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1章:異世界転生とゴブリンの群れ
20:ゴブリンキング
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目の前にいるのは俺の身の丈以上の大剣をもった、ゴブリンの王様だった。
「さーて楽しみはこれからだぜ」
ゴブリンキングはその大きな大剣を振り下ろす。俺は横に大きく跳びそれを回避する。
図体のわりに結構早い。地面に大剣が触れると、大きな音と共に土煙が上がる。大きな音に反応した、何人かの冒険者がゴブリンキングを見ると驚き離れて行く。
「ゴブリンキングだ!!」
「ギルマスを呼べ!!」
などと言っている。そいつらが走っていく方向を見ると、遠くの方に元炎帝ことヘイル・バーナーがいた。俺が見ているのに気付いたのか、頷く。それはまるで「君の実力を見せてもらう」とでも言っているようだ。
「まぁ、言われなくてもやるけどな!」
再び大剣を構えたでゴブリンキングは今度は剣を横に薙いでくる。それを真上に飛び体を反転、大剣の腹に左手を置きかわす。
(エル、ゴブリンキングの解析と一応ティナの位置の把握を、もし何かあったら、ティナを優先する)
《了解です。ますたー》
(ムラクモ、あの大剣受け止めても大丈夫そうか?)
〝よゆう、でもあんまり痛いのは、ヤ〟
なら、受け止めはせず最低受け流しだな。
ここは幸い木が少ない、ちょっとした広場みたいな感じだ、だから刀のままでも充分戦える。
考えていると取り巻きが突っ込んでくる。幸い、上位種はいない。
『闇よ、汝我が敵を貫く槍と化せ。黒槍』
突っ込んできたのは5匹、それに対して生成する槍は6本、5本をそれぞれ雑魚向ける。槍はゴブリンをたやすく貫いた。もう一本はゴブリンキングに向かって放つが、槍を手でつかむと粉々に砕いてしまう。
「チッ」
《解析完了、ゴブリンキングはランクB相当のモンスターです。ですが今は状態異常で狂乱状態になっています。強さ的にはAと扱ってもいいでしょう。まぁ知能は低下していますが、弱点は火です。》
俺が舌打ちすると同時に、エルがゴブリンキングを解析し終わったみたいだ。
火属性か、まぁ、試しに。
『祖は炎、汝は我が敵を燃やす火球なり、ファイアボール』
さっきの戦闘より魔力を込めたせいか、また一回り。大きくなっていた。
ファイアボールがゴブリンキングに向かって飛んでいくが、それは大剣によって防がれてしまう。
合成魔法は消費魔力が多い、だが使った方が楽そうだ。
『祖は対なり、闇は炎をも食らう、炎は闇をも取り込む、汝、黒き炎となりわが手に力を!』
普通はここで魔法名を唱えることで完成する。だが今回は応用だ!
ここで詠唱を終わらせずに続きを唱える。
『黒炎よ、纏え汝は蛇なり、その黒き焔を持って舞え!』
同時に二つのスキルを使用。これは、炎の魔法剣を作り出すときの詠唱を合成魔法用にアレンジしたものだ。
そして最後の一文を唱える。
『纏え! 黒炎』
手に生成された黒い炎は蛇の形になりムラクモに纏わりつく。
スキルと詠唱はいろいろ応用が利きそうだな。だが合成魔法に加えて、魔法剣も併用して使っている。俺の魔力がどんだけあるが知らんが、今のところは大丈夫だが、まぁ、早めに倒すことにしよう。
とりあえず取り巻きのゴブリンジェネラルから片付けよう。
『黒飛炎』
俺の言葉と共にムラクモから放たれる、黒い炎の斬撃がゴブリンジェネラルに当たる、剣で防いだのだろうがその剣をも燃やし尽くし、肉体も跡形もなく燃やした。
ちょっと強く魔力を込め過ぎた。消費量がやばそうだ、まぁ解離魂である程度は戻ってくるけど。
「貫き穿てムラクモ」
黒炎を纏ったムラクモの刀身がもう一匹のゴブリンジェネラルを貫いた。
遠くからだが俺の戦闘を見た、冒険者たちは。
「あいつ何者だ」
とか
「伯爵の推薦ってことも頷ける」
とか
「あの剣なんだよ……黒い炎纏ってんぞ」
とか
「ギルマスが助けに入らないのはこういう理由なのか」
とかいろいろ言っている。
ちらっと見えたティナは怪我をした冒険者を直しながらこっちを見て笑った。その笑顔に少し見惚れてしまったのは内緒だ。
そうやってよそ見をしていると、いつの間にか目の前にゴブリンキングが迫ってきていた。ムラクモを構えなおして、迎え撃つ。
最初と同じ上からの振り下ろし、なぜ狂乱状態化は知らないが、ワンパターンすぎるな。知能が下がってるんだっけ?
