほどの長い赤毛は、あちらこちらが好き勝手に跳ねていた。
左の目じりに黒子がふたつ。三日月の形に吊り上がる口からは、牙、いや、八重歯が覗いている。見たことのある黒の洋袴とごつめの軍靴。腰には布の帯ではなく、帯革を幾重にも重ねて巻いていた。尻っ端折りして着崩した着物は暗い緑青、男物にしては珍しく裾と袖に模様が入っている。流水紋とはどこか違う、例えるならば風をかたどったような柄だった。
気さくで人懐こそうではあるが、気配に荒々しさと獰猛さを隠せていない。その体躯も、たたずまいも、どこか地上でたくましく生きている野生の獣を思わせる。まるであの、夜の男のように。
「そこを動くなよ。危ねェぜ」
とん。
言うが早いか、男が地を蹴り、駆けだした。――迅い。身を低くして疾駆し【狼】へと襲い掛かる。太陽の光を反射する大振りの刀、その切っ先は折れ、見知った刀とは異なる形をしていた。
【狼】の首がひとつ斬り飛ばされる。いや、首だけじゃない。あっという間にバラバラに崩れ落ちる。肉片が血がしぶくのを頭からもろに浴びても、男はまったく止まるそぶりを見せなかった。
どうにか立ち上がる白陽の前に、どちゃりと湿った音が落ちてくる。
「う、げっ」
一抱えほどある大きさのそれは、先ほど斬り落とされた【狼】の首だった。澱んだ目はもうどこも見ていない。思わず数歩あとずさり、白陽は硬い列車の車両に背をつける。据えたにおいが鼻先をかすめ、それ以上吸い込まぬよう吐き気を堪えて鼻を押さえた。こんなやつを一刀のもとに斬り捨てるなんて、いったいどんな身体能力をしているんだ。
一体を切り刻んだ勢いを殺さぬまま、男がもう一体に肉薄する。生き残りが雄たけびをあげて血色の牙を差し向ける。男はそれすら意に介さず、その鼻づらを軍靴で思い切り蹴り上げた。
「ッくは、あははは!!」
男の楽し気な笑い声がする。むき出しになった柔らかな喉に、男が全身のばねを用いて刃を叩き込む。ためらいもせずにえぐり取る。人間が上げる悲鳴にも似た【狼】の苦悶の咆哮がおぞましい。鈍い銀が毛並みを、肉を、いともあっさりと引き裂いていく。やがて二、三度痙攣し、【狼】はどう、と地に倒れた。
とんでもない強さだ。軍隊ってのはこんな連中ばかりなのだろうか。白陽は呆然とたたずみながら、かつて対峙した男のことを考えていた。
今目の前にいる男とは対照的な、それでいてどこか似通った空気の……まるで夜そのもののような、あの盲目の人斬りのことを。
静寂が訪れる。男の荒い呼吸がする。風が遠くで鳴いている。泥臭さに混じって届くのは、吐き気を催す血の臭い。今更ながら背中が痛む。震える息をどうにか吐いて、ようやく白陽は落ち着きを取り戻した。
「怪我ァねェかい、お兄ちゃん」
ごつごつと、重たい靴の音がする。返り血を浴びてはいるが、男は無傷のようだ。先ほどまでの荒々しさはすっかり鳴りを潜め、人懐こい笑みをたたえている。
たくましい身体にまとうのは、やはりあの男と同じ軍用の外套だ。軍人は確か退役時に、本人が希望すれば軍から下賜されたもの……刀や勲章、少尉以上になると渡される外套、軍帽など、そういったものを持っていけると聞いたことがある。おそらく彼もそうなのだろう。
しかし、刀はあの男のものとは少しだけ違う。切っ先が折れているからわかりにくいが、刀身は太刀にしてはかなり長めに作られている。刀身もやや厚みがあるから、折れる前はずいぶんと重さもあっただろう。
いったい何者なのか。わかることは、この男が戦い慣れているということと、只者ではないことだけ。
「あ、えっと……大丈夫っす」
白陽はどうにかうなずいて無事を伝え、頭半分ほど低い男に一礼する。
「本当にありがとうございます、おかげで命拾いしました」
「いや、ずいぶんと勇敢だったなァ。たいしたもんだぜ、ここまで肝が据わってるやつもなかなかいねェぞ」
背中をどつかれ、思わず数歩よろめいた。痛い。呻きはどうにか呑み込んで、白陽は苦笑を男に返す。
「いやあ……その、まあ、自分もともと警察だったんで。荒事はそれなりに慣れてるんすよ」
