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家族の新生活編
春道と秋のマラソン大会
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町の色が緑から赤に代わり、日差しに汗ばむこともなくなった。
吹く風に混じって香る自然のフレグランスが、鼻腔にまで届く。
幸いにして花粉症の人間も身の回りにいないため、短い秋の1日を春道は心静かに楽しむつもりだった。
愛妻の和葉が日々の運動の成果を皆に見せましょうと、久方ぶりに開催される市役所主催のマラソン大会にエントリーされるまでは。
昔なら仕事が忙しくてなどと断れたが、哀しいかな現在はさほどでもない。
好景気なのは大企業ばかりで、フリーでプログラマーをしている春道には関係なかった。
それでも長女の経営するムーンリーフが好景気なのもあり、大学生となった次女の仕送りを援助してくれているので、普通に生活できている。
何よりやりくり上手な和葉の存在が大きい。昔に比べて春道の年収は100万近く下がり、現在は350~400万といったところだ。
これでも専属で仕事を貰っているので、フリーになった当初からすればかなりの高収入だし、同種の知人と比べても割と恵まれている方だったりする。
上を見れば最盛期の春道並みに貰っている人もいるし、さらに上位では年収1000万を超える猛者もいる。
もっともそうした人間は、フリーのエンジニア全体の僅か数パーセント程度しかいないだろうが。
兎にも角にも年収は落ちたけれど、生活に困るほどではなく、その分だけ家族に使える時間が増えた。
そんな風に喜んでいた矢先の試練に、春道の肩は落ちっぱなしだ。
「春道さん、今日は頑張りましょう!」
ランニングスカートの下にレギンスを履いた和葉が、薄手のパーカーの帽子を背中でぽんぽん弾ませながら目の前までやってきた。
普段なら、安全ピンでつけたゼッケンを誇示するように張られた胸に視線を吸い寄せられるところだが、生憎と今の春道にそんな余裕は皆無だ。
「怪我しないようにするよ」
「そんな調子でどうするの。ムーンリーフも協賛企業なんだから、関係者として意地を見せないと」
普段、商工会議所から援助されているムーンリーフは好景気なのもあって、こうしたイベント事では頼られやすい。
財務を預かる好美は付き合いも投資の一つとあまり出し惜しみせず協力するので、こうした大会での昼食にはムーンリーフにも注文が入るという結果にも繋がっている。
「意地を見せるのは実希子ちゃんに任せればいいだろ」
「呼んだっスか?」
店の宣伝のためと好美に厳命され、マラソンをするというのにムーンリーフの制服を着ている実希子もやってきた。
どのような服装であろうとハンデ足りえない運動神経を誇るだけに、関係者の間でも優勝候補と噂されている。
「春道さんが自信ないみたいなのよ」
「楽しんで走ればいいっスよ。小学生とかも参加してるし」
自由参加の大人たちとは違い、学生は健康に町を愛してもらうという建前と、参加者増やして大会盛り上げたいという本音で、市から各学校にお願いという名の召集令状が届けられた。
学生時代にソフトボール部に所属していた柚も、引率役で参加予定だった。
よほど慕われているのか、彼女の周りには大勢の児童がいる。
「誰を見て……って柚っスか。お、不倫相手が近づいていくっスね」
「不倫相手!?」
驚きすぎた和葉が声を裏返らせた。真面目で一途な性格だけに、浮気などの行為が許せないというより信じられないのだ。
「柚ちゃんは独身だから、あの男性教師が既婚者なのね」
「ハハッ、違うっスよ」
申し訳なさそうに笑う実希子が、友人たちがからかい半分に不倫だと騒いでいるだけだと教えてくれた。
