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37・天使が街にやって来た (後編)
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只今、夜の街を颯爽と走っています。
うん、確かに皆さん自分たちの事は気付いて居ないようですね。
「まず最初はっと」
マクベルさんから聞いた子供たちの住所と名前、それと症状のメモを片手に走っていく。
「まずは、やっぱりこの子だな」
えっと、ネネちゃん8歳、症状は体中が痛くて起き上がることが出来ない…か。
この家だな、よし。
…あ、やっぱり鍵がかかってる。
「フレイヤ、ちょっと鍵を開けてきてもらえるかな?」
<よっしゃ! 吹っ飛ばしてやるぜ!>
「いや! 違う違う! どこか隙間から中に入って鍵を開けてくれるだけでいいから!」
<え~>
「いや、えーって……。じゃあ、ウィンディーヌお願い」
<えっと、鍵を開けたらいいんですね?」
「うん、よろしく」
……カタン
<開けたわよ>
「ありがと、ウィンディーヌ」
そっとドアを開けて中に入る。
うん、まだあの子の両親は起きているみたいだけど、大丈夫だよね?
えーと、あの子の部屋はどこだろ?
<こちらみたいですわよ>
「あ、ありがとシルフィー」
ここか。さて、まずは一人目だな! 緊張するな。
「こんばんは~」
そっと部屋のドアを開けて中に入る。
「ん? だーれ? おかーさん?」
女の子がベットで寝ていた。うん、この部屋で正解だったみたいだ。
「いえ、ドロボ……天使です」
「え? 天使様?」
「はい、今日はネネちゃんのためにやって来ました」
「私のため? そっか、私死んじゃうんだね」
「いえいえ、違いますよ。今日は、ネネちゃんに笑顔になってもらうためにやって来たんですよ」
「笑顔? でも私、いつも笑ってるよ」
「そうなんだ。えらいね、ネネちゃんは」
「うん。でもね、いくら笑ってもね、おとーさんとおかーさんは、なんだか悲しそうな顔をするんだ……」
「うん……。じゃあ、みんな笑顔になる魔法をかけてあげるね」
「え! ほんと!」
「うん、ほんと」
<そうだぜ~、こいつの魔法はすごいんだぞ~>
<ええ、安心してください>
<みんな笑顔ですわ>
「わ~! 精霊さん達だ~!」
「精霊達もこう言ってることだし。信じてもらえるかな?」
「うん! しんじる! 天使様おねがい!」
「じゃあ手を出してくれるかな?」
「うん!」
ネネちゃんは、そっとベットから手をだしてきた。
その手を優しく握る。
「じゃあ、始めるよ」
「うん!」
ネネちゃんの詳しい症状を探ってみる……。
あ……癌だ、この子……。しかも全身に転移してる……。
これじゃあ、相当苦しいはずだけど、この子……。
うし! やったろうじゃないの! フルパワーで治して見せる!
治癒魔法をネネちゃんの全身に流し込んでいく。
「わあ、体がぽかぽかする」
「まだ、じっとしててね」
「うん!」
まずは、癌細胞を死滅させて、次に癌組織の除去。それが終わったら癌で傷んだ臓器の再生……。
ふう、終わった。じゃあ後は落ちた体力を元に戻してっと。よし!終了!
