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第二章
2-13 屋敷の箱
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一本道であった洞窟通路を進むと行き止まってしまったのだが、それは蔦や蔓、草葉に土などで覆われてしまっただけのものでフロードが、シュバン、とでも効果音が出そうな勢いで切り払い俺たちは洞窟を抜けることができた。
いや、実際に風きり音が物凄い勢いで鳴り、ズバズバズバ、と緑が切り裂かれていったのだが。
出た場所は山の山頂付近で、明らかに整えられたような足場が形成されている。
「すっかり暗くなってしまったでござるなぁ」
辺りを見渡しフロードはそう呟いた。
夜、というよりは夕暮れ時といった頃合い。
空には瞬く星がぽつりぽつりと俺たちの事を出迎え、僅かに縁のかけたムーヌが薄らと黄色い姿を覗かせている。
切り立った現在の足場から移動するには、山林を抜けていかなくてはいけない。
深夜ともなれば驚く程に凶悪なモンスターが跋扈すると聞く。
今日はここで床を取るのがベストであろう。
「何かあったら洞窟に逃げ込めるし、今日はここで夜を越そうか。
しかし……綺麗だね……」
眼下から見渡すことの出来る光景は、木々の上から覗かせる広大な草原がまるで青々とした大海原のよう。
歩いていると気にならない蛇のように湾曲した街道も、縦横に走っているのが見え大自然の中に確固たる人間の存在を刻んでいる。
(まぁ海って文献で知ってるだけで見たことないんだけどねぇ)
そんな風に考えると自嘲気味の笑みが口の端から零れる。
広大に広がる塩水の青。広がる草原なんかよりもそれは遥かに大きいのだと知識で知っていただけだ。
「ふむ……。小生は構わんでござるが、御主人はここで寝ることは可能なのでござるか?」
足場は完全に土で覆われており草一本生えていない。
洞窟の出口だけを覆うように生えていた草が不自然に思えるほどに。
確かにこのまま寝れば、明日の朝は体中が痛いだろう。おもりは……取ったら駄目だろうし。
「そうだなぁ……。調合台の中に何かないか探してみようかな」
「小生も見ても良いでござるか……?」
「ん。いいけど、フロードじゃ多分見ても見えないと思うよ。これは見るっていうよりは視るって感じだから」
「なんとも不可思議でござるな。けれど御主人の言いたいことは伝わったでござる。だからこそ見てみたいと思う気持ちも強まったでござるが」
「はは。見る分には構わないよ」
俺は小さく笑うと調合台を取り出した。
柔らかな敷き布……できればクッションのような物がいいけれど流石にそれはないだろう。
大きな引き出しに手を突っ込むと、自然と俺に必要になるだろうものが頭の中に流れ込んでくる。
やはりというかクッションのようなものはないが、茶巾というものの大きな物は用意することができそうだ。
薄い布地。しかし、最大で一辺二メートル程のものもあるようで、折りたためばそこそこに使えるものになると思う。
俺がそれを二枚ほど取り出そうとした時だった。
「御主人、その箱は何でござるか?」
フロードが指さしていたのは俺が漁っていた大引き出しとは別の場所。
食料の準備もしとこうかと思い開けておいた引き出しの中に静かに佇んでいた箱。
そう。屋敷の地下から持ち出して入れておいたあの箱だ。
正直な話、すっかり忘れていた。
鍵を探したいとも思っていた。
けれどそれを知っている可能性が最も高い父上に言うのは、俺の罪を暴露するようなものだし勝手に書斎を探るわけにもいかない。
それでずっと引き出しに入れたまま放置していたのだ。
「あーすっかり忘れてた。これなんか怪しいなと思って持ってたんだけど……ま、鍵が掛かってて開かないんだよ」
「鍵でござるか……? 鍵は持っていないのに箱だけは持っているのでござるか。ふむ、ちょっと見ても……?」
好奇心が疼いたのか目をぱちくりぱちくりさせて、俺の事を見上げてくるフロードの瞳にムーヌの光が強く反射した。
それはまるでフロードの心中を映し出すかのようで、俺も何か起きるのではないかと期待が膨らむ。
引き出しから取り出して渡すと指先で器用につかみ箱全体を観察した。
「確かに鍵で閉じられているでござるな」
「うん。開けるってのはやっぱ無理そう?」
「そうでござるなぁ……。見たところ簡単な作りの鍵のようでござる。何か道具でもあればあるいは……」
「道具、道具ね……。ええっと…………」
俺は口中で呟きながら引き出しの中を探り出す。