「へェ。そんな若ェのに辞めちまったのかい?」
「ええ……まあ、いろいろあって」
言葉を濁しながら、白陽は視線を逸らす。目が痛くなるほど眩しい青空、遠く遠くに【塔】が見える。そこへいくつも伸びていく筋は、別の場所からつながれた線路や道路だ。東花京とは【塔】の形が少し違う。今乗っている列車の線路も、あの場所に続いているのだろう。
と。
「降さん……! 助かりました、まさかあなたがいてくださったなんて!」
背後からぱらぱらと足音がする。振り向けば、運転手と車掌たちが大慌てでこちらへ駆け寄ってくるのが見えた。どうやら車掌たちと赤毛の男は知り合いらしい。
「おう。乗客は無事か?」
「おかげ様で……急停車した際に軽いお怪我をされたりなどはありましたが、食われたかたは誰ひとりも」
「そいつァよかった。この辺の片づけはオレがやっとくから、あんたらは点検しときな。西月京で調整しねェといけねェだろ」
降と呼ばれた赤毛の男は、八重歯を見せて笑っている。一方の車掌たちは帽子を脱いでぺこぺこ頭を下げていた。地位が高いのか、それとも仕事上で付き合いがあるのかもしれない。
「本当にありがとうございます! すぐさま上司に報告して、謝礼金の準備を」
「いいってェ。仕事でやったわけじゃねェんだからよ。その代わり、あとでうまい酒屋教えてくれ。それで十分だ」
車掌たちが首を振る前に、男はひらりと手を振って歩いていってしまった。慣れた手つきで【獣】の死骸を刻み、橋の外へ放り投げている。それを眺めながら、上のほうの立場だろう車掌たちは、なにやら困った顔で会話していた。
「……あの人、何者なんすか?」
白陽は近くにいた若い車掌に問いを投げる。嫌がられるかと思ったが、車掌はああ、と声を漏らし、気安い空気で教えてくれた。
「あの人は、この先にある西月京の【狩人】、降飛次さんですよ。普段は【塔】の周りにいる【獣】を狩ってるみたいなんですけど、依頼すれば時々線路に入ってくる【獣】を駆逐してくれるんです。警察や軍人さんは被害が大きくならないと動いてくれないから、すぐ来てほしいときなんかは助かってます」
降。確か、下層から上層へ引き取られた子は、移住の手続きの際に下層出であることを示す「降」の名前が与えられる。この名前はあくまでも仮のもので、引き取り手が申請すれば変更もできたはずだ。
もっとも、上層の人たちは下層の人たちをあまりよく思ってはいないから、引き取ろうとすること自体が珍しい。仮に引き取ったとしても、引き取り手の苗字に変えてしまうことがほとんどだから、降と名乗る人間は稀だった。
そして、聞きなれない【狩人】という言葉。もしかしたら、西月京独自のものなのかもしれない。西月京は有名な歓楽街だから、用心棒の仕事から派生したのだろうか。
「軍人さん、なんすかね? それとも元軍人とか……?」
「さあ……たぶんそうだと思いますけど。あの人、自分の身の上のことはほとんど話してくれませんからね。西月訛りがないから、たぶんこの辺の人じゃないとは思いますよ」
白陽は今一度、紅髪の男へと目をやった。鮮やかな緋色の髪は、返り血であちらこちらが固まりかけている。動くたびに黒い外套が翻り、翡翠の色が視界の隅でちらついた。
降飛次。姿かたちも全然違うのに、やはりどこかあの男に――世見坂終宵に似ている。戦いのときに見せた獰猛な気配が、あの男と同じ場所にいるだろうことを白陽に訴えかけてくる。刃を交えたからこそわかる。あの太刀筋。あの気迫。そして見せたあの、笑み。まるで――殺すこと自体を楽しんでいるような。
どうしてそんな顔をするのかが、どうしても気になって仕方がない。いったい彼は何者なのか。あの男と近しいものを持っているならば、もう少し話を聞いてみれば、何かつかめるような気がする。
男はすべての【獣】を泥の中へ投げ捨てると、袖口で刃をぬぐって鞘に収めた。刀を収める澄んだ音が、冷たい空気を震わせる。そうして彼は労わるように、刀の柄を指で撫でた。
