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第13話 どーん! なのです
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とりあえず、座ったままで奇妙にくねりっぱなしのサレッタは一時無視をする。
「さっきもちらっと言ったが、俺たちがいるのはランゼルト王国内だ。この町は王国の中で最も栄えてると言われる町ネリュージュだ」
「ねりゅーじゅ?」
「そうだ。王様がいる城のある王都レズエドの方が人口は多いが、活気はネリュージュが上だ。理由は王都が格式を大事にする場所だからだな。それでも貴族や騎士団がいるため、人の数でいえば向こうが多くなるってわけだ。もっともネリュージュは常に外から商売などをしに来る人間が多いから、住民に限らなければこっちの方が数は多くなるかもしれないけどな」
「ふうん……なのです」
そうは言っても、ナナはたいして興味がなさそうだった。
いや。興味がないというよりも眠そうに見える。あまり話を長くするとかわいそうなので、大事そうな場所だけを選んで教える。
「ランゼルト王国は大陸のど真ん中に存在する。かつて魔物に侵攻された際は、中心となって戦ったそうだ。王国の北には辺境都市国家があり、南には帝国がある。西には大きな森が広がり、越えた先には獣人たちの住む地があると言われている」
焚火が消えないように小枝を追加する。パチリと音が鳴り、火の粉が舞った。
「西は未開の土地だけに、情報が少ないのが実情だ。東には商人たちの町がある。王国と帝国、どちらの資本も入ってるので、中立地帯とされてる。そこの港は、大陸で最高の設備だとも言われてる。噂では、海の向こうの別大陸を探そうともしてるらしいな」
カイルの知っている情報を簡潔にわかりやすく伝えたつもりだったが、ナナは眠気をこらえられなかったらしい。焚き火の明かりに頬を照らされながら、サレッタへよりかかるようにして、心地よさそうな寝息を立てている。
「娘をこんな簡単に寝かしつけるなんて、カイルってばいいおとーさんになるわね。そして私はおかーさん。うふ、うふふ」
「おい、サレッタ。何を不気味に笑ってるのか知らないが、俺たちも眠ろうぜ。明日は冒険者ギルドで盗賊どもの賞金を受け取ったら、使ったポーションの補充もしないとな」
「なっ――!? ね、寝るって何を言ってるの!? 側にはナナちゃんもいるのよ!? でも……ああっ! 私には拒否しきれない。カイルはズルい。卑怯者だわ!」
「……お前、本当に大丈夫か? 同じテントで寝るなんて、今までもあったろうが。訳のわからないこと言ってないで、ナナを連れてテントに入れよ」
焚き火の後処理をきちんと終え、カイルはテントの中へ移動しようとする。その頃には、だいぶサレッタも落ち着きを取り戻していた。自分の頭を軽く小突いているのが気になるところだが、きっと錯乱した自分を恥じているのだろうと、勝手にカイルは推測した。
真ん中にしたナナの右側にカイル、左側にサレッタという配置で眠りにつく。まさしく川の字だ。
疲れていたせいもあり、カイルはすぐに眠気に襲われて瞼を閉じた。
※
「どーん! なのです」
威勢のいい声が耳に飛び込んできたと思ったら、カイルの腹部に強烈な衝撃が発生した。
何事かと閉じられていた目を開くと同時に、腹部の様子を確認する。
得意満面の笑みを浮かべたナナが、当たり前のように座っていた。
「一体……何だ……」
カイルは軽く咳き込み、擦れた声で尋ねる。質問先は、他人の腹部を椅子代わりに使用しているナナだ。
「おかーさんが、人間の起こし方を教えてくれたのです。ナナはどらごんなのです。これくらいは造作もないのです」
頭が混乱するカイルが周囲に視線を飛ばす。ナナの斜め後ろでお腹を抱えて笑うサレッタがいた。どうやら彼女の差し金らしい。
