陰キャの初恋愛(恋愛童貞卒業へ)

上村 春

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第5話 進展

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 僕は毎日、学校へ登校する時思っていた事がある。それは今日で人生が終わるかもしれないと思うことだ。1日1日を大切にしているように感じると思うがそうではない。なぜなら、人生が終わるのに対して別に構わないと思っていたからだ。僕は母が大好きであったため、自殺しようなどと早まった事を考えた事はないが。
 しかし今は違う。いつもより数倍に輝いて見える太陽。雨の日はどんよりした気分にならない。それに学校へ登校する時に思う事は隣の席のあの子であった。


 席替えの日から二週間が経過した。席替えをした日(初めて綾乃と話した日)僕は綾乃と、どういう会話をしていたのだろうか。僕はよくそう考える事がある。しかし、そう考えるだけで自分に対して恥ずかしくなってしまう。そして考えるのを止める。だから、その答えは未だに出ていないのだ。誰が教えてくれると助かるのだが。
 英語の授業が終わり、休み時間になった。僕と綾乃はここ最近では休み時間を一緒に過ごす。とても幸せな時間である。


「綾乃は好きな歌手いるの?」


「あいみょんとかback numberが好きかな」


「綾乃も失恋するんだね」


「そりゃーするでしょ?しないとでも思ってた
の?」


「うん、しないと思ってた」


「なんで?なんで?」


「え、いや、かわ」

 僕は言うのを止めた。本当は言いたいのにその言葉が喉につっかえてしまう。綾乃に気持ち悪いと思われたくないのである。

「そういう場面を見た事ないから、、」 


「なにその理由、ウケるんだけど」

会話は上手くできるが、まだ壁を感じる。本音で話す事ができていない。まるで仮面を被って騙しているように感じる。その壁がどれほど厚く、どれほど硬いのかわからないが、それを壊さなくては何も始まらない事は分かった。その方法は何も分からないが。


 自分が産まれた確率はこの世の数字では表す事ができないと本で読んだ事がある。そして、朝食でパンを食べるか、白米を食べるかで人生が変わるという事も聞いた事がある。そんな何気ない1つの出来事で人生が変わるというのである。僕はそんなことあり得ないと思っている。僕の考え方はこうだ、人生をどう歩んでいくのかは既に決まっている、それはまるで線路の上を走る電車のように。


 来週2泊3日の校外学習がある。場所は沖縄。今は新幹線の座席を決めている。


「綾乃席もう決まった?」


「、、、、」


「ん?どうした?」


「ねぇ、、私隣でもいい?」
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