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《十三》
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日常を変えるわけにはいかない。
旦那様は、旦那様であらねばならない。
どこでどう覚えたのか、あの人はそれを完璧にこなしてみせた。戻ってきてから誰ひとり、旦那様を疑う様子もない。夜をともにする妾たちですら、旦那様が言葉少なになったことには気づいても、人そのものがすげ替えられたとは露ほども思っていない。
旦那様は完璧だ。
口調も、仕草も仕事も、そしておそらく夜も──
「胡蝶」
草木も眠る、すずしい夜。
障子の向こうにぼんやりと影があった。こんな夜更けに、この人が寝室に来るのは初めてのことだ。わたしはというと、寝間着で、髪もとかして、そのまま眠るつもりで布団に入っているから少し戸惑う。本だってまだ読みかけだ。千之助が乳離れしてようやく読めるようになったのに。
とはいえここで旦那様を迎え入れないのもおかしい。
「……どうぞ」
ひと声かけると障子が開き、大きな影が音もなく部屋に入り込む。静かに障子が閉められて、ぼんやりと、振り向いた彫りの深い横顔が灯りに照らされた。
……あまりに似ている。
どちらがどちらか、分からなくなりそうなほど。
「……まつさんから、たまには夫婦水入らずで、と言われまして」
布団の前できちんと正座をして、視線が落ちる。
それは旦那様らしからぬ口調と振る舞いで、わたしはホッと息を吐く。いつの間にか息が止まっていた。
「ああ、そう……」
まつとの今朝のやりとりが思い出される。
『あとは旦那様も、お妾だけなんとかしていただければねえ』
のらりくらりとあしらったのがかえって裏目に出てしまったのか。おせっかいなことを────頭ではそううそぶいてみせても、今朝方しつこくねぶられた手が、その記憶が、いやおうなしに肌をちりちり焦がしてゆく。
わたしは軽い夏用のかけ布団を大きく開いた。
「……いいわ、どうぞ」
旦那様が布団へ入ってくる。
わたしは座りなおし、寝間着の帯に手をかける。
いつも自分で難なくほどいているのに、今夜はどうしてか、結び目が固い。
「ほど、け、ないわ」
「僕が」
「いつもは……いつもはこんなことないの、ほんとよ……」
「ええ、分かっています」
固かった結び目が旦那様の手でするすると容易くほどけて、合わせ目がとろりと開く。全部脱いでしまおうと襟をつかみかけて、ようやく、結び目が全然ほどけなかった理由がわかった。
指先が震えている。
こんなの、力が入るはずもない。
「お嬢さん、今日はもう休みましょう」
襟をつかんだわたしの手を旦那様が止める。
顔を上げる。旦那様の表情も、口ぶりも、いつもと変わらず平然としていてわたしはなぜだか泣きたくなる。
「無理を言いました。お嬢さんがここまでどんな思いを抱えてきたかは分かっていたはずなのに……いやなことを、させてしまった」
「ちが、ちがうわ、まって」
「大丈夫、まつさんには上手く言っておきます。僕もほかの部屋で休みますからどうか……お顔がまっしろだ……」
ほかの部屋、とは一体どこだろう。
シヅかアキエか……ヨシコのところか。
そう思うと一瞬たりとも我慢できなかった。なにか言うよりも先に片手が振り上がり、強い音を立ててその人の頬を引っぱたく。手のひらがじんと痛い。
「ヨシコのところへ、いくの?」
「っお嬢さん、なにを」
「あの女、あのおんなっ……知っていて? おまえのことがすきなのよ。今日だって、ずいぶん自慢げにおまえのことをほかの妾に話して……ふふっ……ヨシコはねえ、びっこ片目で不出来なわたしのかわりに、この屋敷の奥方様になってくれるんですって」
「……は?」
じんじんと痛む手でその人の襟を引っつかむ。
思い出すのはやはり七年前の夜の庭の池だった。あの血なまぐさい池のほとりで、わたしはいまだに動けないでいる。