当人にそのつもりはなく、以前にアプローチをかけられた時もきっぱりと断ったらしい。
「それを聞いて安心したわ」
「でも相手は本気らしくて、現在、絶賛離婚協議中らしいっスよ」
「絶賛って……」
頬をヒクつかせる和葉と違って、あまり悲観的にならない実希子は友人の境遇でさえ面白がっているみたいだった。
とはいえ葉月の周りでも特に友人思いの女性なので、本当に柚が窮地になれば色々と世話を焼くはずである。
この間も虐め問題やらがあった時、彼女が裏で懸命に走り回っていたのを春道も葉月から聞いて知っていた。
「元々、相手の奥さんが浮気性だったらしいっス。つっても都会からこんな田舎に赴任してきて、遊び相手もいないんだから、暇な主婦が出会い系に走るのもわからなくはないっスけどね」
「実希子ちゃんからそんな話が聞けるなんて……私も年を取るはずだわ」
「ハッハッハ、和葉ママは全然若いっスよ。うちの母さんに比べたら――」
「実希子ちゃん、あそこで鬼の形相になってるのは、そのお母さんじゃないか?」
春道が顎で示した方を見た瞬間、実希子は「げっ」と顔を歪めた。
基本的に声が大きい女性なので、和葉とのやり取りが聞こえてしまったのだろう。
「い、今のは違うんだって!」
慌てて弁解に走った実希子を夫婦揃って笑いながら見送ったあと、春道はふと漏らしてしまう。
「不倫か……」
「へえ、興味がおありなのですか、そうですか」
「ないっ! 断じてないからその笑顔をやめてくれ!」
「ではどうして先ほどの呟きに繋がったのか、詳細な理由をお聞かせ願えるでしょうか」
「怖いって! っていうか、うちには縁がないから、そんな世界もあるんだなって思っただけだよ。俺は今でも和葉を愛してるし、信じているからな」
「ふう……今回はそれで納得してあげるわ。この歳で拗ねても、もう可愛くないでしょうしね」
寂しげに笑う愛妻に、春道は真面目な顔つきで、
「和葉は今でも可愛いぞ」
と教えたら、顔を真っ赤にした妻に軽く足を踏まれてしまった。
どうやら二人きりの時に言って欲しかったらしい。
*
市内にある緑地公園も使ってのマラソンルートは一般が10キロメートル。小中学生が5キロメートルとなっていて、どちらも男女合同参加になる。
総合と性別で順位が決められ、一般の成績優秀者には商店街で使える商品券が、学生の成績優秀者には図書券が賞品として進呈される。
部活に入っている生徒はコーチからの激が飛んでいるのか気合は凄まじく、スタートするなりロケットのごとき勢いで飛び出していった。
途中棄権も可能で、久しぶりの市の催し物ということもあって、参加者は多い。
春道のそのうちの一人なのだが、張り切るというよりは日頃の運動のつもりで走っていた。
ペースを守り、えっちらおっちら走る。
息が弾み、流れる景色を堪能する余裕も無くなる。
そのうちに一人、また一人と参加者を置き去りにしていく。最初は和葉も一緒に走っていたが、生来の運動神経の差か、徐々に距離が離れる。
「私は大丈夫だから、先に行って」
「しかし……」
「春道さんは一緒に走りたいんだろうけど、私は愛する旦那様の恰好いい姿が見たいの。葉月も撮影してくれてるしね」
協賛企業の中でもっともお金を出したらしく、葉月は小学生の部で優秀な成績を収めた児童に賞品を渡すプレゼンター役にもなっていた。
中学や高校では市会議員など、大会のために尽力したり、ゲストとして招いた人間が表彰する。
ゴール前で陣取り中の葉月は春道愛用のビデオカメラで撮影すると、昨日から張り切っていたのである。
「わかったよ。こうなったら全力でやってやる」
*
所詮は市が開催する小さなマラソン大会でしかないので、一般で参加するのは関係者が多い。
そこに普段運動していた効果も加わり、春道は8位入賞を果たした。
