のんびりダンジョン経営してたら億万長者になりました。

こたつぬこ

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017.心配なんです。

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「BOSS属性ってどういうこと? いや、ボスってのはなんとなく分かったからやってみたんだけど」

「BOSS属性は固有のアイテムドロップ変数を所持しているのです! 簡単に言えばレアアイテムの入手確率の増加なのです! 勿論、一般モンスターにもレアアイテムはあるのです!」

 本当にゲームみたいなダンジョンだなと思う。

 モンスターを倒したときも、経験値とドロップ品は、ステータスウィンドウ上に表示されているようだ。
 ステータス上で物品を確認し。
 その後その場に出すか、指定したカバンへ移動させるかという流れ。

 キャルアに聞いただけの知識でしかないが、そんなことをする意味がないので嘘は言っていないと思う。

「ムサシ、キャルア、ボス倒しに行かなくていいですか?」

 もしかして、戦闘の喜びを覚えてしまったのか、目をキラキラさせて僕の事を見つめている。

 確かにキャルアは強い、強いけど、設定したのはボス。
 それが一人で倒すモンスターなのかパーティーを組んで戦うモンスターなのかすら分からない。

 ピュイもダンジョン内では手助けをすることは出来ないのだ。
 ピュイが先ほど言ったように死ねば終わり。
 それは仲間になったキャルアでも例外ではない。

 そんな気持ちが僕の心に迷いを生ませる。

(どうしよう……)

 さっき串焼き屋では自信というものが付いてきているのかと思った。
 受動的ではなく、能動的に言葉を発することが出来たと思った。

 けれど、キャルアのキラキラした瞳を見ていると、駄目といえない自分がいて、なんとももどかしい。

「キャルアに何かあったらと思うと、心配なんだよ。僕は何もできないから。キャルアを守れないから」

 僕やピュイが手を出せないことをキャルアは知っている。
 それでもキャルアの瞳に諦めの光は全く見えはしない。

「キャルア、ムサシに守って貰えなくてもいいです。キャルアがムサシを守ります。頑張りますです!」

 ちょっとその言葉は悲しいな、と思いつつピュイに声を掛ける。

「ピュ、ピュイ~。キャルア一人で倒せると思う?」

「ピュルル。キャルアレベルが25くらいあるのです! グランボアのレベルは15なのです! 多分大丈夫なのです!」

「ほら、ムサシ。ピュイさんもこう言ってるです。私の頑張り見ててくださいです!」

 ピュイの言葉とキャルアのやる気に僕は渋々頷いた。
 もしやばければ部屋を移動すれば良い。
 そう思うことにして息をつき、次の部屋に向かうことにした。

『名無しのダンジョン』
『マスター』         「相川武蔵」
『レベル』          「5」
『ランク』          「G」
『評価値』          「3」
『保有ダンジョンポイント』  「1」
『入場者数』         「1」
『入ダンジョン料』      「0」
『使用者の意見』       「もっとムサシの役に立ちたいです」
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