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第1部:ゆるふわスローライフの幕開け ~元社畜、もふもふと家族に溺愛される最高の異世界生活、始めました~
第18話:お庭の小さな珍客、まさかのドラゴン襲来!?ただしミニチュアサイズ
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モルとの至福のお昼寝タイムから数日後。
俺の『ゆるふわニートライフ』は、相変わらず順調そのものだった。
朝はマリーに起こしてもらい、美味しい朝食を家族みんなで食べ、午前中は兄たちの『お仕事』を遠巻きに応援し、午後は姉とお茶会をしたり、モルと部屋で遊んだりして過ごす。
そして夜は、ふかふかのベッドでモルと一緒にぐっすり眠る。
完璧だ。完璧すぎる。
(この生活リズム……前世の俺が見たら、間違いなく血の涙を流して羨むだろうな……)
そんなある日の午後。
俺は、母セレスティーナが丹精込めて育てている中庭の菜園の近くで、モルと日向ぼっこをしていた。
母の菜園には、色とりどりの野菜やハーブが植えられており、見ているだけでも楽しい。
特に、真っ赤に実ったトマトや、丸々と太ったカボチャは、収穫が待ち遠しいくらいだ。もちろん、収穫するのは俺ではないが。
「ねえ、モル。あのトマト、美味しそうだねぇ。母様にお願いしたら、おやつに食べさせてくれるかなぁ」
俺がそう言うと、モルは「きゅい?」と不思議そうに首を傾げた。
どうやら、まだトマトの美味しさを知らないらしい。
(よし、後で母様におねだりしてみよう)
そんなことを考えていた、その時だった。
ガサガサッ、と菜園の茂みの方から、何かが動く音がした。
「ん?」
俺とモルは、同時に音のした方を見る。
茂みが再び揺れ、そこからひょっこりと顔を出したのは……。
(……トカゲ……? いや、なんか違う……)
それは、体長三十センチほどの、小さな生き物だった。
全身は緑色の鱗に覆われ、背中には小さな翼のようなものが生えている。
顔つきはトカゲに似ているが、どこか犬の子のような愛嬌もあった。
そして何より特徴的なのは、そのずんぐりむっくりとした体型だ。まるで、ミニチュアダックスフントに鱗と翼をつけたような……。
(なんだ、あいつ……新種のペットか……?)
俺が呆気に取られていると、その小さな珍客は、きょろきょろと辺りを見回した後、おもむろに母の菜園へと侵入し始めた。
そして、あろうことか、真っ赤に実ったトマトの一つに、がぶりと噛みついたのだ!
「あーっ! こらーっ!」
思わず叫んだのは、俺ではなかった。
ちょうど菜園の様子を見に来たらしい、メイドのマリーが、小さな悲鳴に近い声を上げたのだ。
「ルーク坊ちゃま! 危ないですから、こちらへ!」
マリーは慌てた様子で俺を手招きする。
その声に驚いたのか、例のミニチュアダックスドラゴン(俺は心の中でそう名付けた)は、ビクッと体を震わせ、トマトを咥えたまま茂みの奥へと隠れようとした。
だが、その動きはどこかぎこちなく、慌てているのが見て取れた。
マリーの悲鳴を聞きつけて、近くにいた庭師のおじさんや、他の使用人たちも何事かと集まってきた。
「どうしたんだ、マリーちゃん!」
「何かあったのかね?」
「そ、それが……見たこともない魔物のようなものが、奥様の菜園に……!」
マリーが涙目で説明すると、使用人たちの間に緊張が走る。
このアスターテ領は比較的平和だが、それでも森には様々な生き物が生息しており、稀にこうして屋敷の近くまで迷い込んでくることがあるらしい。
(魔物……ってほど、凶暴そうには見えなかったけどな……むしろ、ちょっとドジっ子な感じだったような……)
俺は、先ほどのミニチュアダックスドラゴンの姿を思い出し、そんなことを考えていた。
モルは、俺の足元で少しだけ警戒したように喉を唸らせている。
やがて、騒ぎを聞きつけた次兄のベルトランが、剣を片手に駆けつけてきた。
「何事だ!魔物が出たというのは本当か!?」
その勇ましい姿は頼もしいが、相手はあの小さなドラゴンだ。