ふらふらになってゴール地点の市営の陸上競技場に座り込んでいると、ムーンリーフの制服姿の葉月が様子を見に来た。
「パパ、恰好よかったよ」
受け取った水を胃袋に流し込み、一息つこうとするも、さすがに10キロメートルは中年男性には過酷だった。
言葉もなく「ハアハア」と息を切らすだけの春道の隣に腰を下ろすと、葉月は改めてビデオカメラを構える。
そうしてしばらくすると、和葉もなんとかゴールした。
一般女性の中では上位だが、入賞には僅かに届かなかった。
その頃には春道の体力も少しだが回復しており、葉月にしてもらったように愛妻へペットボトルの水を手渡す。
和葉の息が多少なりとも落ち着くのを待ってから、春道は入賞できたのを報告する。
「さすが春道さんね」
「鬼コーチのおかげだよ」
「聞かなかったことにするわ」
囁き合うように言って、クスクスしていたら、心配そうな葉月がやってきた。
「実希子ちゃんがまだゴールしてないんだ。ママ、途中で見なかった?」
これには首を左右に振った和葉だけでなく、春道も驚いた。
体力自慢の実希子であれば、笑いながら男女総合一位でゴールするとばかり思っていた。
「あっ、来た!」
ホッとした様子で言う葉月の視線の先で、トレードマークのポニーテールを揺らしながら実希子がゴールした。
「実希子ちゃん、大丈夫?」
「え? ああ……途中でなんか調子悪くなってな。朝、変なもんでも食ったかな」
実希子自体も原因がよくわかっていないようで首を傾げていた。
とりあえず体調には問題なさそうで、春道を含めた面々は胸を撫で下ろした。
*
表彰式では総合と各部門で3位までの入賞者の表彰が行われた。
葉月も緊張の面持ちながら役目をきっちり果たし、柚の教え子だという男児に賞状と賞品を手渡していた。
その男児は得意げに友人にピースし、その隣にいた真面目そうな女児に露骨に恰好をつけていた。
「今日は本当にお疲れ様でした」
「和葉もな」
労ってくれた愛妻の肩を叩くと、満面の笑みが返ってきた。
その夜は高木家で早速葉月が撮影した映像が披露され、春道がゴールするシーンでは誰よりも和葉が興奮していた。
吹く風に混じって香る自然のフレグランスが、鼻腔にまで届く。
幸いにして花粉症の人間も身の回りにいないため、短い秋の1日を春道は心静かに楽しむつもりだった。
愛妻の和葉が日々の運動の成果を皆に見せましょうと、久方ぶりに開催される市役所主催のマラソン大会にエントリーされるまでは。
昔なら仕事が忙しくてなどと断れたが、哀しいかな現在はさほどでもない。
好景気なのは大企業ばかりで、フリーでプログラマーをしている春道には関係なかった。
それでも長女の経営するムーンリーフが好景気なのもあり、大学生となった次女の仕送りを援助してくれているので、普通に生活できている。
何よりやりくり上手な和葉の存在が大きい。昔に比べて春道の年収は100万近く下がり、現在は350~400万といったところだ。
これでも専属で仕事を貰っているので、フリーになった当初からすればかなりの高収入だし、同種の知人と比べても割と恵まれている方だったりする。
上を見れば最盛期の春道並みに貰っている人もいるし、さらに上位では年収1000万を超える猛者もいる。
もっともそうした人間は、フリーのエンジニア全体の僅か数パーセント程度しかいないだろうが。
兎にも角にも年収は落ちたけれど、生活に困るほどではなく、その分だけ家族に使える時間が増えた。
そんな風に喜んでいた矢先の試練に、春道の肩は落ちっぱなしだ。
「春道さん、今日は頑張りましょう!」
ランニングスカートの下にレギンスを履いた和葉が、薄手のパーカーの帽子を背中でぽんぽん弾ませながら目の前までやってきた。
普段なら、安全ピンでつけたゼッケンを誇示するように張られた胸に視線を吸い寄せられるところだが、生憎と今の春道にそんな余裕は皆無だ。
