19 / 23
19
しおりを挟む
アキちゃんが足湯に入ってまったりしている。
私はタイツを履いてきてしまったため、入れないまま隣で待っている。
「宿、どこ?」とアキちゃんに聞いたら意外にもすぐに教えてくれた。
スマホで調べてみる。湯畑からは遠いが、車で来ているし、問題ない。貸し切り露天風呂を売りにしており、色々な種類があるようだ。部屋も結構綺麗だ。
「さて、行くか。」とアキちゃんはザバッと立ち上がり、ハンドタオルで足を拭く。
どうやら温まって元気も出たようだ。
わくわくして「そろそろチェックイン?」と聞いたら、
「ちょっと行きたいとこある。」とのこと。
アキちゃんについていく。来た道を戻り、駐車場も通り過ぎていく。
行き先がなんとなく分かったので聞いてみる。
「西の河原?この時間に?」と聞くと、
「うん。一回行ってみたかった。」とのこと。
既に陽は傾いている。一時に比べたら太陽が出ている時間は長くなったが、それでもまだ陽は短い。
このまま行ったら夜になるんじゃないか、と思って私はぶるっと身を震わせた。
まだ明るいうちに、と思って河原ではしゃぐ。
ここは湯が流れて川となっており、あちこちからもくもくと煙が上がっている。
河原の方の雪は溶けており、その温かさが分かる。
何回来ても楽しい、と思う。
圧倒的に帰っていく人の方が多い気がするが、それでも西に沈む夕陽を正面から見られるこの景色は綺麗だ。
途中の小高い場所に神社があったので立ち寄る。
いくつもの鳥居をくぐりながら、雪で滑らないように階段を上り、ぱんぱんと手を合わせる。
アキちゃんも隣でそうしている。
「何お願いしたの?」と聞かれて、
「えと、普通に『お邪魔します。』って感じかなぁ。氏神様の土地に来ている訳でしょ。」と言うと、アキちゃんは意外そうに目を細めた。
アキちゃんにも同じことを聞くと、
「まぁ交通安全とかそんなところ。」との素っ気ない答えが返ってきて、アキちゃんらしいな、と思って少し笑った。
そんな会話をしていると、アキちゃんの目的地だったであろう西の河原露天風呂に到着する。
看板から存在はなんとなく知っていたが、ここまで来たことはない。
しかも夕暮れ時とあって、良い感じの雰囲気だ。
番台をしているお爺さんに、二人分の入浴料とタオル、そして湯あみ着の料金を支払う。どうやら男性だけ無料レンタルらしい。
湯あみ着って何だろう、着て入るのかなーなんて思っていると、今の時間は混浴で、浴槽内に出入り口があり、女性浴場から男性浴場に行ける。との説明を受ける。
混浴とか、そんなの聞いていない――。と思ってアキちゃんの方を見ると、ニヤニヤと楽しそうだ。
「それじゃ、待ってるから。」とアキちゃんは言い残して、すたすたと男湯に歩いて行ってしまった。
私はタイツを履いてきてしまったため、入れないまま隣で待っている。
「宿、どこ?」とアキちゃんに聞いたら意外にもすぐに教えてくれた。
スマホで調べてみる。湯畑からは遠いが、車で来ているし、問題ない。貸し切り露天風呂を売りにしており、色々な種類があるようだ。部屋も結構綺麗だ。
「さて、行くか。」とアキちゃんはザバッと立ち上がり、ハンドタオルで足を拭く。
どうやら温まって元気も出たようだ。
わくわくして「そろそろチェックイン?」と聞いたら、
「ちょっと行きたいとこある。」とのこと。
アキちゃんについていく。来た道を戻り、駐車場も通り過ぎていく。
行き先がなんとなく分かったので聞いてみる。
「西の河原?この時間に?」と聞くと、
「うん。一回行ってみたかった。」とのこと。
既に陽は傾いている。一時に比べたら太陽が出ている時間は長くなったが、それでもまだ陽は短い。
このまま行ったら夜になるんじゃないか、と思って私はぶるっと身を震わせた。
まだ明るいうちに、と思って河原ではしゃぐ。
ここは湯が流れて川となっており、あちこちからもくもくと煙が上がっている。
河原の方の雪は溶けており、その温かさが分かる。
何回来ても楽しい、と思う。
圧倒的に帰っていく人の方が多い気がするが、それでも西に沈む夕陽を正面から見られるこの景色は綺麗だ。
途中の小高い場所に神社があったので立ち寄る。
いくつもの鳥居をくぐりながら、雪で滑らないように階段を上り、ぱんぱんと手を合わせる。
アキちゃんも隣でそうしている。
「何お願いしたの?」と聞かれて、
「えと、普通に『お邪魔します。』って感じかなぁ。氏神様の土地に来ている訳でしょ。」と言うと、アキちゃんは意外そうに目を細めた。
アキちゃんにも同じことを聞くと、
「まぁ交通安全とかそんなところ。」との素っ気ない答えが返ってきて、アキちゃんらしいな、と思って少し笑った。
そんな会話をしていると、アキちゃんの目的地だったであろう西の河原露天風呂に到着する。
看板から存在はなんとなく知っていたが、ここまで来たことはない。
しかも夕暮れ時とあって、良い感じの雰囲気だ。
番台をしているお爺さんに、二人分の入浴料とタオル、そして湯あみ着の料金を支払う。どうやら男性だけ無料レンタルらしい。
湯あみ着って何だろう、着て入るのかなーなんて思っていると、今の時間は混浴で、浴槽内に出入り口があり、女性浴場から男性浴場に行ける。との説明を受ける。
混浴とか、そんなの聞いていない――。と思ってアキちゃんの方を見ると、ニヤニヤと楽しそうだ。
「それじゃ、待ってるから。」とアキちゃんは言い残して、すたすたと男湯に歩いて行ってしまった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
39
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる