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第二章
2-43 主人公はどこへ征く?
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「ねぇ。種に光が当たって……動いてるよ」
「……ほんとだ。さっきの騒動で意識が向いてなかったよ」
俺は微動する種を土の上に放ってみた。
すると淡い光を放ち成長していく。若葉が出て、双葉になり、しゅるしゅると伸びていき向日葵のような花をつけた。
もっともかなりでかいのだが……。
花の部分には眼鏡――漆黒で光を通さない――をかけておりくねくねと体を動かしている。
「うわぁ、なにこれ。ちょっとかわいいかも」
フランシスは殺虫剤の時はちょっと嫌そうな雰囲気を出していたが、こちらは気に入ったのかじぃっと眺めていた。
黄色い大きな花弁はつやつやとしていて、赤く輝くソールの光と合わさりオレンジ色に照らしている。
フランシスがツンツンとつつくと体をくねらせ、それを見てさらにフランシスが喜ぶ。
「気に入ったの? へぇ……。じゃあピギュンとガジュンとも遊んでやってよ」
「え? なにそれ?」
よくよく考えてみれば全ての仲間たちを一度に出すのは初めてかもしれない。
いったいどんなことになるのやら、そんなちょっと無責任なことも思いつつ俺は腰のボタンを操作した。
「ギュッピ!」
「ガージュ!」
「わわわ。スーラが出てきた。かわいい! 私スーラを間近で見たのなんて初めてだよ。触っても大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ。でも、あんまり無茶はしないでやってくれよな」
ピギュンが跳びまわっているので、フランシスは大人しいガジュンを「無茶なんてしないわよぉ」と言いながらつっつく。
ジョカはなぜか上空をゾッとする程に冷たい目つきで見ており、フロードはかかかかと笑っている。
無法地帯だけど賑やかで悪くないかもしれないな、そんなことを思いながら畑に買っておいた種を蒔こうと思い歩き出す。
麦の種、トマトの種、トウモロコシの種にマメの種だ。
「リンガルさん、手伝ってもらえますか?」
「あ、ああ……。いや、はは。ディル殿と一緒にいると退屈しませんな」
「う。すみません、ほんと……。あの尖塔も……はぁ」
「いやいや、ジョカ殿が折角やってくださったのだからよいでしょう。おそらくあそこは上層。建物の雰囲気からすると兵舎だろう」
リンガルさんと種を蒔きながら、穿たれた尖塔に目を向ける。
確かに貴族の屋敷というよりは灰色を基調とした簡素な造りなので、兵舎の可能性は高い。
鋭利にくり抜かれたそれは到底修復が可能な物とは思えない。
どのみち弁償しないといけないだろうけど。
「はぁ~。借金がどんどんかさんでいっちゃうよ」
「はははは。我々もできる限り協力するので」
俺の肩をポンポンと叩いてくれるその手は優しげでありがたいが、土は付いているんだよね。
別にいいんだけど。
「ありがとうございます。でもま、基本的には俺が自分で何とかするので……。これがうまくいってくれればなぁ」
「そんなつれないことを。しかし、ディル殿がやりたいこととはいったい何なのか……ちょっとワクワクしている自分がいるぞ」
「あんまり期待されるとできなかった時が辛いんで。さて、これで終わりですね」
畑に丁度良く四つ作ってくれていたうねに沿うように四種類の種を植えた。
植えたと言っても土の上に撒いただけ。
本来はこれじゃ駄目なのだろうけど、今はこれでいけるような気がしている。
種を蒔き終えるとほぼ同時、向日葵のようなモンスターが畑に顔を向け温かい雰囲気を放つ白の光を照射した。
すると。
水をやることもなく種が土に自分から埋もれていき、ぴょこぴょこと芽吹く。
ぐいぐいとモンスターの時のように成長していき――その時、耳に大勢の人が集まってくるような音が届いた。
屋敷の門の先から現れたのは、ハーツェルさんを先頭にしてブレストも一緒にいる数人の兵士の人達。
さっきとは少し顔ぶれが違うが、ハーツェルさんが先頭にいることから同じ部隊の人たちなのだろう。
多分、あの尖塔の関係だと思うけど……正直ラッキーかなと思っている自分がいる。
「ディル君、うちの兵舎の塔が破壊されたのだけど……まさか君かい? …………ッ!?」
ハーツェルさんは俺を見て尋ねかけてきたのだけど、辺りを見渡しジョカがいるのを見て息を呑んだ。
ちなみにブレストは少し嬉しそうな顔をしてフロードの下へと歩み寄っている。