「怪我しないようにするよ」
「そんな調子でどうするの。ムーンリーフも協賛企業なんだから、関係者として意地を見せないと」
普段、商工会議所から援助されているムーンリーフは好景気なのもあって、こうしたイベント事では頼られやすい。
財務を預かる好美は付き合いも投資の一つとあまり出し惜しみせず協力するので、こうした大会での昼食にはムーンリーフにも注文が入るという結果にも繋がっている。
「意地を見せるのは実希子ちゃんに任せればいいだろ」
「呼んだっスか?」
店の宣伝のためと好美に厳命され、マラソンをするというのにムーンリーフの制服を着ている実希子もやってきた。
どのような服装であろうとハンデ足りえない運動神経を誇るだけに、関係者の間でも優勝候補と噂されている。
「春道さんが自信ないみたいなのよ」
「楽しんで走ればいいっスよ。小学生とかも参加してるし」
自由参加の大人たちとは違い、学生は健康に町を愛してもらうという建前と、参加者増やして大会盛り上げたいという本音で、市から各学校にお願いという名の召集令状が届けられた。
学生時代にソフトボール部に所属していた柚も、引率役で参加予定だった。
よほど慕われているのか、彼女の周りには大勢の児童がいる。
「誰を見て……って柚っスか。お、不倫相手が近づいていくっスね」
「不倫相手!?」
驚きすぎた和葉が声を裏返らせた。真面目で一途な性格だけに、浮気などの行為が許せないというより信じられないのだ。
「柚ちゃんは独身だから、あの男性教師が既婚者なのね」
「ハハッ、違うっスよ」
申し訳なさそうに笑う実希子が、友人たちがからかい半分に不倫だと騒いでいるだけだと教えてくれた。
当人にそのつもりはなく、以前にアプローチをかけられた時もきっぱりと断ったらしい。
「それを聞いて安心したわ」
「でも相手は本気らしくて、現在、絶賛離婚協議中らしいっスよ」
「絶賛って……」
頬をヒクつかせる和葉と違って、あまり悲観的にならない実希子は友人の境遇でさえ面白がっているみたいだった。
とはいえ葉月の周りでも特に友人思いの女性なので、本当に柚が窮地になれば色々と世話を焼くはずである。
この間も虐め問題やらがあった時、彼女が裏で懸命に走り回っていたのを春道も葉月から聞いて知っていた。
「元々、相手の奥さんが浮気性だったらしいっス。つっても都会からこんな田舎に赴任してきて、遊び相手もいないんだから、暇な主婦が出会い系に走るのもわからなくはないっスけどね」
「実希子ちゃんからそんな話が聞けるなんて……私も年を取るはずだわ」
「ハッハッハ、和葉ママは全然若いっスよ。うちの母さんに比べたら――」
「実希子ちゃん、あそこで鬼の形相になってるのは、そのお母さんじゃないか?」
春道が顎で示した方を見た瞬間、実希子は「げっ」と顔を歪めた。
基本的に声が大きい女性なので、和葉とのやり取りが聞こえてしまったのだろう。
「い、今のは違うんだって!」
慌てて弁解に走った実希子を夫婦揃って笑いながら見送ったあと、春道はふと漏らしてしまう。
「不倫か……」
「へえ、興味がおありなのですか、そうですか」
「ないっ! 断じてないからその笑顔をやめてくれ!」
「ではどうして先ほどの呟きに繋がったのか、詳細な理由をお聞かせ願えるでしょうか」
「怖いって! っていうか、うちには縁がないから、そんな世界もあるんだなって思っただけだよ。俺は今でも和葉を愛してるし、信じているからな」
「ふう……今回はそれで納得してあげるわ。この歳で拗ねても、もう可愛くないでしょうしね」
寂しげに笑う愛妻に、春道は真面目な顔つきで、
「和葉は今でも可愛いぞ」
と教えたら、顔を真っ赤にした妻に軽く足を踏まれてしまった。
どうやら二人きりの時に言って欲しかったらしい。
*