鐘の音が鳴り響く。出発の準備が整った合図だ。
「点検が終了しました! まもなく出発します!」
白陽の乗っていた車両の車掌が身を乗り出し、白陽に戻るよう促している。白陽は手を挙げてそれに応えてから、男に向けて声を張った。
「あの! 俺、三号車にいますから!!」
男は白陽へ視線を投げると、紅いまなざしをかすかに細め、笑ってひらりと手を振った。
白陽が車両へと戻ると、出迎えたのは拍手だった。ありがとう、すごいなアンタ、すごいのねえ、そんな声があちこちからかけられる。車掌が貸してくれた手ぬぐいをありがたく受け取り、手早く汚れを落として通路を歩く。何とも照れ臭いような、むず痒いような心地だ。白陽は笑みを返しつつ、何度も頭を下げながら座席へ腰を落ち着けた。
ゆっくりと列車が動き始める。もう少しで西月京に入るだろう。そのときに、あの人と話ができたらいいのだが。そんなことを考えながら、白陽はぼんやりと外の景色を眺めていた。
体の奥にかすかに響く車輪の音に耳を澄ましながら、一日白陽はぼんやりと車両の窓にもたれている。
鋼の小さな匣をいくつも連ねた、西月京経由、南風京往きの列車である。列車自体がそれなりに経済的余裕のある層の乗り物であるため、乗客は皆小綺麗な格好をしていた。子ども連れの若い女性、革製の鞄をいくつも置いた老夫婦。土産と思しき包みを大事に抱えた若者に、いかにも浮かれた気配の壮年の男。白陽以外にも何人かが乗り合わせている。
葡萄酒色の椅子は多少柔らかめに作られてはいるものの、長旅にはいささか向いてはいないようだ。さっきからどうにも尻が痛くて、何度か座り直している。その隣に伸びる通路を、幼い子どもがよちよちと走っていく。そのあとを慌てて追いかける母親の様子が微笑ましくて、白陽は少しだけ笑みを浮かべた。
細く長い橋を往く列車の外は、見渡す限りの泥の海。その中に点在する鮮やかな緑は、葦が密集している場所である。この葦原国の名の由来にもなっている植物で、湿地や水辺によく生える。【塔】の周辺であまり見かけないのは、地上の人たちがこぞって家の素材として使うからと聞いたが、詳しくは知らない。ちなみにもっと南にいけば、泥の中でも生える木々なんかもあるという。
葦以外に見える鮮やかな色彩は、蓮にも似た花だった。【塔】の中では決して育たぬ花で、確かハスモドキとかいったか。あそこの下には死体が山と埋もれている、なんて噂がまことしやかに囁かれているものの、真偽はついぞ定かではない。
東花京の第六階層から長く伸びたこの線路は、八年前の戦争が終わったあとに整備されたばかりのものだ。これから補強される予定とのことだが、見た限り手入れされた様子はない。正直、見込みは薄いだろう。そんなとりとめもないことを考えながら、白陽は再度遠くを眺めた。
人を、追いかけていた。もっと正確に言うならば、自分が捕らえ損ねた人斬りと、その連れである赤毛の医者を。
彼らには、聞きたいことがたくさんある。多くの人間を殺した理由、自分の尊敬していた先輩を犯罪に走らせた理由、それがどうしても知りたかった。医者とは話をしたけれど、あれでは何もわかりはしない。本人の口から、どうしてなのかを聞きたかった。ただその一心で、白陽は故郷を飛び出したのである。
行き先はわからない。もしも反対方向だったなら、それこそもう二度と会えないかもしれない。ただ、あのとき確かに見えた、南へ往くための切符だけが手がかりだった。だからこうして一縷の望みをかけて、長い長い旅路をたどっている。無謀なことはわかっている。それでも、じっとしてはいられなかった。
彼らは、新たな場所へ行って何をするのだろう。あの人斬りは、また誰かを殺すだろうか。罪に手を染め、咎を重ね続けるのだろうか。どうして誰かを誑かすのか。どうして罪もない人を殺めるのか。ここにいたいというのなら、罪を犯さなければいいだけの話。殺さなければ、惑わさなければ、こうして追われることもない。誰かに咎められることもない。ただの人のように、平穏に過ごせるというのに。
