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第弐拾八話
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村に連れて帰られて私は手足を拘束されて、村の外れの家の中に閉じ込められてしまった。
どれだけ叫んでも村の人は私を出してくれなかった。
暁光さんはどうなったんだろう、私はこれからどうなるんだろう。そんな事を考えて一日経つと、あの鴉さんが家の扉を開けて中に入って来た。
「こんにちは。」
「貴方は…………暁光さんは!?」
「やはりまだ妖術が解けていないみたいですね。」
周りに人がいるらしく、その人達に聞こえる様に結構大きな声でそう言ってきた。
「私はそんな事されてないです!!」
「早く解かないと大変な事になってしまいますよ、彼がね。」
「え?」
最後だけ、最後だけ私にだけ聞こえる様に小さな声でそう言った。今、彼が大変な事になるって、もしかして暁光さん?何で?どうして?
「彼は村の方々には厄神だと思われています。そして彼は私が捕縛しました。そんな彼に村の方々が手出しをしない訳がありません。」
「!!!」
もしかして、今暁光さんは……………
「止めてください!!!」
「えぇ分かりました。でしたら一緒におこしください。」
「え?」
私を拘束している縄を解いて、私の手を引いて立たせ、そのまま私を家の外に連れ出した。そんな私と鴉さんの後ろを村の人達も付いて来た。
村の人達の視線がまるで刺す様に痛い。どうして?私が一体何をしたんだろう、暁光さんが何をしたんだろう。
そんな事を考えていながら鴉さんに連れられて、暁光さんの家の近くにまで歩いて来た。
家の中にある柱に暁光さんが縛り付けてあって、体が傷だらけになっていた。
「暁光さん!?」
私が暁光さんの所へ走って行こうとすると、鴉さんに腕を掴まれた。
「これだけ弱っていれば、抵抗も何も出来ないでしょうね。」
「ひ、酷いです、どうしてこんな……………」
「彼が邪魔だからですよ。」
そんな理由で如何して暁光さんが……………
「つ、らら…………?」
「!!」
暁光さんは苦しそうにしながら顔を上げた。
「おま、え、だい、じょうぶ、か…………?」
「ぎょ、暁光さん……………」
如何して私の心配をするんですか?如何して、全部、全部私が悪いのに、全部私のせいなのに、何で暁光さんが私の心配をするんですか。
鴉さんは私の肩に手を置いて、そして私の手に何かを持たせてきた。其れはまだ火を点ける前の松明だった。
「え?これは、どう言う……………」
「さぁこの家に火を点けてください。」
「え!?」
そんなの嫌です。そんな事したら暁光さんが……………
私がその場を逃げ出そうとすると村の人達の中の一人が私の腕を掴んだ。
「離して!!」
「駄目ですよ、彼が死なないとこの村の災厄は終わりませんからね。」
嘘だ。
其れが嘘だって事は暁光さんから聞いている。例えそれを他の人に言ったら、きっと嘘だって言われるかもしれない。だけど行き倒れた私を助けてくれた、居なくなった私を本気で心配してくれた、そんな優しい人が嘘を吐く訳が無い。私の目を綺麗だって、そう言ってくれた。
だけど、この場に私達の味方をしてくれる人はいない。
縋る様な思いで私は暁光さんを見た。暁光さんはと言うと、笑っていた。
「……………え?」
「い、い………やれ……………」
「そんな、そんな事……………」
私は首を横に振った。そんな事したくない。そんな事、そんな恩を仇で返す様な事だけはしたくない。
「………お、まえ………なら………も、ん、くは…………無ェ………………」
私はボロボロと涙を流した。そんなの嫌。嫌だけど、皆私の思いを許してくれない。
「ごめんなさい、ごめんなさい………………」
「良い、って………………」
松明に火を点けられると私は泣きながら暁光さんにずっと謝った。
「つら、ら……………」
「な、何ですか?」
「守る、から…………何か、あった、ら……………お、れが、まも、る、から………や、くそく、す、る………から……………」
「う、うん!!」
火を点けると言うより松明をその場に落とした。そのまま自分も燃えて死んでしまえば良いかなってそう思った。だけど鴉さんはそれをさせてくれず、家の外に引っ張り出された。
「ヤダ!!暁光さん!!!暁光さぁああああん!!!」
どれだけ叫んでも村の人は私を出してくれなかった。
暁光さんはどうなったんだろう、私はこれからどうなるんだろう。そんな事を考えて一日経つと、あの鴉さんが家の扉を開けて中に入って来た。
「こんにちは。」
「貴方は…………暁光さんは!?」
「やはりまだ妖術が解けていないみたいですね。」
周りに人がいるらしく、その人達に聞こえる様に結構大きな声でそう言ってきた。
「私はそんな事されてないです!!」
「早く解かないと大変な事になってしまいますよ、彼がね。」
「え?」
最後だけ、最後だけ私にだけ聞こえる様に小さな声でそう言った。今、彼が大変な事になるって、もしかして暁光さん?何で?どうして?