普段からサレッタの方が朝は早い。本人曰く、故郷で早朝から農作業をさせられていた時の習慣みたいなものだそうだ。
「あのな、ナナ。サレッタが何を言ったかは知らないが、それは人間の世界で一般的な起こし方じゃない。むしろ、怒られるぞ」
「嘘なのです。おかーさんは正しいのです。実際にカイルも起きたのです」
「……そりゃ、起きるだろ」
「ぐごー、なのです」
「いや、訳がわからねえよ」
苦笑しつつも、両手でナナを横にどかす。上半身を起こし、サレッタに声をかける。
「お前を盲目的に信じてるみたいだから、変なことを教えるなよ」
「変なことじゃないわ。眠ってる人を確実に起こせる方法よ。それにナナちゃんの目覚ましが嫌なら、カイルも早起きすればいいのよ」
「早起きって、そんなに寝過ごしたのか?」
這うようにしてテントから顔を出すと、空が白くなり始めた頃だった。これ以上早く起きても、冒険者ギルドも開いていない。
「お前らも起きたばかりだろ。朝からはしゃぎすぎだ」
カイルのぼやきに、ナナがにこやかに応じる。
「昨日、からかわれたお礼なのです!」
「……マジか。そりゃ、何も言えないな」
また苦笑いを浮かべ、カイルは立ち上がる。
冒険者ギルドは朝早くから夜遅くまで開いている。さすがに一日中ではないが、それでもかなりの時間利用できる。
大きな町以外に冒険者ギルドはないため、近隣の村落からわざわざやってくる依頼者もいる。そうした人たちを待たせないようにという配慮らしい。
もうひとつは、依頼内容によってはほぼ一日中冒険者は活動するからだ。依頼の報告が遅れた結果、事態が急変してもマズい。
冒険者もなかなかに大変だが、冒険者ギルドで働くのもなかなか大変で、大抵は元冒険者が、引退時などに誘われて就職するケースがほとんどだった。
老若男女問わず、なろうとも思えば誰でも冒険者にはなれる。その代わり、すべてが自己責任。冒険に憧れて依頼を受けた結果、命を落としたとしてもだ。
一攫千金の可能性もあるが、簡単に命も失う。それが冒険者だった。
一時期は冒険者の数が膨大に増えていたみたいだが、今では徐々に落ち着きつつある。冒険者になったところで、依頼をこなせなければ収入はない。数が多ければ、依頼は奪い合いになることも珍しくはない。
仕事にあぶれた結果、飢え死になんて事態になったら笑えない。そうやって離脱していく者が大半だ。
冒険者で金を稼げなければあとがないと思っていたカイルは、受けた依頼には必死で食らいついた。身の丈に合った依頼を選び、これというものがなければギルドで出している魔物の討伐依頼を引き受ける。
ナナと出会う前に、サレッタと行っていたのもこの種の依頼だ。もちろん、勝ち目のない強敵に挑むような自殺行為はしない。
これまではなんとか日銭を稼ぎつつ、冒険者をやってこられた。有名になりたいよりも、毎日お腹いっぱいご飯を食べる生活がしたいだけのカイルは現実に満足していた。幼馴染でチームを組んでいるサレッタも。
「さて。準備をしたら、冒険者ギルドに行くか。賞金を受け取って、どっかで朝飯でも食おうぜ」
カイルの言葉に、サレッタとナナが頷く。
「ご飯……楽しみなのです」
涎を垂らしそうになっているナナが、瞳を輝かせる。
昨夜は食後にナナと出会った。そのため空腹ではなかったが、一方のナナはどうだったのか。確認しておけばよかったと思うも、すぐにカイルは撤回する。
ナナとの騒動で文無しになっていたのだ。お腹が空いたと言われても、与えられる食事は携帯食も含めてひとつもなかった。
回復用のポーションも全部使ってしまった。そうしたアイテムの調達も必要だ。
「よし、急いでギルドへ向かおう」
テントを片づけ、サレッタがリュックの中にしまう。あと何回かは利用できそうだ。
町の出入口に立っている衛兵に挨拶をして、三人で町の大通りにある冒険者ギルドへ向かう。
