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短編集
短編集:研修試験監督者、ユウコ(2)
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事務室を出た後、食堂で夕食を済ませた勇子は、店舗棟地下2階の修練場へ戻り、場内の隅っこにある長椅子に寝転んで、仮眠を楽しんでいた。
どこでも寝られるのは勇子の特技である。
メイアの座学を終えて、店舗棟2階にある食堂での夕食と、3階社宅村にある旅館での仮眠を済ませた舞子達が、習熟訓練のために修練場へ現れたのは、勇子が寝入ってから3時間ほど経過した頃であった。
「勇子ったら、また修練場で寝て……」
「ホントにもう、風邪引きますよ?」
「ん、むう……あ、メイアに舞子らか。ふわああーぁ、よう寝たわ」
あくびして椅子から身を起こす勇子に、詩乃と奏子が呆れ気味に問う。
「よくこの固い椅子の上で寝れるよね、勇子? 私達と一緒に旅館で寝ればいいのに」
「うん。私、ここでの仮眠は無理」
勇子は2人の発言に対し、豪胆に笑う。
「はははっ! 迷宮で泊まる場合は、ごつごつした冷たい床の上で、魔獣を警戒しつつ寝ることもあるんや。それと比べたらここは全然マシやで? まあ、これも日頃の訓練の一環や」
そう言って勇子は立ち上がると、固まった筋肉をほぐしつつ、修練場の入り口を見た。
エルフの女性営業部長が、入り口からエマボットと共に現れる。
魔法具の入った3つの漆塗りの木箱を、エマボットは運んでいた。
エルフ女性が自分達の方へ歩いて来るのを見て、勇子が口を開く。
「うし。ソル姉も来おったし、最後の習熟訓練始めよか?」
「え、最後ですか?」
「ええ、最後です。とりあえず、研修期間は1週間と定めていましたので、本日で一旦終了します」
舞子の問いかけに、勇子の横に立ったエルフ女性が答える。メイアも言葉を付け足した。
「そして明日と明後日の2日間、私と勇子が研修試験監督者として迷宮まで同行し、舞子達には魔獣を討伐してもらいます。勇子もソル姉から話は聞いてるのよね?」
「おう、明日からにしよって言い出したんはウチやしね? 舞子らにはまず、関西迷宮最弱の魔獣、サツマイモを討伐してもらい、そのあとツルメを討伐してもらうで。明日の監督者はウチらだけやけど、明後日は命彦らも同行すると思うわ、しっかりええとこ見せや!」
「「「はい!」」」
勇子の言葉に揃って返事する舞子達3人。その舞子達に、上司であるエルフ女性が告げる。
「メイアさんとも相談した結果、サツマイモは1人2体以上の割り当てと考えて、6体前後の群れをつぶしていただきます。ツルメの方は、勇子さんの案を採用し、明日は1体だけの討伐で構いません。若様から設定された研修試験の合格目標は、植物種魔獣【蔓女】を1人1体以上討伐することですので、最終的には3体のツルメを、舞子さん達には討伐してもらいますけどね?」
「3対3の小隊戦闘ってことですね? 10体に不意打ち喰らうよりはマシだけど……ごくり」
「実は私、まだ少しだけ魔獣と戦うのが怖い」
「そ、そうですね? 芋はともかく……ツルメは私もまだ苦手です」
不安がる舞子達に、勇子が明るく言った。
「おいおい、今から不安がってどうすんねん。明日は本番前のただの前哨戦やで? ソル姉も明日は1体だけでええ言うとったやろ? 試験は2日に分けて行うんや。1日でツルメを3体しばけとは誰も言うとらん。明日で戦いの勘を掴み、明後日がほんまの勝負や。心配せんでも、ヤバい時はウチらが助けたる。命の心配はせんでええんやで?」
「そうよ。命の保障がある分、破格の条件だと思うわ。これで怖がってたら……ねえ?」
メイアが少し呆れたように言うと、エルフ女性も迫力のある笑顔で言った。
「ええ。戦える魔法士を目指すのは諦めるべきですね? あと、試験監督者に舞子さん達が救出された場合、研修試験は不合格と判断され、再研修を実施しますからね? 基本的に勝てるまで研修を繰り返しますので、会社としてはできれば早めに合格してほしい所です」
エルフ女性の笑顔の圧力に、舞子達は引きつった表情を返した。
「「「……ぜ、善処します」」」