俺は振り下ろされる大剣を今度は避けるでも、受け止めるでもなく、剣を切りに行く。
大剣は黒炎を纏ったムラクモに触れると、触れた箇所から溶けていき、やがて真っ二つに折れてしまった。
その勢いに仰け反った、そのすきを見逃すことなく追撃。飛び上がり、首を願って刀を横に薙ぐ、それは邪魔されることなく、ムラクモはゴブリンキングの首を、意図も簡単に切り落としてしまった。
ゴブリンキングの最後は意外とあっけなく終わってしまった。
魔法剣を解いて、ムラクモについた血を払う、そしてムラクモを鞘に納める。
すると周りから歓声の声が広がる、それはそうだ。ボスともいえるゴブリンキングを倒したのだから。
だが俺は聞き逃さなかった、この大きな歓声に紛れた咆哮を……
「さーて楽しみはこれからだぜ」
ゴブリンキングはその大きな大剣を振り下ろす。俺は横に大きく跳びそれを回避する。
図体のわりに結構早い。地面に大剣が触れると、大きな音と共に土煙が上がる。大きな音に反応した、何人かの冒険者がゴブリンキングを見ると驚き離れて行く。
「ゴブリンキングだ!!」
「ギルマスを呼べ!!」
などと言っている。そいつらが走っていく方向を見ると、遠くの方に元炎帝ことヘイル・バーナーがいた。俺が見ているのに気付いたのか、頷く。それはまるで「君の実力を見せてもらう」とでも言っているようだ。
「まぁ、言われなくてもやるけどな!」
再び大剣を構えたでゴブリンキングは今度は剣を横に薙いでくる。それを真上に飛び体を反転、大剣の腹に左手を置きかわす。
(エル、ゴブリンキングの解析と一応ティナの位置の把握を、もし何かあったら、ティナを優先する)
《了解です。ますたー》
(ムラクモ、あの大剣受け止めても大丈夫そうか?)
〝よゆう、でもあんまり痛いのは、ヤ〟
なら、受け止めはせず最低受け流しだな。
ここは幸い木が少ない、ちょっとした広場みたいな感じだ、だから刀のままでも充分戦える。
考えていると取り巻きが突っ込んでくる。幸い、上位種はいない。
『闇よ、汝我が敵を貫く槍と化せ。黒槍』
突っ込んできたのは5匹、それに対して生成する槍は6本、5本をそれぞれ雑魚向ける。槍はゴブリンをたやすく貫いた。もう一本はゴブリンキングに向かって放つが、槍を手でつかむと粉々に砕いてしまう。
「チッ」
《解析完了、ゴブリンキングはランクB相当のモンスターです。ですが今は状態異常で狂乱状態になっています。強さ的にはAと扱ってもいいでしょう。まぁ知能は低下していますが、弱点は火です。》
俺が舌打ちすると同時に、エルがゴブリンキングを解析し終わったみたいだ。
火属性か、まぁ、試しに。
『祖は炎、汝は我が敵を燃やす火球なり、ファイアボール』
さっきの戦闘より魔力を込めたせいか、また一回り。大きくなっていた。
ファイアボールがゴブリンキングに向かって飛んでいくが、それは大剣によって防がれてしまう。
合成魔法は消費魔力が多い、だが使った方が楽そうだ。
『祖は対なり、闇は炎をも食らう、炎は闇をも取り込む、汝、黒き炎となりわが手に力を!』
普通はここで魔法名を唱えることで完成する。だが今回は応用だ!
ここで詠唱を終わらせずに続きを唱える。
『黒炎よ、纏え汝は蛇なり、その黒き焔を持って舞え!』
同時に二つのスキルを使用。これは、炎の魔法剣を作り出すときの詠唱を合成魔法用にアレンジしたものだ。
そして最後の一文を唱える。
『纏え! 黒炎』
手に生成された黒い炎は蛇の形になりムラクモに纏わりつく。
スキルと詠唱はいろいろ応用が利きそうだな。だが合成魔法に加えて、魔法剣も併用して使っている。俺の魔力がどんだけあるが知らんが、今のところは大丈夫だが、まぁ、早めに倒すことにしよう。
とりあえず取り巻きのゴブリンジェネラルから片付けよう。
『黒飛炎』
俺の言葉と共にムラクモから放たれる、黒い炎の斬撃がゴブリンジェネラルに当たる、剣で防いだのだろうがその剣をも燃やし尽くし、肉体も跡形もなく燃やした。
ちょっと強く魔力を込め過ぎた。消費量がやばそうだ、まぁ解離魂である程度は戻ってくるけど。
「貫き穿てムラクモ」
黒炎を纏ったムラクモの刀身がもう一匹のゴブリンジェネラルを貫いた。
遠くからだが俺の戦闘を見た、冒険者たちは。
「あいつ何者だ」
とか
「伯爵の推薦ってことも頷ける」
とか
「あの剣なんだよ……黒い炎纏ってんぞ」
とか
「ギルマスが助けに入らないのはこういう理由なのか」
とかいろいろ言っている。
ちらっと見えたティナは怪我をした冒険者を直しながらこっちを見て笑った。その笑顔に少し見惚れてしまったのは内緒だ。
そうやってよそ見をしていると、いつの間にか目の前にゴブリンキングが迫ってきていた。ムラクモを構えなおして、迎え撃つ。
最初と同じ上からの振り下ろし、なぜ狂乱状態化は知らないが、ワンパターンすぎるな。知能が下がってるんだっけ?
俺は振り下ろされる大剣を今度は避けるでも、受け止めるでもなく、剣を切りに行く。
大剣は黒炎を纏ったムラクモに触れると、触れた箇所から溶けていき、やがて真っ二つに折れてしまった。
その勢いに仰け反った、そのすきを見逃すことなく追撃。飛び上がり、首を願って刀を横に薙ぐ、それは邪魔されることなく、ムラクモはゴブリンキングの首を、意図も簡単に切り落としてしまった。
ゴブリンキングの最後は意外とあっけなく終わってしまった。
魔法剣を解いて、ムラクモについた血を払う、そしてムラクモを鞘に納める。
すると周りから歓声の声が広がる、それはそうだ。ボスともいえるゴブリンキングを倒したのだから。
だが俺は聞き逃さなかった、この大きな歓声に紛れた咆哮を……
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