「終わったよネネちゃん。体の調子はどうかな?」
「あ! すごい! からだがどこもいたくないよ!」
「うん。これでおとーさんもおかーさんも笑顔になってくれると思うよ」
「うん! ありがとう天使様!」
「じゃあ、今日はゆっくり寝て、明日の朝、確かめてごらん」
「うん!」
「じゃあおやすみ、ネネちゃん。 小夜、ネネちゃんを寝かせてあげて」
<わかりました、アラタ様>
「す~………」
うん、ネネちゃん寝てくれたね。
そっと部屋を後にして、気付かれないように家を出た。
「これで1人目終了っと。ウィンディーヌ、戸締りよろしく」
<ええ、わかったわ>
「さてと。次行きましょうか!」
<おう! ガンガン行こうぜ!>
<行きましょう>
<参りますわ>
そして、その後は街中ひたすら駆けずり回った。
「ふ~これで全部回ったかな。そろそろ夜が明けそうだね。じゃあ仕上げだ!」
町の広場で、両手を高く上げる。
「街中に笑顔を!」
治癒魔法を街を囲む様に広げ、町全体に光の粒を降らせた。
「ん~、壮観だね~! メリークリスマース!! じゃ帰ろうか!」
<おう!><帰りましょう><かえりますわ>
やり切った気持ちで、孤児院に帰っていった。
「おとーさん、おかーさん、おはよー」
「え! ネネ! ベットから……」
「えとね、きのうのよるね、天使様と精霊さんたちがきてね、みんな笑顔になる魔法をかけてくれたの。そしたらね、ネネげんきになったの」
そう言って、ネネちゃんはぴょんぴょんはねて見せた。
「「ネネ!」」
「おとーさん、おかーさん、そんなにぎゅっとしたらいたいよ~」
「ああ! ネネ! 天使様ありがとう!」
「おとーさん、おかーさん、なんでわらいながらないてるの?」
こちら、診療所の昼下がり。
「う~ねむ~」
「なによ、アリスちゃん。だらしないわね~」
「だって、エリスおねーちゃん、昨日明け方まで……」
「それって、アリスちゃんが自分でやりだした事でしょ~、自業自得じゃない!」
「でも~」
「でもじゃないわよ! シャキッとしなさい!」
「う~……」
「それにしても今日はヒマね~。患者さんほとんど来ないじゃない。アリスちゃんなにしたの?」
「街の笑顔の為にちょっとね……最後にハイになちゃって、どかーんと」
「ふ~ん。まあいいわ、悪いことした訳じゃ無いんでしょ」
「ええ、まあ」
「やあ、シスターアリスは居るかい?」
「あ、神父様」
「ああ、いるようだね。昨日はずいぶん頑張ったみたいだね」
「ええ、昨日神父様から聞いた子達、全部治してきました」
「本当に全部治したのかい? 本当に規格外のことするねシスターアリスは」
「はは……街の笑顔の為に頑張りました」
「まったく、そのおかげで、今日は教会に人が詰めかけてるよ」
「そうなんですか?」
「うん、皆天使様に感謝の祈りを捧げたいってね」
「それで神父様、みんな笑顔でしたか?」
「ああ、みなすごい笑顔だったよ」
「そうですか、それはよかった……グウ……」
「あ、アリスちゃんねちゃった」
「まあ、今日は寝かせてあげましょう」
「う~ん、そうだね~」
みんな笑顔でよかった……メリークリスマス……むにゃむにゃ……
うん、確かに皆さん自分たちの事は気付いて居ないようですね。
「まず最初はっと」
マクベルさんから聞いた子供たちの住所と名前、それと症状のメモを片手に走っていく。
「まずは、やっぱりこの子だな」
えっと、ネネちゃん8歳、症状は体中が痛くて起き上がることが出来ない…か。
この家だな、よし。
…あ、やっぱり鍵がかかってる。
「フレイヤ、ちょっと鍵を開けてきてもらえるかな?」
<よっしゃ! 吹っ飛ばしてやるぜ!>
「いや! 違う違う! どこか隙間から中に入って鍵を開けてくれるだけでいいから!」
<え~>
「いや、えーって……。じゃあ、ウィンディーヌお願い」
<えっと、鍵を開けたらいいんですね?」
「うん、よろしく」
……カタン
<開けたわよ>
「ありがと、ウィンディーヌ」
そっとドアを開けて中に入る。
うん、まだあの子の両親は起きているみたいだけど、大丈夫だよね?
えーと、あの子の部屋はどこだろ?
<こちらみたいですわよ>
「あ、ありがとシルフィー」
ここか。さて、まずは一人目だな! 緊張するな。
「こんばんは~」
そっと部屋のドアを開けて中に入る。
「ん? だーれ? おかーさん?」
女の子がベットで寝ていた。うん、この部屋で正解だったみたいだ。
「いえ、ドロボ……天使です」
「え? 天使様?」
「はい、今日はネネちゃんのためにやって来ました」
「私のため? そっか、私死んじゃうんだね」
「いえいえ、違いますよ。今日は、ネネちゃんに笑顔になってもらうためにやって来たんですよ」
「笑顔? でも私、いつも笑ってるよ」
「そうなんだ。えらいね、ネネちゃんは」
「うん。でもね、いくら笑ってもね、おとーさんとおかーさんは、なんだか悲しそうな顔をするんだ……」
「うん……。じゃあ、みんな笑顔になる魔法をかけてあげるね」
「え! ほんと!」
「うん、ほんと」
<そうだぜ~、こいつの魔法はすごいんだぞ~>
<ええ、安心してください>
<みんな笑顔ですわ>
「わ~! 精霊さん達だ~!」
「精霊達もこう言ってることだし。信じてもらえるかな?」
「うん! しんじる! 天使様おねがい!」
「じゃあ手を出してくれるかな?」
「うん!」
ネネちゃんは、そっとベットから手をだしてきた。
その手を優しく握る。
「じゃあ、始めるよ」
「うん!」
ネネちゃんの詳しい症状を探ってみる……。
あ……癌だ、この子……。しかも全身に転移してる……。
これじゃあ、相当苦しいはずだけど、この子……。
うし! やったろうじゃないの! フルパワーで治して見せる!