知りたい。あの人斬りの、考えていることが。そうすれば、彼が――東雲が堕ちた理由もわかる気がする。あの医者は理解なんてできないと言っていたけれど、同じ人間なのだから、話をすればきっとわかるはず。白陽がひとりうなずいた、その直後。
突如甲高い金属の悲鳴がこだました。体が大きく後ろへ傾き、強く座席へ押し付けられる。向かいに置いていた荷物が音を立てて滑り落ちた。
「うわっ!?」
「きゃああ!!」
あちこちから悲鳴が上がる。どうやら急停止したらしい。
「な、なんだ!?」
白陽はすぐさま身体を起こす。間髪入れず、狭い匣に甲高い鐘の音が鳴り響いた。
「窓の内鎧戸を閉めてください!! 列車から降りずに身体を低くしてください!!」
車掌が青い顔で叫ぶ、その声を押しつぶすように、天井に何か重たいモノがぶつかる音がした。次いでぎしぎしと耳障りに金属が軋む音、鋭い爪で引っ掻かれているかのようなそれに、また列車のほうぼうから恐怖の叫びがあふれてくる。
何が起きている。念のため武器を、ととっさに腰に手をやり、思い出す。そうだ、もう警察の肩書も制服も返上しているのだ。今の自分は武器すら持っていないんだった!
次いで腹に響く強い衝撃。全身の毛が逆立つようなおぞましい咆哮。まるで人間の怨嗟を束ねて引き延ばしたそれに、狭い列車内は完全に恐慌状態に陥った。誰かが出口へ走って扉へと手をかけ、それを見た乗客が出口に殺到する。頭上の気配は戸口の上部に移動している――いけない!
「出ちゃダメだ!!」
腹の底から怒鳴って走る。必死に人を掻き分け追いすがり、扉を開けて外に逃げようとした男の首根っこを無理やりつかんで引き戻した。
「何しやがる!!」
男が白陽に怒鳴ると同時、赤錆の爪が入口へと突き込まれる。男の髪がわずかに切れて、男が絞るような悲鳴をあげた。
ぬるり。長すぎる首が入口から中を覗き込む。土気色の皮膚、縦に裂けた口、飛び出した目玉。鼻はそげて鼻腔がむき出しだった。すべてどこか人間を連想させるような、不気味な形をしたそいつは、徐々に車内へ身を乗り出してきている。中に入ってここの人たちを喰うつもりだ。
そう直感したときには、白陽はすでに列車の外へと飛び出していた。異形の首がぐるりと動き、こちらを見ているのがわかる。気を引いた。ならば。
「扉を閉めろォ!!」
腹の底から声を張る。中の乗客が弾かれたように扉を閉める。それを背後に、白陽は全力で線路を走り出した。
白陽を狙う屋根の異形が、べたべたと這いずりながら追いかけてくる。勢いでこんなことをしてしまったが、正直生き残る自信はない。だが、自分ができるだけ時間を稼げば、ここにいる人たちは助かるかもしれない。幸い足は速いのだ、これでどうにかなることを祈ろう。開けた場所なら何とかなる。前へ。前へ。どうすればいいかはあとで考えればいい。
ほどなくして先頭車両へと到着する。運転席も四角い箱の中にあるから、とりあえずは大丈夫そうだ。息が苦しくなってきた、それでも立ち止まるわけにはいかない。
視界に映る影がふたつ。泥と血を混ぜたような毛並みに、人間の顔を浮き上がらせた、狼に似た姿をしている。通常の狼の倍ほどもある身体を波打たせ、人間の悲鳴を束ねた声で唸っていた。
泥の中から生まれ出る異形のモノたち。【獣】と呼ばれる化物たちだ。屋根の上のやつも【獣】の一種だろう。前にいる【狼】が邪魔をして列車を止め、その間に上にいるやつが中に入ろうとしたらしい。自分が前の車両にいてよかった。おかげでどうにか引き付けることができているようだ。車掌たちが警告して回っているのだろう、次々と窓の中の鎧戸が閉められていく。
屋根の上に一体、進行方向上に二体。後方車両は無事なようだが、このままここにとどまっていれば、連中の格好の餌食になってしまう。どうする。どうする。考えろ。どうすればいいか。
屋根から気配が迫ってくる。前の二体は頭を低くし、今にも飛び掛かってきそうになっている。とりあえず、ここから引き離してさえしまえば!
