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第二章 アルテア大陸
side アルフレア
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そうだ、それでいい、これは私の罪なんだ…
最初からこうなる運命だったのかもしれないねぇ…
体を貫かれる鋭い痛みが全身を駆け巡る。
とてつもなく痛くて発狂しそうになる。 だけどまだ死ねない、まだ…やらなきゃならないことが…
もう斧を握る力さえ出ず手から零れ落ち、ガランと派手な音を立ててアタシの相棒は地に落ちる。
既に立っていることすらできず、もたれかかる様に壁に背を預け、私も地に座る。
意識が朦朧とする、視界が明滅する中はっきりとカナリアの泣き顔が見えた気がした。
裏切って… ごめん… なぁ…
過去の映像がアタシの頭の中を巡る。
走馬灯ってやつかね…
ーーーーーー
ーーーー
ー
「グッ…」
「お前か、私の後を探っているのは…」
1か月前、ガルディア都市西区路地裏、以前から行動の怪しいアルバランの後をつけていた時だった。
こいつ、いつ…のまに…
いきなり背後に現れたアルバランに首を捕まれ、そのまま地面に押し倒される。
ギガントのアタシがこうもあっさり力負けするなんて…
「ガハッ…き、貴様、ぐぅううううう!!!」
「喋るな、面倒だ」
肩口にナイフで深く刺される。激しい痛みが駆け巡り、出てこようとした言葉は中断された。
「今殺しても問題はないが、手駒を増やすのも悪くないな、しばらく私に騎士団内の情報を報告しろ」
やはり、こいつは黒だった!!アタシの思ったとおり…
仲間を裏切るなんてマネ誰がやるもんか…
「誰が…そんな…ことをすると…思うか」
頭上からひどく冷淡な声で囁かれる。
「残念だ、お前を殺し、カナリア=ファンネルという女に情報を集めさせてもらうとするか」
カナ… リアだと…
なぜこの男がカナリアの事を口にだした…
アタシがどうなろうとここで見つかった時点で覚悟は決まっていた。
だけど…カナリアを巻き込むわけにはいかない…
汚れた仕事をするのはアタシ一人で十分だ。
「ま、待ってくれ、アタシが…やる」
「まあよかろう、わかっていると思うが、いつでも殺せることを覚えておくんだぞ?両方とも…な」
「っぐぅううううう!!!!」
もう片方の肩に激しい痛みが走る。また深くナイフを突き立てられたみたいだ。
焼けるように両肩が熱い。
「念のためだ、お前の傷口はもう治ることはなく、この痛みを再び思い出すたびに忘れないようにしておくぞ、蝕み苦しめ【不浄の手】」
「ギャアアアアアア!!!」
肩口が呪われたみたいに熱く爛れる。
あまりの痛みに思わず叫んでしまうほどだった。
「そう喚くな、回復してやる、ハイヒール」
一見傷跡は無くなったが、肩口の違和感は消えることはない。
「定期的な報告を頼むぞ」
「…はい」
こんな化け物に逆らえるわけがなかった。
ーーーーーー
ーーー
ーーーーーー
あれはいつだったかカナリアと休みが被って出かけてた時だ…
街は昼時ということもあり、混んでいて、小さいカナリアを見失わないようにするのが大変だったな。
アタシなんかより可愛らしい服がとても似合っていて、素直に羨ましかった。
「はぐれないようにな」
そう声をかけるとカナリアは朗らかな笑みを浮かべてアタシを見つめる。
「はぐれないわ、アルフレアの綺麗な赤い髪がどこにいたってわかるもの」
「なっ!?」
「相変わらず照れ屋さんね、アルフレアは」
クスクスと楽しそうに笑うカナリア。
「からかうんじゃないよ、綺麗な髪なのはカナリアだってそうだ、ただアタシはでかいから小さいカナリアは埋もれちゃうんだよ」
カナリアのピンク色の髪は凄く女の子らしくて可愛い、アタシもあの髪の色がよかったな、似合わないのはわかっているけど。
「もう、気にしてるのに」
少し膨れた顔も可愛らしい、アタシもカナリアみたいだったら、隠さなくて頼ることができたのかもしれないね。
「っつ、ちょっとゴメン、トイレに行ってくるから先に向かっててよ」
「え? わかったわ、場所もすぐそこだしそこで待ってるわね」
「ああ、すぐ戻る」
