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楽
しおりを挟む席替えしてから早三日。
佐々木くんは多分……コミュ障。まぁいわゆる
コミュニケーション障害ですよね。
他愛のない雑談とかが苦手な人ですよ。
私はこの三日、色々男友達に聞き出した。
もちろん、さっきーのことを。
分かった事が3つある。三日だけに三つ。
『人見知りでシャイ』
『女子が苦手め』
『本気で怒ると本当に怖い』
さっきーと仲がいい人。サッカー部に聞いた。
そう、さっきーはサッカー部なのです。
だからサッカー部の人に聞いた。
それと同じ小学校の人に。
実は私、蒼井侑花はさっきーと同じ小学校です。
なのにあんまり話した事がないなんておかしい
ですよね。私の親友にも言われました。
「蒼井?シャーペン落ちてたよ」
「えっ、あ、ありがと」
「うん」
最近さっきーが天使に見える気がする。
嫌々、気がするどころではないと思う。
女子が苦手なんだよね?何でそんなに優しいの?
あんまり笑わないけど、お礼を言う時や
本当に楽しい時、面白い時はすごく笑顔だ。
というかこの三日間、さっきーは可愛い。
変かもしれないけど本当に天然って可愛い。
「さっきー」
「何?」
「女子の事知ってる?」
「……あ、うん」
あれ?聞き方可笑しいかった?
……あ、女子の事知ってる?って可笑しいね。
知ってるに決まってるのに。私って馬鹿だ。
「ごめん。女子の好きな事とか!」
「あー… 知らないかも」
「でしょ!」
やっぱり。恋愛感情とかなさそうだし。
ていうかさっきーって初恋もまだらしいし。
あ、これはサッカー部、私の男友達でさっきーとも
仲のいい『浅倉 大翔』からの情報です。
ノリが良くて私は本当に大翔の事が好きです。
あ、けど恋愛感情はないから安心してください。
「俺そういうの知らなくて…」
「これが分かればさっきーもマスターだよ!!」
「……マスター?」
「そう。恋愛マスター?」
私はついつい言葉に出てしまった。
自分で言ってなんだが、……意味がわからない。
恋愛マスター?はい?意味不明ですよ。
私が恋愛マスターと言った時、さっきーは笑った。
「何それ、意味わかんないよ」
「! さっきー笑顔似合う!」
「え、あ、うん」
さっきーは困りながらも笑いながら返事してくれた。
やっぱりさっきーのコミュ障とか女子が苦手なのは
理由があるんだと思う。それに絶対治るよ。
病気じゃない限り治る。私がなんとかしたい。
「さっきー、女の子はね?」
「うん」
「……ムードを大切にしたい生き物なの」
「……え?」
私は何を言っているんだろうか。
ムードを大切にしたいとか好きな人がいたりするなら
皆そうなのに。私は今好きな人とかいないから。
今は良くわからないけど、ムードは大切にしたい。
ムードって、雰囲気とかだよね?ムードは命だよ。
嫌、何恋愛マスターみたいに語ってんだか。
「そうなの!?」
「そう。女の子はそういうものなの」
「そ、そっか。……それよりムードって?」
まさかのそっちに来たか。
ムードを知らない子がいるとは思わなかった。
雰囲気を盛り上げる、ムードを盛り上げるとか
良く言わない?言うよね?それでも中1男子なの?
信じられません。説明すればいいんだよね?
「例えば、彼氏と彼女が教室で二人きりだとする」
「うん」
「もしキスするなら、何が必要?」
「……分かんない」
でっすよねー。さっきーだもんね。
そう返答が来ると覚悟してたからなんてことない。
きちんと返事を考えているに決まってるだろう。
「そういう雰囲気でしょう!?」
「……あー! そういうことね」
「そう。それがムードなの。おっけー?」
「うん、分かった!」
何か純粋だなさっきー。
普通中1男子ってもっと、こう……ね?
“そういうこと”を考えるはずなのに。
まぁ、考えてないなんて言えないけれど……
さっきーもそういうの好きだったりするのかな。
けど男子だから当然か。普通なんだよね。
「忘れちゃダメだよ?」
「うん。忘れない」
「さっきーって恋愛感情ないの?」
「……うーん、さぁ?」
何そのさぁ?って、私に聞いてるの?
何で?さっきーって分からない事多くない?
けどさっきーって興味無いことすぐ忘れそう。
忘れないって言った割に忘れてたら……嫌だな。
ちゃんと覚えてて欲しい。どうしてだろう。
最近さっきーの事しかあんまり考えてない。
これって何だろ?分かるようで分からない。
私にも分からないことあるじゃないか。
「蒼井は?」
「えっ、あー……今はいないよ」
「前はいたの?」
「うん。ほら絢斗」
えっ!? と、さっきーは凄く驚いている。
え?まさか知らなかったりしたの?本当に?
結構噂になってたはずなのに。意外だなぁ。
さっきーってそういうのは友達とかに聞いてそう。
なのに案外……噂とかにも興味無いのかな。
けど興味無くても耳には入るはず……
「あー、その噂ね。俺噂ってあんまり信じないから」
「そうなの?…偉いね」
「本人の口から聞いて信じるか、それか」
それか?と私は聞いた。
そしたらさっきーはシャーペンを持って
ノートに何かを書き始めた。何だろうか。
まぁ今は授業中だから小声で話してたんだけど。
限界が来たんですかね。ノートに書き出した。
「ん。見て」
「何?」
そこにはこう書いてあった。
『俺が信用してる人から聞いたら信じるよ』
信用する人いたりするかな。私はその中に入って
いたりしているのかな。気になる。凄い気になる。
けどそんなはっきり聞けないし。違うって言われるの
本当に怖いし。うん。聞けないよね。
「私と似てる」
「そう?」
うん。これからもさっきーを知りたい。
なんでこんな事思ってるのかな。
……知ってるはずなのに知らないふりしてる。
認めたくないんだ。私こう見えてプライド高いから。
多分誰かに言われないと認めないと思う。
こう思うのは意地っ張りなのかプライド高いのか。
多分、どちらにも当てはまるんだと思う。
あー……この日常すごい楽しいな。
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