「でも許さないわ、ええ、絶対に許さない。だっておまえはわたしのものだもの。おまえは、わたしの旦那様になったんでしょう……!?」
襟をつかんでいた手に手が重なる。
そっと手を離され、かと思えば両手ともを包まれつよく握られる。わたしは彼を見た。彼も、私を見た。
夜の池は彼の瞳のなかにあった。
「……『いたましい事だ』」
わたしの喉がヒュッと鳴る。
潰れた目に触れられて腕が、ぐ、と縮こまろうとする。実際には両手ともを握られているからわずかに震えただけだったが、それで、男は確信を得たように鼻で笑った。
「確かそう言ったんでしたね、あれは」
わたしを掴んでいた大きな手が、蛇のようにスルスルと腕をつたい、両の乳房をすっぽり包んだ。大きさも形さえも寸分変わらないというのに、触れられたところが敏感になって、焼け付くようにひりひり熱い。
「それから『心臓がうさぎみたいに跳ねている』と……本当だ。本当にうさぎみたいに跳ねるんですね、あなたの心臓は」
「あ……っおぼえて……」
「覚えていますよなにもかも。忘れるもんか。この天井で、あなたが抱かれるのをずっと見ていた……あなただって分かっていたはずだ。だから、あのメモとも言えぬ書きつけを飲み込んだ」
「あっ!」
胸にあった手がうしろへ回り、きつく抱きしめられたまま押し倒される。天井。もう見飽きた。そうだ、いつだってわたしは『ウエ』を、届かない天井を見て過ごしてきた。でも今は違う。
「お嬢さん、あなたは僕におっしゃいましたね。許さないと。僕はお嬢さんのものになったんだろうと……僕の答えを言わせてください」
手を伸ばせば、すぐ届く。
声が聞こえる。
こらえきれなくなってくちづけをする。とろけるように熱い。こらえきれなかったのがどちらなのか考えずとも、どちらともなのだと思える。それがなによりの答えだったが、男は長いくちづけのあと、わたしの耳朶に唇をぴったりとそえて、荒んだ吐息ごと答えを吹き込んだ。
「ええ、そうです……あなたの夫になるために、僕はここまで戻ってきたんだ」
旦那様は、旦那様であらねばならない。
どこでどう覚えたのか、あの人はそれを完璧にこなしてみせた。戻ってきてから誰ひとり、旦那様を疑う様子もない。夜をともにする妾たちですら、旦那様が言葉少なになったことには気づいても、人そのものがすげ替えられたとは露ほども思っていない。
旦那様は完璧だ。
口調も、仕草も仕事も、そしておそらく夜も──
「胡蝶」
草木も眠る、すずしい夜。
障子の向こうにぼんやりと影があった。こんな夜更けに、この人が寝室に来るのは初めてのことだ。わたしはというと、寝間着で、髪もとかして、そのまま眠るつもりで布団に入っているから少し戸惑う。本だってまだ読みかけだ。千之助が乳離れしてようやく読めるようになったのに。
とはいえここで旦那様を迎え入れないのもおかしい。
「……どうぞ」
ひと声かけると障子が開き、大きな影が音もなく部屋に入り込む。静かに障子が閉められて、ぼんやりと、振り向いた彫りの深い横顔が灯りに照らされた。
……あまりに似ている。
どちらがどちらか、分からなくなりそうなほど。
「……まつさんから、たまには夫婦水入らずで、と言われまして」
布団の前できちんと正座をして、視線が落ちる。
それは旦那様らしからぬ口調と振る舞いで、わたしはホッと息を吐く。いつの間にか息が止まっていた。
「ああ、そう……」
まつとの今朝のやりとりが思い出される。
『あとは旦那様も、お妾だけなんとかしていただければねえ』
のらりくらりとあしらったのがかえって裏目に出てしまったのか。おせっかいなことを────頭ではそううそぶいてみせても、今朝方しつこくねぶられた手が、その記憶が、いやおうなしに肌をちりちり焦がしてゆく。
わたしは軽い夏用のかけ布団を大きく開いた。
「……いいわ、どうぞ」
旦那様が布団へ入ってくる。
わたしは座りなおし、寝間着の帯に手をかける。
