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第3章 校外学習で色々稼ごう

43.採集開始

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「さてと、タリーフィの採集始めるかー」

 俺とカリスは地面に赤い葉っぱがたくさんある、採集ポイントに到着した。

「一応だがタリーフィはどれか把握してるか?」

 辺りを軽く見渡しても紛らわしい草は見受けられなかったが、念の為確認をしておく。

「これでしょ? 流石にこのくらいの見分けはつくよ~」

 カリスは足元にあった草を1枚拾うように採った。

 それは今回採っていくものであるタリーフィだ。

「いやいや、念の為だから深い意味はなく認識を共有しようと思っただけだ。確かこれを30枚だったか?」

「うん、そうだったと思う」

 周りの地面を埋め尽くす程の量のタリーフィが生えていないとはいえ、簡単に集まってしまいそうだ。
 こんな簡単でいいのか? だが、油断はしないようにしておこう。いつどこで不測の事態が起こるか分からないのだから。

「少し待ってろ」

「ん?」

 俺はカリスに不思議そうに見られながらあるものを取り出す。

「はい、タリーフィを入れるための袋」

 そう言って俺が渡したのは無地のベージュ色で出来た手提げ袋だ。

「ただの袋じゃなくて、入れるものを登録すればカウントしてくれるシステムがついてる袋だ。とは言ってもこれは市販の魔道具に加工するための袋を俺が改造を施したものだ。だが、素人の俺が改造したものだから不備があるかもしれないがそこは許してくれ」

 これは魔力に反応するステッキと一緒に買ってきたものだ。加工してあるものは経済的に厳しかったからな。この世界の物価は兎に角高いし、その中でもこういったものは一段と値が張るのだから。
 ステッキは1個だが、この袋は一応4人分用意してある。だからこうしたのだ。

「このステッキもセシリアちゃんが作ったの?」

「いや、それはプロが作ったものだ。俺が下手にこういうのを作って誤作動を起こしても困るからね」

 正直なことを言うと、こういうのはすごい複雑だし、一個人で材料を買って作ろうとすると大変な上あまり既に作ったものと値段が変わらないのだ。
 まあ、説明としてはカリスにした方が俺的にはいいと思う。
 事実、幾度も作ってきた人と俺が作ったのだったら前者の方に軍配が上がるからさっきの説明は省略したものと言える。

「私はセシリアちゃんが作ったものならきっと大丈夫だと思うよ! でも、セシリアちゃんはきっとそれを作るのに苦労してると思うから、その選択もありだとも言える。つまりはセシリアちゃんの好きなようにってこと!」

 なんと俺の心配を……。そんな心配されるほどのことではないんだが、その気持ち受け取ろう。

「心配してくれてありがとうな」

 カリスが何気なく発した言葉が勝手にセシリアによって気持ちとされ受け取られていることにカリスはもちろん気づいていない。

 だから、カリスにとってはいきなりお礼を言われたようなものみたいになってしまったから――

「え、ど、ういたしまして?」

 ――語尾に少しはてなマークが浮かんでしまう。そして、少し振り返ってみて何となく言ったことがそれに繋がるとたどり着く。

 その様子から俺が拡大解釈をしてしまったと悟る。

「そ、そんなことよりカリスの手に持ってるタリーフィを登録しようか」

 この変な空気を振り払うように話題を変える。

「どうぞ~。その前にほんとにこれタリーフィで合ってるのかな?」

「そうだな。一応確認しようか」

 俺はカリスから渡されたモノを手に取り、ギルドで見せてもらったタリーフィと同じものか鑑定魔法で鑑定する。

 結果はタリーフィだった。

「うん、これはタリーフィで間違いなさそうだ。じゃあ登録をするから少し待っていてくれ」

 その袋に魔力を流すと【登録】と【カウント】の文字が無地のところに浮かび上がる。

 そして更に、登録という方に魔力を流す。

 すると、『袋の中に入ってるものを取り除き、登録したいものだけ入れて完了したら再び魔力を流してください』と文字が出てくる。

 それに従い、もともと何も入っていなかった袋にタリーフィを入れる。これで完了なので再び魔力を流す。

 そうすると『しばらくお待ちください』と表示された後、『完了しました』と表示されると共にタリーフィが透明な板のようなものに乗って俺の目の前に来る。

 タリーフィを回収すると完了を知らせる文字は消え、最初の【完了】と【カウント】の文字になる。それで【カウント】の文字を流す。

 これでタリーフィを集められる袋の完成だ。

「はい、どうぞ。これで数えられる袋になったから」

「なんか凄かったね」

「そ、そうか?」

 少し褒められて俺は気恥ずかしくなってしまう。

「うん」

「まあ、これでやりやすくなったと思うからな。さっ、始めようか」


 その後、俺も同様に自分で採ったやつも入れて日が落ちる少し前まで採集をするのであった。
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