治癒魔法をネネちゃんの全身に流し込んでいく。
「わあ、体がぽかぽかする」
「まだ、じっとしててね」
「うん!」
まずは、癌細胞を死滅させて、次に癌組織の除去。それが終わったら癌で傷んだ臓器の再生……。
ふう、終わった。じゃあ後は落ちた体力を元に戻してっと。よし!終了!
「終わったよネネちゃん。体の調子はどうかな?」
「あ! すごい! からだがどこもいたくないよ!」
「うん。これでおとーさんもおかーさんも笑顔になってくれると思うよ」
「うん! ありがとう天使様!」
「じゃあ、今日はゆっくり寝て、明日の朝、確かめてごらん」
「うん!」
「じゃあおやすみ、ネネちゃん。 小夜、ネネちゃんを寝かせてあげて」
<わかりました、アラタ様>
「す~………」
うん、ネネちゃん寝てくれたね。
そっと部屋を後にして、気付かれないように家を出た。
「これで1人目終了っと。ウィンディーヌ、戸締りよろしく」
<ええ、わかったわ>
「さてと。次行きましょうか!」
<おう! ガンガン行こうぜ!>
<行きましょう>
<参りますわ>
そして、その後は街中ひたすら駆けずり回った。
「ふ~これで全部回ったかな。そろそろ夜が明けそうだね。じゃあ仕上げだ!」
町の広場で、両手を高く上げる。
「街中に笑顔を!」
治癒魔法を街を囲む様に広げ、町全体に光の粒を降らせた。
「ん~、壮観だね~! メリークリスマース!! じゃ帰ろうか!」
<おう!><帰りましょう><かえりますわ>
やり切った気持ちで、孤児院に帰っていった。
「おとーさん、おかーさん、おはよー」
「え! ネネ! ベットから……」
「えとね、きのうのよるね、天使様と精霊さんたちがきてね、みんな笑顔になる魔法をかけてくれたの。そしたらね、ネネげんきになったの」
そう言って、ネネちゃんはぴょんぴょんはねて見せた。
「「ネネ!」」
「おとーさん、おかーさん、そんなにぎゅっとしたらいたいよ~」
「ああ! ネネ! 天使様ありがとう!」
「おとーさん、おかーさん、なんでわらいながらないてるの?」
こちら、診療所の昼下がり。
「う~ねむ~」
「なによ、アリスちゃん。だらしないわね~」
「だって、エリスおねーちゃん、昨日明け方まで……」
「それって、アリスちゃんが自分でやりだした事でしょ~、自業自得じゃない!」
「でも~」
「でもじゃないわよ! シャキッとしなさい!」
「う~……」
「それにしても今日はヒマね~。患者さんほとんど来ないじゃない。アリスちゃんなにしたの?」
「街の笑顔の為にちょっとね……最後にハイになちゃって、どかーんと」
「ふ~ん。まあいいわ、悪いことした訳じゃ無いんでしょ」
「ええ、まあ」
「やあ、シスターアリスは居るかい?」
「あ、神父様」
「ああ、いるようだね。昨日はずいぶん頑張ったみたいだね」
「ええ、昨日神父様から聞いた子達、全部治してきました」
「本当に全部治したのかい? 本当に規格外のことするねシスターアリスは」
「はは……街の笑顔の為に頑張りました」
「まったく、そのおかげで、今日は教会に人が詰めかけてるよ」
「そうなんですか?」
「うん、皆天使様に感謝の祈りを捧げたいってね」
「それで神父様、みんな笑顔でしたか?」
「ああ、みなすごい笑顔だったよ」
「そうですか、それはよかった……グウ……」
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