「彼は村の方々には厄神だと思われています。そして彼は私が捕縛しました。そんな彼に村の方々が手出しをしない訳がありません。」
「!!!」
もしかして、今暁光さんは……………
「止めてください!!!」
「えぇ分かりました。でしたら一緒におこしください。」
「え?」
私を拘束している縄を解いて、私の手を引いて立たせ、そのまま私を家の外に連れ出した。そんな私と鴉さんの後ろを村の人達も付いて来た。
村の人達の視線がまるで刺す様に痛い。どうして?私が一体何をしたんだろう、暁光さんが何をしたんだろう。
そんな事を考えていながら鴉さんに連れられて、暁光さんの家の近くにまで歩いて来た。
家の中にある柱に暁光さんが縛り付けてあって、体が傷だらけになっていた。
「暁光さん!?」
私が暁光さんの所へ走って行こうとすると、鴉さんに腕を掴まれた。
「これだけ弱っていれば、抵抗も何も出来ないでしょうね。」
「ひ、酷いです、どうしてこんな……………」
「彼が邪魔だからですよ。」
そんな理由で如何して暁光さんが……………
「つ、らら…………?」
「!!」
暁光さんは苦しそうにしながら顔を上げた。
「おま、え、だい、じょうぶ、か…………?」
「ぎょ、暁光さん……………」
如何して私の心配をするんですか?如何して、全部、全部私が悪いのに、全部私のせいなのに、何で暁光さんが私の心配をするんですか。
鴉さんは私の肩に手を置いて、そして私の手に何かを持たせてきた。其れはまだ火を点ける前の松明だった。
「え?これは、どう言う……………」
「さぁこの家に火を点けてください。」
「え!?」
そんなの嫌です。そんな事したら暁光さんが……………
私がその場を逃げ出そうとすると村の人達の中の一人が私の腕を掴んだ。
「離して!!」
「駄目ですよ、彼が死なないとこの村の災厄は終わりませんからね。」
嘘だ。
其れが嘘だって事は暁光さんから聞いている。例えそれを他の人に言ったら、きっと嘘だって言われるかもしれない。だけど行き倒れた私を助けてくれた、居なくなった私を本気で心配してくれた、そんな優しい人が嘘を吐く訳が無い。私の目を綺麗だって、そう言ってくれた。
だけど、この場に私達の味方をしてくれる人はいない。
縋る様な思いで私は暁光さんを見た。暁光さんはと言うと、笑っていた。
「……………え?」
「い、い………やれ……………」
「そんな、そんな事……………」
私は首を横に振った。そんな事したくない。そんな事、そんな恩を仇で返す様な事だけはしたくない。
「………お、まえ………なら………も、ん、くは…………無ェ………………」
私はボロボロと涙を流した。そんなの嫌。嫌だけど、皆私の思いを許してくれない。
「ごめんなさい、ごめんなさい………………」
「良い、って………………」
松明に火を点けられると私は泣きながら暁光さんにずっと謝った。
「つら、ら……………」
「な、何ですか?」
「守る、から…………何か、あった、ら……………お、れが、まも、る、から………や、くそく、す、る………から……………」
「う、うん!!」
火を点けると言うより松明をその場に落とした。そのまま自分も燃えて死んでしまえば良いかなってそう思った。だけど鴉さんはそれをさせてくれず、家の外に引っ張り出された。
「ヤダ!!暁光さん!!!暁光さぁああああん!!!」
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