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 アキちゃんに手を貸してもらって何とか立ち上がる。よろよろとしてまるで子鹿のようだ、と思う。上気した頬に舞う雪が当たって気持ちがいい。

 アキちゃんは「行くぞ。」と言ってそのまま私の手を引いていってくれた。嬉しい。

 何もないところで躓いてしまい、アキちゃんにぶつかる。
 アキちゃんはふふっと笑って、「秒でイクって噂は本当だったんだな。」と言う。
 そうだ、ナカに入っているモノの謳い文句だ……。
 確か買ったときにもPOPに書いてあった、気がする。

 何だか負けてしまった気がして、悔しくてうつむいたら、アキちゃんは「ほら、あと少し。」と言って手を引っ張ってくれた。


 何とかアキちゃんの車までたどり着き、そして座ることを躊躇する。
 前回バイブを挿れた時は、座ったら奥まで押し込まれてしまい大変な目にあった。
 そんな感じの理由でためらっていると、既に運転席に座ったアキちゃんから「メーイ?」なんて声がかかる。

 それでも怖いものは怖い。怖いが……。
 アキちゃんがポケットに手を入れておもむろにリモコンを取り出したのが見えてしまって、慌てて座る。
 座るよりもリモコンを持ったアキちゃんの方が怖い、と思う。

 思った通り、ぐっと押し込まれてしまって「んひゃあ……」と情けない声が出る。身体が跳ねる。

 そのタイミングで、ナカのバイブが振動を始める。吸う方じゃなかったことにまだ安心するが、それでもやっぱりビクッとしてしまう。
 車の中なのでもう恥も何もなくて……、声が出てしまう。

 「あっ、あっ、あっ、やぁっ……」
 私はバイブから与えられる甘い快楽に浸っていた。

 「メイ、シートベルトして。行くよ。」とアキちゃんが言う。
 蕩けた瞳でアキちゃんの方を見ると、既にハンドルを握っていた。

 「やぁっ……無理っ……」と言いながらも身体を捻ってシートベルトを取る。
 身体を捻ったときにまた体勢が変わり、さっきとは違うところを擦られて「んんっ……」と声が出てしまう。

 何とかシートベルトを引っ張り出し、はめようとするがうまくはまらない。身体が震えてしまっているせいでもあるし、手に力が入らないせいでもある。

 アキちゃんはため息をついて、手をまたポケットに入れる。
 「ごめんなさいっ……」と焦って言うが、アキちゃんは聞いてくれない。
 焦ったところでシートベルトははまらない。カチャカチャ……とただただ音が鳴る。

 ヴーンとナカに挿れているモノの音が強くなり、それに合わせて振動も一段階強くなる。
 私はシートベルトを握りしめてビクビクすることしかできなくなる。

 半分涙目でアキちゃんを見ると、「あれ、違ったかな……」なんて言いながらまたボタンを押す。
 今度はクリの方に振動がきた。玩具に吸われてしまっている振動だ。
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