「そう怖がらんでもええって。あんたらの魔法戦闘技術も相当進歩しとるし、今回はちゃんとした装備もある。せやろ、ソル姉?」
「ええ。これを装備して負けたら、その者は余程ボンクラでしょうね? さあ、受け取ってください」
勇子と目と目で通じ合い、エマボットが持っていた3つの木箱を、舞子達に受け取らせるエルフ女性。
木箱を持った途端、ワクワク顔の3人が、声を揃えて上司に確認した。
「「「あ、開けてもいいですか、セレリウス部長?」」」
「ええ。貴方達の相棒を見てあげてください」
「「「はい!」」」
そう言って、自分の手に持つ漆塗りの木箱を開いた舞子達が、目を丸めて歓喜の声を上げた。
「うひょおぉおっ!」
「か、可愛い!」
「お揃いですっ!」
「防具型魔法具の〈地礫の迷宮衣〉と〈旋風の外套〉、そして、武防具型魔法具の〈聖炎の魔甲拳:シャイニングフィスト〉です」
魔法具を抱き締めて喜ぶ舞子達を見て苦笑しつつ、エルフ女性は言う。
「これらの魔法具は、会社からの貸与という形で製作予算を組んでいますので、受領した今この時に買い取る必要はありません。給料から定額を差し引いていく分割払いの処理がされます。3点の魔法具で合計2000万円の価値があり、固定給料制の社員ですと、これらの魔法具の買い取りには昇給を勘案しても、軽く10年以上かかる計算ですが……」
値段を聞いて、喜んでいた舞子達がピタリと固まり、不安そうにギギギと上司を見る。
その舞子達の反応を予想していたのだろう。エルフ女性は笑顔で安心させるように語った。
「貴方達の場合、固定給料と歩合給料の合算制ですから、歌手活動等で会社に多くの利益をもたらせば、その分早く買い取りが可能です。勿論、依頼所で得た副収入から、会社に申請して即時買い取りも可能ですよ?」
「それってつまり?」
「魔法士としてよく働けば……」
「それだけ早く、この魔法具を自分のモノにできるってことですよね?」
詩乃・奏子・舞子が顔を見合わせて問うと、エルフの女性営業部長は首を縦に振った。
「ええ。手続き上、分割払いが代用されますが、それによって発生する分割手数料まではこちらもとりませんので、2000万円以上かかることはありません。2000万円を払い終えた瞬間から、それらは貴方達のモノですよ」
「分かりました!」
「良心的で助かった……」
「そうですね。2000万円と聞いた時は、心臓が止まりかけましたが、手数料抜きで自動分割払いの上に、ある程度お財布が膨れてからでも買えるというのが良いです!」
安心した様子の舞子達を見て苦笑し、エルフ女性は言葉を続ける。
「ふふふ、心配は取り除けたようですね? あと、これも伝えておきましょう。シャイニングフィストは、弾である魔法結晶を自腹で買う必要があるので別途維持費がかかりますが、社員特典として、それらの魔法具の点検は、基本的に無償です。破損した時でも、代替魔法具を会社が無償で貸与しますから、安心してください。まあ、分割払いがまだ残っていれば、たとえ破損していても、給料から定額は差し引かれますけどね?」
「そこは当然でしょ」
「うん。社員特典の方が凄い。入社して良かった!」
「ですね!」
キャッキャと喜ぶ舞子達を見てクスクス笑い、エルフ女性が勇子やメイアと顔を見合わせて、口を開いた。
「さあ、そろそろ習熟訓練を始めましょうか? 歌手活動をする時にも使えるように、外見の意匠には気を遣った魔法具達ですが、特に〈魔甲拳〉は、店の広告塔として映えるよう、実用性と美を両立させました。今回の訓練では、それを装備して勇子さんから使い方を教えてもらいましょう」
「探査魔法の練度もまだ全然低いからね? 私とソル姉がみっちり指導するわ」
「付与魔法も、多少は力場集束ができ始めとるけど、まだまだ密度にムラがある。拳の扱い方についても同様や。改善の余地は多々ある。〈魔甲拳〉は握り拳の延長で使える分、格闘技能の練度がモロに現れるで? ウチとソル姉の最後の指導やと思って、気合入れや!」
「「「はいっ!」」」
〈聖炎の魔甲拳:シャイニングフィスト〉を急いで両腕に装着した舞子達が、気迫を感じさせる顔で返事した。
