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第一章 森の中の転生姫は王子と密会する
10. 突如現れた魔女
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タイトルとあらすじを変更しました。
____________________________________________
コンコンっと言う扉の音で目が覚める。
(あぁ。私昨日そのまま寝ちゃったんだわ。それにしてもテオかな。忘れ物かしら?)
「はーい!今開けます」
そう言い扉を開ける。
するとそこにはテオではなくいかにも魔女といったような風貌のおばあさんが立っていた。
「やぁ。初めまして。わたしは魔女のサティ。よろしくよ、お嬢ちゃん」
魔女のサティはそう言いこちらに笑顔を向けた。
「初めまして、サティさん。私はえみりです、どうされましたか?」
(あれ?ここには精霊持ちしか入れないんじゃなかったっけ…)
「実はわたしの精霊が元気なくての。精気の強いここまで辿り着いたわけじゃ。」
(あ、やっぱり魔女さんは精霊持ちなのか)
「精霊が元気になるまでここで休んでいかれますか?」
にこっと微笑み、紅茶を出す準備を始める。
お茶を入れていると後ろから、
ズズズズっ
と変な音がしたので振り返ってみると、そこにはさっきのおばあさんではなく、背の高い黒髪で全身黒の鎧の騎士らしき男が立っていた。
「お嬢ちゃん、お人好しは身を滅ぼすぜ」
そう言われた瞬間に意識が遠のいた。
・°・°・°・°・°・
ズキッと頭痛がして目を覚ますと、
そこは古い石造りの部屋だった。
(ここは…どこ?)
わたしの他に人間は誰もいない。
部屋から出ようと入り口のドアノブを捻ったが、鍵がかかっている。
それならば窓から!と窓を覗くと…
「っきゃー!!なにこれ!」
窓の下は地面が見えないほど高く、ここは塔の中なのだとはっきりした。
逃げ場はないようだ。
「はぁ。なんか元の世界にこんな童話あったよなあ。森の中で合う魔女といい、この塔と言い既視感が…」
「何が既視感って?」
ひゃっ!いつのまに?!
「あなた、さっきの…。
気を失わせて私をここに連れてきたのはあなた!?」
黒髪の男は黒い笑みを浮かべた。
「ハッ。アイツは精霊の森に置いておけば安全とでも考えたんだろうけど。それにしてもこんなお嬢ちゃんを1人にしておくなんて無防備すぎるな」
男はそう言い嘲笑った。
「ちょっと、此処はどこなの?!」
「さぁ。どこだろうね、おじょうちゃん♪」
(この悪魔完全に馬鹿にしている。)
「あー。あー。そんなに睨むなって。お嬢ちゃんを重い責任から逃してあげようとしてるんだから」
「えっどうゆうこと?」
「この世界が助かる方法は水の精霊との子供を産むか、闇の精霊王を復活させるかなんだ。そして俺が闇の精霊王と契約し、復活させることを約束した。」
「え、もし闇の精霊王が復活したらどうなるの?」
「森の一部を住処にするだろう」
え?それだけ?
「それだけなら何故これまでそうして来なかったの?」
「人間は闇の精霊王を恐れている。それが理由だ。」
色々他にも聞きたいことがあったが、男は「もう質問は終わりだ!」と部屋を出て行った。
「…オーちゃん?居る?」
「えみり。やっと呼んでくれたわね、遅いっ!」
オーちゃんは拗ねたように頬を膨らませてそう言う。
「ごめんごめん、オーちゃん。それでこれはどうゆう状況?」
「うーん。簡単に言うと誘拐ね⭐︎」
オーちゃんはテヘペロっと舌を出した。
「…やっぱりそうよね…。でもさ、闇の精霊王の復活の話は本当なのかな?」
「私が知ってる闇の精霊王はね、強欲の塊よ。世界全てを自分のものにしようとして封印されたの。だから、あの男は精霊王に騙されていると考えるのが妥当かしら。」
(世界をって事は、闇の精霊が復活したらこの世界は乗っ取られてしまう。だけど元の世界は救えるってこと…?)
私は混乱したが、この世界を守る為にはやはり私が王子との子を産まねばならないと言う事は分かった。
「オーちゃん、精霊王は私を拘束して何がしたいのかしら」
「恐らく、えみりが王子の子を産むのを阻止したいんだと思うわ。弱っている緑の世界なら滅せる。けれど水の精霊と緑の精霊が結びつき強固になってしまうと滅ぼす事は出来ない。」
「なるほどね。だからこの世界が強固になる前に私を排除して滅ぼそうって寸法ね。」
「うん。そう思うわ。でもえみり、大丈夫よ! 緑の精霊達がえみりがいないことに気づいて王子やロンに伝えているはず!」
「そうね!助けを待ちましょう!」
_____________________________________________
ありがとうございました。
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コンコンっと言う扉の音で目が覚める。
(あぁ。私昨日そのまま寝ちゃったんだわ。それにしてもテオかな。忘れ物かしら?)
