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第参拾四話
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全員、村の人達を含めた全員がその炎を見た。
炎が動くと、其れは翼の様ではなく本当の翼で、大きく羽ばたいて大きな炎の鳥が飛び立った。
「氷柱、神とは人の想い、願いから生まれておる。そしてその神の強さは人の想いの強さによって変わるのじゃ。」
其れが一体何の話なのか、正直あまり耳に入っていなかった。私は唯々、空を悠々と飛ぶその鳥に見惚れてしまっていた。
「綺麗……………」
「あぁ、皆が嫉妬する程の美しさであろうな。」
「あれは一体………………」
鴉さんは凄く驚いた様子で炎の鳥を見ていた。
村の人達は皆あの鳥が災厄の延長上の何かだと言っているけど、その鳥が一体何なのか、私にはもう分かっていた。
「暁光さん……………」
そう、あの鳥は暁光さん。
私は暁光さんが人じゃ無い時の姿は見た事が無かったけれど、でもすぐに暁光さんだって分かった。
鳥は私達のすぐ近くまで飛んで来て、そしてゆっくりと着地した。
「こんな何も無い村の守り神がそなたの様な者など、果たしてどれ程不釣り合いかと思っておったのじゃが……………そうか、そなたは氷柱の為におったのか。」
どんどんと鳥は小さくなっていき、そして最後には人の、暁光さんの姿になった。その体には傷は何処にも無かった。
「暁光さん!!」
「うぉ!!」
本当は飛び付きたかったけど、そもそも上手く立てないせいで盛大に転んだ。
「お前大丈夫かよ!?」
「大丈夫です、それより暁光さんは……………」
「見ての通り。」
「暁光!!あんさん何処行ってたんっすか!!」
「何でお前等まで此処に居るんだよ。」
「鳩が氷柱さんの場所を割り出してくれたんっすよ。ってそんな事はどうでも良いっす!!今まで何処で何してたっすか!!」
「大怪我負ってぶっ倒れてたんだよ。因みに氷柱が証人。」
此処で私の名前が出たせいで雀さんは私を見た。私はと言うと、取り合えず色々驚いていたので頷いておいた。
暁光さんに起こしてもらうと、今度こそ私は暁光さんに抱き付いた。
「暁光さんごめんなさい!!」
「……………何の事か聞くのは、少し後だな。」
そう言って私を抱えて飛び上がると、暁光さんがいた所にさっき私の脹脛を少し切った刃物が刺さっていた。
「あ?何であれ血付いてんだ?」
「あ、あれ私の血……………」
「あ!?」
あ、どうしよう、もしかしたら余計な事を言っちゃったかもしれない。だって暁光さん凄い顔してるんだもん。
着地すると暁光さんは私を降ろして地面に刺さっている刃物を引き抜き、そして鴉さんを見た。
「氷柱、一つ聞くぞ。」
「!!」
「この血、本当にお前のか?」
暁光さんこっち見ないけど、でも凄い顔してるんだろうな。だって鴉さんが凄く驚いた顔をして暁光さんを見てるから。
「氷柱!!」
「え!!あ、えっと、はい。」
私の返答に対して暁光さんは特に何か答える訳でも無く、唯刃物の柄を握りしめた。その瞬間刃物が燃えて跡形も残らなかった。
「よぉ鴉、手前ェ何氷柱に手ェ出してんだよ、あぁ!?」
そう言って暁光さんは鴉さんに飛び掛かった。
炎が動くと、其れは翼の様ではなく本当の翼で、大きく羽ばたいて大きな炎の鳥が飛び立った。
「氷柱、神とは人の想い、願いから生まれておる。そしてその神の強さは人の想いの強さによって変わるのじゃ。」
其れが一体何の話なのか、正直あまり耳に入っていなかった。私は唯々、空を悠々と飛ぶその鳥に見惚れてしまっていた。
「綺麗……………」
「あぁ、皆が嫉妬する程の美しさであろうな。」
「あれは一体………………」
鴉さんは凄く驚いた様子で炎の鳥を見ていた。
村の人達は皆あの鳥が災厄の延長上の何かだと言っているけど、その鳥が一体何なのか、私にはもう分かっていた。
「暁光さん……………」
そう、あの鳥は暁光さん。
私は暁光さんが人じゃ無い時の姿は見た事が無かったけれど、でもすぐに暁光さんだって分かった。
鳥は私達のすぐ近くまで飛んで来て、そしてゆっくりと着地した。
「こんな何も無い村の守り神がそなたの様な者など、果たしてどれ程不釣り合いかと思っておったのじゃが……………そうか、そなたは氷柱の為におったのか。」
どんどんと鳥は小さくなっていき、そして最後には人の、暁光さんの姿になった。その体には傷は何処にも無かった。
「暁光さん!!」
「うぉ!!」
本当は飛び付きたかったけど、そもそも上手く立てないせいで盛大に転んだ。
「お前大丈夫かよ!?」
「大丈夫です、それより暁光さんは……………」
「見ての通り。」
「暁光!!あんさん何処行ってたんっすか!!」
「何でお前等まで此処に居るんだよ。」
「鳩が氷柱さんの場所を割り出してくれたんっすよ。ってそんな事はどうでも良いっす!!今まで何処で何してたっすか!!」
「大怪我負ってぶっ倒れてたんだよ。因みに氷柱が証人。」
此処で私の名前が出たせいで雀さんは私を見た。私はと言うと、取り合えず色々驚いていたので頷いておいた。
暁光さんに起こしてもらうと、今度こそ私は暁光さんに抱き付いた。
「暁光さんごめんなさい!!」
「……………何の事か聞くのは、少し後だな。」
そう言って私を抱えて飛び上がると、暁光さんがいた所にさっき私の脹脛を少し切った刃物が刺さっていた。
「あ?何であれ血付いてんだ?」
「あ、あれ私の血……………」
「あ!?」
あ、どうしよう、もしかしたら余計な事を言っちゃったかもしれない。だって暁光さん凄い顔してるんだもん。
着地すると暁光さんは私を降ろして地面に刺さっている刃物を引き抜き、そして鴉さんを見た。
「氷柱、一つ聞くぞ。」
「!!」
「この血、本当にお前のか?」
暁光さんこっち見ないけど、でも凄い顔してるんだろうな。だって鴉さんが凄く驚いた顔をして暁光さんを見てるから。
「氷柱!!」
「え!!あ、えっと、はい。」
私の返答に対して暁光さんは特に何か答える訳でも無く、唯刃物の柄を握りしめた。その瞬間刃物が燃えて跡形も残らなかった。
「よぉ鴉、手前ェ何氷柱に手ェ出してんだよ、あぁ!?」
そう言って暁光さんは鴉さんに飛び掛かった。
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