表通りと呼ばれる町の中心には、数々の店が建ち並ぶ。武器屋や道具屋、教会もある。大きな町だけに品揃えも豊富だ。その分、結構な値段もする。
宿屋もあるが、昨夜にカイルたちが利用していたのとは比べものにならないほど豪華だ。貴族や超一流の冒険者たちが泊まるような宿で、今のところはまるで縁のない場所だ。
この宿屋を超一流とするなら、他は一流の宿が数件ある。少し離れたところに二流。郊外に近いところに三流。裏通りに四流といった感じである。
ちなみにカイルたちが昨夜利用し、ナナが破壊した宿は郊外の近くにある。分類するなら三流に当たる。設備も含めて良い宿とはいえないが、値段が安い。
四流になると、宿代よりも別の問題が発生する。盗賊やごろつきなど、世間一般でいうところの悪の者達が利用する機会が圧倒的に多いからだ。そんなところにまともな人間が泊まった日には、身ぐるみを剥がされて終わりである。
賑やかな大通りで、感嘆の声を上げっぱなしのナナがはしゃぎまわる。夜とは違い、利用者で賑わっているのも珍しいようだ。
「大通りの先には露店が並ぶ通りもあるのよ。あとで一緒に行こうね」
「うん、なのですっ!」
手を繋いで歩くサレッタとナナは、本当に仲の良い母娘みたいだった。人で賑わう町だからか、着ぐるみ姿もあまり好奇な視線では見られない。見かけた子供が、親に欲しいとねだる声はたまに聞こえたりするが。
ナナも連れてギルドへ入る。冒険者でなければ入れないという規定はない。
石で造られたギルドはかなりの広さがある。一階建てで、入口から真正面に歩いた先に受付のカウンターがある。そこには若い男性と女性、合計二名が冒険者や依頼人の相手をするために座っていた。
受付へ向かう途中の左側は壁になるが、右側には多数のテーブルと椅子が置かれている。依頼を引き受けてくれる冒険者を待つ依頼人。打ち合わせ中の冒険者チーム。単純に雑談で暇潰しをしている冒険者たち。数多くの人間が利用中の憩いのスペースともいうべき場所だ。
そこには大きな掲示板があり、依頼内容の書かれた紙がたくさん貼られていた。
「さっきもちらっと言ったが、俺たちがいるのはランゼルト王国内だ。この町は王国の中で最も栄えてると言われる町ネリュージュだ」
「ねりゅーじゅ?」
「そうだ。王様がいる城のある王都レズエドの方が人口は多いが、活気はネリュージュが上だ。理由は王都が格式を大事にする場所だからだな。それでも貴族や騎士団がいるため、人の数でいえば向こうが多くなるってわけだ。もっともネリュージュは常に外から商売などをしに来る人間が多いから、住民に限らなければこっちの方が数は多くなるかもしれないけどな」
「ふうん……なのです」
そうは言っても、ナナはたいして興味がなさそうだった。
いや。興味がないというよりも眠そうに見える。あまり話を長くするとかわいそうなので、大事そうな場所だけを選んで教える。
「ランゼルト王国は大陸のど真ん中に存在する。かつて魔物に侵攻された際は、中心となって戦ったそうだ。王国の北には辺境都市国家があり、南には帝国がある。西には大きな森が広がり、越えた先には獣人たちの住む地があると言われている」
焚火が消えないように小枝を追加する。パチリと音が鳴り、火の粉が舞った。
「西は未開の土地だけに、情報が少ないのが実情だ。東には商人たちの町がある。王国と帝国、どちらの資本も入ってるので、中立地帯とされてる。そこの港は、大陸で最高の設備だとも言われてる。噂では、海の向こうの別大陸を探そうともしてるらしいな」
カイルの知っている情報を簡潔にわかりやすく伝えたつもりだったが、ナナは眠気をこらえられなかったらしい。焚き火の明かりに頬を照らされながら、サレッタへよりかかるようにして、心地よさそうな寝息を立てている。
「娘をこんな簡単に寝かしつけるなんて、カイルってばいいおとーさんになるわね。そして私はおかーさん。うふ、うふふ」
「おい、サレッタ。何を不気味に笑ってるのか知らないが、俺たちも眠ろうぜ。明日は冒険者ギルドで盗賊どもの賞金を受け取ったら、使ったポーションの補充もしないとな」
「なっ――!? ね、寝るって何を言ってるの!? 側にはナナちゃんもいるのよ!? でも……ああっ! 私には拒否しきれない。カイルはズルい。卑怯者だわ!」
「……お前、本当に大丈夫か? 同じテントで寝るなんて、今までもあったろうが。訳のわからないこと言ってないで、ナナを連れてテントに入れよ」
焚き火の後処理をきちんと終え、カイルはテントの中へ移動しようとする。その頃には、だいぶサレッタも落ち着きを取り戻していた。自分の頭を軽く小突いているのが気になるところだが、きっと錯乱した自分を恥じているのだろうと、勝手にカイルは推測した。
真ん中にしたナナの右側にカイル、左側にサレッタという配置で眠りにつく。まさしく川の字だ。
疲れていたせいもあり、カイルはすぐに眠気に襲われて瞼を閉じた。
※
「どーん! なのです」
威勢のいい声が耳に飛び込んできたと思ったら、カイルの腹部に強烈な衝撃が発生した。
何事かと閉じられていた目を開くと同時に、腹部の様子を確認する。
得意満面の笑みを浮かべたナナが、当たり前のように座っていた。
「一体……何だ……」
カイルは軽く咳き込み、擦れた声で尋ねる。質問先は、他人の腹部を椅子代わりに使用しているナナだ。
「おかーさんが、人間の起こし方を教えてくれたのです。ナナはどらごんなのです。これくらいは造作もないのです」
頭が混乱するカイルが周囲に視線を飛ばす。ナナの斜め後ろでお腹を抱えて笑うサレッタがいた。どうやら彼女の差し金らしい。
普段からサレッタの方が朝は早い。本人曰く、故郷で早朝から農作業をさせられていた時の習慣みたいなものだそうだ。
「あのな、ナナ。サレッタが何を言ったかは知らないが、それは人間の世界で一般的な起こし方じゃない。むしろ、怒られるぞ」
「嘘なのです。おかーさんは正しいのです。実際にカイルも起きたのです」
「……そりゃ、起きるだろ」
「ぐごー、なのです」
「いや、訳がわからねえよ」
苦笑しつつも、両手でナナを横にどかす。上半身を起こし、サレッタに声をかける。
「お前を盲目的に信じてるみたいだから、変なことを教えるなよ」
「変なことじゃないわ。眠ってる人を確実に起こせる方法よ。それにナナちゃんの目覚ましが嫌なら、カイルも早起きすればいいのよ」
「早起きって、そんなに寝過ごしたのか?」
這うようにしてテントから顔を出すと、空が白くなり始めた頃だった。これ以上早く起きても、冒険者ギルドも開いていない。
「お前らも起きたばかりだろ。朝からはしゃぎすぎだ」
カイルのぼやきに、ナナがにこやかに応じる。
「昨日、からかわれたお礼なのです!」
「……マジか。そりゃ、何も言えないな」
また苦笑いを浮かべ、カイルは立ち上がる。
冒険者ギルドは朝早くから夜遅くまで開いている。さすがに一日中ではないが、それでもかなりの時間利用できる。
大きな町以外に冒険者ギルドはないため、近隣の村落からわざわざやってくる依頼者もいる。そうした人たちを待たせないようにという配慮らしい。
もうひとつは、依頼内容によってはほぼ一日中冒険者は活動するからだ。依頼の報告が遅れた結果、事態が急変してもマズい。
冒険者もなかなかに大変だが、冒険者ギルドで働くのもなかなか大変で、大抵は元冒険者が、引退時などに誘われて就職するケースがほとんどだった。
老若男女問わず、なろうとも思えば誰でも冒険者にはなれる。その代わり、すべてが自己責任。冒険に憧れて依頼を受けた結果、命を落としたとしてもだ。
一攫千金の可能性もあるが、簡単に命も失う。それが冒険者だった。
