流れる水は月を映して

NEO ZONE

文字の大きさ
7 / 8

第七話 真実

しおりを挟む
翌朝目が覚めると 満の腕の中にいる事に気恥しさを感じて身じろいだ
「このままで話しを聞いてくれるか?」
満は既に起きていたのか 抱きしめる手に力を込める
「はい…」
信じてはいても真実をしるのは怖い
「あの日….」
満は迷うこと無く話しはじめる
「正之殿と勝負がついた後 父君は内々に話しがあると言って道場の者達を外に出したのだ」
「父上が?」
「あぁ、どうしても正之殿を婿にしたかったようで俺に道場を出るように云われた」
雪弥は手を握り締める「それで?」
「父君からしたら誤算だったのだろう…正之殿は確かに剣の腕がたつ、だが 自慢ではないが後から来た俺の方が剣の腕が上だった」
「………」
「雪弥と俺との仲に気付いた父君は正之殿に嫁を取って跡を継がせようとしたらしい…だが正之殿は貴方に執着していた」
そうだ あの頃は全く正之の気持ちに気がつかなかった…
「そしてあの日 父君との話し合いの最中、貴方を連れて道場を出る申し出を聞いた途端に正之殿が斬りかかってきたのだ。切羽詰まっての事だろう」
「そんな事が…」そこまで自分を想ってくれていた事が嬉しかった…ならば父上はどうして…?
雪弥は満の次の言葉を待った
「満さま?」呼びかけても次の言葉は無い

少しの間の後 満は頭元に置いてあった短刀を雪弥の手に握らせる
「満…さま どう云う事ですか?」
「よく聞いてくれ…今から話す事で俺を許せなければこのまま俺を…」
最後まで言わせず強く言い切る
「僕は何があっても満さまと一緒にいます」
けれど満は薄く微笑んで僕の手に短刀を握らせたまま話しはじめた

「あの時 斬りかかってきたのは正之殿だけではなかった…俺は咄嗟に正之殿の刃を避け手から刀を奪った」
父上までそんな事を…
「そして父君を斬り伏してしまった」
………
「満さま…父上を斬ったのは一度だけですか?」
「あぁ?」
そう やはり自分の感が正しかった…咄嗟とはいえ満が人を殺めるほどの傷を負わせるはずがないと
「満さま 父上には刀傷が二つありました…」
耳元で満の深い吐息がもれる
「大丈夫です…僕は信じていました…だから」

「いいのか?」

顔を見合わせて意志を確認する

ここよりももっと遠くに逃げる事を決意をした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

籠中の鳥と陽色の君〜訳アリ王子の婚約お試し期間〜

むらくも
BL
婚約話から逃げ続けていた氷の国のα王子グラキエは、成年を機に年貢の納め時を迎えていた。 令嬢から逃げたい一心で失言の常習犯が選んだのは、太陽の国のΩ王子ラズリウ。 同性ならば互いに別行動が可能だろうと見込んでの事だったけれど、どうにもそうはいかなくて……? 本当はもっと、近くに居たい。 自由で居たいα王子×従順に振る舞うΩ王子の両片想いBL。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

無愛想な氷の貴公子は臆病な僕だけを逃さない~十年の片想いが溶かされるまで~

たら昆布
BL
執着ヤンデレ攻め×一途受け

六年目の恋、もう一度手をつなぐ

高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。 順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。 「もう、おればっかりが好きなんやろか?」 馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。 そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。 嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き…… 「そっちがその気なら、もういい!」 堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……? 倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

青龍将軍の新婚生活

蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。 武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。 そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。 「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」 幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。 中華風政略結婚ラブコメ。 ※他のサイトにも投稿しています。

処理中です...