そして、最後の習熟訓練は夜更けまで続き、訓練の後、舞子達は疲労困憊の極みで、美少女にあるまじき姿を、白目を剥いて気絶した姿を晒して、勇子やメイア、エルフ女性の上司に背負われ、店舗棟3階の社宅村にある旅館まで運ばれたのである。
どこでも寝られるのは勇子の特技である。
メイアの座学を終えて、店舗棟2階にある食堂での夕食と、3階社宅村にある旅館での仮眠を済ませた舞子達が、習熟訓練のために修練場へ現れたのは、勇子が寝入ってから3時間ほど経過した頃であった。
「勇子ったら、また修練場で寝て……」
「ホントにもう、風邪引きますよ?」
「ん、むう……あ、メイアに舞子らか。ふわああーぁ、よう寝たわ」
あくびして椅子から身を起こす勇子に、詩乃と奏子が呆れ気味に問う。
「よくこの固い椅子の上で寝れるよね、勇子? 私達と一緒に旅館で寝ればいいのに」
「うん。私、ここでの仮眠は無理」
勇子は2人の発言に対し、豪胆に笑う。
「はははっ! 迷宮で泊まる場合は、ごつごつした冷たい床の上で、魔獣を警戒しつつ寝ることもあるんや。それと比べたらここは全然マシやで? まあ、これも日頃の訓練の一環や」
そう言って勇子は立ち上がると、固まった筋肉をほぐしつつ、修練場の入り口を見た。
エルフの女性営業部長が、入り口からエマボットと共に現れる。
魔法具の入った3つの漆塗りの木箱を、エマボットは運んでいた。
エルフ女性が自分達の方へ歩いて来るのを見て、勇子が口を開く。
「うし。ソル姉も来おったし、最後の習熟訓練始めよか?」
「え、最後ですか?」
「ええ、最後です。とりあえず、研修期間は1週間と定めていましたので、本日で一旦終了します」
舞子の問いかけに、勇子の横に立ったエルフ女性が答える。メイアも言葉を付け足した。
「そして明日と明後日の2日間、私と勇子が研修試験監督者として迷宮まで同行し、舞子達には魔獣を討伐してもらいます。勇子もソル姉から話は聞いてるのよね?」
「おう、明日からにしよって言い出したんはウチやしね? 舞子らにはまず、関西迷宮最弱の魔獣、サツマイモを討伐してもらい、そのあとツルメを討伐してもらうで。明日の監督者はウチらだけやけど、明後日は命彦らも同行すると思うわ、しっかりええとこ見せや!」
「「「はい!」」」
勇子の言葉に揃って返事する舞子達3人。その舞子達に、上司であるエルフ女性が告げる。
「メイアさんとも相談した結果、サツマイモは1人2体以上の割り当てと考えて、6体前後の群れをつぶしていただきます。ツルメの方は、勇子さんの案を採用し、明日は1体だけの討伐で構いません。若様から設定された研修試験の合格目標は、植物種魔獣【蔓女】を1人1体以上討伐することですので、最終的には3体のツルメを、舞子さん達には討伐してもらいますけどね?」
「3対3の小隊戦闘ってことですね? 10体に不意打ち喰らうよりはマシだけど……ごくり」
「実は私、まだ少しだけ魔獣と戦うのが怖い」
「そ、そうですね? 芋はともかく……ツルメは私もまだ苦手です」
不安がる舞子達に、勇子が明るく言った。
「おいおい、今から不安がってどうすんねん。明日は本番前のただの前哨戦やで? ソル姉も明日は1体だけでええ言うとったやろ? 試験は2日に分けて行うんや。1日でツルメを3体しばけとは誰も言うとらん。明日で戦いの勘を掴み、明後日がほんまの勝負や。心配せんでも、ヤバい時はウチらが助けたる。命の心配はせんでええんやで?」
「そうよ。命の保障がある分、破格の条件だと思うわ。これで怖がってたら……ねえ?」
メイアが少し呆れたように言うと、エルフ女性も迫力のある笑顔で言った。
「ええ。戦える魔法士を目指すのは諦めるべきですね? あと、試験監督者に舞子さん達が救出された場合、研修試験は不合格と判断され、再研修を実施しますからね? 基本的に勝てるまで研修を繰り返しますので、会社としてはできれば早めに合格してほしい所です」
エルフ女性の笑顔の圧力に、舞子達は引きつった表情を返した。
「「「……ぜ、善処します」」」
「そう怖がらんでもええって。あんたらの魔法戦闘技術も相当進歩しとるし、今回はちゃんとした装備もある。せやろ、ソル姉?」
「ええ。これを装備して負けたら、その者は余程ボンクラでしょうね? さあ、受け取ってください」