「フロード師匠、またすぐに再会できて俺は嬉しいです」なんて言っているがとりあえず無視だ。
「は、はい。俺です、すみません。弁償するのでここは穏便に済ませてもらえませんか……?」
「う、うむ。方角と証言からしてこの屋敷だろうとは思ったのだが……やはりそうだったんだな。おい! お前らはもう戻っていい! ここは俺が処理する!」
兵士たちは俺の仲間たちを見て当然驚き、臨戦態勢を整えていた人間もいたようだったが、知り合いだと分かりホッとした様子を見せた。
そのまま敬礼をしてから戻っていくのを見て、怒り心頭という感じではなかったのだと推測する。
「ジョカの話だと人はいなかったということでしたが、大丈夫でした?」
物を壊してしまったのは悪いが、命の方がずっと重い。
俺の中に借金は頑張って稼げばいいという気持ちが少なからずある。
いや。
ジョカに頑張って貰えば借金なんてすぐのはずだ。
ただし、冒険者にならないといけないと思うけど。
「ああ、それは大丈夫だ。緊急時の見張り塔で普段はまず人が上ることはない。ハッ。しっかし……おっそろしい切り口だな」
ハーツェルさんは尖塔をに刻まれた破壊の跡を見て小さく噴き出した。
確かに笑っちゃいたくなるほどの光景。俺が当事者じゃなければ。
「一体どうやればあんなことが起きるのか……。Sランク冒険者でもあんなことを出来る人間は早々いないと思うんだが」
「へ、へぇ……。というより、あれに近しいことを出来る人がいるってことのほうが驚きですよ」
世界にはSランク冒険者よりも上のSSやSSSといったランクが存在している。
もしかしたらあるいは……ジョカに匹敵する……?
そんな考えが頭をよぎり、ぶるっと体が震えた。
ジョカは俺が制御している――できているかは別として――から世界に平和は保たれている。
おそらくジョカが本気で殲滅しようと思えば、人類どころか全ての生物を絶滅させることができる気がする。
多分興味ないからしないだけ。
それがもし、同じ力を持ちそれをやろうとする存在が現れたとしたら……?
なんとかできるのはジョカを制御できる俺だけなのかもしれない。
とするのであれば、ジョカの存在というのは絶望よりも希望の光になる可能性が高いような気がした。
そういえばフェンリルってのも昔はいたんだよね。
血球はまだ保管してある。あれもうまく利用することはできないだろうか……。
「……ほんとだ。さっきの騒動で意識が向いてなかったよ」
俺は微動する種を土の上に放ってみた。
すると淡い光を放ち成長していく。若葉が出て、双葉になり、しゅるしゅると伸びていき向日葵のような花をつけた。
もっともかなりでかいのだが……。
花の部分には眼鏡――漆黒で光を通さない――をかけておりくねくねと体を動かしている。
「うわぁ、なにこれ。ちょっとかわいいかも」
フランシスは殺虫剤の時はちょっと嫌そうな雰囲気を出していたが、こちらは気に入ったのかじぃっと眺めていた。
黄色い大きな花弁はつやつやとしていて、赤く輝くソールの光と合わさりオレンジ色に照らしている。
フランシスがツンツンとつつくと体をくねらせ、それを見てさらにフランシスが喜ぶ。
「気に入ったの? へぇ……。じゃあピギュンとガジュンとも遊んでやってよ」
「え? なにそれ?」
よくよく考えてみれば全ての仲間たちを一度に出すのは初めてかもしれない。
いったいどんなことになるのやら、そんなちょっと無責任なことも思いつつ俺は腰のボタンを操作した。
「ギュッピ!」
「ガージュ!」
「わわわ。スーラが出てきた。かわいい! 私スーラを間近で見たのなんて初めてだよ。触っても大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ。でも、あんまり無茶はしないでやってくれよな」
ピギュンが跳びまわっているので、フランシスは大人しいガジュンを「無茶なんてしないわよぉ」と言いながらつっつく。
ジョカはなぜか上空をゾッとする程に冷たい目つきで見ており、フロードはかかかかと笑っている。
無法地帯だけど賑やかで悪くないかもしれないな、そんなことを思いながら畑に買っておいた種を蒔こうと思い歩き出す。
麦の種、トマトの種、トウモロコシの種にマメの種だ。
「リンガルさん、手伝ってもらえますか?」
「あ、ああ……。いや、はは。ディル殿と一緒にいると退屈しませんな」
「う。すみません、ほんと……。あの尖塔も……はぁ」
「いやいや、ジョカ殿が折角やってくださったのだからよいでしょう。おそらくあそこは上層。建物の雰囲気からすると兵舎だろう」
リンガルさんと種を蒔きながら、穿たれた尖塔に目を向ける。