そんなことを考えた白陽の左腕を、突如何かがつかんでくる。と思った瞬間には、とんでもない力で引きずりあげられていた。
「しまった……!!」
ひとつふたつ、なんてもんじゃない。やたらに指の長い人間の手が五つも、白陽の腕をつかんでいる。視界の端に見えた【獣】の手の一部らしい。体中から突き出された腕がゆらめき、首の付け根から生やした触手に巨大な爪がついている。さながら蟲のようであり、それよりもっと不気味な姿の【獣】であった。
まずい。このままじゃ引き裂かれる。必死にもがく白陽をあざ笑うように【獣】が目を細め、自分の側に引き寄せ爪を振り上げて――そのまま真っ二つに、引き裂かれた。
「な、」
どす黒い血が噴きあがる。断末魔すらも上げずに絶命する。頭から背中まで断ち割られている。その向こう側に見えるのは、誰かの血と見違うばかりの鮮烈な赫。閃く銀と、翡翠の裏地。一瞬だけ思考が止まった白陽は、そのまま背中から線路へと投げ出された。
「いってぇ!」
「おっと。悪ィな、お兄ちゃん。大丈夫かァ?」
屋根の上から言葉が降る。低い声だ。まるで獣がうなるような、そして深みのある低い音。くつくつと喉の奥で笑っている。
目の覚めるような紅い毛並み。翻る外套の裏地も、袖口を彩る縫い取りも、やはり軍の証である翡翠だった。そのどちらも、逆光を浴びて空の青に映えている。
白陽の前に降り立ったのは、ひとりの男だった。瞳は髪以上に鮮やかな、紅玉を思わせる色をしていた。年齢は三十代の半ばほどか。肩越しに振り向くその顔立ちは、精悍ながら整っている。顔の右側は前髪で緩やかに隠し、それ以外は乱雑に後ろへ梳き流している。背中を柔く覆うほどの長い赤毛は、あちらこちらが好き勝手に跳ねていた。
左の目じりに黒子がふたつ。三日月の形に吊り上がる口からは、牙、いや、八重歯が覗いている。見たことのある黒の洋袴とごつめの軍靴。腰には布の帯ではなく、帯革を幾重にも重ねて巻いていた。尻っ端折りして着崩した着物は暗い緑青、男物にしては珍しく裾と袖に模様が入っている。流水紋とはどこか違う、例えるならば風をかたどったような柄だった。
気さくで人懐こそうではあるが、気配に荒々しさと獰猛さを隠せていない。その体躯も、たたずまいも、どこか地上でたくましく生きている野生の獣を思わせる。まるであの、夜の男のように。
「そこを動くなよ。危ねェぜ」
とん。
言うが早いか、男が地を蹴り、駆けだした。――迅い。身を低くして疾駆し【狼】へと襲い掛かる。太陽の光を反射する大振りの刀、その切っ先は折れ、見知った刀とは異なる形をしていた。
【狼】の首がひとつ斬り飛ばされる。いや、首だけじゃない。あっという間にバラバラに崩れ落ちる。肉片が血がしぶくのを頭からもろに浴びても、男はまったく止まるそぶりを見せなかった。
どうにか立ち上がる白陽の前に、どちゃりと湿った音が落ちてくる。
「う、げっ」
一抱えほどある大きさのそれは、先ほど斬り落とされた【狼】の首だった。澱んだ目はもうどこも見ていない。思わず数歩あとずさり、白陽は硬い列車の車両に背をつける。据えたにおいが鼻先をかすめ、それ以上吸い込まぬよう吐き気を堪えて鼻を押さえた。こんなやつを一刀のもとに斬り捨てるなんて、いったいどんな身体能力をしているんだ。
一体を切り刻んだ勢いを殺さぬまま、男がもう一体に肉薄する。生き残りが雄たけびをあげて血色の牙を差し向ける。男はそれすら意に介さず、その鼻づらを軍靴で思い切り蹴り上げた。
「ッくは、あははは!!」
