姉弟日和

我妻 夕希子

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序章・それは闇底から深々と①

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姉の事を意識し始めたのは、一体いつからだっただろうか?


子供の時から、姉の後ろをついて回る様なガキだったのは今でも覚えている。


姉は何処か抜けているから、男の俺が姉を守らなきゃって、ガキなりに考えて考えて、ベッタリ引っ付いて、逆に姉を困らせていた。

姉を独り占めしたい願望が、その時からあったのかは正直、解らない。


姉の傍を離れずにいた俺を、姉は笑顔で「シスコンね」って、困った様に眉毛を下げながら言ってきた顔を俺は忘れない。


あぁ、そうだ

中学の終わり頃から、少しずつ少しずつ変わっていったんだ。


俺が中3の時、姉が初めて男を家に連れてきた。



その男は、優し気で好印象だったけど、俺はハジメテ、胸のざわめきを感じたんだ。


部屋で姉達がナニをしていたかなんて知らないし知りたくもなかった

ただ、部屋から出て来た時に見せた紅潮する頬と潤んだ瞳が、時を経た今でも俺の頭からは離れてくれない。

(俺には、ソンナカオ、見せた事ねぇーじゃん…)
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