のんびりダンジョン経営してたら億万長者になりました。

こたつぬこ

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019.入ダンジョン料の設定は迷います。

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(なるべくこういったときは、ダンジョンコンソールを見ないようにしなくちゃ)

 一部ではあるが、人の感情を盗み見してしまうようなもの。

 人間としての性、いや、いじめられていて、人の感情ばかり気にする性格になってしまったからなのかもしれない。

 ついつい、気になってしまい覗いてしまう。
 嫌がってないかと確認してしまう。
 それでも、なんだか罪悪なことをしているような気がして、見た後に自己嫌悪に陥いってしまう。

(人間らしいっちゃ人間らしいよね)

 そう考えると自嘲気味の笑いが漏れる。
 涙とそれをごまかすかのように、僕はパタパタと羽ばたくピュイに声を掛けた。

「入ダンジョン料って設定したほうが良いよね? いくらくらいが妥当かな?」

 ダンジョンは成長させた。
 どうでもいいけど、僕も同様に成長しているはず。
 なのに入ダンジョン料が0にままなら、それはただの慈善活動にしかならないし、ダンジョンに投資した意味もない。

 多分だけど、入場者はお金を払えばそれだけダンジョンが大きくなり、内容が変化していくことを気付くと思う。
 テーマパークだってそういうもの。
 お客さんが多くなれば新しいものが増えるし、それを目当てにさらに楽しむことができる。

 なら、高すぎる入場料はこのダンジョンの満足度を下げてしまうけれど、安すぎて成長が停滞するのは双方にとって芳しくないはずだ。
 妥当な値段を模索したい。
 単純に、全てのモンスターとポピの実から得られる物からだけでは値段は決められない。

 なぜなら、ボスを倒せない人も入ってくるだろうから。

 だからといって、安くしては……と無限ループに陥る。
 非常に難しい。
 同時に入れるグループが一グループというのも、また考えるべき事項の一つ。

 先ほどのような回転率は見込めないだろう。
 となるなら、やはり安くすることは出来ない。
 ぎりぎりの高値をつけるのがベスト。
 というのが、僕のゲームをやってきた経験からの考えだ。

「ごめんなさいなのです! ピュイはダンジョンの運営に関しての助言は一切できないなのです!」

 そっかぁ、と思っているとピュイが耳を僅かにしおれさせたので笑いかけ、背中のキャルアに尋ねかける。

「キャルア、グランボアを倒したときって……?」

「はい。グランボアさんから頂いたのは、300コリアと大猪の毛皮、大猪の肉というものでしたです」

 キャルアが口を開くと、僕の肩に吐息がかかり、耳元で優し気な声が響きドキリとしてしまう。
 そんな気持ちを振り払い、キャルアの言った事と今までの情報から入ダンジョン料を考える。

 お金が総額380コリア。入手物がスライムゼリー×3。角兎の角×1。ポピの実×5。大猪の毛皮×1。大猪の肉×1。

 入手経験値も入ダンジョン料に加算できる項目だろうけど、経験値取得量が分からないから判断材料に加えられない。
 キャルアに聞いてもよく分からないような気がするし、運営して評価値と入場者の声で判断するしかない。

 入手物の価値も分からないのも難しい。
 勘、でいくしかないだろう。
 ピュイは物の説明はしても価値の説明はしないような気がする。
 運営に関わることだし。

「うーん……、あ、そうだ! キャルアはさ、ここに入っていくらならお金出してもいいと思った?」

 ピュイは答えてくれなくてもキャルアなら考えを言ってくれる。
 多分、ピュイが言っていたの仲間が必要ってのはこういう事も含まれるはずだ。
 僕には経験値も、敵の強さもよく分からないから。

「ムサシの作ったものですから100万です! と言いたいとこですけど、そうですね。1000コリアだとちょっと高いようなって感じがするです」

 100万と聞いた時ガクンとずっこけそうになった。
 勿論、キャルアをおぶっているからそんなことはしないけど。
 でも、思ったより値段が高い。

(500コリアで高いかなと思っていたのだけど……さて、どうするかな)

 結局、入ダンジョン料は700コリアにすることにした。
 ぎりぎりを攻められないのは僕の弱さだろう。
 でも、入場者の意見でぼろくそに言われれば、ちょっと悲しいし、脆いガラスの心は砕け散ってしまうかもしれない。

 設定してから入口を開け、僕らは宿に行く事にした。
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