男の楽し気な笑い声がする。むき出しになった柔らかな喉に、男が全身のばねを用いて刃を叩き込む。ためらいもせずにえぐり取る。人間が上げる悲鳴にも似た【狼】の苦悶の咆哮がおぞましい。鈍い銀が毛並みを、肉を、いともあっさりと引き裂いていく。やがて二、三度痙攣し、【狼】はどう、と地に倒れた。
とんでもない強さだ。軍隊ってのはこんな連中ばかりなのだろうか。白陽は呆然とたたずみながら、かつて対峙した男のことを考えていた。
今目の前にいる男とは対照的な、それでいてどこか似通った空気の……まるで夜そのもののような、あの盲目の人斬りのことを。
静寂が訪れる。男の荒い呼吸がする。風が遠くで鳴いている。泥臭さに混じって届くのは、吐き気を催す血の臭い。今更ながら背中が痛む。震える息をどうにか吐いて、ようやく白陽は落ち着きを取り戻した。
「怪我ァねェかい、お兄ちゃん」
ごつごつと、重たい靴の音がする。返り血を浴びてはいるが、男は無傷のようだ。先ほどまでの荒々しさはすっかり鳴りを潜め、人懐こい笑みをたたえている。
たくましい身体にまとうのは、やはりあの男と同じ軍用の外套だ。軍人は確か退役時に、本人が希望すれば軍から下賜されたもの……刀や勲章、少尉以上になると渡される外套、軍帽など、そういったものを持っていけると聞いたことがある。おそらく彼もそうなのだろう。
しかし、刀はあの男のものとは少しだけ違う。切っ先が折れているからわかりにくいが、刀身は太刀にしてはかなり長めに作られている。刀身もやや厚みがあるから、折れる前はずいぶんと重さもあっただろう。
いったい何者なのか。わかることは、この男が戦い慣れているということと、只者ではないことだけ。
「あ、えっと……大丈夫っす」
白陽はどうにかうなずいて無事を伝え、頭半分ほど低い男に一礼する。
「本当にありがとうございます、おかげで命拾いしました」
「いや、ずいぶんと勇敢だったなァ。たいしたもんだぜ、ここまで肝が据わってるやつもなかなかいねェぞ」
背中をどつかれ、思わず数歩よろめいた。痛い。呻きはどうにか呑み込んで、白陽は苦笑を男に返す。
「いやあ……その、まあ、自分もともと警察だったんで。荒事はそれなりに慣れてるんすよ」
「へェ。そんな若ェのに辞めちまったのかい?」
「ええ……まあ、いろいろあって」
言葉を濁しながら、白陽は視線を逸らす。目が痛くなるほど眩しい青空、遠く遠くに【塔】が見える。そこへいくつも伸びていく筋は、別の場所からつながれた線路や道路だ。東花京とは【塔】の形が少し違う。今乗っている列車の線路も、あの場所に続いているのだろう。
と。
「降さん……! 助かりました、まさかあなたがいてくださったなんて!」
背後からぱらぱらと足音がする。振り向けば、運転手と車掌たちが大慌てでこちらへ駆け寄ってくるのが見えた。どうやら車掌たちと赤毛の男は知り合いらしい。
「おう。乗客は無事か?」
「おかげ様で……急停車した際に軽いお怪我をされたりなどはありましたが、食われたかたは誰ひとりも」
「そいつァよかった。この辺の片づけはオレがやっとくから、あんたらは点検しときな。西月京で調整しねェといけねェだろ」
降と呼ばれた赤毛の男は、八重歯を見せて笑っている。一方の車掌たちは帽子を脱いでぺこぺこ頭を下げていた。地位が高いのか、それとも仕事上で付き合いがあるのかもしれない。
「本当にありがとうございます! すぐさま上司に報告して、謝礼金の準備を」
「いいってェ。仕事でやったわけじゃねェんだからよ。その代わり、あとでうまい酒屋教えてくれ。それで十分だ」
