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あの日
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暖かな春の日差しの休日、1冊の古い
日記帳に目をとめる
見開き1ページ目
こんな文章で始まっていた
『今日から頑張ろうと思う』
日付は8月1日
この日私は転職をして、そこへの
初出勤だったのだ
そしてあの人との初対面でもあった
この転職は、とても後ろ向きなもので
言葉とは裏腹あまり乗り気ではなかった
なので初めから職場の人とも積極的に
関わる気もなかったと記憶している
『おはようございます、お困りですか』
出勤したものの、担当者が見当たらず
玄関をウロウロしていた私に声をかけた
男性スタッフ
それが三浦 昭仁だった
屈託なく笑い警戒心を与えない人
そんな第一印象の彼は、その日から
何かと私を気遣いサポートしてくれた
心做しか日記の文面からも徐々に
浮足立つ気持ちが滲んでくるように
なっていた
色んな話もするようになっていた
そうこうしているうちに季節はうつり
年も明けていた
その頃になると、すっかり打ち解け
軽口をたたきあう間柄になっていた2人
世間はもうすぐやってくるバレンタイン
それに向けて商戦激しくなっていた
もれなく私も、世の中の時流に乗るべく
昭仁にプレゼントを考えていた
送るものを考えながら思った
『何を浮かれているんだか』
そう自嘲しつつ、酒好きな彼のため
ミニボトルセットとチョコを用意した
当日人目を避け声をかけた
察しのいい彼は既にわかっていたようで
満面の笑みを浮かべている
『いつもお世話になってます』
『いいえこちらこそ』
そう笑いながら受け渡す
『家に帰ったら戴くね』
実は手紙を忍ばせていた
『良かったら連絡下さい』とだけ書いた
電話番号とメールアドレス
彼はLINEをしないって聞いていたから
含みを持たせた遠回しな告白?
どう返してくれるのか
確かにあのときの私は期待していた
彼からの返事を···
結果はわかっているはずなのに
別の物語を読んでいるような感覚
続きが気になったが、そろそろ家族が
戻って来る時間だ
私は日記帳を閉じた
また後で続きを読もう
気持ちはあの日の私に戻っていた
チクリと胸を刺す少しの棘
甘いだけでは決してなかったあの恋の話
日記帳に目をとめる
見開き1ページ目
こんな文章で始まっていた
『今日から頑張ろうと思う』
日付は8月1日
この日私は転職をして、そこへの
初出勤だったのだ
そしてあの人との初対面でもあった
この転職は、とても後ろ向きなもので
言葉とは裏腹あまり乗り気ではなかった
なので初めから職場の人とも積極的に
関わる気もなかったと記憶している
『おはようございます、お困りですか』
出勤したものの、担当者が見当たらず
玄関をウロウロしていた私に声をかけた
男性スタッフ
それが三浦 昭仁だった
屈託なく笑い警戒心を与えない人
そんな第一印象の彼は、その日から
何かと私を気遣いサポートしてくれた
心做しか日記の文面からも徐々に
浮足立つ気持ちが滲んでくるように
なっていた
色んな話もするようになっていた
そうこうしているうちに季節はうつり
年も明けていた
その頃になると、すっかり打ち解け
軽口をたたきあう間柄になっていた2人
世間はもうすぐやってくるバレンタイン
それに向けて商戦激しくなっていた
もれなく私も、世の中の時流に乗るべく
昭仁にプレゼントを考えていた
送るものを考えながら思った
『何を浮かれているんだか』
そう自嘲しつつ、酒好きな彼のため
ミニボトルセットとチョコを用意した
当日人目を避け声をかけた
察しのいい彼は既にわかっていたようで
満面の笑みを浮かべている
『いつもお世話になってます』
『いいえこちらこそ』
そう笑いながら受け渡す
『家に帰ったら戴くね』
実は手紙を忍ばせていた
『良かったら連絡下さい』とだけ書いた
電話番号とメールアドレス
彼はLINEをしないって聞いていたから
含みを持たせた遠回しな告白?
どう返してくれるのか
確かにあのときの私は期待していた
彼からの返事を···
結果はわかっているはずなのに
別の物語を読んでいるような感覚
続きが気になったが、そろそろ家族が
戻って来る時間だ
私は日記帳を閉じた
また後で続きを読もう
気持ちはあの日の私に戻っていた
チクリと胸を刺す少しの棘
甘いだけでは決してなかったあの恋の話
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