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幸
しおりを挟む初、俺目線。
嫌そんな事言ってる場合じゃないね。
蒼井が倒れた。最近話してなかったけど……
頑張り過ぎなんだよ。
実行委員に応援団、図書委員とか忙し過ぎでしょ。
マジで心配した。だって走った瞬間倒れたんだよ?
誰でも心配するでしょ。ちょっとは休めばいいのに。
とか言っても聞くような人じゃないけどね。
俺には無理しないでとか言うくせに……
他人より自分を心配してほしいよね、本当。
てか、今運んでるけど、…軽い。
蒼井自分で良く体重1tあるとか冗談よく言うし。
そんなに?ちょっとぽっちゃりなのかな?とか思ってた。
けど、今運んでみて分かる。めちゃくちゃ軽い。
前大翔とかも言ってたなぁ……おんぶした時意外と軽いって
意外とってなんだよ。とか思ったけどね。
俺は保健室に着いてドアを開けた。
もちろん先生は出張でいない。昨日から。
だから、保健委員の俺が見てあげないといけない。
今日放課後保健委員で仕事あるし。ちょうどいい。
蒼井を保健室のベッドに寝かせた。
体育着だから、スカートとか皺にならなくて済む。
上のジャージ着てないから体のラインが……
って、俺何かすごい変態みたいになってない?
「……ん」
「蒼井?暑いの?」
今は五月の半ばだからとても暑い。真夏のように。
体育着の半袖半ズボンでも汗が止まらない。
ここ、保健室は涼しいけれど。
もう五時間目も終わって放課後だから。
多分教室には誰もいない。蒼井の制服取りいこうかな。
ついでに俺も急いで着替えてこようかな。
「蒼井の制服取りに行ってくるから」
「ん……うん」
ちょっと不安そうにしてたな、蒼井。
すぐ着替えて戻って来ないと。
蒼井の制服を取りに行って俺も着替えた。
俺の予想通り教室には誰もいなかった。
他の皆は部活や帰宅。保健室には俺と蒼井だけ。
何か凄い気になる。俺部活大丈夫かな……
まぁ大丈夫か。今は蒼井の方が大切だし。
……蒼井がこんなに静かにしてるの初めて見た。
まぁ寝てるから当たり前か。……しかも何か可愛い。
女子の事可愛いって思ったの初めてだわ……
「蒼井、制服持って来たけど」
「んー着替える」
何かだるそう。そんなに疲れてたのかな。
てか倒れた時点でもう具合悪いのは確かだから。
蒼井はベッド周りのカーテンを閉めた。
もちろん、着替えるため。
俺も部活着に着替える。部活があるから。
けど、蒼井を一人で帰らせるのはちょっとな……
送ってく?でも断られたら何か恥ずかしい。
一人で帰れるし的な事言われたら俺落ち込むかも。
何か、私は起きたらさっきーがいて。
制服持って来てくれて、ベッドにいて。
何か色々してくれてて……本当に恥ずかしい。
私ってこういうのお礼しないと気が済まないタイプで。
挨拶とかされたら必ず返事し返さないとダメとか。
私には私の独特なルールがあるんです。
「何かお礼させて?」
「いや、いいよ」
「私が良くないの」
そう。私が良くない。だってそうでしょ。
運んでもらってもありがとうしか言えないなんて
私は絶対嫌。そんな人になりたくない。
ちゃんとお礼したいもん。それは誰でも同じ。
さっきーだけが特別って訳ではないよ。
まぁ、さっきーが特別じゃないって訳では無いけど。
この際本当にお礼がしたいだけなんだよね。
「そういえば蒼井って、高校どこいくの?」
「……いきなり?」
さっきーが私に高校どこ行くか聞いてきた。
まだ一年あるのに。まぁ私も考えてるけどね。
上沢高等学校。制服がめちゃくちゃ可愛いの。
けど、さっきーも行きたい高校があるんだよね。
桂木高等学校。偏差値が結構高めの頭良い高校です。
まぁ、さっきーなら行けるだろう。
私?一緒に行きたくないのかって?