確かに貴族の屋敷というよりは灰色を基調とした簡素な造りなので、兵舎の可能性は高い。
鋭利にくり抜かれたそれは到底修復が可能な物とは思えない。
どのみち弁償しないといけないだろうけど。
「はぁ~。借金がどんどんかさんでいっちゃうよ」
「はははは。我々もできる限り協力するので」
俺の肩をポンポンと叩いてくれるその手は優しげでありがたいが、土は付いているんだよね。
別にいいんだけど。
「ありがとうございます。でもま、基本的には俺が自分で何とかするので……。これがうまくいってくれればなぁ」
「そんなつれないことを。しかし、ディル殿がやりたいこととはいったい何なのか……ちょっとワクワクしている自分がいるぞ」
「あんまり期待されるとできなかった時が辛いんで。さて、これで終わりですね」
畑に丁度良く四つ作ってくれていたうねに沿うように四種類の種を植えた。
植えたと言っても土の上に撒いただけ。
本来はこれじゃ駄目なのだろうけど、今はこれでいけるような気がしている。
種を蒔き終えるとほぼ同時、向日葵のようなモンスターが畑に顔を向け温かい雰囲気を放つ白の光を照射した。
すると。
水をやることもなく種が土に自分から埋もれていき、ぴょこぴょこと芽吹く。
ぐいぐいとモンスターの時のように成長していき――その時、耳に大勢の人が集まってくるような音が届いた。
屋敷の門の先から現れたのは、ハーツェルさんを先頭にしてブレストも一緒にいる数人の兵士の人達。
さっきとは少し顔ぶれが違うが、ハーツェルさんが先頭にいることから同じ部隊の人たちなのだろう。
多分、あの尖塔の関係だと思うけど……正直ラッキーかなと思っている自分がいる。
「ディル君、うちの兵舎の塔が破壊されたのだけど……まさか君かい? …………ッ!?」
ハーツェルさんは俺を見て尋ねかけてきたのだけど、辺りを見渡しジョカがいるのを見て息を呑んだ。
ちなみにブレストは少し嬉しそうな顔をしてフロードの下へと歩み寄っている。
「フロード師匠、またすぐに再会できて俺は嬉しいです」なんて言っているがとりあえず無視だ。
「は、はい。俺です、すみません。弁償するのでここは穏便に済ませてもらえませんか……?」
「う、うむ。方角と証言からしてこの屋敷だろうとは思ったのだが……やはりそうだったんだな。おい! お前らはもう戻っていい! ここは俺が処理する!」
兵士たちは俺の仲間たちを見て当然驚き、臨戦態勢を整えていた人間もいたようだったが、知り合いだと分かりホッとした様子を見せた。
そのまま敬礼をしてから戻っていくのを見て、怒り心頭という感じではなかったのだと推測する。
「ジョカの話だと人はいなかったということでしたが、大丈夫でした?」
物を壊してしまったのは悪いが、命の方がずっと重い。
俺の中に借金は頑張って稼げばいいという気持ちが少なからずある。
いや。
ジョカに頑張って貰えば借金なんてすぐのはずだ。
ただし、冒険者にならないといけないと思うけど。
「ああ、それは大丈夫だ。緊急時の見張り塔で普段はまず人が上ることはない。ハッ。しっかし……おっそろしい切り口だな」
ハーツェルさんは尖塔をに刻まれた破壊の跡を見て小さく噴き出した。
確かに笑っちゃいたくなるほどの光景。俺が当事者じゃなければ。
「一体どうやればあんなことが起きるのか……。Sランク冒険者でもあんなことを出来る人間は早々いないと思うんだが」
「へ、へぇ……。というより、あれに近しいことを出来る人がいるってことのほうが驚きですよ」
世界にはSランク冒険者よりも上のSSやSSSといったランクが存在している。
もしかしたらあるいは……ジョカに匹敵する……?
そんな考えが頭をよぎり、ぶるっと体が震えた。
ジョカは俺が制御している――できているかは別として――から世界に平和は保たれている。
おそらくジョカが本気で殲滅しようと思えば、人類どころか全ての生物を絶滅させることができる気がする。
多分興味ないからしないだけ。
それがもし、同じ力を持ちそれをやろうとする存在が現れたとしたら……?
なんとかできるのはジョカを制御できる俺だけなのかもしれない。
とするのであれば、ジョカの存在というのは絶望よりも希望の光になる可能性が高いような気がした。
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血球はまだ保管してある。あれもうまく利用することはできないだろうか……。
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