密室の恋愛

NEO ZONE

文字の大きさ
4 / 9

再びカフェへ…

しおりを挟む
まるでこの数ヶ月が嘘のように平穏な日常。

祐也に会えなくなる日が突然来るとは思ってもみなかった
家人がいなくなった頃を見計らってそっと家を出る
せめて最後に一度だけ祐也に会いたかった
聖は大學前のカフェに入ると窓際の紅いソファの席に目をやる…何時もと同じように祐也はいた
数ヶ月前と変わらず真剣に本を読んでいる、僕がいなくなっても何も変わらないんだろうか?

そっと近寄ると不意に顔をあげた祐也と目が合った
「聖…?」
名前を呼ばれ涙が溢れる「祐也さん…」中々それ以上の言葉が出て来ない
「大丈夫なのか?家業の方が大変なんじゃ…」
言いながら聖をソファに座らせる
涙が止まらない聖を祐也はただ黙って待っていてくれた

聖は今までの経緯を全て祐也に話した、絵里の事も全て。
「祐也さん…貴方はいつか米国に行きたいと言ってましたよね?」
「あぁ?」
「僕は貴方と米国に行きたい」

初めて祐也に会ったあの日、映画監督になりたいと夢を語る姿に恋をした
…僕も行きたい…と叶うはずのない僕の言葉も真剣に聞いてくれた

けれどその約束を口にしたとたん祐也は困惑の色を浮かべた
「そんな事をしたら君の家めただでは済まないだろう?」
当然の言葉だった
結局 祐也さんの夢の中に僕はいない華族の子息である僕の戯言に付き合ってくれただけ…

ならば。

全て気持ちを打ち明けて壊してしまおう
辛い想いを抱えて生きていくくらいなら、いっそ軽蔑され嫌われた方がいい。

「祐也さん…最後に聞いてくれますか?」
また涙が溢れた
「祐也さん…僕は貴方が好きです…友情ではなく恋愛として」
祐也の顔を見る事が出来ない
「ごめんなさい…帰ります」
そう言って踵を返した瞬間 腕を強く掴まれ引き寄せられた

「本気なのか?」
祐也が何を考えているか分からない
「えっ?」といぶかしむ
「本気なのか?」確かめるように祐也はもう一度言う

「嘘なんかじゃありません…貴方だけを…想っています」
祐也の優しい笑顔が目に映る
「貴方を愛しています」そう言うと「分かった」と祐也は一言だけ応えた

自分の想いを受け止めてくれた事にただ涙を流す事しか出来なかった

もしかしたらこの時が一番幸せだったのかもしれない
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

処理中です...