鍵を開ける道具。と考えながらでは当然頭の中に何も浮かんでこない。
調合道具を工夫して使うことは可能だが、漠然とした用途では元々が調合道具なのだから当然だ。
細いつまむもの。
そんなイメージで探してやると出てきたのはピンセットと先折れピンセットというもの。
なんとなく鍵が開きそうな気がする道具だ。
しかし、残念ながらフロードに渡してみても「うむむでござる……」と呟き箱を開ける事は敵わなかった。
「すまぬでござる。小生、ピッキングは専門外でござった。御主人にその心得は……?」
「いやいや、ないよ。ないない。ピッキングが得意とかそれ危ない人でしょ!」
「かかかか。そうでござるな。盗人の技術でござるか」
「うん。でも、ここまでやって開かないとなると気になって仕方が…………うーん、いけるかな…………」
俺はフロードから箱を受け取ると鍵穴内部をじっと覗き込んでみた。
ライトで照らしてみると、確かに複雑な構造はしていないような気がする。
「何か心当たりがあるでござるか? 今は特にやることもないでござる。やれることは試してみるべきかと……。
それとも修練でもやるでござるか?」
「あーいい、いい。今はいいよ! うん。ここから落ちたら危ないしさ。
で! 気になったことなんだけど…………」
俺は腰のスイッチを押し込みガジュンを出現させる。
水色の体にムーヌが映りこみ僅かに黄の光が揺らいだ。
「ほほう。新しい仲間でござるか! 小生、フロードと申すものでござる」
「ガジュン!」
「はは。フロードに狩りに行ってもらってる間にできた仲間なんだ。ガジュンってそのままの名前だけど仲良くしてやってよ」
「うむ、了解でござる。ブロックスーラ、ピギュンよりはレベルが低いタイプでござるな」
「へぇ……」
やはり調合作成物とできるモンスターの強さは比例しないということなんだろう。
どんな調合を行えばどんなモンスターが生まれるかと言うのは、できてからのお楽しみというわけだ。
それならば比例しないほうが面白いかもしれない。
物凄く頑張って調合してできたモンスターが微妙だったりしたらがっかりしそうだけど……それでも俺の仲間には変わりないか。
俺は茶巾を下に敷くと腰を下ろしてガジュンを膝上に置いた。
フロードにも茶巾を同様に渡してやる。
「気になったことっていうのはなんでござるか?」
「ああ、うん。ガジュンは硬化能力があってさ。形を保ったまま自在に固まれるんだよ」
「ふむ……。面白いでござるな。…………鍵の代わりになるか? そういうことでござるか」
「そう! 流石だね。ま、押し込むのは可哀そうかもしれないけれど……いいかい?」
「ガガッ!」
ツンツンとつつきながら尋ねかけると威勢の良い声が返ってきてホッとした。
とはいえ表情はほとんど動いていない。瞳がチラと俺に向いたくらいだ。
言葉を話すときは口がカックンと動いていてなんだかおもしろかったけど。
「ありがと! じゃ…………今固まって!」
俺はぐいーーーっっとガジュンの体を鍵穴に押し込んだ。
目と口が正面に逃げるように動き、可哀そうだと思いつつも笑いが漏れてしまう。
「かかかか。必死で逃げているでござる! 体は気にはならないようでござるがな」
「ガジュ、ガジュン!」
むにーっと伸びてる状態で喋るから余計に見た目が面白い。
その後固まったガジュンの体をぐいと回してやると……ガチリと明らかに鍵が開いたような音が鳴る。
「よし! よくやった! じゃあ、休んでていいよ」
仕事が終わればお役目御免。
そういうつもりは全くないが、出してても仕方がないので腰にしまう。
ピギュンの小さくなったのが回復したことから考えれば、中は心地が良い環境になっているのではないかと思うのだ。
「なぁフロード。この中って一体どんな感じ?」
それでも言葉を話すことができるフロードに一応尋ねかけてみた。
闇の中で一人寂しくしている。もしそんな感じであったならずっと出しててやった方がいい。
フロードは俺の腰に目を向け、小さく首を振った。
「小生はまだ生まれてからその中に入ったことはないでござるからな。一度入ってみるでござるか……」
「あ、そういえばそうか。無理にとは言わないけど?」
「一度試してみておいた方がいいでござろう。御主人も小生と人間の街を歩くわけにはいかんでござろうからな」
俺はその言葉を聞きしばし思案に耽る。
以前も考えていたことだ。
モンスターを連れ歩くタイプの人間は少なからずいる。
けれど。
それは非常に目立つこと請け合いだ。
しかも人語を解すカエル侍だなんて目立って仕方がないだろう。