そんなの行きたいに決まってんじゃん。
けど私は部活はいらなくてもいい学校がいいの。
桂木高等学校は部活が盛んで必ず何処かしらの部活には
入らないといけない。それが私は嫌。
私は部活を行かないでバイトをしたいんです。
なので、上沢高等学校。近いし偏差値も普通だから。
「上沢かな」
「……そっか。離れるんだ」
「うん、何で?」
そうだよ。元々高校生になったら皆離れるし。
私はさっきーと一緒に行きたいのになぁ。
だって、さっきーって絶対先輩とかにモテるタイプ。
可愛いとか騒がれたりしそうなタイプ。
だからそんな事を考える程本当に妬いてくる。
まだなってないのに、私のただの妄想なのに。
一緒に行きたいと思う程行きたくなるから考えない。
「寂しいなって」
「や、やだな~皆そうだよ?」
私はできるだけ笑顔を保ちながら言った。
だって、初めてなんだよ?
さっきーから寂しいとかそういうの聞くの。
トキメいた。けどみんなもそうだと思う。
私達って特別に何時でも会える関係とかじゃないし。
だから会いたいって言っても会えない。
多分お互いに忙しくなるかもだから。かもじゃないか。
あー、多分高校入った瞬間私さっきー不足で死ぬかも。
「私だって寂しいよ」
「うん」
「付き合ってないから、特別会えるって訳じゃないし」
私がそう言うと、さっきーは顔を歪ませた。
眉間にしわがちょっと寄ったのかな。
怒った?いや、さっきーがそんな些細な事で
怒ったりする子じゃない。そんなに心狭くないし。
さっきーはさっきーだもん。すごい優しいんだもん。
何だろう。この会話。両想いの人達みたいじゃない?
寂しいを言い合ってるって何かリア充っぽい!?
うわぁぁ。何かそう考えたらちょっと照れるな。
「私さっきーに似合う人になりたい」
「……もう十分だよ」
私にはそんな自覚ない。
だって、付き合えてないじゃん。
付き合えてないって事は不十分って事でしょ?
だから、今こんな関係なんじゃん。
ん?“こんな関係”って何?私何言ってんだろ。
自分で言っといて全然分かってないなんて。
こんな関係ね、こんな、こん……な…
ぎくしゃくで友達で止まってる関係ってことかな?
「不十分だよ、付き合えてないし」
「なら付き合う?」
はい?え?今なんて?何て言ったんですか?
さっきー?ねぇさっきー?今なんて言ったの?
なら付き合う?って何?何か凄い適当じゃない?
私の理想は、体育祭の後に告白される予定だったのに。
けど、これは告白じゃない。でもめちゃくちゃ嬉しい
これは私から告白していない。さっきーからでもない。
付き合う?って提案みたいだけど。
私にとってその言葉がどのくらい嬉しいか……
周りの人には分からないでしょうね。
さっきーが私の事好きじゃなくてもいいかもって
思ってしまう程嬉しくて、だからいいよねって
ここで付き合ったら何かが変わったりするのかな。
特別に会えるようになる?高校離れても好きでいれる?
……わかんないね。そんなの誰にもわからない。
「さっきーは、私の事好きなの?」
「蒼井の事?」
それ以外に誰がいるのと呆れながら言う私。
さて、ここでさっきーは何を答えるのでしょう。
何か私問題を出題しているみたいですね。
けど、問題じゃないんですよ、ガッカリしました?
すいません。けどさっきーの答えが気になる方は
この後の話を見てください。
「……好きじゃなきゃこういう事言わないんだよ」
「! ふふふ」
何その笑顔、変なのと言うさっきー。
私はニヤけが止まりません。とても嬉しいので。
これって、付き合ったんだよね?
え、これで付き合ってないってやばいよね?
これは……カップルって事でいいんですよね!?
「さっきー!」
「ん?」
私はさっきーによろしくお願いしますと叫んだ。
うるさいよ蒼井と笑顔になりながらも言ってくれた。
5月28日。私とさっきーのお付き合いスタートです!
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