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二章 忍び寄る影
episode22 恐喝とかいてお願いと読む
しおりを挟む「ただいま戻りました!」
パタパタと小さな足音が聞こえたかと思うと、3人が待機する自室に、五分もせずに白雪がひょっこりと顔を出した。
「…おかえり。で、許可は…」
「はい!それはもう私のお願いに、快く、二つ返事で許可を出してくれました!」
やりきった~と言う顔をする白雪がくいっとかいてない汗を拭うふりをする。動作は可愛いが、純血の死神鎌がしっかりと握られ、その白い刃先は赤く染まっている。
じーっと、レオンがそこに注目していることに気づいて、サッと亜空間にしまう。
「へぇ…。お願いね、恐喝の間違いじゃ…。いや、それは置いといて。さっきの、血だよね…?」
「いえ、ケチャップです!」
満面の笑みで答える白雪。
「いや、違うよね?!そんな誤魔化しきかないからね?!やっぱり、リーリア王国の現国王が白雪ちゃんのこと積極的に隠したの知ってるよね?!根に持ってるね!絶対!!」
「い~え~?ちょっとだけ、いえ、ほんの少し、ものすごく微量は気にしてますけど、そんなにしつこい性格じゃないですよー!」
「すごい根に持ってるってことは分かったよ!!」
ニコニコといい笑顔で語る彼女に、はぁ、と頭を抱えるレオン。
本来、リーリア王国の現国王であるルイゼン王は、各国でも恐れられる程の政治の手腕と、威厳を兼ね備えた男で、大国であるリーリア王国が他国に攻めいられずに平和であるのは殆どがルイゼンのおかげである。
しかし、彼はかなりの頑固者で、自分で決めたことは絶対に覆さない自己中心的な面もあり、白雪がただ頼んだだけではひと蹴りしていただろう。自国で客として扱われている白雪が何か問題を起こせば、未知なアストレア王国ではなく、リーリア王国にとばっちりが来るのは目に見えている。
と、自分が白雪を隠したことは棚において、白雪に迷惑をかけられるのを嫌がった王は、白雪のお願いを拒否しようとした。
が、白雪の恐喝(お願い)の前には無力だった。
「一応聞くけど、殺してはいないよね?五体満足?」
「はい、それはもう、私の治癒魔法で元気ハツラツですね!持病の癪まで治ったと、それはもう悔しそうな顔でお礼まで言われましたねぇ~」
その時のルイゼン王の顔を思い出しているのか、スッキリした顔でニヤニヤしている。
「まぁ、死んでないならひとまず良いかな~。じゃあ、続き話し合おうか。……僕としては、却下されて欲しかったんだけど」
父親に対してあまりにも淡白だが、元より、魔物だと白雪を軽率に扱っていた父親に、いい感情を抱いていなかったし、下の弟達とは違い、自分より手柄を立てた英雄のレオンに対してよく思っていなかったルイゼン王はレオンを放任していたので自業自得と言うやつだろう。
「そうですね!」
「じゃあまず、あっちに着くまでに学園への入学の手配は済ませておくよ。リーリア王国の遠縁の伯爵家って事にしとくからね。本当はもっと上の階級が良いんだけど、これ以上となると家が少なくなるからバレかねない」
「了解です。名前はどうしますか?」
「名前は……。うん、アリス・スノウホワイトってのはどう?」
「いいですね!アリスはアストレアからで、スノウホワイトは白雪からとったんですね!安直です!!」
ぱぁぁと顔をほころばせる白雪。
「あ、安直は褒め言葉じゃないんだよ…?」
ちょっとショックを受けた顔でヨロつくレオン。ちなみに、この世界での言語はゼルス語が共通言語となっており、スノウや、ホワイトなどはサンセ語と言い、知ってるものは貴族など高位の者に限られるが、一部は庶民も使うことがある。また、他にもエルフ族が使うことのあるシスン語などもあるが、人間が使うことは滅多にない。
「では、私早速行ってまいります!」
「えっ!早くない?!」
「おいおい、いくらなんでも早すぎねぇか?!」
「もうちょっとゆっくりしていこうね?」
では、と敬礼のポーズをして出ていこうとする白雪を3人で慌てて引き止める。
「まだ一番大事なことがあるんだよ!はいっ、白雪ちゃん、これ制服。それとこれは、顔の認識阻害の眼鏡だよ。この眼鏡をかければ、普通の顔になるから、白雪ちゃんだってバレない!こっちは目と髪色を変えるチョーカー。どっちもエルド作のスグレモノだよ!」
「へぇ~!」
レオンの説明を聞いて、楽しそうに目をキラキラさせる白雪は、早速渡された眼鏡をかけ、チョーカーもつけてみる。その途端、透けるような銀髪は黒髪に、顔は元の顔に比べればかなり地味だが、周りの女子に比べれば可愛い程度の顔になり、目も黒いろになった。また、チョーカーの効果なのか、胸も縮んでBあるかないかくらいの貧乳になっている。
「え!胸がなくなった?!凄い!見た目だけじゃなくて、ちゃんと縮んでる…!」
驚きと感動が入り交じった目で胸をペタリと触る。軽くなったー!と言いながらその場で飛び跳ねている。
「おう。眼鏡を取ったらちゃんと戻るから安心しろ。だが、眼鏡を取ったら目と髪の色以外全部戻るからな。気をつけろよ。
……予定では普通な顔になるはずだったんだがな。元が良すぎたか?白ではこの項目の実験は出来ないな」
新作品の実験結果(白雪でお試しをしてみた)を手持ちのメモ帳に書き込むと、ちらりと白雪を見たあと、注意するエルド。その後ボソボソと顎に手を当てて思案している。既に自分の世界に入ってしまっていた。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
こんばんは!アリスです!
今回は更新が遅れてすみませんでした💧
次回からも不定期になるかもしれませんが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。
今回の話で、白雪ちゃんをアリスにしたのは別に自分がアリスだからじゃないです(アリスという名前が好きなだけです 笑)
それと、お気に入り登録350も!ありがとうございます(*^^*)
学校が始まって小説を書く時間がなくなるので、投稿できない日もあると思いますが、なるべく投稿できるように頑張ります!
ではでは、これからも白雪ちゃん共々よろしくお願いしますm(_ _)m
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