残念ながらフロードは街では腰で待機していてもらわなければいけないという結論に達した。
「そうだね。じゃあ…………」
俺は腰の器具を操作しフロードをしまうと、しばらくの時間を置いたのちに再度フロードを出現させた。
いや、実際に風きり音が物凄い勢いで鳴り、ズバズバズバ、と緑が切り裂かれていったのだが。
出た場所は山の山頂付近で、明らかに整えられたような足場が形成されている。
「すっかり暗くなってしまったでござるなぁ」
辺りを見渡しフロードはそう呟いた。
夜、というよりは夕暮れ時といった頃合い。
空には瞬く星がぽつりぽつりと俺たちの事を出迎え、僅かに縁のかけたムーヌが薄らと黄色い姿を覗かせている。
切り立った現在の足場から移動するには、山林を抜けていかなくてはいけない。
深夜ともなれば驚く程に凶悪なモンスターが跋扈すると聞く。
今日はここで床を取るのがベストであろう。
「何かあったら洞窟に逃げ込めるし、今日はここで夜を越そうか。
しかし……綺麗だね……」
眼下から見渡すことの出来る光景は、木々の上から覗かせる広大な草原がまるで青々とした大海原のよう。
歩いていると気にならない蛇のように湾曲した街道も、縦横に走っているのが見え大自然の中に確固たる人間の存在を刻んでいる。
(まぁ海って文献で知ってるだけで見たことないんだけどねぇ)
そんな風に考えると自嘲気味の笑みが口の端から零れる。
広大に広がる塩水の青。広がる草原なんかよりもそれは遥かに大きいのだと知識で知っていただけだ。
「ふむ……。小生は構わんでござるが、御主人はここで寝ることは可能なのでござるか?」
足場は完全に土で覆われており草一本生えていない。
洞窟の出口だけを覆うように生えていた草が不自然に思えるほどに。
確かにこのまま寝れば、明日の朝は体中が痛いだろう。おもりは……取ったら駄目だろうし。
「そうだなぁ……。調合台の中に何かないか探してみようかな」
「小生も見ても良いでござるか……?」
「ん。いいけど、フロードじゃ多分見ても見えないと思うよ。これは見るっていうよりは視るって感じだから」
「なんとも不可思議でござるな。けれど御主人の言いたいことは伝わったでござる。だからこそ見てみたいと思う気持ちも強まったでござるが」
「はは。見る分には構わないよ」
俺は小さく笑うと調合台を取り出した。
柔らかな敷き布……できればクッションのような物がいいけれど流石にそれはないだろう。
大きな引き出しに手を突っ込むと、自然と俺に必要になるだろうものが頭の中に流れ込んでくる。
やはりというかクッションのようなものはないが、茶巾というものの大きな物は用意することができそうだ。
薄い布地。しかし、最大で一辺二メートル程のものもあるようで、折りたためばそこそこに使えるものになると思う。
俺がそれを二枚ほど取り出そうとした時だった。
「御主人、その箱は何でござるか?」
フロードが指さしていたのは俺が漁っていた大引き出しとは別の場所。
食料の準備もしとこうかと思い開けておいた引き出しの中に静かに佇んでいた箱。
そう。屋敷の地下から持ち出して入れておいたあの箱だ。
正直な話、すっかり忘れていた。
鍵を探したいとも思っていた。
けれどそれを知っている可能性が最も高い父上に言うのは、俺の罪を暴露するようなものだし勝手に書斎を探るわけにもいかない。
それでずっと引き出しに入れたまま放置していたのだ。
「あーすっかり忘れてた。これなんか怪しいなと思って持ってたんだけど……ま、鍵が掛かってて開かないんだよ」
「鍵でござるか……? 鍵は持っていないのに箱だけは持っているのでござるか。ふむ、ちょっと見ても……?」
好奇心が疼いたのか目をぱちくりぱちくりさせて、俺の事を見上げてくるフロードの瞳にムーヌの光が強く反射した。
それはまるでフロードの心中を映し出すかのようで、俺も何か起きるのではないかと期待が膨らむ。
引き出しから取り出して渡すと指先で器用につかみ箱全体を観察した。
「確かに鍵で閉じられているでござるな」
「うん。開けるってのはやっぱ無理そう?」
「そうでござるなぁ……。見たところ簡単な作りの鍵のようでござる。何か道具でもあればあるいは……」
「道具、道具ね……。ええっと…………」
俺は口中で呟きながら引き出しの中を探り出す。
鍵を開ける道具。と考えながらでは当然頭の中に何も浮かんでこない。
調合道具を工夫して使うことは可能だが、漠然とした用途では元々が調合道具なのだから当然だ。
細いつまむもの。
そんなイメージで探してやると出てきたのはピンセットと先折れピンセットというもの。
なんとなく鍵が開きそうな気がする道具だ。