とある建物に入り、人気のない暗がりの場所で肩を抑え必死に痛みに耐える。
「グゥウウウウウ…」
肩が、焼けるように痛む、これはあの時の…
「随分、痛そうやねぇ…」
後ろから突然声をかけられ慌てて振り向く、そこには帽子をかぶった茶髪でおさげの小さな女の子がいた。
「ウフフ、アルバラン様の使いと言ったほうが貴方にはわかりやすいかしら」
その声はこの小さな女の子が話すにしては随分大人びて艶のある声だ。
「定期報告を確認しに来たわ、聞かせてもらえるかしら」
定期報告として来るときにアタシの肩は焼けるように痛みだす。
「言わなくてもわかる、アンタが来るとき肩が激しく痛むし、なによりアタシはあんたの香水の匂いが嫌いだよ」
この小さな女の子からは甘いフローラルな香りが漂う。
アタシはこの匂いが大っ嫌いだ。
「あら、ひどいわ、毎回違う姿なのをわかるようにいい香水を使っているのに」
小さな女の子はその幼い顔からは似合わない妖艶な笑みで、こちらに語り掛ける。
「まあ、あなたの姿はそれなりに見ているわけだから、あなたが何を大切にしてるかぐらい簡単よ?さあ、報告してもらいましょうか」
これは一種の脅しだ、だけどアタシは逆らうわけにはいかないんだよ。
ーーーーーー
ーーー
ーーーーーー
これは最近の記憶か…
騎士団内アルフレアの自室に招かれざる客が訪れていた。
「ウフフ、貴方のおかげで私たちもスムーズに動けるから感謝してるわ」
そう妖艶な笑いを浮かべるエイシャという女は今度は私の最もなってほしくない姿になっている。
ピンク色のツインテールに黒いドレス、私の親友、カナリア=ファンネルに。
「この姿、気に入ってくれたかしら?」
くるりと回り嘲るように笑う。
違う、カナリアはそんな顔をしない。
「ウフフ、この前の態度とは大違いね、面白いわぁ、当日の配置場所を私達の言う通りにしてくれてありがとね、約束通りこの子には手を出さないであげるわ、あなたはただ当日東門の警護をして誰も外に出さないようにしてもらえればいいわ、誰一人通してはダメよ?そして私がいつも見てるのを忘れないことね」
「ぐぅう!!」
肩に激しい痛みが一瞬奔る。
逆らったらなんて、わかりきってるさね…
ーーーーーー
ーーー
ーーーーーー
ーー
「ハイヒール!!」
うっすらと意識が戻り、重い瞼を開けるとカナリアが泣きながらアタシの塞がらない大きな傷穴に手を当て、回復魔法をかけていた。
カナリアだって、もうが魔力少ない…
ただでさえ回復魔法は魔力を消費するはずだ…
これだけ渡せればアタシは充分…
動かなくなりそうな腕をなんとか動かし、ポケットから牢の鍵を取り出す。
アタシにはこれくらしかできなかった…
だから…
カナリア…
あんたに託すよ…
「ハイヒー… あうっ!?…」
最後の力を振り絞り思い切り、カナリアを突き飛ばす。
鍵をカナリアの手に握らせて。
「やめ… ろ… もう… いい、アタシは… たすから… ないよ」
痛みがもう既に無くなっている、これはもういよいよさね…
血も流しすぎたし、回復魔法なんかじゃもう無理さ…
「ダメよ!!まだ助かる!!」
そんなことをしたらカナリアだってやばいじゃないか…
なんて顔してんだよ…
可愛い顔が涙でくしゃくしゃじゃないか…
「ばか やろ… 余計な こと… するな」
優しいカナリアにアタシはなんてひどい真似しかできないんだろうね…
思わず髪に手が伸びる。
カナリアは涙を拭って、渡した鍵に気づいたみたいだ…
ようやくわかったかね…
思わず笑みが漏れた。
意識が混濁する。
もうそろそろか…
カナリアは立ち上がりさっきまでの泣き顔が嘘のように悲しそうに笑ってこちらを見る。
やっぱりカナリアは泣き顔より笑顔が似合う…
最後の言葉だけどこれだけは伝えないと…
「反逆者…め… 牢屋に… ぶちこまれ… ろ」
「私達は絶対に捕まらないわ!!」
カナリアならきっとわかってくれるだろう…
不器用なアタシの…
その本当の意味を…
「そう…… か」
髪に手を触れ、届いてほしいと願う。
でもきっと届いただろう、あんなに素敵な笑顔なんだから…
最後にその笑顔が見れて良かった…
後は任せたよ…
親友…
最初からこうなる運命だったのかもしれないねぇ…