なんだか、大砲で蟻を撃つような、そんなチグハグさを感じてしまう。
こうして、クライネル家の平和な午後は、突如として現れた小さな珍客によって、ほんの少しだけ、騒がしくなり始めたのだった。
俺の『ゆるふわニートライフ』は、相変わらず順調そのものだった。
朝はマリーに起こしてもらい、美味しい朝食を家族みんなで食べ、午前中は兄たちの『お仕事』を遠巻きに応援し、午後は姉とお茶会をしたり、モルと部屋で遊んだりして過ごす。
そして夜は、ふかふかのベッドでモルと一緒にぐっすり眠る。
完璧だ。完璧すぎる。
(この生活リズム……前世の俺が見たら、間違いなく血の涙を流して羨むだろうな……)
そんなある日の午後。
俺は、母セレスティーナが丹精込めて育てている中庭の菜園の近くで、モルと日向ぼっこをしていた。
母の菜園には、色とりどりの野菜やハーブが植えられており、見ているだけでも楽しい。
特に、真っ赤に実ったトマトや、丸々と太ったカボチャは、収穫が待ち遠しいくらいだ。もちろん、収穫するのは俺ではないが。
「ねえ、モル。あのトマト、美味しそうだねぇ。母様にお願いしたら、おやつに食べさせてくれるかなぁ」
俺がそう言うと、モルは「きゅい?」と不思議そうに首を傾げた。
どうやら、まだトマトの美味しさを知らないらしい。
(よし、後で母様におねだりしてみよう)
そんなことを考えていた、その時だった。
ガサガサッ、と菜園の茂みの方から、何かが動く音がした。
「ん?」
俺とモルは、同時に音のした方を見る。
茂みが再び揺れ、そこからひょっこりと顔を出したのは……。
(……トカゲ……? いや、なんか違う……)
それは、体長三十センチほどの、小さな生き物だった。
全身は緑色の鱗に覆われ、背中には小さな翼のようなものが生えている。
顔つきはトカゲに似ているが、どこか犬の子のような愛嬌もあった。
そして何より特徴的なのは、そのずんぐりむっくりとした体型だ。まるで、ミニチュアダックスフントに鱗と翼をつけたような……。
(なんだ、あいつ……新種のペットか……?)
俺が呆気に取られていると、その小さな珍客は、きょろきょろと辺りを見回した後、おもむろに母の菜園へと侵入し始めた。
そして、あろうことか、真っ赤に実ったトマトの一つに、がぶりと噛みついたのだ!
「あーっ! こらーっ!」
思わず叫んだのは、俺ではなかった。
ちょうど菜園の様子を見に来たらしい、メイドのマリーが、小さな悲鳴に近い声を上げたのだ。
「ルーク坊ちゃま! 危ないですから、こちらへ!」
マリーは慌てた様子で俺を手招きする。
その声に驚いたのか、例のミニチュアダックスドラゴン(俺は心の中でそう名付けた)は、ビクッと体を震わせ、トマトを咥えたまま茂みの奥へと隠れようとした。
だが、その動きはどこかぎこちなく、慌てているのが見て取れた。
マリーの悲鳴を聞きつけて、近くにいた庭師のおじさんや、他の使用人たちも何事かと集まってきた。
「どうしたんだ、マリーちゃん!」
「何かあったのかね?」
「そ、それが……見たこともない魔物のようなものが、奥様の菜園に……!」
マリーが涙目で説明すると、使用人たちの間に緊張が走る。
このアスターテ領は比較的平和だが、それでも森には様々な生き物が生息しており、稀にこうして屋敷の近くまで迷い込んでくることがあるらしい。
(魔物……ってほど、凶暴そうには見えなかったけどな……むしろ、ちょっとドジっ子な感じだったような……)
俺は、先ほどのミニチュアダックスドラゴンの姿を思い出し、そんなことを考えていた。
モルは、俺の足元で少しだけ警戒したように喉を唸らせている。
やがて、騒ぎを聞きつけた次兄のベルトランが、剣を片手に駆けつけてきた。
「何事だ!魔物が出たというのは本当か!?」
その勇ましい姿は頼もしいが、相手はあの小さなドラゴンだ。
なんだか、大砲で蟻を撃つような、そんなチグハグさを感じてしまう。
こうして、クライネル家の平和な午後は、突如として現れた小さな珍客によって、ほんの少しだけ、騒がしくなり始めたのだった。
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