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3.彼らの関係
☆その10、お友だちには慰めてもらおう②
しおりを挟む冷たい目。
「それだけなの? あいつ、こんなので勃った?」
怖い。見抜かれてる。
のろのろした下手な動きだから、当然だった。
咥えながら両手を背中に回して、ブラのホックを外す。まろび出たムダに大きな胸で陰茎を包んで、上下に揺らして、先だけを咥え直して吸い上げた。ラブホで見たAVの受け売り。ビデオを流しながら、「おんなじことして」って言われた。
「ん……ぅう……」
胸の先を、自分で慰める。女優さんはいやらしい声を上手にあげてたけど、私は最後までうまく出来なかった。自分でやったって何にも気持ちよくないし、私は女優さんなんかじゃない。
……でも……
じゅっぽ、じゅっぽ。
塩っぽい先走りとよだれの絡んだものが胸に流れて、下品な音がしてる。ふうふうと、息が荒くなるのが自分でわかっていた。多分、濡れてる。Uくんの時とは違って、身体がこの先を期待してる。
「っ……」
音のない、彼の吐息が聞こえると、余計じくじくと身体がうずいた。胸を持つ手に力が入って、早くなって、谷間にある彼のものは燃えるように熱い。気持ちよくなって。おねがい。怒らないで。
「ン、ふぅ、う……ッ」
「もういいよ」
冷たい声で一蹴されては、やめるしかなかった。
顔を上げる。きれいな眉を不均等に歪めながら見下ろされる。勃ってはいるけど、全然、気持ちよさそうには見えない。やっぱり下手なんだ。一生懸命やってもダメなんだ。
涙が出そうになるのを、ぐっと堪える。
「それで。この次はどうするの」
「久遠さん……」
「あいつは名前なのに、俺は名字なんだ?」
「あ……」
だって。
恋人なんかじゃないのに。私、ただのセフレなのに。今までだってそうしてきたのに。反論したいけど、それが許される空気ではなかった。望むままにしなきゃ、私はここで、またひとりになる。
「あきひとさん」
「……まあ、いいけど。で? 次は?」
見放されたくない。
彼の上着を脱がせていく。黒のジャケットに白のTシャツ。シンプルなのにおしゃれで、すごく格好いい。脱いだ身体も均整がとれていて、だらしない身体の私や、Uくんとも全然違う。
身体が、呼吸が近づく。
いいかな、いいのかな……
キスをする。今度はそうっと。怒られないように。
唇を重ねて、舌先で少し舐めると開いてくれて、ほっとする。よかった……応えてくれた。舌を舐めてかさねて、いつもしてもらってるバードキスを繰り返す……嫌がられない。よかった。
ほっとしたら、気が緩んでしまった。
「……なんで泣いてんの」
ダメだ、しらける。こんなの嫌がられる。
「う、ううん、なんでもないの。あの、寝転んでて、ください……」
顔を伏せれば、ぎりぎり目尻で止まっていた涙は引っ込んだ。よかった。寝転んだ彼の、すでにジッパーの開いたズボンとパンツは一緒に下ろしてしまう。私も下着を脱いで、彼の上へ。
Uくんの時もこうだった。疲れてたり、しんどい時は私が動かなきゃいけないから、騎乗位。でもこれ、腰の動かし方が難しくて下手だと言われた。「気持ちよくない」って。だからあんまり、自信はない。
「……」
「んッ……ぁ……」
性器が合わさる。はずかしい。彼が呆れているような気がして、冷たい目を見たくなくて目が開けられない。それでも彼のものにクリが引っかかると、自分だけ気持ちよくなって、思わず声が出てしまう。最低。
腰をゆるゆる動かしながら、自分がどれだけ濡れているのかを確かめた。うん、たくさん濡れてる。これならきっと大丈夫。
ねえ、私で気持ちよくなって。
いつもみたいに、やさしくして。
「……待って、ゴムしてないし、それにッ……」
今だけでいいから。
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