体を貫かれる鋭い痛みが全身を駆け巡る。
とてつもなく痛くて発狂しそうになる。 だけどまだ死ねない、まだ…やらなきゃならないことが…
もう斧を握る力さえ出ず手から零れ落ち、ガランと派手な音を立ててアタシの相棒は地に落ちる。
既に立っていることすらできず、もたれかかる様に壁に背を預け、私も地に座る。
意識が朦朧とする、視界が明滅する中はっきりとカナリアの泣き顔が見えた気がした。
裏切って… ごめん… なぁ…
過去の映像がアタシの頭の中を巡る。
走馬灯ってやつかね…
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「グッ…」
「お前か、私の後を探っているのは…」
1か月前、ガルディア都市西区路地裏、以前から行動の怪しいアルバランの後をつけていた時だった。
こいつ、いつ…のまに…
いきなり背後に現れたアルバランに首を捕まれ、そのまま地面に押し倒される。
ギガントのアタシがこうもあっさり力負けするなんて…
「ガハッ…き、貴様、ぐぅううううう!!!」
「喋るな、面倒だ」
肩口にナイフで深く刺される。激しい痛みが駆け巡り、出てこようとした言葉は中断された。
「今殺しても問題はないが、手駒を増やすのも悪くないな、しばらく私に騎士団内の情報を報告しろ」
やはり、こいつは黒だった!!アタシの思ったとおり…
仲間を裏切るなんてマネ誰がやるもんか…
「誰が…そんな…ことをすると…思うか」
頭上からひどく冷淡な声で囁かれる。
「残念だ、お前を殺し、カナリア=ファンネルという女に情報を集めさせてもらうとするか」
カナ… リアだと…
なぜこの男がカナリアの事を口にだした…
アタシがどうなろうとここで見つかった時点で覚悟は決まっていた。
だけど…カナリアを巻き込むわけにはいかない…
汚れた仕事をするのはアタシ一人で十分だ。
「ま、待ってくれ、アタシが…やる」
「まあよかろう、わかっていると思うが、いつでも殺せることを覚えておくんだぞ?両方とも…な」
「っぐぅううううう!!!!」
もう片方の肩に激しい痛みが走る。また深くナイフを突き立てられたみたいだ。
焼けるように両肩が熱い。
「念のためだ、お前の傷口はもう治ることはなく、この痛みを再び思い出すたびに忘れないようにしておくぞ、蝕み苦しめ【不浄の手】」
「ギャアアアアアア!!!」
肩口が呪われたみたいに熱く爛れる。
あまりの痛みに思わず叫んでしまうほどだった。
「そう喚くな、回復してやる、ハイヒール」
一見傷跡は無くなったが、肩口の違和感は消えることはない。
「定期的な報告を頼むぞ」
「…はい」
こんな化け物に逆らえるわけがなかった。
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あれはいつだったかカナリアと休みが被って出かけてた時だ…
街は昼時ということもあり、混んでいて、小さいカナリアを見失わないようにするのが大変だったな。
アタシなんかより可愛らしい服がとても似合っていて、素直に羨ましかった。
「はぐれないようにな」
そう声をかけるとカナリアは朗らかな笑みを浮かべてアタシを見つめる。
「はぐれないわ、アルフレアの綺麗な赤い髪がどこにいたってわかるもの」
「なっ!?」
「相変わらず照れ屋さんね、アルフレアは」
クスクスと楽しそうに笑うカナリア。
「からかうんじゃないよ、綺麗な髪なのはカナリアだってそうだ、ただアタシはでかいから小さいカナリアは埋もれちゃうんだよ」
カナリアのピンク色の髪は凄く女の子らしくて可愛い、アタシもあの髪の色がよかったな、似合わないのはわかっているけど。
「もう、気にしてるのに」
少し膨れた顔も可愛らしい、アタシもカナリアみたいだったら、隠さなくて頼ることができたのかもしれないね。
「っつ、ちょっとゴメン、トイレに行ってくるから先に向かっててよ」
「え? わかったわ、場所もすぐそこだしそこで待ってるわね」
「ああ、すぐ戻る」
とある建物に入り、人気のない暗がりの場所で肩を抑え必死に痛みに耐える。
「グゥウウウウウ…」
肩が、焼けるように痛む、これはあの時の…
「随分、痛そうやねぇ…」
後ろから突然声をかけられ慌てて振り向く、そこには帽子をかぶった茶髪でおさげの小さな女の子がいた。