市内にある緑地公園も使ってのマラソンルートは一般が10キロメートル。小中学生が5キロメートルとなっていて、どちらも男女合同参加になる。
総合と性別で順位が決められ、一般の成績優秀者には商店街で使える商品券が、学生の成績優秀者には図書券が賞品として進呈される。
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途中棄権も可能で、久しぶりの市の催し物ということもあって、参加者は多い。
春道のそのうちの一人なのだが、張り切るというよりは日頃の運動のつもりで走っていた。
ペースを守り、えっちらおっちら走る。
息が弾み、流れる景色を堪能する余裕も無くなる。
そのうちに一人、また一人と参加者を置き去りにしていく。最初は和葉も一緒に走っていたが、生来の運動神経の差か、徐々に距離が離れる。
「私は大丈夫だから、先に行って」
「しかし……」
「春道さんは一緒に走りたいんだろうけど、私は愛する旦那様の恰好いい姿が見たいの。葉月も撮影してくれてるしね」
協賛企業の中でもっともお金を出したらしく、葉月は小学生の部で優秀な成績を収めた児童に賞品を渡すプレゼンター役にもなっていた。
中学や高校では市会議員など、大会のために尽力したり、ゲストとして招いた人間が表彰する。
ゴール前で陣取り中の葉月は春道愛用のビデオカメラで撮影すると、昨日から張り切っていたのである。
「わかったよ。こうなったら全力でやってやる」
*
所詮は市が開催する小さなマラソン大会でしかないので、一般で参加するのは関係者が多い。
そこに普段運動していた効果も加わり、春道は8位入賞を果たした。
ふらふらになってゴール地点の市営の陸上競技場に座り込んでいると、ムーンリーフの制服姿の葉月が様子を見に来た。
「パパ、恰好よかったよ」
受け取った水を胃袋に流し込み、一息つこうとするも、さすがに10キロメートルは中年男性には過酷だった。
言葉もなく「ハアハア」と息を切らすだけの春道の隣に腰を下ろすと、葉月は改めてビデオカメラを構える。
そうしてしばらくすると、和葉もなんとかゴールした。
一般女性の中では上位だが、入賞には僅かに届かなかった。
その頃には春道の体力も少しだが回復しており、葉月にしてもらったように愛妻へペットボトルの水を手渡す。
和葉の息が多少なりとも落ち着くのを待ってから、春道は入賞できたのを報告する。
「さすが春道さんね」
「鬼コーチのおかげだよ」
「聞かなかったことにするわ」
囁き合うように言って、クスクスしていたら、心配そうな葉月がやってきた。
「実希子ちゃんがまだゴールしてないんだ。ママ、途中で見なかった?」
これには首を左右に振った和葉だけでなく、春道も驚いた。
体力自慢の実希子であれば、笑いながら男女総合一位でゴールするとばかり思っていた。
「あっ、来た!」
ホッとした様子で言う葉月の視線の先で、トレードマークのポニーテールを揺らしながら実希子がゴールした。
「実希子ちゃん、大丈夫?」
「え? ああ……途中でなんか調子悪くなってな。朝、変なもんでも食ったかな」
実希子自体も原因がよくわかっていないようで首を傾げていた。
とりあえず体調には問題なさそうで、春道を含めた面々は胸を撫で下ろした。
*
表彰式では総合と各部門で3位までの入賞者の表彰が行われた。
葉月も緊張の面持ちながら役目をきっちり果たし、柚の教え子だという男児に賞状と賞品を手渡していた。
その男児は得意げに友人にピースし、その隣にいた真面目そうな女児に露骨に恰好をつけていた。
「今日は本当にお疲れ様でした」
「和葉もな」
労ってくれた愛妻の肩を叩くと、満面の笑みが返ってきた。
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