いつも自分で難なくほどいているのに、今夜はどうしてか、結び目が固い。
「ほど、け、ないわ」
「僕が」
「いつもは……いつもはこんなことないの、ほんとよ……」
「ええ、分かっています」
固かった結び目が旦那様の手でするすると容易くほどけて、合わせ目がとろりと開く。全部脱いでしまおうと襟をつかみかけて、ようやく、結び目が全然ほどけなかった理由がわかった。
指先が震えている。
こんなの、力が入るはずもない。
「お嬢さん、今日はもう休みましょう」
襟をつかんだわたしの手を旦那様が止める。
顔を上げる。旦那様の表情も、口ぶりも、いつもと変わらず平然としていてわたしはなぜだか泣きたくなる。
「無理を言いました。お嬢さんがここまでどんな思いを抱えてきたかは分かっていたはずなのに……いやなことを、させてしまった」
「ちが、ちがうわ、まって」
「大丈夫、まつさんには上手く言っておきます。僕もほかの部屋で休みますからどうか……お顔がまっしろだ……」
ほかの部屋、とは一体どこだろう。
シヅかアキエか……ヨシコのところか。
そう思うと一瞬たりとも我慢できなかった。なにか言うよりも先に片手が振り上がり、強い音を立ててその人の頬を引っぱたく。手のひらがじんと痛い。
「ヨシコのところへ、いくの?」
「っお嬢さん、なにを」
「あの女、あのおんなっ……知っていて? おまえのことがすきなのよ。今日だって、ずいぶん自慢げにおまえのことをほかの妾に話して……ふふっ……ヨシコはねえ、びっこ片目で不出来なわたしのかわりに、この屋敷の奥方様になってくれるんですって」
「……は?」
じんじんと痛む手でその人の襟を引っつかむ。
思い出すのはやはり七年前の夜の庭の池だった。あの血なまぐさい池のほとりで、わたしはいまだに動けないでいる。
「でも許さないわ、ええ、絶対に許さない。だっておまえはわたしのものだもの。おまえは、わたしの旦那様になったんでしょう……!?」
襟をつかんでいた手に手が重なる。
そっと手を離され、かと思えば両手ともを包まれつよく握られる。わたしは彼を見た。彼も、私を見た。
夜の池は彼の瞳のなかにあった。
「……『いたましい事だ』」
わたしの喉がヒュッと鳴る。
潰れた目に触れられて腕が、ぐ、と縮こまろうとする。実際には両手ともを握られているからわずかに震えただけだったが、それで、男は確信を得たように鼻で笑った。
「確かそう言ったんでしたね、あれは」
わたしを掴んでいた大きな手が、蛇のようにスルスルと腕をつたい、両の乳房をすっぽり包んだ。大きさも形さえも寸分変わらないというのに、触れられたところが敏感になって、焼け付くようにひりひり熱い。
「それから『心臓がうさぎみたいに跳ねている』と……本当だ。本当にうさぎみたいに跳ねるんですね、あなたの心臓は」
「あ……っおぼえて……」
「覚えていますよなにもかも。忘れるもんか。この天井で、あなたが抱かれるのをずっと見ていた……あなただって分かっていたはずだ。だから、あのメモとも言えぬ書きつけを飲み込んだ」
「あっ!」
胸にあった手がうしろへ回り、きつく抱きしめられたまま押し倒される。天井。もう見飽きた。そうだ、いつだってわたしは『ウエ』を、届かない天井を見て過ごしてきた。でも今は違う。
「お嬢さん、あなたは僕におっしゃいましたね。許さないと。僕はお嬢さんのものになったんだろうと……僕の答えを言わせてください」
手を伸ばせば、すぐ届く。
声が聞こえる。
こらえきれなくなってくちづけをする。とろけるように熱い。こらえきれなかったのがどちらなのか考えずとも、どちらともなのだと思える。それがなによりの答えだったが、男は長いくちづけのあと、わたしの耳朶に唇をぴったりとそえて、荒んだ吐息ごと答えを吹き込んだ。
「ええ、そうです……あなたの夫になるために、僕はここまで戻ってきたんだ」
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