しかし、残念ながらフロードに渡してみても「うむむでござる……」と呟き箱を開ける事は敵わなかった。
「すまぬでござる。小生、ピッキングは専門外でござった。御主人にその心得は……?」
「いやいや、ないよ。ないない。ピッキングが得意とかそれ危ない人でしょ!」
「かかかか。そうでござるな。盗人の技術でござるか」
「うん。でも、ここまでやって開かないとなると気になって仕方が…………うーん、いけるかな…………」
俺はフロードから箱を受け取ると鍵穴内部をじっと覗き込んでみた。
ライトで照らしてみると、確かに複雑な構造はしていないような気がする。
「何か心当たりがあるでござるか? 今は特にやることもないでござる。やれることは試してみるべきかと……。
それとも修練でもやるでござるか?」
「あーいい、いい。今はいいよ! うん。ここから落ちたら危ないしさ。
で! 気になったことなんだけど…………」
俺は腰のスイッチを押し込みガジュンを出現させる。
水色の体にムーヌが映りこみ僅かに黄の光が揺らいだ。
「ほほう。新しい仲間でござるか! 小生、フロードと申すものでござる」
「ガジュン!」
「はは。フロードに狩りに行ってもらってる間にできた仲間なんだ。ガジュンってそのままの名前だけど仲良くしてやってよ」
「うむ、了解でござる。ブロックスーラ、ピギュンよりはレベルが低いタイプでござるな」
「へぇ……」
やはり調合作成物とできるモンスターの強さは比例しないということなんだろう。
どんな調合を行えばどんなモンスターが生まれるかと言うのは、できてからのお楽しみというわけだ。
それならば比例しないほうが面白いかもしれない。
物凄く頑張って調合してできたモンスターが微妙だったりしたらがっかりしそうだけど……それでも俺の仲間には変わりないか。
俺は茶巾を下に敷くと腰を下ろしてガジュンを膝上に置いた。
フロードにも茶巾を同様に渡してやる。
「気になったことっていうのはなんでござるか?」
「ああ、うん。ガジュンは硬化能力があってさ。形を保ったまま自在に固まれるんだよ」
「ふむ……。面白いでござるな。…………鍵の代わりになるか? そういうことでござるか」
「そう! 流石だね。ま、押し込むのは可哀そうかもしれないけれど……いいかい?」
「ガガッ!」
ツンツンとつつきながら尋ねかけると威勢の良い声が返ってきてホッとした。
とはいえ表情はほとんど動いていない。瞳がチラと俺に向いたくらいだ。
言葉を話すときは口がカックンと動いていてなんだかおもしろかったけど。
「ありがと! じゃ…………今固まって!」
俺はぐいーーーっっとガジュンの体を鍵穴に押し込んだ。
目と口が正面に逃げるように動き、可哀そうだと思いつつも笑いが漏れてしまう。
「かかかか。必死で逃げているでござる! 体は気にはならないようでござるがな」
「ガジュ、ガジュン!」
むにーっと伸びてる状態で喋るから余計に見た目が面白い。
その後固まったガジュンの体をぐいと回してやると……ガチリと明らかに鍵が開いたような音が鳴る。
「よし! よくやった! じゃあ、休んでていいよ」
仕事が終わればお役目御免。
そういうつもりは全くないが、出してても仕方がないので腰にしまう。
ピギュンの小さくなったのが回復したことから考えれば、中は心地が良い環境になっているのではないかと思うのだ。
「なぁフロード。この中って一体どんな感じ?」
それでも言葉を話すことができるフロードに一応尋ねかけてみた。
闇の中で一人寂しくしている。もしそんな感じであったならずっと出しててやった方がいい。
フロードは俺の腰に目を向け、小さく首を振った。
「小生はまだ生まれてからその中に入ったことはないでござるからな。一度入ってみるでござるか……」
「あ、そういえばそうか。無理にとは言わないけど?」
「一度試してみておいた方がいいでござろう。御主人も小生と人間の街を歩くわけにはいかんでござろうからな」
俺はその言葉を聞きしばし思案に耽る。
以前も考えていたことだ。
モンスターを連れ歩くタイプの人間は少なからずいる。
けれど。
それは非常に目立つこと請け合いだ。
しかも人語を解すカエル侍だなんて目立って仕方がないだろう。
残念ながらフロードは街では腰で待機していてもらわなければいけないという結論に達した。
「そうだね。じゃあ…………」
俺は腰の器具を操作しフロードをしまうと、しばらくの時間を置いたのちに再度フロードを出現させた。
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