勇子と目と目で通じ合い、エマボットが持っていた3つの木箱を、舞子達に受け取らせるエルフ女性。
木箱を持った途端、ワクワク顔の3人が、声を揃えて上司に確認した。
「「「あ、開けてもいいですか、セレリウス部長?」」」
「ええ。貴方達の相棒を見てあげてください」
「「「はい!」」」
そう言って、自分の手に持つ漆塗りの木箱を開いた舞子達が、目を丸めて歓喜の声を上げた。
「うひょおぉおっ!」
「か、可愛い!」
「お揃いですっ!」
「防具型魔法具の〈地礫の迷宮衣〉と〈旋風の外套〉、そして、武防具型魔法具の〈聖炎の魔甲拳:シャイニングフィスト〉です」
魔法具を抱き締めて喜ぶ舞子達を見て苦笑しつつ、エルフ女性は言う。
「これらの魔法具は、会社からの貸与という形で製作予算を組んでいますので、受領した今この時に買い取る必要はありません。給料から定額を差し引いていく分割払いの処理がされます。3点の魔法具で合計2000万円の価値があり、固定給料制の社員ですと、これらの魔法具の買い取りには昇給を勘案しても、軽く10年以上かかる計算ですが……」
値段を聞いて、喜んでいた舞子達がピタリと固まり、不安そうにギギギと上司を見る。
その舞子達の反応を予想していたのだろう。エルフ女性は笑顔で安心させるように語った。
「貴方達の場合、固定給料と歩合給料の合算制ですから、歌手活動等で会社に多くの利益をもたらせば、その分早く買い取りが可能です。勿論、依頼所で得た副収入から、会社に申請して即時買い取りも可能ですよ?」
「それってつまり?」
「魔法士としてよく働けば……」
「それだけ早く、この魔法具を自分のモノにできるってことですよね?」
詩乃・奏子・舞子が顔を見合わせて問うと、エルフの女性営業部長は首を縦に振った。
「ええ。手続き上、分割払いが代用されますが、それによって発生する分割手数料まではこちらもとりませんので、2000万円以上かかることはありません。2000万円を払い終えた瞬間から、それらは貴方達のモノですよ」
「分かりました!」
「良心的で助かった……」
「そうですね。2000万円と聞いた時は、心臓が止まりかけましたが、手数料抜きで自動分割払いの上に、ある程度お財布が膨れてからでも買えるというのが良いです!」
安心した様子の舞子達を見て苦笑し、エルフ女性は言葉を続ける。
「ふふふ、心配は取り除けたようですね? あと、これも伝えておきましょう。シャイニングフィストは、弾である魔法結晶を自腹で買う必要があるので別途維持費がかかりますが、社員特典として、それらの魔法具の点検は、基本的に無償です。破損した時でも、代替魔法具を会社が無償で貸与しますから、安心してください。まあ、分割払いがまだ残っていれば、たとえ破損していても、給料から定額は差し引かれますけどね?」
「そこは当然でしょ」
「うん。社員特典の方が凄い。入社して良かった!」
「ですね!」
キャッキャと喜ぶ舞子達を見てクスクス笑い、エルフ女性が勇子やメイアと顔を見合わせて、口を開いた。
「さあ、そろそろ習熟訓練を始めましょうか? 歌手活動をする時にも使えるように、外見の意匠には気を遣った魔法具達ですが、特に〈魔甲拳〉は、店の広告塔として映えるよう、実用性と美を両立させました。今回の訓練では、それを装備して勇子さんから使い方を教えてもらいましょう」
「探査魔法の練度もまだ全然低いからね? 私とソル姉がみっちり指導するわ」
「付与魔法も、多少は力場集束ができ始めとるけど、まだまだ密度にムラがある。拳の扱い方についても同様や。改善の余地は多々ある。〈魔甲拳〉は握り拳の延長で使える分、格闘技能の練度がモロに現れるで? ウチとソル姉の最後の指導やと思って、気合入れや!」
「「「はいっ!」」」
〈聖炎の魔甲拳:シャイニングフィスト〉を急いで両腕に装着した舞子達が、気迫を感じさせる顔で返事した。
そして、最後の習熟訓練は夜更けまで続き、訓練の後、舞子達は疲労困憊の極みで、美少女にあるまじき姿を、白目を剥いて気絶した姿を晒して、勇子やメイア、エルフ女性の上司に背負われ、店舗棟3階の社宅村にある旅館まで運ばれたのである。
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