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57.クロードの屋敷
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目が覚めると、全く知らない部屋に寝かされていた。
侯爵家に居た頃よりは小さいが、室内には家具も置かれていて、ここが牢屋でないことは確実のようだ。
もちろん手足に鎖もついていない。
窓の向こうには青空が広がっていた。
「牢じゃ、ない……」
呟いたところで、静かに扉が開いた。
「お嬢様……?」
「お目覚めになったのですか!」
「ケイト……!」
「お嬢様、よかったです、本当に」
涙のにじむケイトに助けられて体を起こす。
「ここは?」
「クロード様のお屋敷です」
「クロード、様?」
ケイトは頷くと、私に水の入ったコップを差し出した。
「はい。クロード様が、今の雇い主です」
「……何があったの?」
今までのケイトではありえない言葉に、思わず耳を疑う。
「詳しいご説明は致しますが、出来るようでしたらまずはお食事を召し上がってください。ずっとまともなお食事を取られていなかったと伺っています」
「そう、ね。ケイトの言うとおりにするわ」
「では持って参りますね!」
ケイトは足早に部屋を出て行った。
しばらくまともな食事をできていなかったこともあり、出されたのはパンをミルクで柔らかく煮た物で、甘くて美味しかった。
その後、体調が良いならと入浴を勧められ、私は頷いた。
全身スッキリしてからケイトの話を聞く。
「お嬢様が騎士達に連れて行かれた後、どうしてもお嬢様を助けたかった私はクロード様の元に走りました。そこで、お嬢様を助けて頂くようお願いをしたのです」
「そんなことを……?」
貴族牢の中に居た時に会いに来てくれて、必ず助けると言ってくれたのは、ケイトの願いがあったからからなのだろうか。
気になるが、今はもっとケイトの話を聞きたい。
ケイトは、話を続ける。
「それからすぐに、ラバール侯爵家に最近雇われたばかりの侍女が、辞職した後バシュレ公爵家に再雇用されたということがわかりました。その侍女こそエリク様に毒を盛った犯人であり、背後にバシュレ公爵家が関係していたのです。私も怪しいとは思っていたのですが、その侍女が犯人であったとわかったのが、お嬢様がラバール侯爵家から除名されてしまった後だったため、私達があの場所からお救いする前に、お嬢様は元王太子に連れ去られてしまったのです」
「ケイトがクロード先生の元にいるのは?」
「お嬢様の除名に伴い、私も侯爵家より暇を言い渡されました。ですので、クロード様に雇っていただいております」
「そうだったの。ケイトにも、迷惑をかけてしまったのね」
「迷惑だなんてとんでもございません。私が、もっと早くに気がついていれば」
悔しそうに言うケイトに、私は首を振る。
「ケイトが動いてくれなければ、今ここに私はいないわ。ケイト、ありがとう」
「ジュリア様……勿体ないお言葉です」
話をしていると、控えめにノックの音が響いた。
侯爵家に居た頃よりは小さいが、室内には家具も置かれていて、ここが牢屋でないことは確実のようだ。
もちろん手足に鎖もついていない。
窓の向こうには青空が広がっていた。
「牢じゃ、ない……」
呟いたところで、静かに扉が開いた。
「お嬢様……?」
「お目覚めになったのですか!」
「ケイト……!」
「お嬢様、よかったです、本当に」
涙のにじむケイトに助けられて体を起こす。
「ここは?」
「クロード様のお屋敷です」
「クロード、様?」
ケイトは頷くと、私に水の入ったコップを差し出した。
「はい。クロード様が、今の雇い主です」
「……何があったの?」
今までのケイトではありえない言葉に、思わず耳を疑う。
「詳しいご説明は致しますが、出来るようでしたらまずはお食事を召し上がってください。ずっとまともなお食事を取られていなかったと伺っています」
「そう、ね。ケイトの言うとおりにするわ」
「では持って参りますね!」
ケイトは足早に部屋を出て行った。
しばらくまともな食事をできていなかったこともあり、出されたのはパンをミルクで柔らかく煮た物で、甘くて美味しかった。
その後、体調が良いならと入浴を勧められ、私は頷いた。
全身スッキリしてからケイトの話を聞く。
「お嬢様が騎士達に連れて行かれた後、どうしてもお嬢様を助けたかった私はクロード様の元に走りました。そこで、お嬢様を助けて頂くようお願いをしたのです」
「そんなことを……?」
貴族牢の中に居た時に会いに来てくれて、必ず助けると言ってくれたのは、ケイトの願いがあったからからなのだろうか。
気になるが、今はもっとケイトの話を聞きたい。
ケイトは、話を続ける。
「それからすぐに、ラバール侯爵家に最近雇われたばかりの侍女が、辞職した後バシュレ公爵家に再雇用されたということがわかりました。その侍女こそエリク様に毒を盛った犯人であり、背後にバシュレ公爵家が関係していたのです。私も怪しいとは思っていたのですが、その侍女が犯人であったとわかったのが、お嬢様がラバール侯爵家から除名されてしまった後だったため、私達があの場所からお救いする前に、お嬢様は元王太子に連れ去られてしまったのです」
「ケイトがクロード先生の元にいるのは?」
「お嬢様の除名に伴い、私も侯爵家より暇を言い渡されました。ですので、クロード様に雇っていただいております」
「そうだったの。ケイトにも、迷惑をかけてしまったのね」
「迷惑だなんてとんでもございません。私が、もっと早くに気がついていれば」
悔しそうに言うケイトに、私は首を振る。
「ケイトが動いてくれなければ、今ここに私はいないわ。ケイト、ありがとう」
「ジュリア様……勿体ないお言葉です」
話をしていると、控えめにノックの音が響いた。
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