一時期は冒険者の数が膨大に増えていたみたいだが、今では徐々に落ち着きつつある。冒険者になったところで、依頼をこなせなければ収入はない。数が多ければ、依頼は奪い合いになることも珍しくはない。
仕事にあぶれた結果、飢え死になんて事態になったら笑えない。そうやって離脱していく者が大半だ。
冒険者で金を稼げなければあとがないと思っていたカイルは、受けた依頼には必死で食らいついた。身の丈に合った依頼を選び、これというものがなければギルドで出している魔物の討伐依頼を引き受ける。
ナナと出会う前に、サレッタと行っていたのもこの種の依頼だ。もちろん、勝ち目のない強敵に挑むような自殺行為はしない。
これまではなんとか日銭を稼ぎつつ、冒険者をやってこられた。有名になりたいよりも、毎日お腹いっぱいご飯を食べる生活がしたいだけのカイルは現実に満足していた。幼馴染でチームを組んでいるサレッタも。
「さて。準備をしたら、冒険者ギルドに行くか。賞金を受け取って、どっかで朝飯でも食おうぜ」
カイルの言葉に、サレッタとナナが頷く。
「ご飯……楽しみなのです」
涎を垂らしそうになっているナナが、瞳を輝かせる。
昨夜は食後にナナと出会った。そのため空腹ではなかったが、一方のナナはどうだったのか。確認しておけばよかったと思うも、すぐにカイルは撤回する。
ナナとの騒動で文無しになっていたのだ。お腹が空いたと言われても、与えられる食事は携帯食も含めてひとつもなかった。
回復用のポーションも全部使ってしまった。そうしたアイテムの調達も必要だ。
「よし、急いでギルドへ向かおう」
テントを片づけ、サレッタがリュックの中にしまう。あと何回かは利用できそうだ。
町の出入口に立っている衛兵に挨拶をして、三人で町の大通りにある冒険者ギルドへ向かう。
表通りと呼ばれる町の中心には、数々の店が建ち並ぶ。武器屋や道具屋、教会もある。大きな町だけに品揃えも豊富だ。その分、結構な値段もする。
宿屋もあるが、昨夜にカイルたちが利用していたのとは比べものにならないほど豪華だ。貴族や超一流の冒険者たちが泊まるような宿で、今のところはまるで縁のない場所だ。
この宿屋を超一流とするなら、他は一流の宿が数件ある。少し離れたところに二流。郊外に近いところに三流。裏通りに四流といった感じである。
ちなみにカイルたちが昨夜利用し、ナナが破壊した宿は郊外の近くにある。分類するなら三流に当たる。設備も含めて良い宿とはいえないが、値段が安い。
四流になると、宿代よりも別の問題が発生する。盗賊やごろつきなど、世間一般でいうところの悪の者達が利用する機会が圧倒的に多いからだ。そんなところにまともな人間が泊まった日には、身ぐるみを剥がされて終わりである。
賑やかな大通りで、感嘆の声を上げっぱなしのナナがはしゃぎまわる。夜とは違い、利用者で賑わっているのも珍しいようだ。
「大通りの先には露店が並ぶ通りもあるのよ。あとで一緒に行こうね」
「うん、なのですっ!」
手を繋いで歩くサレッタとナナは、本当に仲の良い母娘みたいだった。人で賑わう町だからか、着ぐるみ姿もあまり好奇な視線では見られない。見かけた子供が、親に欲しいとねだる声はたまに聞こえたりするが。
ナナも連れてギルドへ入る。冒険者でなければ入れないという規定はない。
石で造られたギルドはかなりの広さがある。一階建てで、入口から真正面に歩いた先に受付のカウンターがある。そこには若い男性と女性、合計二名が冒険者や依頼人の相手をするために座っていた。
受付へ向かう途中の左側は壁になるが、右側には多数のテーブルと椅子が置かれている。依頼を引き受けてくれる冒険者を待つ依頼人。打ち合わせ中の冒険者チーム。単純に雑談で暇潰しをしている冒険者たち。数多くの人間が利用中の憩いのスペースともいうべき場所だ。
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