「ウフフ、アルバラン様の使いと言ったほうが貴方にはわかりやすいかしら」
その声はこの小さな女の子が話すにしては随分大人びて艶のある声だ。
「定期報告を確認しに来たわ、聞かせてもらえるかしら」
定期報告として来るときにアタシの肩は焼けるように痛みだす。
「言わなくてもわかる、アンタが来るとき肩が激しく痛むし、なによりアタシはあんたの香水の匂いが嫌いだよ」
この小さな女の子からは甘いフローラルな香りが漂う。
アタシはこの匂いが大っ嫌いだ。
「あら、ひどいわ、毎回違う姿なのをわかるようにいい香水を使っているのに」
小さな女の子はその幼い顔からは似合わない妖艶な笑みで、こちらに語り掛ける。
「まあ、あなたの姿はそれなりに見ているわけだから、あなたが何を大切にしてるかぐらい簡単よ?さあ、報告してもらいましょうか」
これは一種の脅しだ、だけどアタシは逆らうわけにはいかないんだよ。
ーーーーーー
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ーーーーーー
これは最近の記憶か…
騎士団内アルフレアの自室に招かれざる客が訪れていた。
「ウフフ、貴方のおかげで私たちもスムーズに動けるから感謝してるわ」
そう妖艶な笑いを浮かべるエイシャという女は今度は私の最もなってほしくない姿になっている。
ピンク色のツインテールに黒いドレス、私の親友、カナリア=ファンネルに。
「この姿、気に入ってくれたかしら?」
くるりと回り嘲るように笑う。
違う、カナリアはそんな顔をしない。
「ウフフ、この前の態度とは大違いね、面白いわぁ、当日の配置場所を私達の言う通りにしてくれてありがとね、約束通りこの子には手を出さないであげるわ、あなたはただ当日東門の警護をして誰も外に出さないようにしてもらえればいいわ、誰一人通してはダメよ?そして私がいつも見てるのを忘れないことね」
「ぐぅう!!」
肩に激しい痛みが一瞬奔る。
逆らったらなんて、わかりきってるさね…
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「ハイヒール!!」
うっすらと意識が戻り、重い瞼を開けるとカナリアが泣きながらアタシの塞がらない大きな傷穴に手を当て、回復魔法をかけていた。
カナリアだって、もうが魔力少ない…
ただでさえ回復魔法は魔力を消費するはずだ…
これだけ渡せればアタシは充分…
動かなくなりそうな腕をなんとか動かし、ポケットから牢の鍵を取り出す。
アタシにはこれくらしかできなかった…
だから…
カナリア…
あんたに託すよ…
「ハイヒー… あうっ!?…」
最後の力を振り絞り思い切り、カナリアを突き飛ばす。
鍵をカナリアの手に握らせて。
「やめ… ろ… もう… いい、アタシは… たすから… ないよ」
痛みがもう既に無くなっている、これはもういよいよさね…
血も流しすぎたし、回復魔法なんかじゃもう無理さ…
「ダメよ!!まだ助かる!!」
そんなことをしたらカナリアだってやばいじゃないか…
なんて顔してんだよ…
可愛い顔が涙でくしゃくしゃじゃないか…
「ばか やろ… 余計な こと… するな」
優しいカナリアにアタシはなんてひどい真似しかできないんだろうね…
思わず髪に手が伸びる。
カナリアは涙を拭って、渡した鍵に気づいたみたいだ…
ようやくわかったかね…
思わず笑みが漏れた。
意識が混濁する。
もうそろそろか…
カナリアは立ち上がりさっきまでの泣き顔が嘘のように悲しそうに笑ってこちらを見る。
やっぱりカナリアは泣き顔より笑顔が似合う…
最後の言葉だけどこれだけは伝えないと…
「反逆者…め… 牢屋に… ぶちこまれ… ろ」
「私達は絶対に捕まらないわ!!」
カナリアならきっとわかってくれるだろう…
不器用なアタシの…
その本当の意味を…
「そう…… か」
髪に手を触れ、届いてほしいと願う。
でもきっと届いただろう、あんなに素敵な笑顔なんだから…
最後にその笑顔が見れて良かった…
後は任せたよ…
親友…
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