「はーい!今開けます」
そう言い扉を開ける。
するとそこにはテオではなくいかにも魔女といったような風貌のおばあさんが立っていた。
「やぁ。初めまして。わたしは魔女のサティ。よろしくよ、お嬢ちゃん」
魔女のサティはそう言いこちらに笑顔を向けた。
「初めまして、サティさん。私はえみりです、どうされましたか?」
(あれ?ここには精霊持ちしか入れないんじゃなかったっけ…)
「実はわたしの精霊が元気なくての。精気の強いここまで辿り着いたわけじゃ。」
(あ、やっぱり魔女さんは精霊持ちなのか)
「精霊が元気になるまでここで休んでいかれますか?」
にこっと微笑み、紅茶を出す準備を始める。
お茶を入れていると後ろから、
ズズズズっ
と変な音がしたので振り返ってみると、そこにはさっきのおばあさんではなく、背の高い黒髪で全身黒の鎧の騎士らしき男が立っていた。
「お嬢ちゃん、お人好しは身を滅ぼすぜ」
そう言われた瞬間に意識が遠のいた。
・°・°・°・°・°・
ズキッと頭痛がして目を覚ますと、
そこは古い石造りの部屋だった。
(ここは…どこ?)
わたしの他に人間は誰もいない。
部屋から出ようと入り口のドアノブを捻ったが、鍵がかかっている。
それならば窓から!と窓を覗くと…
「っきゃー!!なにこれ!」
窓の下は地面が見えないほど高く、ここは塔の中なのだとはっきりした。
逃げ場はないようだ。
「はぁ。なんか元の世界にこんな童話あったよなあ。森の中で合う魔女といい、この塔と言い既視感が…」
「何が既視感って?」
ひゃっ!いつのまに?!
「あなた、さっきの…。
気を失わせて私をここに連れてきたのはあなた!?」
黒髪の男は黒い笑みを浮かべた。
「ハッ。アイツは精霊の森に置いておけば安全とでも考えたんだろうけど。それにしてもこんなお嬢ちゃんを1人にしておくなんて無防備すぎるな」
男はそう言い嘲笑った。
「ちょっと、此処はどこなの?!」
「さぁ。どこだろうね、おじょうちゃん♪」
(この悪魔完全に馬鹿にしている。)
「あー。あー。そんなに睨むなって。お嬢ちゃんを重い責任から逃してあげようとしてるんだから」
「えっどうゆうこと?」
「この世界が助かる方法は水の精霊との子供を産むか、闇の精霊王を復活させるかなんだ。そして俺が闇の精霊王と契約し、復活させることを約束した。」
「え、もし闇の精霊王が復活したらどうなるの?」
「森の一部を住処にするだろう」
え?それだけ?
「それだけなら何故これまでそうして来なかったの?」
「人間は闇の精霊王を恐れている。それが理由だ。」
色々他にも聞きたいことがあったが、男は「もう質問は終わりだ!」と部屋を出て行った。
「…オーちゃん?居る?」
「えみり。やっと呼んでくれたわね、遅いっ!」
オーちゃんは拗ねたように頬を膨らませてそう言う。
「ごめんごめん、オーちゃん。それでこれはどうゆう状況?」
「うーん。簡単に言うと誘拐ね⭐︎」
オーちゃんはテヘペロっと舌を出した。
「…やっぱりそうよね…。でもさ、闇の精霊王の復活の話は本当なのかな?」
「私が知ってる闇の精霊王はね、強欲の塊よ。世界全てを自分のものにしようとして封印されたの。だから、あの男は精霊王に騙されていると考えるのが妥当かしら。」
(世界をって事は、闇の精霊が復活したらこの世界は乗っ取られてしまう。だけど元の世界は救えるってこと…?)
私は混乱したが、この世界を守る為にはやはり私が王子との子を産まねばならないと言う事は分かった。
「オーちゃん、精霊王は私を拘束して何がしたいのかしら」
「恐らく、えみりが王子の子を産むのを阻止したいんだと思うわ。弱っている緑の世界なら滅せる。けれど水の精霊と緑の精霊が結びつき強固になってしまうと滅ぼす事は出来ない。」
「なるほどね。だからこの世界が強固になる前に私を排除して滅ぼそうって寸法ね。」
「うん。そう思うわ。でもえみり、大丈夫よ! 緑の精霊達がえみりがいないことに気づいて王子やロンに伝えているはず!」
「そうね!助けを待ちましょう!」
_____________________________________________
ありがとうございました。
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