車掌たちが首を振る前に、男はひらりと手を振って歩いていってしまった。慣れた手つきで【獣】の死骸を刻み、橋の外へ放り投げている。それを眺めながら、上のほうの立場だろう車掌たちは、なにやら困った顔で会話していた。
「……あの人、何者なんすか?」
白陽は近くにいた若い車掌に問いを投げる。嫌がられるかと思ったが、車掌はああ、と声を漏らし、気安い空気で教えてくれた。
「あの人は、この先にある西月京の【狩人】、降飛次さんですよ。普段は【塔】の周りにいる【獣】を狩ってるみたいなんですけど、依頼すれば時々線路に入ってくる【獣】を駆逐してくれるんです。警察や軍人さんは被害が大きくならないと動いてくれないから、すぐ来てほしいときなんかは助かってます」
降。確か、下層から上層へ引き取られた子は、移住の手続きの際に下層出であることを示す「降」の名前が与えられる。この名前はあくまでも仮のもので、引き取り手が申請すれば変更もできたはずだ。
もっとも、上層の人たちは下層の人たちをあまりよく思ってはいないから、引き取ろうとすること自体が珍しい。仮に引き取ったとしても、引き取り手の苗字に変えてしまうことがほとんどだから、降と名乗る人間は稀だった。
そして、聞きなれない【狩人】という言葉。もしかしたら、西月京独自のものなのかもしれない。西月京は有名な歓楽街だから、用心棒の仕事から派生したのだろうか。
「軍人さん、なんすかね? それとも元軍人とか……?」
「さあ……たぶんそうだと思いますけど。あの人、自分の身の上のことはほとんど話してくれませんからね。西月訛りがないから、たぶんこの辺の人じゃないとは思いますよ」
白陽は今一度、紅髪の男へと目をやった。鮮やかな緋色の髪は、返り血であちらこちらが固まりかけている。動くたびに黒い外套が翻り、翡翠の色が視界の隅でちらついた。
降飛次。姿かたちも全然違うのに、やはりどこかあの男に――世見坂終宵に似ている。戦いのときに見せた獰猛な気配が、あの男と同じ場所にいるだろうことを白陽に訴えかけてくる。刃を交えたからこそわかる。あの太刀筋。あの気迫。そして見せたあの、笑み。まるで――殺すこと自体を楽しんでいるような。
どうしてそんな顔をするのかが、どうしても気になって仕方がない。いったい彼は何者なのか。あの男と近しいものを持っているならば、もう少し話を聞いてみれば、何かつかめるような気がする。
男はすべての【獣】を泥の中へ投げ捨てると、袖口で刃をぬぐって鞘に収めた。刀を収める澄んだ音が、冷たい空気を震わせる。そうして彼は労わるように、刀の柄を指で撫でた。
鐘の音が鳴り響く。出発の準備が整った合図だ。
「点検が終了しました! まもなく出発します!」
白陽の乗っていた車両の車掌が身を乗り出し、白陽に戻るよう促している。白陽は手を挙げてそれに応えてから、男に向けて声を張った。
「あの! 俺、三号車にいますから!!」
男は白陽へ視線を投げると、紅いまなざしをかすかに細め、笑ってひらりと手を振った。
白陽が車両へと戻ると、出迎えたのは拍手だった。ありがとう、すごいなアンタ、すごいのねえ、そんな声があちこちからかけられる。車掌が貸してくれた手ぬぐいをありがたく受け取り、手早く汚れを落として通路を歩く。何とも照れ臭いような、むず痒いような心地だ。白陽は笑みを返しつつ、何度も頭を下げながら座席へ腰を落ち着けた。
ゆっくりと列車が動き始める。もう少しで西月京に入るだろう。そのときに、あの人と話ができたらいいのだが。そんなことを考えながら、白陽はぼんやりと外の景色を眺めていた。
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