歪んだ愛に笑う

レイティア

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クロの涙

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あぁ、うざい

イレーネ・ロメネスト

公爵令嬢であり、最近俺に付き纏う鬱陶しい女だ

その上クロにまで色目を使いやがって、潰すぞ⁈

「ロデリック様、聴いてます?」
「ええ、もちろんですよ」ニコッ
「ふふ、それでですね…」

あぁ、うるせぇ

つか名前呼ぶ事許してねぇけど?

どんな教育受けてんだよ⁈

放課後、クロとの時間を潰されヤサグレていた

1日2日ならまだ我慢できただろう

だが既に1週間になる

1分1秒でも長くクロを甘やかして、自分なしで生きられないようにしたいのに

2時間も毎日毎日拘束され、ストレスがたまっていた

しかも、何度も婚約を匂わせるロメネスト公爵令嬢をニコニコとしながらかわす

だからテメェと婚約なんてしねぇっつってんだろ‼︎

ウゼェ‼︎俺の嫁はクロだけだ‼︎‼︎



やっと解放されたのは随分ってからだ

部屋に戻りクロの入れたジャスミンティーを飲む

はぁ、クロの入れるジャスミンティーはうまいな

精神的に疲れ、さっさと夕食をたべ、風呂に入って眠った

本当はクロを乱れさせたかったが、精神的に疲れすぎていたのだ



「ロデリック様…」

小さく掠れた声

間違うはずのないクロの声

目を開くと、予想通りクロがいた

だがその瞳からは止めどなく滴が流れ落ちていた

「クロ、どうしたんだ⁈」

慌てて身をお越し泪を拭おうとすると、クロに押し倒され、再び背がベッドへと落とされる

苦し気に歪む顔

「クロ…?」

いつものクロとは違うことに戸惑いながらも心配気に問いかけるよう名を呼ぶ

一度目を伏せたクロは…俺にキスをした

まるで猫が甘えるように俺の唇を舐める舌を迎え入れ、舌を絡める

「ふ、ん…ふぁ…んん…」

力の抜けたクロの右手を恋人のように絡む、右手はクロの頬を撫で泪を拭う

唇を離すと、普段の無表情を蕩けさせたクロ

だがその瞳からは未だに涙がこぼれ落ちている

「ロデリック、様…僕を…抱いて、ください…
他は、何も望みません…だから…」

もたれるようにしていた体を起こし、悲し気に笑い腹に左手を添え言った

「僕を…孕ませてください」
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